中国語教材のおすすめ厳選23と効率的に使う方法

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  • 「受験勉強のときに、手当たり次第に参考書に手を出してみたけど身につかなかった」
  • 「英語の単語集をいろいろ買ってみたけど結局覚えられなかった」

という経験はありませんか?

そしていま「中国語を使いこなせるようになりたい!」と思うなら、どの教材を使えば効果的に、効率的に学べるかを知りたいところですよね。書店の中国語の棚にズラリと並ぶ教材たちを眺めながら、迷っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、中国語を教える専門家である筆者が、自分たちでも使ってみて「これはいい」という教材たちを、その活用法とともにご紹介します。

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目次

1. 中国語教材「5分野」の教材の徹底活用

あなたは教材を買う時、どういう基準で選びますか?

多くの人がやりがちなのが、文法や単語、聞き取りなど、その時々の自分の苦手分野の教材をバラバラに買っていく、ではないでしょうか。しかし、このやり方はお勧めしません。

なぜなら、次々と新しいものに手を出すと、広く浅い学習になってしまい、強固な基礎力を養うことができないからです。

1つの教材を「世界一やり込んだ」と言えるくらいに徹底的にやり込む方が、発音やリズム、単語・文法・フレーズを身体に染みこませていくことができます。

「自然に外国語をしゃべれるようになる」ことは大人には有り得ません。人間は臨界期と呼ばれる7歳までであれば、母語以外の言語でもスムーズに習得できることがわかっています。つまりそれ以降の年齢では、「自然に外国語をしゃべれるようになる」ことは無いのです。大人は、意識的に「覚える」「身体に染み込ませる」必要があります。

では実際に、どんな教材を選び「世界一やり込む」のがいいのか。そんなあなたのために、私は必要な教材を「5分野」に分類しました。ぜひ教材選びの参考にしてください。

1-1. 教材は「5分野」を揃える

「5分野」とは次の通りです。

①「発音」教材
②「総合」教材
③「短文」教材
④「単語」教材
⑤「検定試験の過去問集・模擬試験」

①の「発音」教材とは、読んで字のごとく、「発音」に特化した教材。
②の「総合」教材とは、発音や文法解説、単語、フレーズなどが網羅的に扱われている教材。
③の「短文」教材とは、重要な「構文」が覚えられる構成になっている教材。
④の「単語」教材とは、いわゆる「単語集」のこと。
⑤の「検定試験の過去問集・模擬試験」とは、中国語検定やHSKなどの検定試験対策の問題集。

最初から「5分野」の教材を1冊ずつ揃えることをお勧めします。

日々の中国語の学習では、これらを同時並行的に徹底的にやっていきます。そうすることで、効率的に強固な中国語力を身につけていくことができるのです。

1-2. 「5分野」の教材を、3ステップに分けて使う

先ほど、「同時並行的に」と書きましたが、実際にはこの5分野をすべて同時に進めていくわけでありません。学習の段階を3段階に分け、それぞれの段階で必要な教材を使っていくことになります。

ステップ1 発音の基礎をつくる
  →「発音」教材
ステップ2 「読む・聞く・話す・書く」の総合力を鍛えていく
  →「総合」教材・「短文」教材・「単語」教材
ステップ3 検定試験を受ける
  →「検定試験の過去問集・模擬試験」

ステップアップの図PNG

では、それぞれの段階の学習のポイントを確認しましょう。

1-3. ステップ1 発音の基礎をつくる

中国語学習の最初の難関はなんといっても「発音」です。中国語には日本語にはない発音がたくさんあり、それを体に染み込ませていかないと、結局は「話せない(通じない)・聞き取れない」という状況になってしまいます。

そこで、最初の2カ月は、「発音」教材を使ってみっちり発音のトレーニングをしていきます。

1-4. ステップ2 「読む・聞く・話す・書く」の総合力を鍛えていく

中国語の発音に体が慣れてきたら、「実践的な中国語」を身につける段階に入っていきます。これがステップ2となります。この段階に入ったら、「総合」「短文」「単語」の教材を同時並行で進めていくことになります。

その際、「初級」→「中級」→「上級」と、3つのレベルを設け、それぞれのレベルで「総合」「短文」「単語」の教材を1冊ずつ揃えます。そして、初級からスタートし、1つのレベルの教材を「世界一やり込んだ」といるくらいに徹底的にやり込んだら、次のレベルに上がっていきます。

1-5. ステップ3 検定試験を受ける

ステップ2を続けながら、時々、自分の今の中国語力をチェックする意味で、中国語検定やHSKといった検定試験を受検していきましょう。そのための勉強がステップ3です。

つまり、「ステップ2」の間に、時々「ステップ3」を挟みながら、中国語力をアップさせていくわけです。

2. 中国語教材選びの絶対に外せない2つのポイント

「教材」を選ぶ際に、しっかり覚えていて欲しいポイントをお伝えします。

2-1. 「1分野1教材」に絞る

まず、各分野について、取り組む教材は「1冊に絞る」ということです。

「発音」「総合」「短文」「単語」「検定試験の過去問集・模擬試験」それぞれの分野、各レベルで1冊だけ購入しましょう。(「総合」「短文」「単語」は初・中・上級でそれぞれ1冊ずつ。)

中国語に限らず、語学を学ぶ人の中には、次から次へと教材を買う「教材コレクター」になってしまう人がいます。実はこれがもっとも失敗しやすいパターン。なぜなら、広く浅くの学習となるため、強固な基礎力を養うことができないからです。

何事も土台が肝心です。そして、土台がしっかりしていると、確実に成長できます。そのためにも、1分野につき1冊の教材に絞り込み、それをしつこくやり込む。「身についた」と実感できるまで何度も繰り返し勉強する。そうやって、基礎力をどんどん強化していくのです。

具体的なおすすめの教材は、3章で紹介します。

2-2. CD付きのモノを選ぶ

中国語の学習に限らず、語学を学ぶ際には、ネイティブが発音している音源があることが必須です。ネイティブの発音を聞き、それを徹底的に真似ることは、外国語習得の近道になります。

特に、これからご紹介する教材活用法の柱は、「シャドーイング」です。これはネイティブの音声を聞きながら、ほぼ同時に声に出してそれを真似ていくという方法。これは、「読む・聞く・話す・書く」の総合力を身につける上で、非常に効果があります。

それを実践していくには、CDが不可欠なのです。

また、発音については、DVDもついていると言うことなし。口の形や舌の位置などを目でしっかり確認ができ、上達を助けてくれます。

シャドーイングの具体的なやり方は、
シャドーイングで語学をマスターする方法』で詳しく紹介しています。

3. 中国語教材「5分野」それぞれの、おすすめ教材をチェック!

ここからは、「5分野」のおすすめ教材を紹介します。何度も言いますが、各分野で教材は1冊で構いません。

3-1. おすすめ「発音」教材

まず、「発音」教材を選ぶ際のポイントは次の3つです。

1. 発音の仕方について、イメージしやすい解説がある
2. 舌の位置や口の形を示す図や写真がある
3. CDがついている(DVDなら、さらによい)

大人になって外国語を学ぶ場合、子どもの時のように、「耳」を頼って習得することは困難です。「聞くだけでペラペラ」はあり得ないのです。より効果的に学習するなら、言葉やイメージを使って「頭」で理解していくことです。

特に、1-3でも述べたように、中国語の発音は日本人には超難関。耳で聞くだけでは、なかなか真似できません。だからこそ、「発音」教材では、唇の形や開き方、舌の位置、発音する音、音の高さなどが、言葉や図、イメージで示されていることが重要になります。それがポイントの①や②となるわけです。

これら3つのポイントを押さえている教材といえば、この教材です。

「発音」の学習に特化した教材。詳細な解説が特徴で、口の型と舌の位置が丁寧に書かれており、大人が中国語の発音を「頭」で理解するのに役立ちます。

発音のコツ、練習についてはこちらの記事もご覧ください。
中国語の声調のコツについては、
【音声・動画付】これで解決!四声(声調)の発音と入力
中国語の発音のコツについては、
中国語発音(ピンイン)トレーニング|初心者が2ヶ月でマスター』を、
ひたすらピンインを練習するトレーニングは、
【音声付】中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング

3-2. おすすめ「総合」教材

「総合」教材は、1-4で述べた「ステップ2」で使う教材です。

この教材は、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を総合的に鍛えていくのに効果があります。そして、2-2でも述べましたが、これら4技能を鍛えていくのに非常に効果的なのが、「シャドーイング」です。

これは、ネイティブの音声を聞きながら、ほぼ同時に声に出してそれを真似ていくという方法です。

シャドーイングの具体的なやり方については
シャドーイングで語学をマスターする方法』をご覧ください。

「総合」教材で、この「シャドーイング」を徹底的に行っていきます。そのため、選ぶポイントは、「シャドーイングがしやすいこと!」につきます。

具体的には、

1. CD付きである
2. 「会話文」だけものでなく、「ある程度の長さのある文」が載っているもの(ただし、【入門】レベルでは、「会話文」だけのものでもOK)

1のCDは当然ですよね。
2の「ある程度の長さのある文」というのは、日本語を挟まず中国語で考える「中国語脳」を作っていくには、ある程度の長さを持った文章を、流れを切らさずにシャドーイングすることが大切だから。短文中心の「会話文」だと、これが難しくなってしまうのです(これは中国語以外の外国語でも同じです)。

以下、上記2つのポイントを押さえた教材を、「入門」「初級」「中級」「上級」ごとに紹介しましょう。

ちなみに、「入門」というのは、「ステップ1」(2カ月の発音トレーニング)の段階で使うのをお勧めしている教材です。

1―3で『最初の2カ月は、「発音」教材を使ってみっちり発音のトレーニングをしていく』と書きましたが、実際、発音のトレーニングばかりでは飽きてきます。そんな時は、この「入門」用の「総合」教材も取り入れていくといいと思います。その際、ポイントは、「勉強」ではなく、「遊び」感覚。音声を聞きながら、教材をたどって自分も発音してみる。そんな「シャドーイングもどき」をして、中国語に慣れていきましょう。

入門

入門の教材のみ2冊を1組として、(A)(B)のいずれかを選択して、取り組みましょう。

(A)

(B)

中国の大学をはじめ、多くの中国語教育機関で使用されている教材のひとつです。基本構文/会話文/文法/新出単語/練習問題の5つで構成されており、301の中国語のフレーズを覚えることで、会話力を身につけます。なおCDは1枚だけ付属しており、6課以降の内容は別売りです。また発音の説明がわかりやすいDVD版もあります。

初級

リスニング力アップのために作られた本書。中国語検定3級から準1級レベルまでの110編の文章が収録されています。重要な単語には、ピンインと和訳が付いています。

中級

本気で学ぶ中級中国語 CD BOOK 単行本 – 2011/6/15
created by Rinker

「本気で学ぶ(初級)中国語 」で初級レベルを学習した後のステップアップ版。本書を繰り返し練習することで、中国語検定3級レベルの中国語が身につくとされています。例文はより実践的で、「把」構文や「結果補語」「可能補語」など複雑な文法の要点を掲載。的確な単語の使い分けなどがきちんと出来るよう系統的に説明されています。初級版同様、全ての例文にピンイン付き。

リスニング力アップのために作られた本書。中国語検定3級から準1級レベルまでの110編の文章が収録されています。重要な単語には、ピンインと和訳が付いています。

上級

初級と中級で習った語彙・フレーズ・慣用句・文法を実践で使えるようにすることを目的としています。構成は、文法ルールの簡潔な説明に例文、似た意味の単語の違い(例えば「合适・适合・适应・适宜」の使い分けや、混乱しがちな結果補語の使い方)や、辞書に載っていないような比較的新しい単語(例えば「スピード結婚(闪婚)」「手抜き工事(豆腐渣工程)」)の中国語での説明、さらに長文に会話文と、内容もぎっしり。
また長文や会話文のテーマが「春節期間の大移動」「中国のパクリ文化」など面白く、またHSKの試験問題の対策にもなります。

単語力、読解力、ヒアリング力アップに最適な教材です。150~500字程度の小文・短文あわせて60課からなり、後半ほど難しい単語や複雑な構文になっ ています。驚くのは、掲載されている小文で、日常使用される語のうち90%を網羅しているということ。文脈の中で単語が覚えられるというとても学習効率の 高い教材です。

3-3. おすすめ「短文」教材

初級

語順体系に対する理解を重視した本書。疑問詞、助動詞などといった同じ種類で、似た意味・形・用法の単語が1つのページにまとめられています。本書の 「1~75」がHSK4級レベル相当です。ひとつの項目に対して1つの短文を覚えていく方法で、暗記していきます。特に、<作文>セクションで使える内容です。また、基本の短文を暗記することで、スピーキング力の向上にも役立ちます。暗記すると同時に、音源を活用してシャドーイング練習もしましょう。

中級

語順体系に対する理解を重視した「口を鍛える」中国語シリーズの中級編。似た意味・形・用法の単語を1ページにまとめてあり、75課600例文を収録しています。中級編の本書は、“好”、“完” などの結果補語や方向補語の“上”、”下”、“出来”、“起来”など中級で重要、日常会話でよく使われる文法ばかり収録されており、とても実践的です。 HSK5級を受験するなら全てを覚えておきましょう。

簡単な中国語は読めるようになったけど、なかなか中国語が口から出てこない、という人を対象にスピーキングを体得することを目的とした本書。似た意味・用法の単語を1ページにまとめてあります。

上級

初級・中級の学習を経て、より豊かな中国語表現をマスターすることを目的とした本書。副詞表現や、慣用補語表現“-住”“-上”や、“只”の着く言葉など、「使えなくても会話は出来るし、聞けば理解できるけど、自分では使えない」という中級の壁を越える表現をしっかり身に付けやすい構成です。

3-4. おすすめ「単語」教材

初級

HSK1級から4級までの単語を級別に収録。1つの単語につき、基本的に1つの意味・例文が掲載されています。辞書にあるような複数の意味をぼんやり覚えるのではなく、1つだけに絞って完璧に覚えます。

1つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。しかし、全てを暗記する必要はなく、原則として、1つの中国語に対して、日本語の意味はひとつおぼえればOKです。

中級

HSK5・6級の単語を級別に収録。1つの単語につき、基本的に1つの意味・例文が掲載されています。辞書にあるような複数の意味をぼんやり覚えるのではなく、1つだけに絞って完璧に覚えます。

中検3級レベルの単語を収録。収録されている単語は、どれも日常生活で頻出する単語です。1 つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。しかし、全てを暗記する必要はなく、原則として、1つの中国語に対して、日本語の意味はひとつおぼえればOKです。また、例文は念入りにやらなくてもかまいません。例文がどういう形で使われているのかを見ておくだけで十分です。

中国語検定2級レベルの単語を収録。1 つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。しかし、全てを暗記する必要はなく、原則として、1つの中国語に対して、日本語の意味はひとつおぼえればOKです。また、例文は念入りにやらなくてもかまいません。例文がどういう形で使われているのかを見ておくだけで十分です。

上級

中国語検定準1級レベルの単語を収録。1 つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。しかし、全てを暗記する必要はなく、原則として、1つの中国語に対して、日本語の意味をひとつだけ覚えます。

3-5. おすすめ「検定」教材

HSK

過去5年分の過去問題を収録。問題集には和訳と日本語の解説が付いているので、自分が出来なかった問題についての理解を深めやすい構成になっています。模擬試験として取り組むだけでなく、徹底的に復習しましょう。<リスニング>セクションは繰り返しシャドーイング、<読解>セクションの文章は何度も音読、 黙読を繰り返し、身体に叩き込みます。

中国語検定

『中検各級問題集シリーズ』(光生館)

4. 独学をサポートする「フルーエント」の教材

「5分野の教材を、世界一やり込んだと言えるくらいに徹底的にやり込む」のが、中国語をマスターする効率的な学習法だとお伝えしました。

しかし教材をそろえて、徹底的にやり込む固い意志があっても、学習を進めていくうちに、多くの人がぶつかる壁があります。それは中国語スクールに通っていても、独学でも同じです。

  • 発音学習で挫折する
  • 中国人(ネイティブ)に発音や文法を聞いてもよくわからない
  • モチベーションが続かない
  • どれだけ勉強すればいいかわからない

そんな壁をうち破るのが「フルーエント」の通信講座です。フルーエントでは、独自の学習システムで解決します。

使用するのは、市販されている「5分野の教材」。それにオリジナルテキストと音声教材を使い、1章でご紹介した【発音の基礎力を作る・総合力を鍛える・検定試験でチェックする】というステップを踏んで、効果的に学習を進めます。

独学にはデメリットがあります。自分を客観的に評価してくれる人がいないので、自分の発音が正しいのか、やり方があっているのかわからないことです。

これを解消するのが、フルーエントの特徴である「日本人の専任コーチ」。スカイプとメールによるサポートで、初心者が1年でHSK最上級6級の合格、また中国語会話をマスターするのを支援します。中国語力のレベルアップを効率的に進めていきます。

詳しくはこちらをご覧ください。メールマガジンに登録すると、中国語学習に役に立つ情報が届きます。

5. 「発音」教材の使い方

5-1. 最初の2カ月は発音トレーニングに集中する

中国語学習において、なによりも大切なことが「発音」です。発音が正しくなければあなたの中国語は残念ながら相手に伝わりません。

発音は中国語力の土台になるものです。 結局、中国語が使えるようになるかどうかは、最初の発音練習をどれだけ真剣に取り組むかにかかっているのです。野球のバッティングの素振りの練習をするように、何度も繰り返し発音のトレーニングに集中しましょう。

しかし、実戦無しの素振り練習だけだとつまらないのと同じで、ひたすら発音トレーニングだけだと飽きてきます。並行して『3-2.おすすめ「総合」教材』でご紹介した入門レベルの教材を使って、あいさつのフレーズを覚えたり、基本的な文法ルールも学び始めたりするといいでしょう。

ちなみに、2か月間の発音学習の目安は、週に7時間(毎日平均1時間)の学習時間を確保することを想定しています。

5-2. 論理的に舌の位置や口の形を理解する

大人が中国語の発音を学ぶときの1番のポイントは論理的に理解していくということです。発音の方法(舌の位置や、唇のかたちなど)をアタマで論理的に理解し、繰り返し練習してカラダに覚えこませていきましょう。

子どもは「耳」で聞くだけで中国語が話せるようになりますが、残念なことに大人にはそれが無理です。なぜなら、人間は二十歳前後で聞き分けられる音が完全に固まってしまうから。つまり、「聞くだけでペラペラ」とか、「その言葉の環境にどっぷり浸かっていれはば、話せるようになる」なんてことは、大人の場合ありえないのです。

しかし、二十歳を過ぎているからと言ってあきらめる必要はありません。大人だからこそ、音の出し方を論理的に理解して発音を身につければ、子供より早く上達することが可能です。

5-3. 気になる発音は、録音してチェック

録音機器では、ネイティブの音を聞くだけではなく、自分の発音を録音して聞いてみるのがおすすめです。自分の発音を客観的に聞くことができ、講師やCDの音との違いに簡単に気づけます。もし、「なんか違う…」と気がつけたら、あとは徹底的にトレーニングです。

録音するものは、携帯電話の録音機能でもかまいませんが、ICレコーダーを使うとワンタッチリピート機能やスピード調整機能があるので、より効率的に学習できます。

特に、ワンタッチリピート機能は、後にお伝えするシャドーイング練習に不可欠な機能ですおすすめは、オリンパスのボイストレック(Vシリーズ)です。10章で発音トレーニングに欠かせないアイテムのご紹介と効果的な使い方について詳しくご説明します。

5-4. 毎日、ピンイン表を最初から最後まで音読する

ピンインとは「中国語の発音表記法」のことで、簡単に言うと漢字の読み方をアルファベットなどで示した一種の発音記号です。ピンイン表は、中国語のひとつひとつの音を規則的に表にしたものです。

中国語の母音が36個と子音が21個あり、これらが組み合わさって、約400の音になります。そこに「声調(四声)」が組み合わさると1600の音の種類があることになります。(厳密には1100くらいです。)この400余りの音とそれぞれを第一・二・三・四声で読みかえるパターンを身に付けるには、ある程度の「筋トレ」が必要になります。

これをひたすら音読する「筋トレ」をすることで、ピンインの正しい発音を文字通り身体に身に付けます。

中国ゼミオリジナルの音声付きピンイン表、また、ピンイン表を分解したピンイントレーニングページをぜひ活用してください。

中国ゼミオリジナルのピンイン・トレーニング・ページはこちら!
中国ゼミオリジナルの音声付きピンイン表
【音声付】中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング

 

発音トレーニングの順番や方法、発音のコツについて詳しく知りたい方は
こちらの記事もご覧ください。
中国語発音(ピンイン)トレーニング|初心者が2ヶ月でマスター

6. 「総合」教材の使い方

6-1. シャドーイングに始まり、シャドーイングに終わる

発音練習を経たら、「総合教材」「短文教材」「単語教材」を使い4つの力を鍛え上げていきます。その学習の柱となるのが「シャドーイング」です。

シャドーイングとは、テキストの音源を聞きながら、影のように後についてその音声をまねながら声に出していく学習方法です。慣れるまでは、テキストのピンインを見ながら行い、慣れてきたら漢字だけを見ながら、最終的に何も見ないで出来るようになるまで練習します。

シャドーイングはとても効率的な語学勉強法です。なぜなら「読む・書く・話す・聞く」の4つが同時に鍛えられるからなのです。

例えばスポーツで、お手本のDVD観ているだけでは、上手くなるわけはありません。やり方を教えてもらってあとは自分で繰り返しやっていくほかありません。

語学も同じように、正しいフォームで体をどんどん動かしていくに限ります。 そうしたトレーニングを実践できるのがシャドーイング。 耳や口、目など、体のいろいろな部分を同時に使って、言葉を体に染み込ませていくことができるのです。

一方、音読でも「口を動かしそれを耳で聞く」という効果はありますが、音読はお手本になる音声がないまま、自分のタイミングで声を出していくので、自己流のおかしなクセがついてしまう可能性があります。だからお手本をしっかり聞きながら進められるシャドーイングがおすすめなのです。

シャドーイングの詳しいやり方・ステップについて、
シャドーイングで語学をマスターする方法』もご覧ください。

6-2. 文法と単語をチェック

ある程度シャドーイングに慣れてきたら、教材に書いてある文法解説にマーカーを引いたり、出てくる単語を覚えたり・・・という学習も並行してやっていきましょう。

6-3. 復唱・要約をしてみる

使う教材を1種類に絞れと言いましたが、1冊の教材を「世界一やり込んだ」と言えるほど複数の方法で活用することで、いろいろな力を鍛えることができます。

その方法のひとつが、「復唱」「要約」という方法です。教材の内容を要約することで、実際に「話す」練習と「書く」練習をします。

方法は次の通りです。

<ステップ1> 復唱

文章中のキーワードとなるいくつかの単語をノートに書き出し(目安=1文につき2・3個ずつくらい)それらの単語を使いながら、文章の内容を簡略に話す。

<ステップ2> 要約

書き出した単語を使って簡単な要約文を書く。(目安=元の文章の1/3~半分くらいの分量に)作業の時間を意識するために時間を計測しながら行う。

<ステップ3> ネイティブチェック

中国人講師の前でも「復唱」をやり、必要に応じて訂正してもらう。かつ要約したものを添削してもらう。

<ステップ4> 見本

中国人講師にも同じ文章で復唱や要約をしてもらう。ポイントは小学校3・4年生レベルの簡単な表現にしてもらうこと。

<ステップ5> 音読

講師が要約した内容を声に出して読む。ただ読むのではなく、自分の頭を使って要約している感覚でアウトプットする。

<ステップ6> シャドーイング

添削してもらった文章と、中国人講師が書いてくれた縮写を、それぞれ中国人講師に朗読してもらい録音する。それをシャドーイングする。

復唱・要約は、自分の今頭の中にある言葉をつなげて文章を作る作業です。「話す」ことは、「考える=頭の中の単語をつなげる」そして、「音を口に出す」作業なので、「話す」段階の、ひとつ手前の段階と言えます。これを繰り返し、身体に染みこませていくと、考えたことが口から出るようになるというわけです。

6-4. 速読をしてみる

「シャドーイング」「復唱」「要約」以外に、「速読」という方法でも同じ教材を使います。速読は「読む力」を鍛えることが出来ます。

「読みこなす」ことは、検定の対策としても大切です。

特に高レベルの試験になってくると、試験のときには膨大な文章を読みこなさないといけません。かなりスピーディに読んでいかないと時間が足りなくなってしまいますから、試験対策も兼ねて、シャドーイングしつくした文章を速読用の教材としても活用します。

「速読」には難しいテクニックは要りません。頭の中で文字を音声化しないで読むだけです。言葉の意味だけにフォーカスして、普段の2倍くらいのスピードで読んでいきます。

こうした読み方も日頃の学習メニューに組み込んでおくと、読むスピードがぐんとアップし、HSK5・6級の<閲読>セクションも十分に対応できるようになります。

7. 「短文」教材の使い方

短文教材とは文法の学習教材です。文法項目ごとに、例文がいくつか載っているシンプルなものを選びます。もちろん音源があることも必須です。

7-1. 1文法1文例で、短文を徹底暗記

1つの文法ルールについて、いくつか例文が載っていますが、1つの例文のみを暗記します。残りは捨ててしまいます。ただし、覚えるべき例文は100%完璧に覚えます。

また同時に、その構文に対応する「総合」教材の文法解説をチェックし、キーポイントにマーキングします。総合教材をシャドーイングする時にそのポイントを意識して発声します。

そうすることで、総合教材と短文教材に重複して出てくる文法ルールを、繰り返しインプット/アウトプットしていくことで、知識として定着させます。

7-2. 単語の入れ替えで応用練習

さきほど、『1つの文法ルールについて、1つの例文を100%完璧に覚える』といいました。

ここで言う完璧とは、日本語を見ただけでそれに対応する中国語がパッと言えて、かつ、書けるレベルのこと。もちろん発音も完璧を目指します。1つの例文を完璧に覚えたら、次に言い換えの練習をします。

例えば「我是日本人(私は日本人です)」という例文を覚えたのであれば、「我」や「日本人」の部分を他の単語に変えてみるのです。こうした応用を行っていくことで「話す」「書く」といったアウトプットの力を鍛えていくことができます。正しい文法で書いたり話したりできるとともに、別に覚えた中国語の単語を、組み合わせて使う力を養うことができます。

例:我 是 日本人(私 は 日本人です)
 → 他 是 学生(彼 は 学生です)
 → 我妈妈 是 家庭妇女(私の母 は 専業主婦です)

8. 「単語」教材の使い方

例えばHSK6級に合格するには「5000語レベル」の語彙力が必要です。

実際に中国で暮らしてきた筆者の感覚ですが、1000語を超えたあたりが、中国旅行でタクシーの運転手さんに「○○に行きたい」とカタコトで言える程度。

2500語程度の単語が完全にインプットされると「一皮むけるかな・・・」という印象です。自分の言いたいことが、簡単な言葉を使ってならば中国語で伝えられるレベル。例えば「カラス」という単語は知らなくても「黒い鳥」で説明ができるという具合です。

HSK・中国語検定の目指す級に合格するには、語彙力について1つの目安があります。

それは1つ下の級までの単語を100%完璧にした上で、該当する級の単語を暗記すること。 つまりHSK5級のレベルに至るには、HSK4級までの単語を完璧にする。HSK6級のレベルに至るには、HSK5級までの単語を完璧にする、という具合です。

基礎が抜けてしまうと次のレベルには行けないので、つねに基礎の語彙力を固めることを意識することが重要で、そしてそのためには難単語は捨ててかまいません。こうした心構えで勉強に取り組むといいでしょう。

8-1. 鉄則は、「1単語1意味」「例文は軽く」

単語教材には通常、1つの中国語に対して、日本語の意味が複数掲載されています。しかし、このすべてを暗記する必要はなく、原則として「1つの中国語に対して日本語の意味は1つ覚えればOK」で、どうしても2つ以上の意味が書いてあるものを覚えたい時は、中国語の横に「②」と書き、日本語の意味にも2か所にマーカーします。

ただし例外として基礎レベル(HSK4級レベルまで)の接続詞と副詞については例文をきっちり覚えます。 接続詞と副詞は日常会話や作文で多用するため、覚えておくといろいろ使えて便利だからです。

8-2. システマチック単語暗記法とは?

システマチック単語暗記法とは、暗記とテストを毎回システマチックに繰り返し、覚えていく方法です。単語が覚えられているかどうかをテストする際に、チェックする方法を決めておきます。なんとなく覚えるのではなく、徹底的に覚えます。

<ステップ1> 音チェック(初心者のみ)

教材をみながら付属の音声に合わせて単語をシャドーイング。(中級レベル以上の学習者は音読でOK)

<ステップ2> 音読

教材をみながら、音声なしで同じく3~5回音読。覚えるつもりで。

<ステップ3> エアライティング

中国語の漢字を、ペンをもってエア(空気中)で2~3回書き取りをする。実際に書くよりもスピーディに練習ができる。しっかり書きたい漢字は紙に書いて練習する。

<ステップ4> 暗記テスト

  1. 中国語だけを見て、正確に発音できるか?
  2. 中国語とピンインだけを見て、日本語が言えるか?
  3. ピンインと日本語だけを見て、中国語が書けるか?
  4. 日本語だけを見て、中国語が言えるか?

上記4項目の角度から暗記が出来ているかチェックする。全てが出来るまで続ける。

为了     ←中国語を見て、正確に発音できる/日本語の意味が言える
wei le    ←ピンイン(と日本語)を見て、中国語が書ける
~のために  ←日本語を見て、中国語が発音できる

単語は「なんとなく」覚えてはいけません。このステップをシステマチックに繰り返し、完璧に覚えるまで何度もやります。

そのために、暗記テストでは、単語教材の中国語の単語部分に、マークをつけていきます。

一発で正解した場合は何も書かず、間違っていたら「/」の印をつけます。そして再度テストをして正解なら、ようやく「○」印。それでも間違いなら「×」印。すべてが「○」になるまで続けます。

*いずれのステップでもストップウォッチを使って時間を計測すること。時間をしっかりと意識し、ダラダラとした学習に陥らないようにします。 さらに記憶の定着に重要なのが復習です。ここでもやはり翌日、翌週にしっかり復習を兼ねてテストをしましょう。

8-3 覚えられない単語には「表現ノート」を活用

王道ですがノートに書きだします。「あなたが覚えられない単語」だけを集めた単語教材「表現ノート」を作るのです。

横罫の大学ノートに、中国語・ピンイン・日本語を書きます。必要に応じて例文と日本語訳を書きます。例文まで書く必要がある単語はほとんど無いでしょう。例文の日本語訳はよほど難しい場合を除いて、特に書かなくてもいいです。

これを作るだけでは意味がありません。常に持ち歩き、電車の中や休憩時間、人を待っている時などの「スキマ時間」にチェックして復習を続けます。

総合教材や短文教材の中で、「頭に入らない」というものが出てきたら、この表現ノートに書き溜めて行くようにしましょう。

8-4. それでも忘れてしまう単語はイメージ化

それでも忘れてしまう単語は、イメージ化します。 限られた時間の中でしっかり記憶に定着されるには「イメージ」が有効です。例えば「蛋糕(ケーキ)」だったら、虫が米のケーキを羊にあげるイメージ。「电梯(エレベーター)だったら、弟が木のエレベーターに乗っているイメージという具合です。

かなり無理矢理でも、自分にしか理解できないイメージでもいいので、とにかく「覚え方のイメージ」を決めてしまいます。ただしこの方法は「どうしても覚えられない単語」に限定しないとあまり効果がありませんし、いろいろな単語でやろうとすると「覚え方を考えること」に時間が奪われてしまい、本末転倒になってしまいます。

9. 「検定」の使い方

「総合」「単語」「短文」教材を使って、ステップ2を続けながら、時々、自分の今の中国語力をチェックする意味で、中国語検定やHSKといった検定試験を受検していきましょう。そのための勉強がステップ3です。

つまり、「ステップ2」の間に、時々「ステップ3」を挟みながら、中国語力をアップさせていきます。

(なお実際に中国語検定やHSKのどの級を受験するかは、『必読!中国語検定に挑もうと思ったら ≪級とレベル編≫』『HSKを受験するなら必読!<レベル>の話 1級~6級』記事を参考にしてください。)

中国語力アップのためになぜ検定試験を使うのかを解説している動画です。ぜひご覧ください。

9-1. 過去問を120%やりつくす

過去問題集を使う目的は3つ。①解答にかかる時間を計る ②自分に何が足りていないかを知る ③復習ツールとして使う、です。過去問は受験の2~3週間前(HSK6級は1~2ヶ月前)から取り組みましょう。

ステップ2で教材をやり込むと、相当の実力はついているはずです。しかし、検定試験はそれだけでは必ずしも合格できません。試験にはそれぞれの傾向があります。事前にどんな問題が出るのかつかんでおいてこそ、本番で本来の実力が発揮できます。

そのためにストップウォッチを使って解答時間を計ることはとても重要です。

9-2. ○か×ではなく、「正解のレベル」に注目する

過去問を解いた後の答え合わせで、○か×だけをチェックしていくのは、もったいない使い方です。過去問はいまどのくらい理解できているかを知ることより、理解できていない部分を把握することに使いましょう。そして理解できていない部分を覚えます。解答・答え合わせは、自分がどのレベルでわかっていないのか「正解のレベル」をメモしながら行います。

では、具体的なやり方です。過去問題集と解答ノートを用意します。解答ノートに解答していくときに、解答の横に次の記号をつけていきます。自信がある解答には何も付けません。

「カ」 ―― 正解がわかったけど、後で解説を読みたいもの
「△」 ―― 解答に自信が無いもの
「?」 ―― 正解がわからなかったもの

HSK過去問解き方_1

※<リスニング><読解>セクションは、わからなくても、当てずっぽうでいいので、選択肢のどれかは必ず選びましょう!

問題を解き終わったら、答え合わせをします。そのとき、教材の方に書き込みをします。問題なく正解できたものには何も書きません。不正解のものと解答のときに自信がなかったものの問題番号の横に印をつけます。こうすることで、何がまだ知識として定着していないのかがわかります。

不正解→「/」
解答ノートに「カ」「△」「?」があるけど、正解→「点線の/」

HSK過去問解き方_2

「/」や「点線の/」のついた問題が、いまの自分には足りない知識であることがわかります。「△」や「/」など印の付いた問題だけを復習、暗記すればOK!というわけです。

9-3. 解答後は徹底復習すべし

過去問題集や模擬試験の解きっぱなしは厳禁! 復習が最重要です。復習しなければ、せっかく解いても何の力にもなりません。「解答後は復習」を習慣にしましょう。

語彙チェック

『8-3の「単語」教材の使い方』で作った、覚えていない単語ばかりを集めた「表現ノート」を使います。問題中のわからない単語をすべてこの「表現ノート」に書き出し、辞書などで調べた意味を横に書きます。それを8-2でお伝えした「システマチック暗記法」で覚えます。

再テスト

HSK過去問解き方_3

教材に「/」や「点線の/」が付いている<読解>セクションの問題をもう一度解きます。再テストで間違えたら「×」、正解には「○」を付けます。すべての問題が「○」になるまで繰り返し、かつ全ての問題についての「正解の理由」が言えるレベルを目指します。

9-4. 過去問も、「シャドーイング」「音読」「速読」の教材にする

過去問のある程度長さのある文章は、「総合」教材と同じように利用できます。

<読解>セクションの復習は「音読&速読」

読解セクションの文を何度か音読、さらに何度か速読します。

<リスニング>セクションの復習は「シャドーイング」

リスニングセクションのスクリプト(台本)をシャドーイングします。最初はスクリプトを見ながらでOK。何度かやって上手く発音できるようになったら、スクリプトを見ずに音声だけを頼りにシャドーイングします。

・もっと詳しいシャドーイングの方法については、
シャドーイングで語学をマスターする方法』をご覧ください。

・また、HSKの過去問題集の活用方法について詳しくは
HSKの過去問題集を120%活用する試験対策法』もご覧ください。

10. 学習の効果をさらにアップしてくれる「道具」たち

10-1. ICレコーダー

中国語の短期間で効果を上げることが出来る効率的な学習方法は「シャドーイング」であるとお伝えしました。そのシャドーイングの学習効果をさらに上げるために、強くお勧めするのは「ワンタッチリピート機能」が付いたICレコーダーあるいはMP3プレーヤーです。

シャドーイング中に意味がつかめない、うまく出来なかった箇所は、すぐにワンタッチリピートボタンを押し、シャドーイングを繰り返します。この機能がないと、3秒だけ戻したいのに数分前まで戻ってしまった、最初まで戻ってしまったということが起こります。こういうことが続くと、学習時間にも大きく差が出ますし、何より学習に対するやる気がなくなってきます。ぜひ購入してください。

機材を選ぶポイント

  • 繰り返し練習に最適な「ワンタッチリピート機能」がある
  • 自分や講師の声を聞くための「録音機能」がある
  • シャドーイングのときに便利な「スピード調節機能」がある

スマートフォンではなく、専用の学習教材を用意した方がいいでしょう。ICレコーダーはオリンパス「ボイストレック」のVシリーズなどをおすすめしています。

下の動画で、発音トレーニングに欠かせないアイテムのご紹介と効果的な使い方について詳しくご説明していますので、ぜひご覧になってください。

10-2. 手鏡

自分の発声を録音してチェックする作業は、かなり大変な作業なので毎回する必要はありません。自分の発音がどうしても気になるときなどに、やってみるくらいでいいと思います。もう少し手軽な方法として、手鏡を活用するのもひとつの方法です。

  • 自分の口の形をチェックするために使う
  • ネイティブの口の形と比較しながらマネしていく

「なんとなくできているつもり」でも、鏡で見ると口の形が全然違っていると気づくこともあります。正しい口の形を真似し、その感覚を自分の身体に教え込んでいきましょう。

10-3. スマートフォンの辞書アプリ

辞書は、電子辞書よりもスマートフォンアプリをおすすめします。ピンインでの検索はもちろん、ピンインがわからないときは手書きで単語を検索できます。何よりいつも持ち歩いているスマホですから、「中国語で何て言うんだろう…?」と思いついたときに調べられるのでおすすめです。

◆『中日日中辞典』(小学館)
日中中日辞典

老舗の辞典、小学館の「中日辞典」「日中辞典」のアプリ版。iOSにのみ対応。単語の意味、ピンインはもちろん、用例を調べるのに便利です。また紙の辞書 とは違い、単語の発音を聞けるところや、用例を検索出来るところが秀逸。少々値は張りますが、紙の辞書や電子辞書を買うことを思えば安いものです。

◆『小学館 中日・日中辞典|ビッグローブ辞書』(BIGLOBE Inc.)
9_ビッグローブ版辞書

上記のアプリのビッグローブ版。こちらはiOS、android端末に対応しています。

※こちらは2023年3月31日でサービス提供を終了しています。

10-4. ノート

「復習」が学習の命ですから、ノートは必須です。

横罫の大学ノートを2冊用意しましょう。

「表現ノート」…単語教材や検定の過去問を解いていくときにみつかった「あなたが覚えられない単語」だけを集めた単語教材を作り、覚えます。
「過去問の解答ノート」…過去問の解答用に使います。効率的な復習のために、自分がどのレベルでわかっていないのか「正解のレベル」をメモしながら、解答・答え合わせをします。

10-5. ストップウォッチ

中国語検定やHSKの試験対策には、タイムマネジメントも重要です。HSKは問題の多さが特徴です。5・6級の上級問題になると問題が膨大で、かなりスピーディに解いていかないと時間切れ必死です。

ストップウォッチでそれぞれの問題を解くのにかかった時間を計り、本番での時間配分を考えます。

おわりに

教材をたくさん買って満足する教材コレクターにならずに、厳選した教材を世界一使い込んで、使える中国語を効率的に身につけましょう!

記事をお読みいただきありがとうございました。

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中国語ゼミ編集部

中国語の初心者~上級者向けの学習サイト。中国語の勉強法、検定試験、中国語の表現、中国のビジネスや文化について定期発信。
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編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
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コメント

  1. 中国語学習で、本メルマガを参考にしております。
    ICレコーダーの件で、一言。
    おすすめのO社のを購入しましたが、実際市販されている語学書のほとんどが、mp4で録音されていますので、mp3レコーダーでは再生できません。
    できるのは、中国製の教材のみです。
    購入して現在変換に四苦八苦していますが、レコーダー本体が9000円くらいのもので、mp4をmp3に変換できるソフトが5000位します。(未購入)無料ソフトは肝心のところで有料になりますので、やめた方がよさそうです。
    O社のソフトではmp4をmp3にできません(O社に聞きました)

    ということで、O社のICレコーダーが良いと、三宅さんの本で読んで購入しましたが、まだ問題解決していません。ICレコーダー購入は要注意。
    頑張って、学習成果を出しましょう。

    1. いつも「中国ゼミ」をご愛読いただきありがとうございます。

      ご指摘の件について、返信が大変遅くなり申し訳ありません。

      mp4形式の音源をmp3に変換することができるソフトは、無料で提供されているものがいくつかあります。
      例えば、アップル社が提供しているiTunesがその一つです。
      「iTunes 変換 mp4」で検索していただければ、ダウンロード先や変換方法を紹介されているサイトが見つかると思いますので、一度検索していただければと思います。

      「中国ゼミ」が中国語をマスターするお役にたちますことをお祈りしております。

  2. 3-3 おすすめ「短文」教材にて紹介されている口を鍛える中国語作文シリーズは出版社が事業停止のため購入することができませんでした。
    代替でよい書籍がありましたらお教えいただけないでしょうか。
    よろしくお願いします。

    1. Yamashita Yoshihisa様

      いつも「中国ゼミ」をご愛読いただきありがとうございます。
      短文教材は、「口を鍛える中国語作文」シリーズの他には
      記事中にもあります「口が覚える中国語」シリーズもおすすめです。

      「中国ゼミ」が中国語をマスターするお役にたちますことをお祈りしております。

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