中国語検定とHSKの違いを徹底比較|あなたに合った試験はどっち?

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中国語の資格試験の中で、とくに有名なのは中国語検定とHSKの2つ。中国語学習に資格試験の受験を取り入れるのはモチベーションにも繋がるのでおススメです。まずは試験の特徴を知って、目標を設定してみませんか?資格へのチャレンジこそ、中国語を習得する近道です!

この記事では「自分にピッタリな検定はどっち?」「中国語検定とHSKの違いを知りたい!」「勉強するなら何級から始めればいいの?」といった疑問を抱えている人のために、中国語検定とHSKのそれぞれの特徴と目的別にオススメの検定をご紹介します。

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1. 中国語検定とHSKの基本情報

どちらの中国語の検定が、より自分に向いているかを知るために、まずそれぞれの検定の基本情報を知ることから始めましょう。

1-1. 各試験の目的と特徴

まずは2つの検定について、それぞれ特徴をまとめました。

試験名称 主催 特徴
中国語検定試験(中検) 一般社団法人 日本中国語検定協会 ・日本語と中国語の相互理解、聴解、翻訳能力を問う
・日本企業で活躍を目指す人向け
漢語水平考試(HSK) HSK主催教育部 中外语言交流合作中心 ・中国語のコミュニケーション能力や運用力を問う(中国語による試験)
・中国の大学本科への留学や転勤・出張などで活躍を目指す人向け

中国語検定の主催団体、日本中国語検定協会です。中国語検定は日本で開発された試験システムで、「中国語の正確な知識と日本語との相互能力が求められる検定」です。そのため、中国語を扱う日本企業で活躍したい人に向いており、マニアックな内容も出題されるため、知識量が問われる試験でもあります。

一方、HSKはHSK主催教育部中外语言交流合作中心が主催となっており、中国政府公認の試験です。簡単にいうと「世界共通の検定」です。問題文や選択肢、リスニングの質問など試験に関わる文章は全て中国語で出題されます。特にコミュニケーション能力が問われる、より実用的な検定で、ネイティブに通じる中国語の取得につながります。

また、HSKと中国語検定の両方を受けた私の経験からは、中国語検定の方が正確な翻訳能力を求められた分、難しく感じました。

1-2. 各級の特徴

HSKは1級から6級までの6段階で、数字が大きくなるほど難しくなります。一方中国語検定は準4級から1級までの6段階で、HSKとは反対に数字が小さくなるほど難しくなります。

またここに記載されているHSKKとは、HSKと同じ主催団体HSK主催教育部 中外语言交流合作中心が行っている、リスニング・読解・作文で構成されるHSKとは別に、中国語スピーキング能力の測定に特化した検定試験です。同じ表に記載いたします。

また各級で求められる実力を表にまとめました。

HSK 中検 語彙数・求められるレベル
6級 準1級 HSK:約5000語
└ ビジネスで即戦力として使えるレベル
中検:語彙目安なし
└ 実務に即従事できる能力がある
5級 2級 HSK:約2500語
└ ビジネス利用の最低基準レベル
中検:約3000~6000語
└ 実務能力の基礎ができている
4級 3級 HSK:約1200語
└ ネイティブと自然に会話できる
中検:約2000語
└ 応用力を養いうるレベル
3級 4級 HSK:約600語
└ 学習や生活場面で基本会話が可能
中検:約1000語
└ 中国語の基礎をマスター
2級 準4級 HSK:約300語
└ 簡単な日常会話ができる
中検:約500語
└ 学習の準備ができている段階
1級 HSK:約150語
└ 簡単な単語やフレーズを理解・使用可能
中検:–
└ 対応なし
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1-3. 受験料

費用面で見ると、どちらの試験でも級・レベルを上げるごとに費用が高くなります。中国語検定の方が若干安くなっているため、受験の際は一つの基準にしてみてください。(中国語検定は2025年4月改定)

項目 HSK(筆記)

中国語検定

6級 11,550円
5級 9,900円
準4級 3,800円
4級 7,920円 5,800円
3級 6,600円 6,800円
2級 5,060円 8,800円
準1級 11,800円
1級 3,850円 13,800円

1-4.【受験のポイント】開催の頻度と受験地をチェック

中国語検定は年3回(3月、6月、11月、※1級は11月の1回のみ)の開催で準1級と1級のみ2次試験があります。

比較的、試験の開催地が多く、会場も固定していることがほとんどですので、遠方の場合は前日に会場付近で宿泊して受験するなどの計画が立てやすいです。

一方でHSKは毎月開催されますが、その月により全国の主要都市での開催や1~2カ所のみで開催される場合など、受験会場が毎回異なります。まずは公式サイトで開催日と受験地の確認を。自宅の近くで開催される月に受験する、または早く受験したいなら少し遠方の会場に足を運ぶなど、計画を立ててみてください。

実際に中国語検定、HSKを受けたフルーエント講座の受講生さんの体験談をご紹介します。

HSK受験 体験談 ~試験会場の環境が影響する?~ 

HSKを中国で受ける場合、都心部では受験地が多くてありがたいもの。

しかし、受験地の環境や設備の状態が、試験結果に影響する場合があります。以前、中国の大学でHSKを受験した時、リスニング試験でヘッドフォンを使用する設備がない会場でした。(別の会場で受けた時はヘッドフォンを使用できました)
試験中に外にいた学生たちの話し声、レンタル自転車の鍵を開けるピッという音が聞こえてきました。とにかく「リスニングの音声に集中しよう!」と頑張った記憶があります。

HSK受験の際は、あらかじめ経験者に会場の環境についてリサーチしておくと安心です。

中国語検定 体験談 ~受験地の関係でHSKではなく中国語検定を選んだ~

自分の中国語力を試す目的で検定にチャレンジしようと思い、受験地を調べたところHSKは自宅の近くでの開催がありませんでした。(四国在住の方。当時のHSK試験は岡山まで行かないと受けられなかった)

中国語検定は自宅の近くに試験会場があったので、気軽にチャレンジすることができました。

試験にチャレンジする際、受験地の環境や立地は重要ですね。

会場の位置が分かっていても、実際の受験会場となる部屋、その雰囲気までは現地に行ってみないと分かりません。事前にアクセス情報や会場の雰囲気について、情報を集めておくと安心です。

2. 中国語検定とHSK出題内容の比較

2-1. 出題内容

それぞれの試験で出題される内容・セクションをまとめました。

試験の種類・級 リスニング リーディング ライティング スピーキング
HSK1~2級 × ×
HSK3~6級
中国検定準4~2級 ×
中国語検定準1~1級

コミュニケーション能力を問うHSKは、リスニングに比重が置かれている試験。初級レベルの1級と2級では、リスニング・リーディングの回答が全てマークシート方式です。基本的なコミュニケーション能力を証明する3級以上の試験から、作文力を試すライティングが追加されます。

また、HSKのスピーキングは、前述の通り別で「HSKK口試」という会話力を判断する口頭試験があり、レベルごとに初級、中級、高級に分かれています。

中国語検定は中国語と日本語の相互力を問う試験のため、最も簡単な準4級からライティングの試験があります。難易度がグッと上がる準1級と1級では、スピーキング試験が加えられます。一般的に中国語検定にチャレンジする際、「準1級合格」が事実上のゴールといわれます。

こちらの記事では中国語に関する資格の種類を紹介しています。どうぞ併せてご覧ください。

2-2. 問題形式の違い

問題形式の違いについて、ここでて具体的に中国語検定3級とHSK3級とで比較してみます。

試験項目 中検3級(中国語検定試験) HSK3級(漢語水平考試)
リスニング(倾听)
問題数 約10~25問 40問
問題形式 会話や短文・長文の内容理解など 短文・対話・長文の内容理解など
特徴 長さの異なる音声を聞いて選択肢を選ぶ 4セクションに分かれ形式の異なる問題が出題
読解(阅读)
問題数 約10~20問 30問
問題形式 長文読解・文法・語彙・ピンイン・並べ替え問題など 内容把握、文の選択、文の完成などの問題が出題
特徴 幅広い語彙・文法と日中翻訳の力を問う 短文・長文を読み実用的な内容の理解を問う
筆記(写作)
問題数 約5~10問 10問
問題形式 空欄補充や文の構成を問う問題 文構成の整理と文選択を行う問題
特徴 記述中心の出題で書き取り力が問われる 文構成や文法力を問う問題が多く出題される
試験時間 約100分 約90分
試験言語 日本語の指示が含まれる すべての指示で中国語

2-3. 作文内容

HSKと中国語検定は作文の内容について大きな違いがあります。前述の通り、HSKは3級以上、中国語検定はすべての級で作文が出題されます。

HSKは、実際のコミュニケーションの場面に近い能力を問われます。ですので、自由度が高く、答えは一つだけというわけではありません。

一方中国語検定は中国語・日本語の通訳や翻訳の能力が重視されるため、文章の理解や翻訳スキルが求められる問題が多く出題されます。中国語検定1級は「ネイティブですら受からない」といわれるほど、難易度が高すぎる資格。とはいえ、チャレンジして見事合格した暁には、「中国語のプロとして活躍できる」裏付けになります。最終的な目標、人生の目標として掲げることもオススメです。

3. 目的別|おすすめの試験はどっち?

中国語検定とHSKは、1-1でもご紹介した通り出題内容や試験の特徴が異なります。それぞれの特徴と自身の目的とをすり合わせてどちらを受験するか選んでみましょう。

一番いいのは「両方を受けてみること」です。内容が異なる試験ですので、どちらも受験することで自分の苦手な部分やその時点での実力を見ることができます。

しかし両方受験すると、その分だけ時間も費用もかかります。どちらか一方に絞るなら、中国語ゼミではより実践的で世界基準の資格として扱われるHSKをおすすめしています。

また自分が「いつ、どこで中国語を使いたいのか」によっても、優先したい試験は異なります。迷っている方は、これから紹介する3パターン「ビジネス、日常会話、スキルアップ」から優先すべき試験について考えてみてください。

中国語検定とHSK以外の中国語の資格についてはこちらの記事をご参考ください。

3-1. ビジネスの場で使用する場合

ビジネスの場が日本国内なら「中国語検定」、海外の企業なら「HSK」がおすすめです。

日本国内の企業 海外の企業
中国語検定 HSK

中国人とのコミュニケーションを実践的に学ぶHSKは、2017年4月より外国人就業許可制度に新項目として追加されています。(※外国人就業許可制度とは外国人が中国働くために必要な就業ビザを取得する際、学歴、年収、勤続年数などを点数化し、ランク分けしたものになります。点数が低いとビザを発行してもらえないことがあります。2017年からそれらに加えHSK獲得級も点数に加算されるようになりました)

中国に拠点のある日系企業の駐在員を目指す場合も、HSK試験が評価の対象となるため、特に海外で広く活躍したい方にはおすすめです。

一方、日本国内の企業に限る場合、訳す力が身につく中国語検定が役立つでしょう。日本語との相互性を広く学べるため、国内において評価されやすいからです。

しかしビジネス全体で考えると、世界で通用し中国政府が公認しているHSKの方が有利です。

仕事で忙しくて「語学スクールに通えない」という人にはフルーエント通信講座がおすすめ。フルーエント講座は通信系で唯一の、HSK認定校です。

学長の三宅裕之もHSKの公式サイトにて『HSKとは何か?』をご説明しています。こちらをご覧ください。

3-2. 日常生活で使用する場合

どちらの検定でも自然と日常生活で使える力が身につくため、自分が目指したいレベルに合わせて選ぶと良いでしょう。

日常生活で使用する場合
中国語検定・HSKのどちらでも可能

HSKは試験問題が全て中国語で聞かれ、中国語で答える試験。そのため、中国人とのコミュニケーションで実践的な力が身につきます。旅行や仕事など、中国人と接することに重点を置いて学びたい方に向いています。

中国語検定は日本語で聞かれ中国語で答える試験。「訳す力」が身につきやすく、自分の日常を中国語に変換する能力を高められます。中国語の本や漫画を読んでみたい方、翻訳の仕事などに興味がある人に向いています。

また、会話力をアップしたいなら「HSKK」がオススメ!HSKはリスニング・筆記(リーディング・ライティング)のみですが、HSKKは中国語会話力の試験に当たります。試験合格のために勉強することで、自然と会話力を身に着けられるます。

3-3. 自分の中国語スキルを試したい場合

中国語のスキルを試したい、今まで中国語を学んできた成果のためなら、どちらもオススメです!

自分の中国語スキルを試したい場合
中国語検定・HSKのどちらでも可能

ポイントとして、HSKは国内でもほぼ毎月開催されていますが、中国語検定は年に3回の開催です。ただし開催場所は中国語検定の方が多いという特徴もあります。自分が受験できるタイミングに合わせて、どちらかを選んでチャレンジしてみてください。

4. 何級から勉強し始めればいい?

HSKか中国語検定か、どちらを受けるか決まったら、次は何級から勉強すればいいか気になりますよね。初心者の方と、すでに中国語を学習されている方でそれぞれおすすめが違います。以下の表を参考にしてください。

初心者の方 学習されている方
HSK検定2級 / 中国語検定4級 過去問を問いて「少し難しい」と感じる級

中国検定、HSK共に公式サイトにて、簡単にレベルチェックができるように一部の過去問を公開しています。詳しくは以下よりご覧ください。

それでもどちらを受験するか迷う場合、中国ゼミからの答えは「何級でも良いのでまずは受けてみよう!」です。低い級の試験でもいいので、先に申し込んでしまいましょう。すると「試験合格」という勉強の目標が定まるため、短期間のうちに集中した学びが得られ、モチベーションアップにも繋がります。

また試験勉強をすると「自分はここが分かっていなかったんだ」と今の学力や苦手な部分を理解できます。すでに学習を進めている方は、試験へのチャレンジによって自分自身の成長を後押しできます。そして合格できれば自信につながり、さらに上の級を目指して意欲的に勉強できるでしょう。

「試験」と聞くと固く考えがちかもしれません。何はともあれ、まず受験!悩むより先に「申し込み」という行動を起こしましょう。試験を自分の予定にブロックすることで、自然と勉強に取り組むようになり、中国語力をどんどんアップさせられるのです。

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5. 中国語検定とHSKで一発合格するための勉強方法

勉強方法を入門から上級まで、発音や単語など学習項目ごとに勉強方法をまとめました。

表を見ていくと、どこから勉強していけばよいのか分かりますよね。また人によって発音が得意な人もいれば、単語の暗記が得意な人もいます。まずは合格を目指す級に必要な実力に対して「自分がいま何を学ぶべきなのか」「苦手としていることは何か」を明確にしておくことが、合格への近道といえるでしょう。

 

よくある質問

中国語検定とHSKどちらの方が難しいですか?

一般的に 中国語検定の方が難易度が高いとされています。特に 中国語検定の1級は中国語ネイティブでさえ合格が難しいとさており合格率も4~6%程です。

一方、HSK は実用的な中国語能力を測る試験であり、漢字が読める日本人にとっては有利 になりやすいです。

中国語検定は「中国語の正確な知識と日本語との相互能力が求められる検定」で、HSKは「世界共通の検定で、特にコミュニケーション能力が問われる、より実用的な検定」という特徴があります。

中国語検定3級(日常会話レベル)はHSKだとどのレベルになりますか?

「日常会話がある程度できるレベル」とされているHSK4級相当 です。ただし、中国語検定の方が 作文・和訳の難易度は高め です。

中国語検定とHSKどちらが就職に有利ですか?

HSKは中国政府公認の国際資格 なので、中国企業や外資系企業での評価が高く、どちらかといえばHSKの方が就職には有利な印象です。特に HSK5級以上を持っていると、ビジネスでの実用性があると判断されます。

一方で、日本国内の企業では 中国語検定を評価するケースもある ため、志望企業の要件を確認するとよいでしょう。

自分に必要な資格を見極めよう

試験合格という目標があると、そこに向けて「何をすべき」か自然と計画を立てやすくなります。中国語力アップのため、ビジネスのため…目的は何であれ自分に必要な資格を見極めて受験することは、学習のモチベーションアップにも効果的です。

これまで中国語を勉強してきた人も、HSKや中国語検定を受けることで自分の実力を知ることができますよね。まずは自分がチャレンジできそうな級から、実際に受験プランを計画し、資格取得に向けて動き出してみませんか。

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中国語ゼミ編集部

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編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
効率的な勉強法や挫折しないためのコツをお伝えします。
今やどこでも学習できる時代!中国語や中国文化に興味ある仲間を増やすことが私たち中国語ゼミの願いです!

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