中国語検定4級は、「中国語の初級マスター」といえるレベルです。旅行先での会話など、簡単な中国語でやりとりができる力が求められます。
「少し中国語を勉強した今の中国語の実力を試したい」「初級レベルはマスターした」「検定を受験するなら一発で合格したい」というあなたに、この記事では中国語検定4級の、試験内容と具体的な合格対策法をお伝えします。
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目次
1 中国語検定4級のレベル
「中国語検定4級」のレベルは、発音やピンインなどを含めた中国語の基礎をマスターしたレベル。旅行先などでの会話や簡単な中国語を聞き、話すことができるレベルです。
HSK(漢語水平考試)と比較すると「HSK3級」と同程度のレベルといえます。(「HSK3級」についてはこちらの記事を参考にしてください。)
『必読!中国語検定に挑もうと思ったら、《級とレベル編》』を、
また、HSKの各レベルについては、
『HSKを受験するなら必読!<レベル>の話 1級~6級』をご覧ください。
2 中国語検定4級の試験スケジュール・点数配分・合格点
まずは中国語検定4級試験についての基本事項を確認しておきましょう。
2-1 中国語検定の受験日・会場・申込み
試験は年3回行われています。
3月第4日曜日:準4級~準1級 6月第4日曜日:準4級~準1級 11月第4日曜日:全ての級 |
会場は日本各地をはじめ、北京や上海、台湾などでも開催されています。また申込みは郵送かインターネットで行えます。
※詳しい日程や受験会場については、日本中国語検定協会のホームページで確認できます。
→ https://www.chuken.gr.jp/
2-2 試験当日スケジュ-ル
試験当日は以下の流れで試験が行われます。
① 試験開始・注意事項の説明 ② 解答用紙の配布 ③ 必要事項の記入 ④ 問題用紙の配布 ⑤ <リスニング>試験 ⑥ <筆記>試験 ⑦ 試験終了 |
リスニング試験開始までに入室できなければ、リスニング試験終了まで入室することができず、試験は不合格となります。また、試験の最中に本人確認(写真照合)も行われます。
2-3 点数配分・合格点
<リスニング>、<筆記>の配点は各100点、合格基準点は各60点です。<リスニング>、<筆記>ともに合格基準点に達しないと合格できません。ただし合格基準点は、難易度を考慮して調整されることもあります。
3 中国語検定4級の試験問題を知る
中国語検定4級の問題は、<リスニング>セクションと<筆記>セクションから構成されています。問題例をピックアップしましたので、どんな問題が出題されるのか、問題の傾向をおおまかにつかんでおきましょう。 なお、過去問題と解答は日本中国語検定協会のホームページから確認できます。
→https://www.chuken.gr.jp/tcp/test.html
3-1 <リスニング>セクション
パート | 内容 |
第1部分 | 放送される短い疑問文の答えとして最も適当なものを選択する |
第2部分 | 放送されるやや長い文の内容に関する問いに答える |
(1)~(10)の中国語の問いを聞き,答えとして最も適当なものを,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
(放送されたスクリプトと和訳)
(1) 你们星期几有汉语课?(あなたたちは何曜日に中国語の授業がありますか?)
① 一个小时和三个小时。(1時間と3時間です。)
② 星期一和星期三。(月曜日と水曜日です。)
③ 一年级和三年级。(1年と3年です。)
④ 一点半和三点半。(1時半と3時半です。)
正解:②
中国語を聞き,(1)~(10)の問いの答えとして最も適当なものを,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
(放送されたスクリプトと和訳)
铃木在中学工作,是英语老师。他喜欢体育运动,网球打得很好。他从小学三年级就开始打网球,在大学二年级的时候,还参加过全国大学生网球比赛。现在,铃木一个星期打两次网球。李小刚经常跟铃木一起打网球。李小刚也是老师,在大学教汉语。李小刚和铃木是大学同学,也是好朋友。每个星期六打完网球以后,他们还一起吃饭。李小刚的爸爸妈妈这个星期四来日本。李小刚打算这个星期六跟爸爸妈妈一起去买东西。他给铃木打电话说:“对不起,星 期六我不能去打网球了。下个星期六打完网球以后,咱们去吃小笼包。我请客!”
(鈴木は中学で仕事をしている。英語教師だ。彼は運動が好きで、テニスがとても上手い。彼は小学3年の時にテニスを始めた。大学2年の時には全国大学生テニス大会に出場したこともある。現在、鈴木は1週間に2回テニスをしている。李小剛と鈴木は大学のクラスメートで、親友である。毎週土曜日にテニスが終わったあと、彼らは一緒に食事をする。李小剛の両親が今週木曜日に日本にやって来る。李小剛は、今週土曜日は両親と一緒に買い物に行くつもりだ。彼は鈴木に電話して言った。「申し訳ない。土曜日、僕はテニスに行けない。来週の土曜日テニスの後、僕ら一緒に小龍包を食べに行こう。僕がご馳走するよ!」)
(6) 铃木做什么工作?(鈴木の仕事は何か?)
① 他是大学老师。(彼は大学の先生だ)
② 他是体育老师。(彼は体育の先生だ)
③ 他是英语老师。(彼は英語の先生だ)
④ 他是汉语老师。(彼は中国語の先生だ)
(7) 铃木打网球打得怎么样?(鈴木のテニスの腕前はどうか?)
① 他从小学开始打。(彼は小学生のときにテニスを始めた)
② 他打得不太好。(彼はあまり上手くない)
③ 他不太喜欢打。(彼はテニスがあまり好きではない)
④ 他打得非常好。(彼はとても上手だ)
(8) 铃木一个星期打几次网球?(鈴木は1週間に何回テニスをするか?)
① 打两次网球。(2回テニスをする)
② 打一次网球。(1回テニスをする)
③ 打一个星期网球。(1週間テニスをする)
④ 打两个星期网球。(2週間テニスをする)
(9) 李小刚的爸爸妈妈什么时候来日本?(李小剛の両親はいつ日本に来るか?)
① 这个星期六。(今週土曜日)
② 这个星期四。(今週木曜日)
③ 下个星期六。(来週土曜日)
④ 下个星期四。(来週木曜日)
(10) 李小刚打算这个星期六去干什么?(李小剛は今週土曜日に何をしに行くつもりか)
①给铃木打电话。(鈴木に電話する)
②跟爸爸妈妈去买东西。(両親と一緒に買い物に行く)
③跟爸爸妈妈吃小笼包。(両親と一緒に小龍包を食べる)
④跟铃木一起打网球。(鈴木と一緒にテニスをする)
正解:(6)3 (7)4 (8)1 (9)2 (10)2
3-2 <筆記>セクション
パート | 内容 |
第1部分 | 発音問題 |
第2部分 | 文章中の空欄に合うものを選択肢の中から選ぶ |
第3部分 | ・日本語の文章を正しく中国語訳しているものを選択肢の中から選ぶ。 ・日本語の文章に合うように、与えられた単語を並べ替える。 |
第4部分 | やや長い文章の空欄に入る単語を選択肢から選ぶ/内容に関する問いに答える |
第5部分 | 日本語を中国語訳する |
(6)~(10)の中国語の正しいピンイン表記を,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
⑹ 铅笔(えんぴつ)
① qiānbǐ ② qiānpǐ ③ jiānbǐ ④ jiānpǐ
正解:①
(1)~(10)の中国語の空欄を埋めるのに最も適当なものを,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
⑴ 这( )裙子真漂亮!(このスカートは本当にキレイだ!)
① 枚 ② 张 ③ 把 ④ 条
正解:④
1.(1)~(5)の日本語の意味に合う中国語を,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
(1) 彼女は体育館に駆け込んでいきました。
① 她跑体育馆进去了。
② 她跑去体育馆进了。
③ 她跑进去体育馆了。
④ 她跑进体育馆去了。
正解:④
2.(6)~(10)の日本語の意味になるように,それぞれ①~④を並べ替えたとき,[ ]内に入るものはどれか,その番号を解答欄にマークしなさい。
(6) 彼らはみな中国語を学んだことがありません。
他们 ____ _____[____]____ 汉语。
① 都 ② 过 ③ 学 ④ 没
正解:③
次の文章を読み,(1)~(6)の問いの答えとして最も適当なものを,それぞれ①~④の中から1つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。
我大学毕业以后,就留在上海工作了。这里的生活每天都很忙、很紧张。有时候,我会想起老家那种悠闲的生活。
我的老家在中国的北方,是一座小城市。那里的人们 ⑴ 上海人一样,每天上班下班,去超市买东西,去餐厅吃饭,到电影院看电影,开着自家车去各地旅游。但是,老家没有上海这么多的人,没有这么高的楼,也没有这么贵的物价。我妈妈就特别喜欢老家的生活环境。
我妈妈 ⑵ 六十多岁了,她一直在老家生活。高中毕业的时候,她不 ⑶ 离开老家,所以没有上大学,就在老家的幼儿园做老师了。二十一岁那年,她和我爸爸结婚,两年后我出生了。她三十岁的时候,辞去幼儿园老师的工作,自己开了一 ⑷ 书店,后来又做过其他工作,但一直没有离开老家。现在她每天早上去公园锻炼身体,白天买菜、做饭、打扫房间,晚上看看电视。她觉得每天都生活 ⑸ 很愉快。
(和訳:私は大学卒業後、上海に留まって仕事をしていた。ここでの生活は毎日とても忙しく、慌しかった。あるとき、私は故郷でののんびりした生活を思い出した。 私の故郷は中国の北部にあり、小さな都市だ。そこの人たちは上海の人たち[ 1 ]同じで、毎日会社に出勤し、スーパーへ買い物に行き、レストランで食事をし、映画館で映画を鑑賞し、自家用車で各地へ旅行へ行っていた。しかし故郷は上海ほど人が多くなく、高い建物もなく、物価もそれほど高くなかった。私の母は田舎での生活環境をとても気に入っていた。 私の母は[ 2 ]60歳で、彼女はずっと田舎暮らしをしていた。高校を卒業する時、彼女は田舎を離れる[ 3 ]、そのため大学には行かず、田舎で幼稚園の先生になった。21歳のその年、彼女と父は結婚、2年後私が生まれた。彼女が30歳の時、幼稚園の先生を辞め、自分で一[ 4 ]の本屋を開いた。その後他の仕事もしたが、田舎を離れることはなかった。いま彼女は毎朝公園に行って身体を鍛え、日中は買い物、炊事、掃除、夜にはテレビを見る。彼女は毎日生活が[ 5 ]とても楽しいと思っている。)
⑴ 空欄⑴を埋めるのに適当なものは,次のどれか。
① 比 ② 跟 ③ 离 ④ 在
⑵ 空欄⑵を埋めるのに適当なものは,次のどれか。
① 正在 ② 已经 ③ 还是 ④ 刚才
⑶ 空欄⑶を埋めるのに適当なものは,次のどれか。
① 要 ② 得 ③ 可以 ④ 想
⑷ 空欄⑷を埋めるのに適当なものは,次のどれか。
① 家 ② 座 ③ 件 ④ 所
⑸ 空欄⑸を埋めるのに適当なものは,次のどれか。
① 的 ② 过 ③ 得 ④ 地
⑹ 本文の内容と一致するものは,次のどれか。
① 我经常开车去各地旅行。(私はよく車で各地を旅行する)
② 小城市的生活没有上海快乐。(小さな都市での生活は上海ほど楽しくない)
③ 我妈妈没在大学学习过。(私の母は大学で学んだことはない)
④ 我今后打算回老家工作。(私は今後故郷に帰って仕事をするつもりだ)
正解: (1)2 (2)2 (3)4 (4)1 (5)3 (6)3
⑴~⑸の日本語を中国語に訳し,漢字(簡体字)で解答欄に書きなさい。
(漢字は崩したり略したりせずに書き,文中・文末には句読点や疑問符をつけること。)
⑴ あなたの誕生日は何月何日ですか。
正解:你的生日是几月几号?
4 中国語検定4級合格のための重要な2つのポイント
4-1 過去問題を解いて「試験の傾向」を知る
まずは、過去問題を解いて「試験の傾向」を掴みましょう。どんな試験にも傾向・クセがあります。試験のクセを知らないままでは、本番で実力は発揮できません。
過去問題は「試験直前の模擬試験」ではなく、試験の2~3週間前から取り組み始め、正解できるまで何度もトライします。
重要なのは、過去問題集を使う目的をしっかり意識することです。
その目的とは3つ。①解答にかかる時間を測る ②自分に何が足りていないかを知る ③復習ツールとして使うことです。その中でも最重要は「復習」です。
厳禁なのは「問題の解きっぱなし」。過去問題は、解いて、答え合わせして終わりではなく、そこで出来なかった問題だけを復習・覚える、という形で活用します。
4-2 問題形式に合った教材を徹底的に利用する
中国語検定4級では、リスニング問題、筆記問題ともに、日常でよく使われる基本的な文章が出題されます。
これをクリアするには、
1.「発音」の基礎土台をしっかり作ること
2.「読む・聞く・話す・書く」の総合力を鍛えること
が必要です。
中国語検定は、この力がしっかり身についているかを確かめるテストですので、実力なくして合格は有り得ません。
検定試験をクリアできる力をつけ、かつ実際に使える中国語を身に付ける効率的な方法は、これだと信じた教材を「世界一やり込んだ」と言えるくらいに、徹底的にやり込むこと。いろんな教材に手を出さず、発音・総合・短文・単語の教材を1冊ずつ用意し、それを完璧に身体に染み込むまで繰り返しやります。
この勉強法におすすめの教材とその具体的なやり方については、次の章でご紹介します。
5 中国語検定4級合格のための勉強法とおすすめ教材
5-1 リスニング・発音問題対策は「発音トレーニング」
リスニング・発音問題をクリアするには「発音トレーニング」が必要です。
「発音」は、中国語学習における基礎であり、最重要ポイントです。
「中国語検定に合格するため」にはもちろんですが、中国語は「発音」が正しく出来ないと、話しても伝わりませんし、聞き取れません。日本人は、中国語独特の日本語にはない「発音」「声調(四声)」を身に付ける必要があります。
正しい発音を身に付ける方法は、毎日繰り返し正しい発音を意識した練習・トレーニングをするほかありません。
語学はよく運動に例えられます。例えば、野球のバッティングが上手くなりたくて、練習試合だけ毎日やっても上手くなりません。走り込んで足腰を鍛え、毎日素振りをして強固な基礎を築いてこそ、実戦で使える力が身につくのと同じです。
5-1-1 おすすめ「発音」教材
人間は臨界期と呼ばれる7歳までであれば、母語以外の言語でもスムーズに習得できることがわかっています。逆に、それ以降の年齢、大人になって外国語を学ぶ場合、子どもの時のように「耳」を頼って習得することは困難です。「聞くだけでペラペラ」はあり得ないのです。
大人は、言葉やイメージを使って「頭」で理解していくことで効率的に学習できます。そうすれば、子どもよりも早いスピードで発音をマスターすることが可能です。
発音」の学習に特化した教材です。この教材のよいところは、
1. 発音の仕方について、イメージしやすい解説がある
2. 舌の位置や口の形を示す図や写真がある
3. CDがついている(DVDなら、さらによい)
詳細な解説が特徴で、口の型と舌の位置が丁寧に書かれており、大人が中国語の発音を「頭」で理解するのに役立ちます。
中国語の声調のコツについては、
『四声(声調)の発音をマスターする!【音声・動画付】』
中国語の発音のコツについては、
『中国語の発音基礎|効果的なトレーニング方法|動画・音声付』を、
ひたすらピンインを練習するトレーニングは、
『【音声付】中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング』
5-2 リスニング・筆記問題対策は「シャドーイング」
4-2でお伝えしたとおり、中国語検定に合格するには、「読む・聞く・話す・書く」という中国語の総合力を磨く必要があります。
中国語の総合力を磨く方法でおすすめなのは、「シャドーイング」という勉強法です。具体的には、テキストの音声を聞きながら、それに続いて影のように復唱していきます。
この方法は、「読む・聞く・話す・書く」の4つの技能が同時に鍛えることができます。
まず、音声を聞きながら、それを真似て声に出して発することで、「聞く」と「話す」が鍛えられます。そのうちの「聞く」は、インプット学習であるという意味で「読む」につながります。同様に「話す」は、アウトプット学習として「書く」につながります。直接的には「聞く」「話す」を鍛えながら、結果として「読む」「書く」といった力を伸ばすことができるのです。
『シャドーイングで語学をマスターする方法』を
総合力を磨くトレーニングについては、
『初心者が中国語を学ぶ勉強法はこれ!10,000人指導のプロが伝授』を参照、ぜひ実践してください。
5-2-2 シャドーイングに使えるおすすめ「総合」教材
中国語学習の基本となる「発音」「文法」「会話の構文」をしっかり積み上げていくことを目的とした本書。テキストとCDに収録されている内容はボリューム たっぷりで、2100の単語、100点以上の文法ポイント、1100の例文と会話、と濃い内容。似た表現を同じページにまとめてあり、混乱しがちな表現も 理解しやすい構成になっています。
リスニング力アップのために作られた本書。中国語検定3級から準1級レベルまでの110編の文章が収録されています。重要な単語には、ピンインと和訳が付いています。
5-3 文法問題対策は「短文教材を丸暗記」
「短文教材」とは、ひとつの文法ルールに対してひとつの例文が載っている教材です。
シャドーイングをしているだけでも、文法は自然と身についていきますが、「短文教材」を使うことで、より体系的に文法を学習することができます。
文法対策にはズバリ、「短文教材の例文を丸暗記」します。
では「短文教材」で例文を見てみましょう。
<再 … ふたたび・もう一度> |
请你再说一遍。(もう一度言ってください。) |
※「再+動詞」の語順になることに注意する。 |
この例文を丸暗記していれば、 過去問題のこの問題は楽勝で回答できますね。
「もう1 曲歌ってください。」 ① 请你唱再一首歌。 ② 请你唱歌再一首。 ③ 请你再一首唱歌。 ④ 请你再唱一首歌。 |
「再+動詞」の形になっている④が正解です。
5-3-1 おすすめ「短文」教材
語順体系に対する理解を重視した本書。疑問詞、助動詞などといった同じ種類で、似た意味・形・用法の単語を1つのページにまとめてあります。ひとつの項目に対してひとつの例文を覚えていく方法で、暗記していきます。
また、上の「総合教材」でご紹介した『耳が喜ぶ中国語 リスニング体得トレーニング』も、短文教材としても有効です。
5-3-2 文法ルールを丸暗記する効率的な方法
短文教材の丸暗記の方法は、
•その構文に対応する総合教材の文法解説をチェックする
•総合教材のキーポイントにマーキングする
(総合教材のシャドーイングの際には、そのポイントを意識して発音する)
以上の2点をしっかりとやっていけば確実に文法ルールが体に染み付いていきます。総合教材と短文教材に重複して出てくる文法ルールを、繰り返しインプット/アウトプットしていくことで知識として定着させることができます。
また、1つの文法ルールについて、いくつか例文が載っていますが、1つの例文のみを暗記し、残りは捨ててしまいます。ただし覚えるべき例文は100%完璧に覚えます。ここで言う「完璧」とは、日本語を見ただけでそれに対応する中国語がぱっと言えて、かつ、書けるレベルのことです。もちろん、発音も完璧を目指します。
覚える例文を決めたら、次の段取りで暗記していきます。
ステップ①音声を聞きシャドーイングを繰り返す |
最初は教材を見ながら行う。スムーズにマネできるようになったら音だけをたよりに行う。この作業で頭にしっかりインプットする。
ステップ②テスト&暗記 |
中国語の部分を隠した状態で日本語を見て、例文が言えるかどうか自分でテストをします。言えなかったものは暗記し、できるようになるまで「テスト→暗記」を繰り返します。
ステップ③復習する |
暗記+テストの「翌日」と「1週間後」に同箇所の「テスト+暗記」を行います。
ステップ④応用練習 |
身につけた文法ルールを使って自分でもいくつか例文を使ってみる。これにより、文法問題に対応するだけでなく、筆記問題にも対応することができます。
短文教材のセンテンスを完璧に暗記し、その構文に対応する総合教材の文法解説をチェックしてゆくことで、文法ルールが体になじみ、間違った使い方を目にしたり、耳にしたりすると、「あれ、なんかこれっておかしいな」と違和感を覚えるようになります。
5-4 語彙力アップ対策
中国語検定4級に合格するためには、500~1,000の語彙力が必要とされています。中国語検定4級レベルの単語は、中国語会話においても必須の基本的な単語です。
5-4-1 単語学習のルール
単語は、「単語」教材を使って覚えていきます。
ルール①1単語1意味 |
単語教材には通常、1つの中国語に対して、日本語の意味が複数掲載されています。この全てを暗記する必要はなく、原則として「1つの中国語に対して日本語の意味は1つ覚えればOK」で、どうしても2つ以上の意味が書いてあるものを覚えたい時は、中国語の横に「②」と書き、日本語の意味にも2箇所マーカーします。
ルール②例文は念入りにやらなくてよい |
ただし、基礎レベルの接続詞と副詞については例文をきっちり覚える。接続詞と副詞は日常会話や作文で多用するため、覚えておくといろいろ使えて便利だからです。
5-4-2 記号を使った「システマチック単語暗記法」
ステップ①音読 |
教材をみながら、音声なしで同じく3~5回音読。覚えるつもりで。
ステップ②エアライティング |
中国語の漢字を、ペンをもってエア(空気中)で2~3回書き取りをする。実際に書くよりもスピーディーに練習ができる。しっかり書きたい漢字は紙に書いて練習する。
ステップ③暗記テスト |
- 中国語を見て、日本語の意味が言えるか。
- 中国語をみて、正しく発音できるか(=ピンインがかける)。
- 日本語を見て、中国語が書けるか。
- 日本語を見て、中国語が正しく言えるか。
全てができるまで続ける。
5-4-3 おすすめの「単語」教材
1つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。しかし、全てを暗記する必要はなく、原則として、1つの中国語に対して、日本語の意味はひとつおぼえればOKです。また、例文は念入りにやらなくてもかまいません。例文がどういう形で使われているのかを見ておくだけで十分です。
6 過去問題集を120%活用する方法
過去問題集を使う目的は3つ。①試験のクセ・傾向をつかむ ②解答にかかる時間を測る ③復習ツールとして使う です。では、具体的に「過去問題集を120%活用する方法」を伝授します。
6-1 時間を測って問題を解く
試験は時間配分が重要です。得意な部分を先に解答し、残りの時間で苦手な部分を解答するなど、時間配分の作戦を立てることが大切です。
そのためにも、過去問題集や模擬試験に取り組む際、必ずストップウォッチで解答にかかった時間をしっかりと計測しながら進めましょう。
6-2 正解のレベルをメモする
過去問題集と解答ノートを用意します。解答ノートに解答していく際、解答の横に次の記号をつけていきます。自信がある解答には何も付けません。
「カ」 — 正解がわかったけど、後で解説を読みたいもの 「△」 — 解答に自信が無いもの 「?」 — 正解がわからなかったもの |
わからなくても、当てずっぽうでいいので、選択肢のどれかは必ず選びましょう!
問題を解き終わったら、答え合わせをし、次は教材の方に書き込みをします。問題なく正解できたものには何も書きません。不正解のものと解答のときに自信がなかったものの問題番号の横に印をつけます。こうすることで、何がまだ知識として定着していないのかがわかります。
不正解→「/」 解答ノートに「カ」「△」「?」があるけど、正解→「点線の/」 |
繰り返し問題を解いて、「/」や「点線の/」が消えるまでやります。
6-3 過去問題集を「最強の復習ツール」にする
過去問題集や模擬試験の解きっぱなしは厳禁です。復習が最重要です。復習しなければ、せっかく解いても何の力にもなりません。「解答後は復習」を習慣にしましょう。
復習のメニューは以下の5つです。
6-3-1 5つの復習メニュー
①語彙チェック |
「表現ノート」を作ります。問題中のわからない単語をすべて「表現ノート」に書き出します。そして辞書などで意味を調べます。それを「システマチック暗記法」で覚えます。
システマチック暗記法については、『中国語教材のおすすめ厳選23と効率的に使う方法』記事の中の 『8-2システマチック単語暗記法とは?』で詳しく解説しています。ご覧ください。
②再テスト |
教材に「/」や「点線の/」が付いている<筆記>セクションの問題をもう一度解きます。再テストで間違えたら「×」、正解には「○」を付けます。すべての問題が「○」になるまで繰り返し、かつ全ての問題についての「正解の理由」が言えるレベルを目指します。
③<筆記>セクション問題の音読&速読&シャドーイング |
<筆記>セクションの文を何度か音読、さらに何度か速読します。「速読」には難しいテクニックは要りません。頭の中で文字を音声化しないで読むだけです。言葉の意味だけにフォーカスして、普段の2倍くらいのスピードで読んでいきます。
さらに、可能であれば筆記問題についても、知り合いの中国人などに読んでもらったものをICレコーダーに録音し、シャドーイングをしましょう。これにより、筆記問題を使って、「読む・聞く・話す・書く」の4つの技能が同時に鍛えられます。
④<リスニング>セクションのシャドーイング |
<リスニング>セクションのスクリプト(台本)をシャドーイングします。最初はスクリプトを見ながら行い、何度かやって上手く発音できるようになったら、何も見ずに音だけを頼りにシャドーイングします。シャドーイングの際には、発音に気をつけ、あやふやな単語については正確なピンインを記載するなどして、完璧な形で行いましょう。この対策が最も重要であるといえます。
⑤<筆記>セクション筆記問題の再作文 |
<作文>セクションの問題は、解答を見た上で、再度自分で書いてみる。これを何度か繰り返し、自分の納得できるクオリティまで持っていきます。新しい問題にどんどんチャレンジするよりも、同じ問題で何度も作文する方が実力につながります。
6-3-2 おすすめの過去問教材
まとめ
中国語検定4級に合格するための勉強法はお分かりいただけたと思います。 あとはスケジュールを決めて、やるだけです! まず4級に一発で合格して、どんどん中国語力をレベルアップさせていきましょう!
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・中国人と流暢に会話を楽しめるようになりたい
・ビジネスで使えるレベルの会話が出来るようになりたい
・ニュースや映画を字幕なしで読めるようになりたい
・中国語検定やHSKなど中国語の試験に合格したい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
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