独学で中国語の成果を上げる方法を解説!オススメ教材も紹介

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中国語を独学で習得したい、もしくは、語学教室などで習い始める前に、まずは独学での習得にチャレンジしてみたいと思う方は多いのではないでしょうか?

この記事では、”ほぼ”独学による12ヶ月間の中国語学習でビジネスレベルにまで到達した筆者(中国滞在歴10年以上、HSK6級)が、独学を成功させるために必要なこと・注意すべきポイントについて解説していきます。

また、最近は語学学習向けのアプリなども充実しているので、「これは便利!」というアプリと、その使用方法もご紹介します。

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目次

1. 中国語は独学でも習得しやすい

中国語は日本人にとって独学がしやすい言語の一つです。漢字を使用し、文法が比較的シンプルなため、欧米言語に比べて取り組みやすいと言えます。ただし、独学を成功させるには、その特徴とリスクをしっかり理解しておく必要があります。

1-1. 中国語は漢字を使う

ご存知の通り、中国語には漢字が使われているので、小さい頃から漢字に慣れ親しんでいる私たちは、中国語を勉強したことがなくても読める文字がもともと多いのです。

このことはやはり学習する上ではとてつもないメリットですね。日本人以外の方だと、会話には問題なくとも読み書きにおいて苦労している人はかなり多い印象があります。欧米人に漢字は”悪魔の文字”とも言われているほどです。

そして、漢字が読みやすいだけでなく、日本語の漢字と意味が一致しているものも少なくありません。(もちろん異なるものもあります)

1-2. 中国語は文法が簡単

中国語の文法は簡単で、学習しやすい特徴があります。その理由は以下の通り。

時制による動詞の活用変化や、名詞に性の分類がない

欧米系の言語には、現在形・過去形・現在完了形など動詞の活用変化があるもの、またひとつの単語において男性詞・女性詞・中性詞が存在しているなど、まるでパズルのような難しい文法を用いている言語も少なくありません。が、中国語にはそうしたものがないため単語は比較的覚えやすいと言えます。

ただし、欧米系言語ほど文法が厳格ではないため、感覚的な言語という印象が強く、理屈が明確でなければ理解しづらいという理論重視の方にとっては、もしかしたら厄介な言語かもしれません。

冠詞がない

英語の「a/an/the」といった冠詞が中国語にはないため、「ここではどれを使えばいいのか?」と悩むことがありません。

複雑な敬語が存在しない

中国語にも丁寧な言い方、表現というものは存在しますが、日本語にあるような謙譲語、丁寧語、尊敬語といった厳格な文法はなく、非常にシンプル。敬語は、とくに日本語においては時にまどろっこしくなりがちですが、中国語では相手への敬意を、短い言葉で簡単に表現することが可能です。

また、たとえば日本語で「またのご来店をお待ちしております」と言うには、文字にして18文字、音節の数も17個もあり長いですよね。

これが中国語の場合「欢迎再次光临」と6音節ですみますし、日本語の敬語と比較するとだいぶ短めの表現ですむことがわかりますよね。そして、「~してください」と言いたい場合は、文頭に「请」をつければOKです。

【文字数と音節】

<日本語>

「またのごらいてんをおまちしております。」(18文字)
ma / ta / no / go / ra / i / ten / wo / o / ma / chi / shi / te / o / ri / ma / su(17音節)

<中国語>

「欢迎再次光临」(6文字)
huan / ying / zai / ci / guang / lin(6音節)
文法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

中国語の文法は意外と簡単!日本人が覚えるべきポイント

1-3. 覚えやすい”ピンイン✕声調”というシステム

中国語における漢字一文字一文字の発音は、ピンイン(漢字の読み方をアルファベットなどで示した一種の発音記号)と”四声(4つの声調)”という抑揚の付け方をかけ合わせることで成り立っています。

また、この漢字はこの音”と決まっているため、発音を聴くとその音が「どの漢字か」が判別しやすいのも特徴です。

日本語には五十音があり、その並び替えで日本語の意味が作られています。が、中国語の場合、ピンイン表というものがあり、その音の中のどれかが漢字に当てはまります。

例)

ピンイン Dao ✕ 声調:第四声= Dào
という発音を聴いた場合は「到」「倒」「道」「盗」「稻」などのどれかが該当します。

当てはまる漢字がこれら候補の中のどれかは、その文字の前後や文脈などから判断できます。また、使っている漢字が日本語と同様の場合は、発音を聴いただけでどんな単語かまで想像しやすかったり、日本語での漢字と、その中国語発音を知っていれば、実践の会話でいきなり使用することが可能です。

例)

「不景气」(不景気)= Bù jǐng qì

このシステムのおかげで、中国語の単語は英単語よりも覚えやすい印象がありますし、勉強したことのない単語でも、漢字とそのピンイン・声調さえ知っていれば、口に出して相手にしっかり伝わるケースも少なくありません。

2. 中国語の完全独学はリスクもある

中国語をプロに頼らずひとりで学習し続けた場合、以下のようなリスクが潜んでいます。

2-1. 発音練習リスク

外国語語学を独学で習得していく上で最大のリスクは「正しい発音の習得」。というのも、人間にとって自分が発している音の正確さを、自分自身で判別しきることはが難しいからです。

カラオケなどでも、自分では正しく聴いた通りに歌っているつもりでも、それを聴いている第三者にとって、プロを目指せるほど正確な音程やリズムで歌えている人というのはかなり限られているはずですよね。

語学の発音練習においても、それとは全く同じことが言えます。自分では聞こえた通りに正しく発音をしているつもりかもしれませんが、ある程度のレベル以上になるまでは、たいていどこかを間違えています。

にもかかわらず、間違っていることに気づかないまま勉強を進めて行ってしまう一番の弊害は、リスニング力が伸びにくくなり、どれだけやっても全く成果に繋がらない可能性が高くなることです。

自分の発音が相手に通じないことはもちろん弊害のひとつですが、似ている発音の微妙な違いを言い分けられなければ、リスニングの際にも微妙な違いを聴きとることができなくなります。

2-2. 間違った学習方法に偏るリスク

語学学習は、文法などの理論を理解しただけでは足りず、その理解した内容を使えるようにするための練習が不可欠です。

”学習”という言葉を使えど、語学学習においてやるべきことは、スポーツや楽器の練習と同じ。「学習+練習」という組み合わせで、ようやく語学学習が成り立ちます。

ですが、その練習にもキチンとしたやり方が存在しますし、学習と練習に費やす時間の比率は2:8や3:7くらいになります。

独学で学習を進める場合、このやり方の部分を、多くのケースでは間違えてしまいがちですし、そもそも練習を想定していない方も多いです。そして一人で行う独学の場合、効果が出やすい方法ではなく以上に、どうしてもラクな方法に流れがち。

ラクな方法とは、日本人の場合は一般的に、読み書きを中心とする方法。この方法は文字を視覚的に認識する傾向があり、発音練習にあまり時間を割かない、そもそも口から言葉を発する練習をしないことを指しています。

効率的な学習方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

中国語の勉強に効果的なノートの作り方を初心者にもわかりやすく解説

2–3. 続けられないリスク

外国語学習はモチベーションの維持がカギ。一人で取り組む際は、ここが最大の難関といっても過言ではありません。その理由のひとつは、語学学習は年単位の長期戦であること。もうひとつは、上達の実感が湧きづらいことです。

新しい言語を学び始めると、最初のうちは、今まで読めなかった新しい文字がを自分ひとりで読めるようになったり、挨拶が相手に通じたりと楽しいと感じるシーンが多くあり、良いスタートを切れることが多いかもしれません。

しかし、初級の段階を過ぎると、段々と知識が増え、理解できる内容がは増えているにもかかわらず、ネイティブの話となると全く聞き取れない、という中級者の状態が長らく続いていきます。そのため、自分が日々続けている勉強にも自信が持てなくなり、疑心暗鬼になりがち。

この段階でモチベーションの維持が難しくなっていきます。

3. 独学に向かない人

中国語は日本人にとって、比較的独学しやすい言語だと感じています。ただ、独学経験があり、かつその方法がうまくいった自負がある筆者から見た場合、以下の要素が強いと独学は成功しないのでオススメできないと感じる点を挙げさせて頂きます。

3-1. 音感があまりよくない人

聴いた音をそのまま真似ることが苦手な方にとって中国語発音の肝である四つの声調のコントロールはたいへん高いハードルです。したがって、ひとりで進めても改善していく可能性は限りなくゼロに近いと思われるので、第三者によるフィードバックは絶対に必要不可欠。

音の仕組みや口の構造を論理的に、日本語を通して身につけながら、練習を進めていく必要があります。

3-2. 自分で調べるクセが無い人

独学は、成功する方法の確立から実行、さらには学習を習慣化するための方法など、とにかく自分で工夫を重ね、ひたすらPDCAを回し続けることでようやく自分なりの道が見えてきます。

にもかかわらず、今はタイパ(タイムパフォーマンス)重視で、自分で調べずに”誰か知っている人に聴く”方がいい、という考えの人も増えています。

そうした方は独学ではなく、学習の先輩方からアドバイスやコーチングを受けながら進めていった方がいいでしょう。

3-3. 学習方法や教材をコロコロ変える人

学習方法や教材を頻繁に変える人は、どんな方法や教材を手にしてみても、結局はまた疑心暗鬼に陥って、最初からやり直す羽目になるので、永遠の初級者ループから抜け出すことができません。

こうした方は、教材や学習方法を自分で選ぶのではなく、強制的に、成功している人と同じ教材を使って、同じ進め方をするよう指南してもらうべきです。

中国語の基礎についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

中国語が難しい理由とは?日本人が気をつけるべき3つのポイント【動画付】
中国語の文法は意外と簡単!日本人が覚えるべきポイント

4. 中国語を独学で成功させる5つのポイント

4-1. 発音練習は第三者によるフィードバックが不可欠

中国語学習は、せめて初期の発音練習だけでも第三者からフィードバックを得るようにして、発音の完全独学だけは避けていただいた方が賢明といえるでしょう。

筆者は最初の3ヶ月だけは漢語学校で中国語を教わり、その後は全て独学での習得でしたが、独学での習得が成功したのは、初期の発音練習において先生からのフィードバックを得ながら取り組めていたからだと断言できます。

私は耳の良さには自信があります。ですが、どんなに耳が良くて音感が身についていても、それでも自分自身では気づかないことがたくさんあると当時、思い知りました。

「富士山 fù shì shān」の「士 」が「shù」にしか聞こえないと何度も直されたり、「ji」が「di」にしか聞こえないと何十回も繰り返させられたことを今でもよく覚えています。私自身は聴こえた通りに発音していたつもりだったのですが。

ですから、初期の発音練習だけでも、教室やカリキュラムを受講したり、プロに教わりましょう。

4-2. 学習方法の確立

語学学習は、学習方法を間違えたり、使用教材をコロコロ変えたりしていると、”永遠の初級者”ループから抜け出せなくなりがちです。

ですから、最初に”この教材を使って、こういう方法でこなしていく”という学習方法の確立が極めて重要となります。そして一度決めたら、原則としてその方法を変えないでください。

学習方法を確立するための参考材料として「HSK・中国語検定 最強の学習法」
を読んでみることをオススメします。

フルーエント中国語学院・学長三宅裕之が自らの体験の元、最強の学習法を余すところなくお伝えしています。ゼロから始める学習法を知りたい方や、長いこと学習をしていても伸び悩んでいる方も、この本を読めば「自分にもやれるかも」とモチベーションが上がることでしょう。

効率よく学習を進めていくコツが満載の一冊です。

学習期間1年でビジネスレベルに達することが出来た筆者が最終的に辿り着いた学習方法と、三宅学長が推奨している効率的な学習方法はやるべきことが基本的に一致しています。

語学の学習方法はいろいろありますが、短期間で身につけたいのであればこちらに書かれている効率よく学習を進めていくコツをぜひ参考にしてください。
一番オススメの方法と言えます。

効率的な学習方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

中国語の勉強に効果的なノートの作り方を初心者にもわかりやすく解説

4-3. モチベーションづくり

4-3-1. なりたい姿を描く

学習を通して得たい姿を明確にし、覚悟を決めましょう。

転職を成功させたい、給料をアップさせたい、職の可能性を広げたい、日中カップルの人なら、相手の母国語でもコミュニケーションを取れるようになって不利益なことを減らしたいなど、こうしたことを明確にイメージしておきましょう。

また、次の9つの項目について、どんなことが実現できているのかをイメージし、ノートに書いてみましょう。

そして、最初になりたい姿を描いてみたら、時折アップデートしていきましょう。描きっぱなしにせず、定期的に見直すことでモチベーションが喚起されやすくなります。

私の場合は、学習をはじめる前は中国語はほぼゼロレベルだったので、中国で就ける仕事がかなり限られていました。ですから、海外で仕事をしている人間らしく、その地の母国語を身に着けて職の可能性を広げることと、転職を成功させたいという気持ちで学習をスタートさせました。

また、「もしものときのために中国語を教えることが出来るようにもしておこう」ということも手に職をつけておくことも意識していました。しながら、ですので、当時の学習の過程で気づいたことは、いずれシェアできるように都度メモ書きをしていました。

4-3-2. これだけは避けたい姿を描く

「こうはなりたくない!」という姿も明確にイメージしておきましょう。なりたい姿をイメージするよりも、日本人の場合、なりたくない姿をハッキリさせる方が学習モチベーションに変換しやすいかもしれません。

私の場合は、わざわざ日本でのキャリアに見切りをつけて中国にまでやってきたというのに、その現地の言語を使えないというのは恥ずかしい…という意識が強かったので、その意識をそのまま学習モチベーションに変換させました。

4-3-3. 強制力を働かせる

習慣化できるというのは能力ではなく、覚悟が決まっているかどうかで成否が決まるものです。その覚悟の証として「やらざるを得ない状況に自分を追い込む」ことが可能になります。

決め方・強制力の作り方としては
・○○を達成するまでは好きな△△は控える
・帰宅したら一通り学習し終わるまでメシ抜き
・学習の報告先をつくって催促してもらう

などが例として挙げられます。

ちなみに「SNS上で友人に宣言する」という方法に関しては留意点があります。”宣言した”だけでやった気になってしまい、結局行動を継続しないリスクが高いから。もし宣言するなら宣言するだけでなく、学習した内容の報告とセットで行うようにしてください。

4-3-4. 悔しい体験を積む

言いたいことを言え発せられなかったり、大事なことを聴き取ることができなかったなど、そうした悔しい経験もモチベーションに変換していきましょう!

ずっとネガティブ体験だけに頼り続けるのも無理があるものの、ポジティブな動機よりもパワーが強いため、開始時や再開時、停滞期には大いに多いに活用することが出来ます。

4-3-5. 中国語試験を活用する

HSKや中国語検定の試験に級を問わずに申し込んでしまいましょう。試験に申し込んだ以上、「合格しなければ!」と勉強にも熱が入ります。

モチベーションが落ち気味のときにこそ申し込むようにしてみましょう。HSKや中国語検定で既に自身のレベルに見合った試験を受けて合格済みの方は、TECC(中国語コミュニケーション能力検定)BCT(ビジネス中国語検定)を気分転換的に受けてみてもいいでしょう。

4-4. ビジネスレベル習得に必要な学習時間と学習期間

必要な時間数これは参考資料によって差があり、600時間やというところもあれば、1000時間というところもあれば、なかには2000時間というところもあります。しかも、同じ時間でも、語学学習には一定期間、集中してこなした方が成果が上がりやすい側面があります。

同じ1000時間でも、1年かけた1000時間と3年かけた1000時間では、1年かけた1000時間の方が習得できているモノが多いといえます。

それだけでなく、個人差もかなり出ます。音感の差や言語センス、漢字の得意不得意、純粋に好きなのか、努力量を必要とするのか、などなど…

私の場合、1日3時間ペースでの学習を週6日間、単純計算だと1週間で18~20時間ほどの学習を約1年間続けていました。一年間で合計ざっくり900~1000時間くらいは学習していた計算になります。そうした経験から、個人としてはビジネスレベル習得には最低でも約1000時間の学習時間は必要といえます。

4-5. 学習時間を確保するために

4-5-1. 自己理解

語学学習は年単位の時間を要するの長期戦のため、自分が最も習慣化しやすい方法や仕組みを構築していく必要があります。そのためには、自分が動きやすい時間帯をは学習にあて確保したり、怠けやすいパターンを知って、それを避けるための工夫をしなければなりません。

よく”勉強するのは朝がいい”とはいいますが、すべての人が朝は調子がいい、集中力を発揮しやすいということはありません。

今はいろいろ習慣化を成功させるための情報が本やネット上に溢れています。けれどが、どの方法でもうまくいく人、うまくいかない人はいるので、色々試してみて自分にはどんなやり方が最も合っているのかを模索して、うまく周りはじめるまで、試行錯誤を繰り返してください。

4-5-2. スケジューリング

「時間があるときにやろう」という発想だと、学習の優先順位は下がっていきがちなってしまうので、学習はなかなかが習慣化していきません。優先順位を高く保ち続けるためには、やはり事前にスケジューリングしましょう。学校でいうところの時間割ですね。

時間割をつくって、その日の何時から何時までは学習!と決めたら、そこにはクライアントや友だちとのアポと同様に扱って、他の予定を入れないようにしましょう。時間割を作るのはもちろんいいですが、毎日の学習時間を固定化させられればそれがベストです。

私は毎朝5時30分に起床し、6時までの30分で出勤準備をし、7時30分に出発するまでの1時間半は勉強時間ということにして、毎日学習時間を固定化していました。時間を固定化する最大のメリットは、学習の習慣化が容易になる、ということです。かつ、毎日自動的に近い形で机に向かうので、努力している感覚が全く無く取り組むことができました。

より容易に時間を固定化するには、「毎日必ずやっていることの直後にやる」ようにするのもコツです。朝ごはんの直後や、歯磨きの直後など、毎日必ずやることの直後にこなすようにする、ということですね。語学学習は年単位の長期戦なので、いか如何に努力感覚をなくしていくか、ということも非常に重要なポイントになります。

「6時~7時」のような正確な時間割をつくるのが難しい場合は、大まかに「朝20分、昼20分、夜20分」のようなスキマ時間をみつけて取り組むようなスケジューリングでも大丈夫です。

スケジューリングはあくまでも、そこに意識を向けるために作るものなので、このような大まかなスケジューリングでもいいでしょう。

4-5-3. 机に向かう時間とスキマ時間、・移動時間の活用

語学学習には、机に向かって取り組んだ方がいい学習・練習と、机に向かわずともこなせる学習・練習があります。以下は筆者の例です。

<机に向かって取り組んだ方がいい学習・練習>

  • 文章の理解(単語・文法・語順など)
  • 発音練習
  • 声に出しての音読/リピーティング/シャドーイング
  • ディクテーション

<机に向かわずともこなせる学習・練習>

  • 単語暗記
  • 単文暗記
  • エア・シャドーイング(声に出さない脳内シャドーイング)
  • 学習済み文章のリスニング

このように分けることも可能ですが、机に向かわずともこなせる学習・練習をうまく回していくための前提条件はやはり”発音がいいこと”となるので、やはり学習初期の段階では、発音練習を徹底的にこなしていきましょう。

自分にとって、机に向かわずともできる学習、逆にしっかりと机に向かわないと集中できない学習が何なのかを把握しておくことで、隙間時間を無駄なく、より有意義に活用できます。ぜひ一度ご自身を振り返ってみてください。

4-5-4. 学習内容(ToDo)のルーティング化

勉強をする時間を固定化することに加えて、その毎日どの時間帯にどんなことをこなしていくかまでを固定できると、やはり習慣化に成功しやすくなります。

<私の場合>

退勤後:机に向かっての学習の時間(教材テキストの単語・読み方・文法・語順などの理解)
翌朝:音読・シャドーイングなどの練習時間
お昼休み:音読・シャドーイングなどの練習時間
移動時間:単文暗記とエアー・クイックレスポンス
運動時間:小声でシャドーイング

このような形で、どんなときには何をするかを完全に決めていたので、いずれも容易に習慣化させることができました。

4-5-5. いつもやっていた何かを止める

新しく、1時間以上も学習に時間を確保するのはとなると、それまでの生活習慣を維持したままだと厳しいです。

従って、それまで当たり前にやってきたことの内、をなにかを止める必要が出てきます。

代表的なところだと
・SNSを見ている時間
・YouTubeを見ている時間
・友人や同僚との飲み

または、これまでの仕事のこなし方を見直すということも有効かもしれません。

私の場合は、会社の近くに引っ越して往復の通勤時間を大幅に短縮することで、学習時間の確保に成功しました。当時の勤務先は都心ではなく、郊外にあったからこそ家賃も安く済みました。故に成功した方法ではありますが。

5. 独学での具体的な中国語勉強方法

中国語学習を効果的に進めるためには、体系的な学習方法の確立が不可欠です。

ここでは、独学で中国語を習得するための具体的な学習メソッドを、基礎から実践まで順を追って解説していきます。

5-1. 会話力習得のプロセス

まずは、効果的な中国語学習の全体像を理解することから始めましょう。多くの学習者が陥りがちな誤りを避け、着実に力をつけていく方法を説明します。

日本人にとっての語学学習というと即”ネイティブとの会話”という発想になりがちで、いきなりネイティブとの会話レッスンをはじめる方が多い印象があります。

ですが、語学習得の基本的プロセスは

① 理解(学習)の段階 文法や語順・構文や単語を理解し覚える段階(インプット)
 ↓
② 練習 学んだことを使えるように身体に馴染ませる段階(インプットしながらアウトプット)
 ↓
③ 実践 練習してきたことを状況に応じて実践する(アウトプット)

という流れです。

この「1~3」のなかで、「3」は必ず相手が必要になりますが、「1」と「2」は基本的に自分ひとりでこなしていくものです。

にもかかわらず、「1」の後に「2」の練習のプロセスを飛ばしていきなり「3」をはじめてしまう方が後を絶ちません。

「2」のプロセスを飛ばした場合、せっかくのネイティブとの会話レッスンが無駄になりがちなので、その費用と時間を最大限に活かすためには「2」の練習にしっかり取り組んでいただくことを推奨します。

それでは続けて、会話力をつけていくための具体的な練習方法について触れていきます。

5-2. リスニング力の鍛え方

会話の基礎となるリスニング力。その習得には効率的な方法があります。

リスニング力を養うための最も効果的な練習方法は「シャドーイング」です。教材の音声を聴いて、その音声を聴いた0.5秒くらい遅れてから同じように教材音声のマネをしながら発音していく行為です。

この「シャドーイング」をすることで、スピーキング力も同時に養うことが期待できます。まさに一石二鳥のこの練習方法をやらない理由はありません。

5-3. スピーキング力の鍛え方

リスニングと並んで重要なスピーキング力。独学でも効果的に伸ばすことができます。

中国語での会話力を向上させていくのに必要なことは、最初はとにかくインプットを増やすこと、暗記した単文・単語を口から反応速く発する「クイックレスポンス」という練習を積むことです。

その「クイックレスポンス」は以下のように練習してください。

  1. 単文教材や総合教材を通して、基本構文をそのまま覚えて、そのまま口から発する
  2. 状況に応じて、覚えた基本構文の単語(動詞や目的語、時間詞など)を入れ替える

これはひとりでも出来る練習方法です。単語暗記と同じで、スキマ時間を活用した方が取り組みやすい学習方法なので、電車やバスで移動中に脳内スピーキングしながら鍛えていきましょう。

5-4. ディクテーション

基礎的な聞き取りができるようになったら、より本格的な練習方法に挑戦しましょう。

ここからは、非常に根気の要る、かつ学習効果の高い練習方法であるディクテーションをご紹介します。
リスニングで伸び悩みを感じているときに試してみることをオススメします。

これは音声を聴きながら、その内容を一字一句漏らさずに全て書きとる、という方法。

この方法だと、同じ音源をとにかく繰り返し何回も聴くので、集中して聴く耳が出来てきます。その訓練を通して、それまで曖昧にしていた発音などを曖昧にしなくなっていく効果が期待できます。

【準備】

取り組む教材、あまりスピードが速すぎないものをご準備ください。背伸びせず、あくまでご自身のレベルにあったもので、かつスクリプトが入手可能なモノを選びましょう。

できれば手書きするために、白紙かノートもご準備ください。手書きをすることで、曖昧なままになっている簡体字・漢字を認識することが出来ます。

【ステップ】

次の8つのステップに沿って進めていきましょう。

  1. まずは2~3回、音声を聴いてみて内容を確認する
  2. 音声を再生し、文をひとつひとつ聴きながら、中国語で書き取っていく
  3. 音だけを頼りにし、不明な単語は辞書やネットで調べていく
  4. 書こうとした簡体字を忘れてしまっているときは復習する
  5. 書いた文がちゃんと意味を成しているのかを確認する
  6. どうしても聴き取れないところは聞こえたままのピンインと声調を描いておく
  7. スクリプトで答え合わせをする
  8. 音読して復習する

大体の音は聴き取れていて、基本的な内容はおおまかにはわかってはいるけど、もっと細かく聴き取れるようになりたいと思っている場合は、短い文章から是非トライしてみましょう!

ディクテーションは学習効果が高いですが、たいへん時間がかかるので、時間を決めて取り組むか、短い文章でトライしたらいいと加えておくとよいかもしれません。もしくは、単文教材でつかう予定のものをディクテーションに回してもいいかもしれません。

5-5. 自分が話す内容を覚えておく(5行日記)

実践的な会話力を身につけるために、効果的な方法をご紹介します。

リスニングに関しては、多種多様な人の話を聴き取る必要があるため、多くのジャンルの語彙や表現に通じている必要があります。

それに対して、スピーキングに関しては、あくまでも自分が関心を持っているジャンルや生活と直接関係していることさえ話すことができれば十分ですから、話すことが出来る内容を絞って覚えていくことが可能です。

自分の日記を中国語で書いている方も多いでしょう。ですが、せっかく書いているにもかかわらず、自由な書式で書いていると実際の会話に応用しづらい、覚えにくいと感じることは多くないでしょうか?
ですから、ここでは3行から5行の日記で、日常会話に応用しやすい書き方をご紹介します。他の記事でもご紹介している方法です。

【3行~5行日記の書式】

  1. 出来事:私は~~でした。(一文)
  2. 感想:私は~~して、〇〇だった。(一文~二文)
  3. 質問:あなたは□□ですか?(一文)
  4. 回答:△△でした。××だと思います。(一文~二文)

例)出来事

「私は先週北京に出張にいきました。一年ぶりです。」
我上周去北京出差,是时隔了一年的出差。

感想1

「なにも変化は感じられませんでした。」
我感受不到什么变化。

感想2

「仲の良い友人ともたくさん会えて楽しかったです。」
和亲密的朋友们见面并度过了愉快的时光,非常开心。

質問 

「あなたは北京に行ったことがありますか?」
你去过北京吗?

回答 

「一年に1回は北京に行く機会があります。来月また行く予定です。」
我一年里有一次去北京的机会。下个月也要去。

このように、書式を決めておくことで、日記そのものも書きやすくなります。書きやすければ習慣化もしやすい上に、上記の形式であれば会話においても応用させやすいです。日頃から中国語で日記を書いている方は、是非試してみてください。

5-6. 中国ドラマや映画を使った学習方法

教科書だけでない、より実践的な学習教材としてドラマや映画を活用する方法を解説します。

教材だけで学習を続けていると飽きてくるかもしれないので、ドラマや映画などを通して学ぶと楽しみながら学び続ける事ができます。

ドラマや映画を通した学習には以下のメリットがあります。

  • いろんな人の会話を聴くことができるので多聴学習になる。
  • 会話表現を感覚的に理解できる。
  • 中国の文化や生活習慣を知ることが出来る。
  • 中国人との共通の話題にもしやすい。
これらのメリットに関しては、他の記事でもご紹介しています。
【2024年版】オススメ中国ドラマ28選│楽しみながら中国語リスニング力をアップ!

5-7. 会話の実践相手の探し方

学んだ中国語を実際に使う機会を作ることも重要です。状況や目的に応じた実践相手の見つけ方をご紹介します。

せっかく勉強はしているけど、使える機会・実践する機会がない!という方は以下にてご紹介する方法で実践機会を探してみてください。

5-7-1. 中華料理店などのレストランで働く店員さん

今は中華料理店をはじめ飲み屋などで中国人の店員さんを見かけることも多くなりました。そこで中国語で話しかけてみたり、知っている中国語を駆使してオーダーもしてみてください。

あくまで筆者個人の所感ですが、コンビニの中国人店員さんよりも、中華料理店や飲み屋の中国人店員さんに対しての方が中国語で話しかけやすい印象があります。

5-7-2. 言語交換

日本語を学習している中国人との相互学習も、お金をかけずに会話の練習をする方法として多くの学習者が利用しています。この方法の一番のメリットは無料でできることですが、デメリットもあります。

<デメリット>

  • 相手の練習にも付き合う必要がある
  • レベルの高い方の言語に偏る傾向がある
  • 初級者同士だと機能しない

こうした可能性もあるので、中級者~上級者の方に適した方法かもしれません。

5-7-3. ネイティブ教師との会話レッスン

今はオンラインで比較的安価でネイティブとの会話レッスンを受けることも出来ますね。ですが、その先生が日本語を話せたり、一生懸命こちらの意図を理解しようとしてくれる優しいタイプの先生だとあまり練習にならないかもしれません。会話した気にはなりやすいのですが…

ですから、お願いする場合は厳しめのスタイルをリクエストすべきでしょう。

5-7-4. 日中コミュニティへの参加

外国人が利用しているコミュニティアプリなどを使って、中国人や台湾人が多く参加しているコミュニティに参加して友人を探してみるのもいいでしょう。

そうしたコミュニティに参加する際は「会話の練習相手探し」は前面に出さず、友だちづくりの結果、中国語での会話練習もできるようになった、というスタンスで参加しましょう。

「会話の練習相手探し」を前面に出してしまうと、相手から「練習できれば誰でも良いってこと?」と思われて敬遠されてしまうかもしれません。

中国人との接し方についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

中国人観光客のマナー違反の対処法とその原因を考える|発音付

5-8. オンライン留学の活用

日本にいながらにして、コストを抑えながら現地の大学への語学留学ができることもあり、モチベーションを高める上ではとても有効です。

オンライン留学を解説したこちらの記事もご参照ください!
中国にオンライン留学!留学方法やメリットデメリットなど

以上の学習メソッドは、それぞれの段階や目的に応じて組み合わせることで、より効果的な学習が可能になります。自分に合った方法を見つけ、継続的に実践していくことが、中国語習得への近道となるでしょう。

6. 中国語の独学におすすめの教材

教材を買うときにどのような基準で選んでいますか?もしかすると、単語暗記、音読練習など、学習内容ジャンルごとに教材を買い揃えている人が多いのではないでしょうか。

リスニングが苦手だからと「リスニング教材」を買ったり、
リーディングなら「リーディング向き教材」を買ったり、
何が良いのかよくわからないままにネットでの評価が高いからと買ってしまったり。

その結果、手元の教材がどんどん増えていき、量の多さに圧倒されることもあるかもしれません。のと、そのワケの分からなさに心が折れるという…。

「自分にはこれが足りない!」と、対処療法的に次々と新しい教材に手を出していくと、結局、広く浅い学習にしかならずに基礎が全く固まらない状態に陥りがちです。では、どういう基準で教材を選べばいいのかご紹介します。

参考書は以下の分野で各1冊ずつ選びましょう。

「発音」
「総合」
「単文」
「単語」
「検定対策」

こうした各分野教材の1冊の本を、何度も繰り返すことで、「理解している状態」から「身についている状態」「使える状態」を目指していきます。教材は「これ!」と決めたら、やり込んでいきましょう!

次に、これらの教材の具体的な使い方を説明します。まずこの5分野の教材を3段階に分け、それぞれの段階で目的別に必要な教材を使っていきます。

ステップ1 発音の基礎を作る
-使用教材 発音教材

ステップ2 「読む・聴く・話す・書く」をバランスよく鍛えていく
-使用教材 総合教材・単文教材・単語教材

ステップ3 検定試験を受ける
-使用教材 検定試験の過去問題集・模擬試験

6-1. 発音教材(初級)

発音教材は、文字通り「発音」を集中的に練習するための教材です。

日本人にとって中国語学習最初にして最大のハードルは「発音」なので、ここは集中的に練習を積んでいく必要があります。

中国語の発音には
・日本語には無い音がある
・日本語と的には同じ表記でも、違う音の漢字が存在する
・四つの声調を全ての文字・音節で全て正確にコントロールする必要がある
・日本語よりも圧倒的に、必要な呼吸量が圧倒的に多い

といった特徴があるため、かなりの難関です。

日本人は漢字に慣れ親しんでいるのでかなり有利な反面、発音に関しては不利とも言えるので、とくに集中的なトレーニングが必要ですといえるでしょう。

大人になってから外国語を学ぶ場合、子どものように「耳」を頼って、自然に生活を通して自然に習得していくのは困難です。ですから、日本語を使ったわかりやすい解説や、イメージしやすい説明、図や写真が充実している教材を選びましょう。

発音教材を選ぶときのポイントは以下の通りです。

1 発音の方法についてイメージしやすい解説がある
2 口の形や舌の位置を表す絵や写真がある
3 音声がついている(ダウンロードかCDは必須。動画があればベスト)

こうしたポイントを押さえている教材はこの教材です。

解説、図、写真、動画など、全て使って一つ一つの発音を解説しています。

こちらも上記発音のポイントをすべて押さえている教材です。

『見てマネ60』

HSK公認の、2ヶ月で効率よく発音をマスターできる教材です!中国語の勉強では、文法や発音の理屈の部分に関しては、学習経験のある日本人トレーナーにと、そして発音や表現のお手本としては、中国人トレーナーにの両方から学ぶのが一番効果的です。

この動画教材では、日本人トレーナーが口の動かし方のコツなどを日本語でわかりやすく解説しています。るので、その解説を元に、中国人トレーナーによる発音を実際に聴いて、そしてマネをしていきながら繰り返し練習して発音を身につけることができる教材。

価格(税込) 43,780円
販売サイト 商品を見る

6-2. 総合教材(入門~上級)

発音をある程度身につけたらステップ2に進み、総合教材を使い始めます。「読む・聴く・話す・書く」の全てを総合的に鍛えていくのに効果的な練習方法が、この「総合」教材を使ってのシャドーイング・リピーティングです。

総合教材を選ぶときのポイントは以下の通りです。

1 音声教材の音源つきである(ダウンロードかCD)
2 「会話文」だけでなく、「ある程度の長さの文」「1ページ分の長文」があるもの。
 ※入門レベルでは「会話文」だけでも大丈夫です。

音声付きが必須という理由のはわかると思いますが、「ある程度の長さの文」が必要なのはなぜでしょう?

「会話文」は2人以上の会話のやり取りのため、流れが切れがちです。しかし、流れを切らずにシャドーイングし続けることで中国語脳が出来上がっていくので、文の流れが頻繁に切れるとその脳が出来上がりづらくなってしまいます。

会話が苦手だから「会話教材」を選ぶ学習者は多いのですが、その選択が却って、会話を成立させるためのリスニング能力の向上の妨げになっているのかもしれません。

【入門】

入門編のベストセラーでもある本書。わかりやすく「発音」と「文法」を身につけることが出来ます。

中国の大学や多くの中国語教育機関で長く使われている、中国でも有名な入門向け教材です。

【初級】

発音・会話・文法の力を基礎からきちんと身につけられる内容です。

『新訳第3版 中国語会話301(上)』の下巻。

入門を済ませた方はこちらも。中国の大学や多くの中国語教育機関で長く使われている、中国でも有名な初級向け教材です。

【中級】

中国語検定3級レベルまで身につくとされています。

リスニング力向上のために作られた本書ですが、総合教材として使うことも出来ます。上級レベルまで対応しています。

【上級】

初級と中級で習った語彙・フレーズ・慣用句・文法を実践で使えるようにすることを目的としています。

150~500字程度の文を1つの課とし、60課ほどで構成されています。日常使用される語彙の9割を網羅していて、かつ文脈から単語を習得することができる効率の良い総合教材です。

6-3. 単文教材(初級~上級)

単文教材としては有名な本書。シリーズで、中級編・上級編も存在します。

こちらも一冊に例文600個とボリューム十分です。

この教材は単文以上に「動詞+目的語」や「形容詞+名詞」など、のセットでフレーズを覚えられる点のが特徴です。シリーズで、初中級編と中級編があり、各冊700フレーズが掲載されています。

6-4. 単語教材(入門~上級)

こちらは、1つの単語に対して、1つの意味と例文が掲載されている単語教材です。HSKは級ごとに覚えるべき単語が指定されているので、その基本単語をすべて覚えてしまいましょう。

中国語検定4級から準1級レベルまで、各1冊ずつ出版されています。こちらは1つの単語に対して、複数の意味と例文が掲載されていますが、全て覚える必要はなく、まずはなにか1つに絞って覚えるよう努めてください。

6-5. 検定試験の過去問題集・模擬試験

過去5年分の過去問題を掲載。リスニングセクションの問題文スクリプトは繰り返しシャドーイングをし、身体に覚えさせましょう。

※他の級は検索してみてください

解説では出題の狙いやポイント、正解に導くための手段が示されています。

※他の級は検索してみてください

6-6. 文法の参考書(入門~上級)

総合教材の文法解説を読んでも今ひとつ腑に落ちない、わからないときのために文法専門の解説書を1冊もっておくと非常に有用です。

☆初級~中検2級レベル

コンパクトにまとまっているにもかかわらず基本的なことは全て網羅されていて、かつ見やすいのが特徴。

☆入門~中級レベル

中国人ネイティブの林松涛先生による、ネイティブならではの言葉の感覚を見事に言語化した文法解説の一冊。

☆入門~上級レベル

豊富な例文と注目すべき文法ポイントの解説がわかりやすいのが特徴

6-7. 中国語学習に欠かせないツール/アプリ

辞書アプリ

辞書にも紙の辞書・電子辞書・スマホアプリの辞書とありますが、オススメはスマホアプリの辞書です。

スマホアプリの辞書は「手書き入力」ができるので、ピンインがわからなくても見たままの字を書いて調べられるので非常にラクです。調べるのがラクなだけではなく、一つ一つの単語の発音音声を聴くこともできます。

私が学習していた頃はスマホアプリの辞書がなかったので、ハンディサイズの辞書を毎日持ち歩いていました。ただけでなく、ピンインがわからない漢字の意味を調べるときは、漢字の画数を数えて調べていたため、毎回毎回、物凄く時間がかかりました。手間だったことがありますね。

ちなみに現在、私は『中日・日中辞典(小学館)』のアプリ辞書を使用しています。

HSK公認単語トレーニングアプリ

HSKの過去問題集や参考書を出版しているSPRIXが提供しているアプリ。

HSKの級別に、その対象単語と例文を覚えることが出来るアプリです。

単語の発音音声を聴けるだけでなく、例文の音声も聴くことができるので、単語だけ聴いても今ひとつ応用できていない気がする人にとっては便利と感じるかもしれません。

Quizlet

単語学習アプリで、自分のためのオリジナル単語集を使って学習するのに向いているツールです
日本語、中国語の機械音声も再生が可能で、発音の精度も高いので、単語のみならず単文暗記の練習にも非常に有効です。

HiNative

語学を学習したい人同士が、母国語と興味のある言語を互いに教え合うアプリです。アプリと言うよりは質問掲示版という方が適切かもしれません。

使い方としては「○○語でこう言いたい時のこの表現はこれで合っていますか?」などととか書き込むと、母国語ユーザーが回答してくれます。

言葉の質問に限らず、その国の文化や時事問題に関して質問しても回答が返ってきますし、また、質問に対する答えは非常に素早く返ってきます。

百度

百度

中国の最大手検索ポータルサイト。中国に関する各種調べごとをするのもいいですし、記事内の文章をリーディング素材として読むのもいいでしょう。他の勉強での使い方としては、自分が作った中国語文の中の、「動詞と名詞の組み合わせが合っているか」などを調べることにも使えます。

そうしたことを調べるときには、フレーズごとで検索をかけるか、一文まるごと検索にかけてみてくださいもいいでしょう。検索ヒットすればOK、検索ヒットしなければ「ネイティブはそういう言い方をしない」ということもわかるでしょう。

ICレコーダーなどのポータブルプレーヤー

中国語の発音練習をするためには、以下の3つの条件を備えている機材(ICレコーダーやMP3プレイヤー)を選んでください。

  1. 「ワンタッチリピート機能(逆スキップ再生)」がある
  2. 「録音機能」がある
  3. 「スピード調節機能」がある

ICレコーダーはオリンパス「ボイストレック」のVシリーズ などをオススメしています。

さらに、スマホではなく、語学学習専用につかう機材をご用意いただくことをオススメします。理由は、スマホには各種通知、動画、SNSなど気が散る要素がとても多いからです。学習中はスマホを別室に置いておくくらいがちょうどいいです。

Audipo他、音声再生アプリ

中国語ゼミスタッフや、トレーナーも愛用中。音声の速度は、0.5〜2倍速の間で細かく設定可能。自分のレベルに合わせて調整しながらシャドーイングできます。

苦手な部分を繰り返し練習できる「リピート再生機能」も便利!リピートしたい開始地点と終了地点を決めると、ワンタッチで何度も再生してくれます。

NHK語学プレイヤー

音源の再生速度を調節できるプレーヤーアプリ。手持ちのリスニング用教材を「もうちょっとゆっくりした速度で聞きたい」「少しだけ巻き戻したい」「一部分だけ何度も繰り返して聞きたい」というとき便利に使えます。

7. やりがちだけど効果のない学習方法

具体的な教材や学習方法を決める前に、日本人にありがちな語学学習における間違いや勘違いをおさらいしておきましょう。

効果のある学習方法を知る前に、効果のないことを明確にし、そうならないよう工夫すれば自ずから成果の出やすい学習方法に辿り着きやすくなります。

7-1. 教室に通っている時間しか勉強していない

語学学習は”学習”ではありつつも、意味や構造・仕組みを理解しているだけでは足らず、理解していることを使えるようになるための”練習”が不可欠。

ですから、スポーツや楽器の練習と同様に、学んだ理論を身体を使った訓練を通して実践で使える状態にする必要があります。従って、教室に通うわずかな時間だけしか学習に触れていなければ、身につけることは叶いません。

7-2. 得意なことに偏る

例えば、英語を学ぶ日本人学習者の中には、「読み書きはできるけど、聴く・話すはちょっと…」という方が多いですよね。

読み書きは練習要素は少なく、学習要素が強いものなので、日本人は基本的に得意です。人を絡めずにコツコツ寡黙に取り組めるので。ですから、読み書きだけで済ます方は多いですし、声に出して読むにせよ、なんとなく文字を追うだけなど、思考停止した状態で読みがちです。

それでも勉強した気にはなります。実際に”勉強”はしているので、そう感じるのは無理もないことかもしれません。ただし、成果には繋がりづらいでしょう。

7-3. 頭と身体を同時に使わない

正しい発音をしっかり身につけ、声に出してシャドーイングしていくことを推奨していますが、そうして読み込むときに、ついつい作業っぽく、思考停止した状態で読んでしまいがちです。

思考停止せずに、意味や語順・構文を意識しながら読むことがシャドーイングのクオリティを上げることになり、それがリスニング力の向上にも直結していきます。

7-4. テレビやラジオなどの、いわゆる聴き流し

発音がしっかりしていない状態だったり、語彙が不足している状態でテレビやラジオを聴き流ししても、学習効果はほぼ得られません。そうやっていると「耳が慣れる」からいいというコメントをみかけますが、意味がわかっていないものを聴き続けても、その速度についていけるようにはなりません。

発音がしっかりしていて語彙が備わっている状態で聴くのであれば、耳は慣れていくでしょう。同じ聴き流しをするのであれば、過去に学習した教材、やり込んだ教材などにしましょう。そうすれば効果を期待できます。

7-5. 教材をコロコロ変える

これは「4-2学習方法の確立」で触れたことの繰り返しになりますが、語学学習は、学習方法を間違えたり、使用教材をコロコロ変えたりしていると、”永遠の初級者”ループから抜け出せなくなりがちです。

語学習得は基本的には年単位の期間が必要な長期戦なので、短期で効率よく習得することを目指す人よりも、堅実にコツコツ疑わずに進捗できる人の方が確実に成果が上がりやすいと言えます。

7-6. ネイティブの言い回しを重視している/高度な作文を作ろうとする

ライティングの基礎力の作り方は、上述の通り『暗記した例文の単語を入れ替える』です。従って、入門編から早速自作の作文練習をすることはあまり推奨できません。

というのも、基礎的な文法理解がまだで、かつ語順感覚も身についていない段階から作文練習をし始めると、大抵は”日本語の直訳”になりがちです。そうして作られた文は、我々外国人学習者の目から見てもおかしな文に感じられがちです。

また、「ネイティブはこう言う」というネイティブ的な自然な言い回しを重要視される方も見受けられますが、そうした言い回しは上級レベルから気にすべきことです。

上級レベルに入るまでは、どのような表現を使おうと”伝えたいことを確実に伝えきること”が重要なので、当面は”伝えたいことを確実に伝えきる”のに必要な『暗記した例文の単語を入れ替えて』作文練習を積んでいきましょう。

8. それまでの学習成果を確認する方法

自分のレベルや上達度合いを頻繁に確認していると、全然上達していないと思い込みやすいので、学習をはじめてしばらく経ってから、最低でも半年から1年位経過してから確認すると、その上達度合いを自己評価できるようになります。

ですので、学習を始めたてのときに以下のことを準備しておきましょう。

方法1:学習初期の発音練習を録音しておいて、半年以上経過してから再度聴いてみて、今と当時を比較する。

方法2:学習開始当時、音の羅列にしか聞こえなかったネイティブのスピーキング音声を半年以上経過してから改めて聴き直してみる。

語学学習でのモチベーション維持が難しい理由のひとつが「上達の実感が湧きづらいから」。だからこそ、初めの頃に比べて、明らかに成長していることを実感できる材料を持っておくことをオススメします。

私は中国語のナチュラルスピードの音源を日本から持ってきていたのですが、学習をスタートしてから最初の数ヶ月は何度耳にしても音の羅列にしか聞こえませんでした。

ですが、学習開始から8ヶ月以上経過をした頃に、その音源の存在を思い出して聴いてみたところ、8割以上を聞き取れるようになっている自分に驚き、モチベーションが爆上がりしたことがあります。

是非そんな体験をしてみてください。

中国語の独学に関するQ&A

Q1:中国語が話せるようになるにはどれくらいかかる?

中国語を習得するには日常会話レベルなら200~300時間、ビジネスで使えるレベルまでなら500~1000時間程度かかると言われています。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。 中国語の習得時間はどれぐらい?必要な学習期間について詳しく解説

Q2:ゼロから中国語を勉強する順番は?

まずは発音(声調とピンイン)をしっかり身に着け、その後に単語や文法の学習がおススメです。

Q3:中国語は習得しやすいですか?

すでに漢字を知っている日本人にとって中国語は最も習得しやすい外国語だと言えます。

Q4:日本人にとって習得が難しい言語は?

文字を見てもまず理解できない「アラビア語」「ヒンディ語」「ロシア語」などです。この点から見ても漢字を見ればある程度意味が分かる中国語は日本人にとって習得しやすいです。

Q5:世界で一番話されている言語は?

1位が英語、2位が中国語です。

英語に比べて習得者の少ない中国語は今こそ学ぶべき言語だと言えます。

まとめ

筆者が中国語を勉強し始めたのは今から10年以上も前の話ですが、中国語をある程度使えるようになってからは、日本にいたときには体験できなかった良い出来事がたくさんありました。

日本では上がりづらかった給料が上がり続けていったり、日本にいたときとは比較にならないくらい友人が増えたりと、チャンスと可能性、人生の豊かさが広がったことを実感できました。

そして私が今、フルーエントの学習トレーナーとして活動出来ているのは、当時学習を成功させた方法と、フルーエントで推奨している方法がほぼ同じだからです。

ぜひ、この記事で触れた内容のうち、一つでも構いませんので行動につなげて頂き、新しい可能性を開いていただけたら幸いです。

このやり方で中国語を学習すれば必ず結果が出るということは、私が指導させていただいた受講生が証明しています。心から応援しています!

記事をお読みいただきありがとうございました。

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中国語ゼミ編集部

中国語の初心者~上級者向けの学習サイト。中国語の勉強法、検定試験、中国語の表現、中国のビジネスや文化について定期発信。
おかげさまで既に100万人以上の方からアクセスを達成!
編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
効率的な勉強法や挫折しないためのコツをお伝えします。
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