語学を勉強していると、何度か文法で悩むことがあります。
私(中国語ゼミスタッフMM上海生活6年)は英語がとても苦手で、学生の頃英語で留年しかけた経験があります。外国語の文法に対し、苦手意識を持っていた私ですが、いざ中国語を勉強してみると意外と勉強しやすく感じました。中国語が通じたときの喜びを知ってからは、積極的に中国人に話しかけるようになり、今では、英語の勉強もしてみようかな?と思えるほどに語学への苦手意識が無くなりました。
「中国語の文法って難しそう」「中国語を勉強し始めたけど文法がよくわからない」というあなたに、中国語教育のプロが中国語文法の基礎を効率良く習得できる勉強方法をお伝えします。
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目次
1. 中国語文法の特徴
中国語学習をスムーズ進めるために、まずは文法をマスターするコツをお伝えします。しっかり理解するために注意すべき点など、中国語の文法の特徴をまとめました。
1-1. 中国語文法は英語よりも簡単
まず最初にお伝えします。『中国語の文法は英語よりも簡単です!!』
これを聞いただけで、何だか出来そうな気がしませんか? 具体的に中国語が「簡単なポイント」を見ていきましょう。
1-1-1. 動詞、形容詞の活用がない
日本語では動詞や形容詞はシーンに合わせて活用し、変形させて使わなければなりません。英語でも[go]という動詞を、過去形[went]、過去分詞[gone]と変化させる必要があります。
一方、中国語には動詞、形容詞の活用がありません。単語を覚えてしまえばすべての文型でそのまま使うことができるのです。
1-1-2. 名詞に単数形と複数形がない
中国語では名詞に単数形と複数形がないため、複数の場合でも名詞が変化することはありません。英語の場合は、複数の場合は[-s]や[-es]などをつけますが、中国語の場合はそのように単語が変化することはありません。
言語 | 単数形 | 複数形 |
英語 | an apple | three apples |
中国語 | 一个苹果 | 三个苹果 |
1-1-3. 単語に「男性名詞」・「女性名詞」などの性別の区別がない
私は、スペイン語を学んでいたことがあります。単語を覚える際に、例えば『本』は、el libro(男性名詞)、『月』は、la luna(女性名詞)というように、すべての単語が女性名詞と男性名詞に区別されるので、とても大変でした。
また、『私は日本人です。』という表現も、『私』が、男性の場合、Soy Japónes、女性の場合、Soy Japónesaというように、語尾が異なります。
例)私は日本人です。
スペイン語 | 中国語 | |
男性の場合 | Soy Japónes | 我是日本人。 |
女性の場合 | Soy Japónesa | 我是日本人。 |
このルールに馴染みのある国籍の方がスペイン語を学ぶには、すんなりと覚えられるかもしれません。しかし日本語には女性名詞・男性名詞のルールがないため、日本人にとってスペイン語のルールは複雑で、慣れるまで時間がかかります。
男性名詞・女性名詞の区別がない中国語は、その点でとても学びやすいと言えます。
1-1-4. 「a」などの冠詞がない
中国語には、英語の[a]や[the]のような「冠詞」もありません。日本語にもありませんよね。そういう意味では感覚的に日本語と中国語はとても似ていますね。
『中国語と英語を徹底比較!難易度は?同時に学習したい方必見! 』
2. 中国語文法は「語順」が最も重要
中国語の文法は語順が重要です。ここでは、中国語の文法構造を解明し、語順が重要な理由を説明します。
『【発音と文法が最重要】中国語の基礎をマスターする方法|発音付』
2-1. 語順が変わると文章の意味が変わる
1章でお伝えしたように、中国語には動詞の活用や複数形などが無い分、単語そのもので伝えたいことを表現することになります。そのため、語順が違えば文章が成立しなくなったり、違う意味になってしまうことがあります。
例えば、「我」=私、「爱」=愛する、「你」=あなたという単語を使った文を見てみましょう。
「我爱你」は「私はあなたを愛します」ですが、 「你爱我」は「あなたは私を愛します」になります。 単語の位置によって、それぞれの単語が主格になったり、目的格になったりするのです。
そのため、中国語では語順が最も重要です。
私はあなたを愛します。 Wǒ ài nǐ 我爱你。 ウォ アイ ニー |
あなたは私を愛します。 Nǐ ài wǒ 你爱我。 ニー アイ ウォ |
また、こちらの例文もみてみましょう。語順が変わると、意味が全く異なることがわかります。
知りません。 Bù zhī dào 不知道。 ブー ヂー ダオ |
知らないの? Zhī dào bù 知道不? ヂー ダオ ブー |
2-2. 基本の語順はSVO
中国語では、語順は基本的に「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」で文章が構成されています。
例えば「私はご飯を食べる」は「我吃饭(Wǒ chī fàn ウォ チー ファン)」となり、日本語で考えれば「私」「食べる」「ご飯」の順です。
SVO(主語+動詞+目的語) |
私はご飯を食べる。 Wǒ chī fàn 我吃饭。 ウォ チー ファン |
2-3. 目的語が2つある場合はSVOO
目的語が一つの場合はSVOの順ですが、目的語が二つある二重目的語の場合の語順はSVOOになります。この場合一つ目の目的語は「人」、二つ目の目的語は「物」の順番というルールがあります。
二重目的語は主語+動詞+目的語(人)+目的語(物)の順で表されます。
SVOO 【(主語+動詞+目的語(人)+目的語(物)】 |
王先生は私たちに中国語を教えてくれます。 Wáng lǎo shī jiāo wǒ men Hàn yǔ 王老师教我们汉语。 ワン ラオ シー ジャオ ウォ メン ハン ユー |
(×)王老师教汉语我们。
『中国語文法を勉強するなら|語順を理解することが重要だった!発音付 』
3. 語順で学ぶ中国語の基礎的な文法
次に、覚えておくと便利な中国語の基礎文法を紹介します。中国語を始めたばかりの方は、まずはここで紹介する文法を覚えましょう。
3-1. 否定文は「不」「没」を否定する事柄の前に置く
中国語の否定文は、否定を表す「不」または「没」を、否定したい動詞や助動詞、形容詞の前に置きます。
平叙文 | 彼は学生です。 Tā shì xué sheng 他是学生。 ター シー シュェ シォン |
否定文 |
彼は学生ではありません。 Tā bú shì xué sheng 他不是学生。 ター ブー シー シュェ シォン |
平叙文 | 私は上海に行ったことがあります。 Wǒ qù guo Shàng hǎi 我去过上海。 ウォ チュ グゥォ シャン ハイ |
否定文 |
私は上海に行ったことがありません。 Wǒ méi yǒu qù guo Shàng hǎi 我没有去过上海。 ウォ メイ ヨウ チュ グゥォ シャン ハイ |
平叙文 | 今日は寒いです。 Jīn tiān tiān qì hěn lěng 今天天气很冷。 ジン ティェン ティェン チー ヘン ラン |
否定文 |
今日は寒くありません。 Jīn tiān tiān qì bù lěng 今天天气不冷。 ジン ティェン ティェン チー ブー ラン |
『【中国語文法】否定文「不」と「没」をマスターする!』
3-2. 疑問文の語順
中国語の疑問文は、英語のように語順を変更する必要はありません。
1.平叙文の最後に「吗」を付ける
2.動詞と形容詞は肯定・否定形を並べて“反復疑問文”に
3-2-1. 平叙文の後ろに「吗(ma マ)」を付ける
平叙文 | 彼は学生です。 Tā shì xué sheng 他是学生。 ター シー シュェ シォン |
疑問文 | 彼は学生ですか? Tā shì xué sheng ma 他是学生吗? ター シー シュェ シォン マ |
3-2-2. 肯定形と否定形を並べる
平叙文 |
彼は学生です。 Tā shì xué sheng 他是学生。 ター シー シュェ シォン |
疑問文 |
彼は学生ですか? Tā shì bú shì xué sheng 他是不是学生? ター シー ブー シー シュェ シォン |
【中国語文法】中国語の疑問文は6パターンを覚える!
3-3. 命令形の語順
中国語の命令形の語順について解説します。
1.基本的には平叙文と同じ
2.「别」「不要」「请勿」を文頭に置く
3-3-1. 基本的には平叙文と同じ
命令形の語順は基本的には平叙文と同じです。命令形だからといって、特別に語順を変える必要はありません。
中国語の命令文は、以下のように表現します。
来なさい Nǐ guò lái 你过来。 ニー グゥォ ライ |
早く! Kuài diǎnr 快点儿! クァィ ディェァー |
3-3-2. 禁止の命令を表す表現は主に3つ
禁止の命令を表す場合は主に「别(bié ビエ)」「不要(bú yào ブーイャォ)」「请勿(qǐng wù チンウー)」の3つを文頭に置きます。
動くな! Bié dòng 别动! ビィェ ドン |
立たないでください。 Bú yào zhàn qǐ lái 不要站起来。 ブー イャォ ヂャン チー ライ |
タバコは吸わないでください。 Qǐng wù xī yān 请勿吸烟。 チン ウー シー イェン |
・『【中国語発音付】中国人がうるさい理由とうるさい時の伝え方 』
・『中国人観光客のマナー違反の対処法とその原因を考える』
3-4. 受身形の語順
受け身の語順は「受け手」+「被(bèi ベイ)/叫(jiào ジャオ)/让(ràng ラン)/给 (gěi ゲイ)」+「行為者」+「動詞句」になります。
何かをされる「受け手」が文章の前にきて、何かをする方「行為者」が後に来るのがポイントです。
(受け手)+(被/叫/让/给)+(行為者)+(動詞句) |
彼にこのグラスを割られてしまった。 Zhè bō lí bēi bèi tā dǎ suì le 这玻璃杯被他打碎了。 ヂァ ブォ リー ベイ ベイ ター ダー スイ ラ |
(×)被他这玻璃杯打碎了
私の行いは先生を喜ばせました 。 Wǒ de xíng wéi ràng lǎo shī gāo xìng le 我的行为让老师高兴了。 ウォ デァ シン ウェイ ラン ラオ シー ガオ シン ラ |
あなたのパソコンは修理されましたよ。 Nǐ de diàn nǎo jiào rén xiū hǎo le 你的电脑叫人修好了。 ニー デァ ディェン ナオ ジャオ レン シゥ ハオ ラ |
3-5. 連動文(動詞が2つ以上並ぶ文)の語順
動詞が2つ以上並ぶ文を連動文といいます。連動文の語順のポイントは時系列で並べることです。
例えば「海へ行き、魚を釣った。」という文章では動詞は「行く」と「釣る」。時系列としてはまずは海に行き、そこから魚を釣っていますので、「行く」が先に、後に「釣る」がきます。
日本語では『魚を釣りに、海に行く』という順序ですが、中国語では順序が異なります。文章を作る際は注意が必要です。
これは動詞が2つ以上に増えたとしても同じですので、時系列に合わせて語順を決定しましょう。
海へ行き、魚を釣った。 Wǒ qù dà hǎi diào le yú 我去大海钓了鱼。 ウォ チュ ダー ハイ ディァォ ラ ユー |
私は毎日地下鉄に乗って出勤する。 Wǒ měi tiān zuò dì tiě shàng bān 我每天坐地铁上班。 ウォ メイ ティェン ズゥォ ディ ティェ シャン バン |
週末、卓球の試合を見に行きましょうよ。 Wǒ men zhōu mò qù kàn pīng pāng qiú bǐ sài ba 我们周末去看乒乓球比赛吧。 ウォ メン ヂョウ ムォ チュ カン ピン パン チィゥ ビー サイ バー |
日本語では「見に+行く」の順番ですが、中国語は「行く+見る」の語順になるので注意しましょう。 |
3-6. 時制(過去形・未来形)を表現するときの語順
1章でお伝えした通り、中国語で過去や未来を表すとき、日本語や英語のように動詞や形容詞は活用しません。ここでは、過去や未来を伝える時間の単語を使った表現、語順を紹介します。
3-6-1. 過去や未来を表す単語を入れる。述語の形は変化しない。
過去、現在、未来を伝えたいとき、単純に「昨日、今日、明日」などの単語を入れて表現できます。
述語の形はどの時制でも全く同じで、語順は「主語」+「時間」+「述語(動詞+目的語)」。とにかく語順を暗記してしまうことが大切です!
時間を表す中国語単語をまとめました。入れ替えて表現してみましょう!
時間を表す単語 | |||
明日 míng tiān 明天 ミンティェン |
今日 jīn tiān 今天 ジンティェン |
昨日 zuó tiān 昨天 ズゥォ ティェン |
月曜日 xīng qī yī 星期一 シンチーイー |
来週 xià ge xīng qī 下个星期 シァ グァ シン チー |
来年 míng nián 明年 ミンニィェン |
去年 qù nián 去年 チュニィェン |
『中国語で「未来形」を表現するには?【発音付】』
・こちらでは過去形のパターンを確認できます!
『【発音付】中国語の過去形パターン!覚えておきたい22のルール』
・中国語で詳しい時間を伝えるためには、こちらの記事を参考にしてください。
『【発音付】中国語の「時間」を正確に伝える!超簡単20パターン』
3-6-1.「主語」と「時間」の位置は入れ替え可能
時間の単語を入れる語順は、「主語」と「時間」の位置を入れ替えることも可能です。
私は明日上海に行きます。 |
Wǒ míng tiān qù Shàng hǎi 我明天去上海。 ウォ ミン ティェン チュ シャン ハイ |
Míng tiān wǒ qù Shàng hǎi 明天我去上海。 ミン ティェン ウォ チュ シャン ハイ |
3-7. 場所の語順
場所を入れるときの語順は、目的地によって変わります。
3-7-1. 場所が目的地を表す場合
場所が行き先を表す場合は、動詞の後ろに場所を置きます。
私は学校に行きます。 Wǒ qù xué xiào 我去学校。 ウォ チュ シュェ シャオ |
こっちに来てください。 Qǐng guò lái zhè lǐ 请过来这里。 チン グゥォ ライ ヂァ リー |
3-7-2. 介詞「在」+場所で発生地点や居住地を表す
中国語の介詞とは、英語の前置詞に似ているもの。「在+場所 (〜に・~で)」居住地や発生する地点を表します。「動詞+在」「在+動詞」それぞれ紹介しますので、ぜひパターンを覚えてください。
私は毎日公園で運動します。 Wǒ měi tiān zài gōng yuán duàn liàn 我每天在公园锻炼。 ウォ メイ ティェン ザイ ゴン ユェン ドゥァン リィェン |
私は北京に住んでいます。 Wǒ zhù zài Běi jīng 我住在北京。 ウォ ヂゥ ザイ ベイ ジン |
「〜に住んでいた」という過去の経験を伝えるパターン。「動詞+过」で「〜したことがある」を伝えられます。
私は北京に住んだことがあります。 Wǒ zài Běi jīng zhù guo 我在北京住过。 ウォ ザイ ベイ ジン ヂュ グゥォ |
(×)我住过在北京
『中国語の「在」は超重要!抑えるべき6つのポイント|発音付』
3-8. 回数を表す語順
基本の語順は「動詞+回数+量詞」です。
もう一度言ってもらえますか? Qǐng zài shuō yí biàn 请再说一遍。 チン ザイ シュォ イー ビィェン |
3-8-1. 目的語が一般名詞の場合は「動詞+回数+目的語」
目的語が固有名詞ではなく一般名詞(博物館など)の場合は、動詞と目的語の間に「回数(+量詞)」を置きます。
あの博物館には三回行ったことがあります。 Wǒ qù guo sān cì nà bó wù guǎn 我去过三次那博物馆。 ウォ チュ グゥォ サン ツー ナー ブォ ウー グァン |
3-8-2. 目的語が人名・地名の場合は「動詞+回数+目的語」/「 動詞+目的語+回数」
目的語が人名・地名の場合は、「回数(+量詞)」が目的語の前でも後でもどちらでも構いません。
私は一度アメリカに行ったことがあります。 |
Wǒ qù guo yí cì Měi guó 我去过一次美国。 ウォ チュ グゥォ イーツー メイ グゥォ |
Wǒ qù guo Měi guó yí cì 我去过美国一次。 ウォ チュ グゥォ メイ グゥォ イーツー |
私は一度トランプに会ったことがあります。 |
Wǒ jiàn guo yí cì Tè lǎng pǔ 我见过一次特朗普。 ウォ ジィェン グゥォ イー ツー テァ ラン プー |
Wǒ jiàn guo Tè lǎng pǔ yí cì 我见过特朗普一次。 ウォ ジィェン グゥォ テァ ラン プー イー ツー |
3-8-3. 離合詞は一般名詞と同じ「動詞+回数+目的語」
「動詞+目的語」で構成されている熟語を離合詞(离合词)と言います。その場合も動詞と目的語の間に「回数」を置きます。
下記に離合詞を紹介します。このまま覚えましょう!
離合詞 | ||
会う jiàn miàn 见面 ジィェン ミィェン |
眠る shuì jiào 睡觉 シュイ ジャオ |
歌う chàng gē 唱歌 チャン グァ |
踊る tiào wǔ 跳舞 ティァォ ウー |
泳ぐ yóu yǒng 游泳 ヨウ ヨン |
彼女に一度会ったことがあります。 Wǒ gēn tā jiàn guo yí cì miàn 我跟她见过一次面。 ウォ ゲン ター ジィェン グゥォ イー ツー ミィェン |
(×)我跟她见过面一次
彼と踊ったことがあります。 Wǒ gēn tā tiào guo yí cì wǔ 我跟他跳过一次舞。 ウォ ゲン ター ティァォ グゥォ イー ツー ウー |
(×)我跟他跳舞过一次
3-9. 期間を表す語順
3-9-1. 目的語が一般名詞の場合は3パターン
A.「動詞+期間+目的語」
B.「動詞+期間+的+目的語」(Aは「的」が省略されている)
C.「動詞+目的語+動詞+期間」
3-9-2. 離合詞に注意
「動詞+目的語」で構成されている熟語を離合詞(离合词)の場合も、3-9-1.の一般名詞と同じ語順になります。
3-8-3.離合詞は一般名詞と同じ「動詞+回数+目的語」でお伝えした通り、離合詞には「睡觉(眠る)」、「唱歌(歌う)」、「跳舞(踊る)」、「游泳(泳ぐ)」「请假(休暇を取る)」などがあります。
A.「動詞+期間+目的語」
B.「動詞+期間+的+目的語」(Aはこの「的」が省略されている)
C.「動詞+目的語+動詞+期間」
私は一日中眠っていました。 | |
A. | Wǒ shuì le yī tiān jiào 我睡了一天觉。 ウォ シュイ ラ イー ティェン ジャオ |
B. | Wǒ shuì le yī tiān de jiào 我睡了一天的觉。 ウォ シュイ ラ イー ティェン デァ ジャオ |
C. | Wǒ shuì jiào shuì le yī tiān 我睡觉睡了一天。 ウォ シュイ ジャオ シュイ ラ イー ティェン |
3-9-3. 目的語が代名詞の場合は「動詞+代名詞+時間」
彼を二時間待っている。 Wǒ děng le tā liǎng gè xiǎo shí 我等了他两个小时。 ウォ ドン ラ ター リィァン グァ シァォ シー |
4. 中国語特有の文法表現
文法をマスターするために、中国語特有の表現を知っておくことも大切。日本語と中国語の文法で違う点がたくさんありますが、ここではよく使う表現に絞って紹介します。何度も繰り返し練習して、体・口に染み込ませましょう!
4-1. 可能、義務、願望などを表す「助動詞」
助動詞は動詞や形容詞、介詞の前に置くルール。可能、義務、願望、可能性、意思などを表し、日本語で「~できる」「~したい」「~すべきだ」などと訳されます。
よく使う助動詞「能(néng)」、「可以(kě yǐ)」、「会(huì)」、「想(xiǎng)」の例文を紹介します。
私はお金がないので旅行に行けません。 |
試着できます。 |
私は車を運転できます。 |
少し遅れます(=少し遅れる可能性があります) |
私は北京ダックが食べたいです。 |
助動詞は、他にも「应该(~すべき)」「得(~しなければならない)」「要(~したい/~しなければならない)」「愿意(~したい)」などがあります。
助動詞 | |
yīng gāi ~すべき 应该 インガイ |
~しなければならない děi 得 デイ |
~したい/~しなければならない yào 要 ヤオ |
~したい yuàn yì 愿意 ユェンイー |
4-2. 前置詞の役割をする「介詞」
日本語にある格助詞の「てにをは」が、中国語にはありません。
中国語では「介詞」が日本語の助詞や英語の前置詞と同じような役割を果たし、場所・方向・時間・対象・目的などの意味を表します。語順は「介詞を含めたフレーズを動詞の前に置く」ルールがあります。
私は家でテレビを見ます。 Wǒ zài jiā lǐ kàn diàn shì 我在家里看电视。 ウォ ザイ ジャ リー カン ディェン シー |
彼はアメリカからやって来ました。 Tā shì cóng Měi guó lái de 他是从美国来的。 ター シー ツォン メイ グゥォ ライ デァ |
介詞には他にも、「离(~から)」「往(~に向かって)」「为(~のために)」「给(~に)」「跟(~と)」などがあります。
介詞 | ||
~から lí 离 リー |
~に向かって wǎng 往 ワン |
~のために wèi 为 ウェイ |
~に gěi 给 ゲイ |
~と gēn 跟 ゲン |
4-3. 動詞や形容詞を装飾する「副詞」
副詞とは、動詞や形容詞を修飾する単語のこと。「とても〜」「よく〜」など、程度や頻度を加えて豊かな表現を作ることができます。副詞は、基本的には形容詞や動詞の前に置くものが多いです。
彼女はとても綺麗です。 Tā fēi cháng piào liang 她非常漂亮。 ター フェイ チャン ピィァオ リィァン |
『発音付【中国語文法】副詞の用法まるわかり!』
4-4.「了」の用法|動作の完了・実現を表す助詞、文末の語気助詞
中国語を学び始めると、頻繁に「了(le ラ)」の単語を目にします。中国語の「了」には多くの用法があり、日本語とは違う感覚で使われています。日本人をしばしば悩ませる「了」、代表的な2つの用法を紹介します。
4-4-1.「動詞+了」は完了・実現を表すアスペクト助詞
1つ目は、動詞の後に「了」を置いて、動作の完了・実現を表すアスペクト助詞の例文です。
昼ご飯を食べました。 Wǒ chī le wǔ fàn 我吃了午饭。 ウォ チー ラ ウー ファン |
動詞の「吃 (食べる)」に「了」を付けて動作の完了を表します。日本語に訳すと「食べた」となりますが、単純に「了=過去形」の用法とは言えません。
4-4-2. 文末の「了」は語気助詞
文末の「了」は、変化の意味が込めらた語気助詞。「以前の状況から変化が起きた」「状況の変化に気づいた」感覚で使われます。
もう夏がやって来た。 Xià tiān yǐ jīng dào le 夏天已经到了。 シァ ティェン イー ジン ダオ ラ |
彼は今年12歳になった。 Tā jīn nián shí’èr suì le 他今年十二岁了。 ター ジン ニィェン シー ァー スイ ラ |
上の例文は「去年までは11歳だったが、今年12歳になった」という変化の意味で、文末に「了」を入れます。
『中国語「了」の使い方、意味は?分かりやすい文法解説【発音付】』
4-5. 動詞・形容詞の表現を膨らませる「補語」
動詞・形容詞の表現を補う「補語」。述語になる動詞・形容詞の後ろに置きます。多くの補語の中から、よく使う基本的な表現を解説します。
1.結果補語
2.方向補語
3.様態補語
4.可能補語
5.程度補語
4-5-1. 結果補語
結果補語は動詞の直後に置いて、動作の結果を表します。
「卖+完 (売る・おわる)」→売り切れた、「吃+饱 (食べる・お腹がいっぱいになる)」→お腹いっぱいになった、という結果を表す例文です。
今日の入場チケットは売り切れました。 Jīn tiān mén piào mài wán le 今天门票卖完了。 ジン ティェン メン ピィァオ マイ ワン ラ |
お腹いっぱいです。 Wǒ chī bǎo le 我吃饱了。 ウォ チー バオラ |
4-5-2. 方向補語
方向補語は動詞の直後に置いて、動作の向かう方向を表します。動詞に「来・去・上・下…」などをつけて、主語(人・物)がある方向へ移動する様子を表現しています。
彼はポケットのお金を取り出した Tā bǎ kǒu dài lǐ de qián tāo chū lái le 他把口袋里的钱掏出来了。 ター バー コウ ダイ リー デァ チィェン タオ チュ ライ ラ |
「ポケットのお金を取り出す」=ポケットからお金を自分の方向に移動させる(お金を取り出してくる)の意味で、補語として「来」が使われています。
4-5-3. 様態補語
様態補語は、動詞や形容詞の後に続いて、その動作・状態・行為の程度や結果について具体的に描写・説明します。語順は「動詞/形容詞」+「得(de デァ)」+「様態補語」です。
彼は走るのが早いです。 Tā pǎo de hěn kuài 他跑得很快。 ター パオ デァ ヘン クァィ |
彼女は歌が上手です。 Tā chàng gē chàng de hěn hǎo 他唱歌唱得很好。 ター チャン グァ チャン デァ ヘン ハオ |
(×)她唱歌得很好 :必ず動詞/形容詞の後ろに「得」が来る 。
私は英語があまり上手くありません。 Wǒ de Yīng yǔ shuō de bú tài hǎo 我的英语说得不太好。 ウォ デァ イン ユー シュォ デァ ブー タイ ハオ |
4-5-4. 可能補語
可能補語は、動詞と結果補語または方向補語の間に「得(de デァ)」「不(bù ブー)」を挿入して、「得(~できる)」「不(~できない)」を表します。
彼はどこでも眠れます。 Tā zài nǎ’er dōu shuì de zháo 他在哪儿都睡得着。 ター ザイ ナーァー ドウ シュイ デァ ヂャオ |
私はドイツ語を勉強したことがないので、(聞いても)理解できません。 Wǒ méi yǒu xué guo Dé yǔ wǒ tīng bu dǒng 我没有学过德语,我听不懂。 ウォ メイ ヨウ シュェ グゥォ デァ ユー ウォ ティン ブー ドン |
音が小さすぎて、はっきり聞こえません。 Shēng yīn tài xiǎo le wǒ tīng bu qīng chu 声音太小了,我听不清楚。 シォン イン タイ シァォ ラ ウォ ティン ブー チン チュ |
4-5-5. 程度補語
「形容詞+得〜」で「すごく〜、ひどく〜」といった程度の高さ・ひどさを表現します。形容詞+得の後に入る補語は「很(hěn)・多(duō)・不得了(bù dé liǎo)・要命(yào mìng)・厉害(lì hai)」などがあります。
私はすごく疲れた。 Wǒ lèi de bù dé liǎo 我累得不得了。 ウォ レイ デェァ ブー デェァ リャオ |
「形容詞+死 (sǐ)」で、「ものすごく〜」など極端な程度に達している様子を伝えられます。
今日はものすごく暑い。 Jīn tiān rè sǐ le 今天热死了。 ジン ティェン ルァ スー ラ |
5. 中国語文法を効率的にマスターする学習方法
中国語文法を効率的に学ぶには、1つの文法で1つの例文を完璧に暗記するのがおすすめです。
文法教材には、1つの文法に対して複数の例文が載っている場合があります。ポイントは、1つの例文を教材を見ずにスラスラ言えるまで、完璧に暗記すること。他は潔く捨ててOKです!
1つを完璧に覚えたら、例文内の単語を入れ替えて、さまざまな意味の文を作ってみましょう。単語の入れ替え練習をすることで、応用力を鍛えます。
例えば、「我是日本人(私は日本人です)」というフレーズを覚えた場合は、「我(私)」「日本人」の部分を他の単語に替えてみるのです。
私は日本人です。 我是日本人。 |
彼は学生です。 他是学生。 |
こちらは李先生です。 这是李老师。 |
こうした応用を行うことで「話す」「書く」のアウトプット力を鍛えられます。正しい文法で書いたり話したりできるとともに、別に覚えた単語を組み合わせて、中国語を自由に使う力を養うことができます。
『初心者が中国語を学ぶ勉強法はこれ!10,000人指導のプロが伝授』
6. 中国語の文法を学ぶおすすめの参考書・文法書
中国語の文法を学ぶのにおすすめの教材を学習レベル別に紹介します。それぞれのおすすめポイントも参考にしてください。
6-1.【初級】
語順の学習に力を入れた一冊。疑問詞、助動詞など、同じ種類で似た意味・形・用法の単語が1つのページにまとめられています。また、基本の短文を暗記することで、スピーキング力の向上にも役立ちます。暗記すると同時に、音源を活用してシャドーイング練習もしましょう。中国語を初めて学ぶ方におすすめです。
6-2.【中級】
「口を鍛える」中国語シリーズの中級編は、似た意味・形・用法の単語を1ページにまとめてあり、75課600例文を収録しています。中級編では、「好」、「完」 などの結果補語や方向補語の「上」、「下」、「出来」、「起来」など中級で重要な文法事項が収録されています。より実践的な内容について勉強したい方におすすめ。HSK5級を受験するなら全て覚えるべき文法事項が網羅されています。
文法は覚えたものの、「いざ会話をしようとすると中国語が出てこない・・・」という人におすすめのトレーニングブックです。本書に付属のCDを使って何度も練習、中国語がスムーズに出るようにトレーニングできます。
6-3.【上級】
「口を鍛える」シリーズの上級編では、より豊かな中国語表現をマスターすることを目的としています。日本人が苦手な表現や、補語を使った慣用表現が掲載されており、多彩な表現をマスターするためのトレーニングができます。中級2級、HSK5・6級レベルの方におすすめです。
まとめ
中国語の文法の基礎、よく使う表現をまとめて紹介しました。奥が深い文法もありますが、まずはここで紹介した例文を何度も口に出して練習してみてください。中国語ならではの文法の特徴を理解でき、表現の幅も自然と広がりますよ。
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