【中国語文法】否定文「不」と「没」をマスターする!

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中国語 否定
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中国語の否定形には「不」を使ったものと「没」を使ったものがあります。

これはそれぞれに守備範囲があります。「不」と「没」の違いと使い分け、全面否定や部分否定のルール、可能補語との組み合わせで表現の幅を広げる方法などについて理解しましょう。

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1. 中国語で否定を表すときに使う2つの表現

中国語で否定を表すときは基本的に「不(ブ)」か「没(メイ)」を使います。

1-1. 「不(ブ)」の使い方

「不(ブ)」は、動詞や助動詞、形容詞の前に置き、その意味を否定します。意思・願望や習慣の否定に用い、過去・現在・未来のいずれについても使われます。

肯定 否定
是(はい) 不是(いいえ)
好(よい、優れている、立派だ) 不好(よくない、劣っている、粗悪だ)
会(できる) 不会(できない)
喝(飲む) 不喝(飲まない)
去(行く) 不去(行かない)

「不」について注意したいのは声調です。

去(qù)⇒不去(bú qù)
本来、「不(bù)」は第四声ですが、後ろに続く言葉の声調が第四声の場合、第二声に変更されます。

「不」の声調変化についてはこちら『 中国語発音(ピンイン)トレーニング|初心者が2ヶ月でマスター』の8章で詳しく解説しています。

1-2. 「没(メイ)」の使い方

「没」または「没有」を動詞や形容詞の前に置き、その意味を否定します。「没」は過去の否定や、所有・存在の否定などで使われます。

肯定 否定
有(ある) 没有(ない)
去了(行った) 没去(行かなかった)
去过(行ったことがある) 没有去过(行ったことがない)
红了(赤くなった) 还没红(まだ赤くなっていない)

同じく否定ではありますが、何となく「不」とは守備範囲が違いそう、という雰囲気を感じ取っていただけたでしょうか?意味合いの違いや使い分けについて次の章以降で一緒に理解を深めましょう。

2. 中国語の否定形の作成ルール

2-1. 基本的には形容詞や動詞の前に置く

「不」も「没」も副詞なので、基本的には形容詞や動詞の前に置かれます。

昨天我参加晚会。
私は昨日パーティに参加しなかった。
今天天气冷。
今日は寒くない。
今天天气太冷。
今日はそれほど寒くない。

2-2. 「不」を副詞の前に置くと部分否定

「很」「都」「太」などの副詞の前に「不」を置くと「全て~というわけではない」という意味合いの部分的な否定です。

不太喜欢踢足球。
私はサッカーをするのがあまり好きではない
他们不都是老师。
彼らは全員が教師というわけではない

彼らの大部分は教師で、いくらかそうでない人が混じっているニュアンスです。

2-3. 「不」を副詞の後に置くと全部否定

副詞の後に「不」を置くと「全て~ではない」という意味合いの全部否定です。

他们都不是老师。
彼らは全員教師ではない。

この場合、教師は一人もいない状況です。

非常不喜欢踢足球
私はサッカーをするのが嫌いだ。

「非常に/たいへん」という意味の副詞「非常」の後に「不」がきます。同様の意味で「极」「极其」も同じ用法で用います。

2-4. 「没」を使った全部否定

「没」を使った全面否定には何種類かあり、それぞれ「全然ない」ということを強調する言い方です。次にいくつかの例を挙げます。

「一+量詞+也+没~(一つも~ない)」

一个也没吃。
一つも食べなかった。
一次也没见过他。
彼に一回も会ったことがない。
一天也没休息。
一日の休みもない。

「一点儿也没~(少しも~ない)」

一点儿也没有过这样的想法。
少しもそんな風に思ったことはなかった。

興味深い表現ですが「一点儿也没~」よりももっと「全然ない」ことを強調したいときに「半点儿也没~(ほんの少しも)」という表現があります。1が0.5になることで、2倍強調されるという意味です。

「疑問詞+都+没~(何も~ない)」

什么、哪儿、谁といった疑問代詞を使って、全面否定する方法です。

逛了整整一天,什么都没买到。
一日中ショッピングしたのに、何も買えなかった。
放假我就生病了,哪儿都没去玩。
休暇中に病気になり、どこにも遊びに行けなかった。

3. 「不」と「没」の使い分け比較

不と没の基本的な違いと使い分けについて紹介します。どのような場面で使われるのか、それぞれ理解しましょう。

「不」を使う場面

  • 現在、未来を表したいとき
  • 主観的な表現
  • 習慣動作を表したいとき
  • 性質について
  • 単独で使用できる

「没」を使う場面

  • 過去、所有を表したいとき
  • 客観的な情報
  • 動作の完了を表したいとき
  • 状況が起こる前を表現するとき
  • 単独では使用できない

「不」と「没」それぞれ使う場面を比較して、違いをつかむことで理解を深めましょう。

3-1. 「不」は未来/「没」は過去

1章でお伝えしたとおり、「不」は主に現在と未来を否定するのに対し、「没」は主に過去のことを否定します。

今天天气冷。
今日は寒くない。
明天不回家。
明日は帰らない。
昨天没回家。
昨日は帰らなかった。

また「没」は過去を否定するほか、実現済み、実現中の現在まで含むことがあります。

她的病还没好。
彼女の病気はまだよくなっていない。

3-2. 「不」は主観的/「没」は客観的

「不」は主観的な否定で、本人の意思が関係するケースが多いです。一方「没」は客観的な否定で、ある現象が起こらなかった、あることが存在しなかったことを表現します。

去上课。
私は授業に出ない。

授業に出る意思がないので出ないという意味合いです。

去上课。
私は授業に出なかった。

授業に出なかったという現象を客観的に述べています。やむを得ず出られなかったのか、出たくなかったから出なかったのかは問いません。

我的目标改变。
私の目標は変わらない。

自分の目標はこれからもずっと変わらないという決意を言い表しています。

我的目标改变。
私の目標は変わっていない。

自分の目標はこれまでずっと変わらなかったという事実を述べています。

3-3. 「不」は習慣動作/「没」は動作の完了

動作を否定する場合「不」は習慣的に何かをしないことを意味します。一方、「没」を使って否定する場合は、動作が完了していないことを意味しています。

抽烟。
私は煙草を吸いません。

煙草を吸う習慣がないという意味合いです。

今天我抽烟。
私は今日煙草を吸っていません。

いつもは煙草を吸うが、今日はまだ一本も吸っていないという意味です。

3-4. 「不」は性質/「没」は状況が起こる前

「不」はある性質や状態を否定するのに使われます。一方で「没」は状況が起こる前であることを示します。

她身体好。
彼女の身体は良くない。

平素体調が悪い、病気がち、といった意味合いです。健康だ(身体好)という性質を否定します。

她身体还好。
彼女の身体はまだ良くなっていない。

元は健康な人が病気やケガをし、療養中であるがまだ回復していないという意味合いです。良くなることが予測され、まだそれが起こっていないという状況です。

3-5.所有の否定が出来ない「不」/出来る「没」

「没」は、名詞の前に置いてそのものがない(存在していない、または所有していない)ことを表します。一方、「不」はそのような使い方ができません。

办法。
仕方がない。
钱。
お金がない。
我哥哥40岁就头发了。
兄は40歳でもう髪の毛がなくなった。

本来は「没有」の形で動詞を否定するべきなのですが、このように直接「没」だけを名詞の前に置いて使うことも実際には多いです。

3-6. 単独で使える「不」/単独で使えない「没」

「不」は、返事をするときや、言い間違いを言い直すときなどに単独で使うことができます。それに対し「没」は、基本的には単独で使うことができません。

你今天上夜班吗? ,今天是白天班。
あなたは今日夜勤ですか? いいえ、今日は日勤です。
我们坐三点的,,四点的飞机回来的。
僕たち三時の、いや、四時の飛行機で帰ってきたんだ。

3-7. 「是」の否定は「不」だけ

「不」は「是」を否定できますが、「没」はできません。

(○)不是
(×)没是

4. その他の「不」と「没」を使用した例文

「不」や「没」を使った表現はたくさんあります。表現を豊かにしてくれる言い方をいくつか挙げるので、会話の中で使ってみましょう。

4-1. 「没有~不~」

「没有~不~」は「~しない~はない」という意味になり、全部否定の表現になります。

这里的人,他没有一个认识的。
ここの人で、彼が知らない人は一人もいない。
知道你的秘密,肯定没有惊讶。
君の秘密を知ったら、きっと驚かない人はいない。

4-2. 「不~不~」

劳动会有收获。
労働しなければ収穫はあり得ない。
工作该吃饭。
働かないなら食べてはならない。
知道用操心。
知らなければ心配せずに済む。

4-3. 「没有~就没有」

没有对比就没有伤害。
比べなければ傷つかない。
没有付出就没有回报。
差し出さなければ見返りは得られない。

5.「○+不+○」型の否定形

中国語は動詞が活用しない分、補語を使うことで表現に広がりをつけます。補語には結果補語、可能補語、方向補語、状態補語などがあります。「○+不+○」型の否定形では主に可能補語との組み合わせで、さまざまなニュアンスを表現し分けることができます。いくつかの例を見てみましょう。

5-1. 「听+不+○」

「不听」は聞かないという意味ですが、「听+不+○」の形になると「聞く+~出来ない」、また「なぜ出来ないのか」を含めた意味を表す表現になります。

听不懂。
聞いても内容の意味が理解できない。
听不到。
相手の声が小さい・周りの雑音がうるさいなどの理由で聞き取れない。
听不清楚。
雑音などではっきり聞こえない。

5-2. 「买+不+○」

「不买」は買わないという意味ですが、「买+不+○」の形になると「買う+~出来ない」またその理由を含めた表現になります。

买不起。
お金がなくて買えない。
买不到。
品物がなくて買えない。

5-3. 「吃+不+○」

「不吃」は食べないという意味ですが、「吃+不+○」の形になると「食べる+~出来ない」またその理由を含めた表現になります。

吃不了。
量が多くて食べきれない。

※通常「了」は「le」と発音しますが、この場合には、「liǎo」と発音します

吃不来。
口に合わなくて食べられない。
吃不下去。
お腹いっぱいで喉を通らない。
吃不饱。
食べたけどお腹いっぱいにならない。

まとめ

中国語学習初期の段階で、避けては通れない表現が否定形です。

「不」も「没」も、単純に否定するだけの言葉ではなく、部分否定や、可能補語との組み合わせをマスターすることで、表現が豊かになり気持ちを正確に伝えることが可能です。ぜひ、しっかり覚えて会話の中でどんどん使ってみましょう。

中国語は、やみくもに勉強してもなかなか身につきません。本気で中国語をマスターしたい人は、正しい勉強法で楽しみながら学習しましょう。

記事をお読みいただきありがとうございました。

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