中国語の習得時間はどれぐらい?必要な学習期間について詳しく解説

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『中国語をマスターするのに、どのくらいの時間がかかるんだろう?』語学を学ぶ上で、学習時間は気になるポイントですよね!実は、中国語習得に必要な時間は目指すレベルによって大きく変わってきます。

例えば日常会話レベルなら200~300時間、ビジネスで使えるレベルまでなら500~1000時間程度かかると言われています。

筆者(シャオハオ 中国在住歴6年)も中国語を学習したての頃、音の上げ下げである「声調」を覚えるだけでも難しく感じていましたが、2~3ヶ月後には一人でタクシーに乗ったり、買い物をすることができて成長したと実感できた経験があります。

本記事では、検定試験データと実践者の経験をもとに、レベル別の習得時間と効率的な学習方法をご紹介します。

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1. 中国語習得に必要な時間の全体像

中国語の習得にかかる時間は、目標や学習環境によって大きく異なります。まずは、目標レベルごとの必要時間と、学習方法による違いを見ていきましょう。

1-1. 日常会話レベルまでの道のり(200~300時間)

日常会話レベルでは、基本的な文法構造と約1000語程度の語彙力が必要となります。

このレベルでは、日常的な買い物や道案内、簡単な意見や要望の表現ができるようになります。まずは、発音の基礎となる声調とピンインの習得、基本文型の理解と運用、基礎語彙の定着が重要です。最初に発音の習得に時間をかけることで、後の学習がスムーズになるので重点的に学習することをおススメします。

このレベルに到達するには200~300時間の学習時間が必要とされています。(週10時間のペースで約6~8ヶ月)

1-2. 一般ビジネスレベルまでの道のり(500~1000時間)

一般ビジネスレベルでは、3000語程度の語彙力と基本的なビジネスコミュニケーション能力が必要となります。

このレベルでは、基本的なメールのやり取りや、簡単な会議での発言、日常的な業務会話ができるようになります。文法の応用力を高め、ビジネス特有の表現も学んでいきましょう。

このレベルに到達するには500~1000時間の学習時間が必要とされています。(週10時間のペースで1~2年)

1-3. 上級ビジネスレベルまでの道のり(1500~3000時間)

上級ビジネスレベルでは、5000語以上の語彙力と高度なコミュニケーション能力が必要となります。

このレベルでは、メールのやり取り、電話での会話、プレゼンテーションなど、実務で必要なスキルが習得できるようになります。通訳なしでも交渉ができるよう専門用語などが必要になる場合もあります。

このレベルに到達するには1500~3000時間の学習時間が必要とされています。(週10時間のペースで3~6年)

1-4. プロフェッショナルレベルまでの道のり(3000~5000時間)

通訳や翻訳などのプロフェッショナルレベルでは、8000語以上の語彙力と高度な言語運用能力が必要となります。

このレベルでは、ネイティブに近い会話力に加えて、文化や歴史、社会情勢など、幅広い知識も必要となります。また、専門用語や熟語など日常ではあまり使わない表現も求められます。

このレベルに到達するには3000~5000時間の学習時間が必要とされています。(週10時間のペースで6~10年)

1-5. 学習方法による違い

独学、語学学校、オンライン学習、留学など、学習方法によっても習得期間は変わります。それぞれの内容について見ていきましょう。

1-5-1. 独学

  • 自分のペースで学習を進められる
  • 好きな場所、好きな時間で学習できる
  • 費用を安く抑えられる
  • モチベーション維持が課題
  • 計画的な学習が難しく、予定より時間がかかることがある

1-5-2. 語学スクール

  • 定期的な学習が可能
  • カリキュラムに沿って着実な進歩が期待できる
  • 他の学習者との交流で刺激を得られる
  • レッスンの予約などが必要
  • 学校に行くことで満足して自主学習が疎かになることがある

1-5-3. 留学

  • 環境による学習効果が高い
  • 短期間での上達が見込める
  • 実践的な会話力が自然に身につく
  • 中国文化も同時に学べる
  • 費用がかかる

1-5-4. オンライン学習

  • 時間の使い方に柔軟性がある
  • 自分のペースで学習を進められる
  • 場所を問わず学習可能
  • 教材や講師を自由に選択できる
  • ネット環境を整える必要がある

 

2. 検定試験合格までの学習時間

検定試験は習得レベルを客観的に測る指標として重要です。各試験の級別に必要な学習時間と、効果的な学習方法を見ていきましょう。

2-1. HSKの級別必要時間と学習法

HSKは、中国政府が認定する国際的な中国語能力検定試験で、世界各国で実施されています。

HSK 必要学習時間(目安)
1級 50-100時間
2級 100-200時間
3級 200-300時間
4級 300-500時間
5級 500-1000時間
6級 1500-2500時間

HSKの特徴は、級ごとに必要な語彙数が明確に定められていることです。1級では150語、6級では5000語以上の語彙力が必要となります。

学習時間を効率的に使うため、各級で求められる語彙と文法項目を計画的に学習しましょう。試験対策としては、過去問題を解いて「試験のクセ」を掴みます。試験の2~3週間前ごろから過去問題や模擬試験に取り組み、本番に備えましょう。

2-2. 中国語検定の級別必要時間と学習法

中国語検定は、公益財団法人日本中国語検定協会が実施する、日本の国内資格としての中国語能力試験です。

中国語検定 必要学習時間(目安)
準4級 40-100時間
4級 120-200時間
3級 200-300時間
2級 600時間
準1級 数千時間
1級 準1級から数千時間

中国語検定の特徴は、日本人学習者の特性を考慮した出題形式にあります。漢字の知識を活かしながら、文法力と会話力をバランスよく測定します。

効果的な対策としては、語彙や文法など、受験する級の範囲に応じた学習を終えたらHSK同様、過去問題を使った対策を始めましょう。過去問題は受験の2~3週間前、2級以上は1~2ヶ月前から取り組むことをおすすめします。

2-3. 具体的な受験対策スケジュール

検定試験の合格には、計画的な学習が欠かせません。試験日の3ヶ月前から本格的な対策を始めることをおおススメします。

最初の1ヶ月は基礎固めに充て、文法や語彙の総復習を行います。次の1ヶ月は問題演習を中心に、弱点の克服と得意分野の強化を図ります。最後の1ヶ月は、模擬試験を活用して実践力を養います。時間配分の練習や、本番を想定した演習を重ねることで、確実な合格を目指すことができます。

 

3. 学習時間を最大限活かす効率的な勉強法

限られた時間で効果的に中国語を習得するには、効率的な学習方法の選択が重要です。日本人の特性を活かした学習戦略を考えていきましょう。

3-1. 日本人に効果的な学習順序

日本人学習者は漢字の知識という強みを持っています。この利点を活かすため、まずは「声調」、次に「ピンイン」の発音の習得に集中することがお勧めです。日本語にない発音の習得には時間がかかりますが、この基礎があれば、その後の学習がスムーズに進みます。初心者であれば、まずは2か月間みっちり発音の練習をしましょう。

3か月目からは「読む・書く・聞く・話す」の力を総合的に伸ばす「シャドーイング」がおススメです。シャドーイングとは、ネイティブ音源を聴きながら、その音声に”遅れて”マネをする発音練習のことです。同時に単語の暗記も進めて語彙力を伸ばしていきましょう。

次に短文を使った文法理解です。中国学習には重要な語順をしっかり習得します。中国語文法を効率的に学ぶには、1つの文法で1つの例文を完璧に暗記するのがおススメです。1つを完璧に覚えたら、例文内の単語を入れ替えて、さまざまな意味の文を作ってみましょう。単語の入れ替え練習をすることで、応用力を鍛えます。

3-2. 無駄な学習時間を省く具体的なテクニック

効率的な学習のためには、各分野(※注1)の教材を「世界一やり込んだ」と言えるくらい徹底的にやり込むことです。いろんな教材に手を出して、広く浅くなるよりも、1つの教材に絞った方が発音やリズム、単語・文法・フレーズを身体に染みこませていくことができます。

また、通勤時間などの隙間時間を使うこともおススメです。オンライン教材やアプリを活用することで、時間の有効活用が可能になります。

※注1

  1. 「発音」:読んで字のごとく、「発音」に特化した教材。
  2. 「総合」:発音や文法解説、単語、フレーズなどが網羅的に扱われている教材。
  3. 「短文」:重要な「構文」が覚えられる構成になっている教材。
  4. 「単語」:いわゆる「単語集」のこと。
  5. 「検定試験の過去問集・模擬試験」:中国語検定やHSKなどの検定試験対策の問題集。

 

3-3. つまずきやすいポイントとその対策

日本人学習者が特につまずきやすい点として、発音の習得、文法の理解、会話力の向上が挙げられます。これらの課題に対しては、それぞれ効果的な対策がありますので、順番に見ていきましょう。

3-3-1. 発音

中国語の発音で最も重要なのは「声調(四声)」です。発音の基礎として、以下の順序で練習を進めることをおススメします。

1.声調(四声)の基本練習

  • 第1声:高めの一定の音(電話のツーという音のイメージ)
  • 第2声:短く音を上げる(「えぇ!?」と聞き返す感じ)
  • 第3声:低い音で抑える(「あ〜あ」とため息をつく感じ)
  • 第4声:高い音から一気に下げる(「はい!」とキッパリ言う感じ)

2.実践的なトレーニング方法

  • 毎日15分以上の発音練習を習慣にする
  • 2音節の組み合わせパターンを練習(māmā、máméなど)
  • 母音を意識して大きく口を開ける
  • 自分の発音を録音して確認する

3.上達のポイント

  • 日本語の感覚で読まないよう注意する
  • 最初は大げさなくらい口を動かす
  • 口の筋肉が疲れるくらい練習するのが効果的
  • 音声教材を活用し、正しい発音を耳に染み込ませる

発音の基礎を最初の2ヶ月でしっかり固めることで、その後の学習がスムーズに進みます。

3-3-2. 文法

中国語の文法は語順が最も大切です。語順が変われば意味も変わるので特に以下のルールを押さえることが重要です。

1.語順を覚える

  • 「主語+動詞+目的語(SVO)」の順番が基本
  • 否定や疑問、時制などの基礎文法を覚える
  • 「了」や「補語」など中国語特有の特有の文法表現を覚える

2.文法の覚え方

  • 「1文法1例文」(短文)を完璧に覚える
  • 1つを完璧に覚えたら、例文内の単語を入れ替え応用力を鍛える
  • 例文の暗記はシャドーイングが効果的

このような語順の特徴を理解し、基本パターンを押さえることで、より自然な中国語の文を作ることができます。

3-3-3. 会話力(スピーキングとリスニング)

会話力向上には、シャドーイングによる土台作りが効果的です。以下の4段階で練習を進めることで、着実にスキルアップを図ることができます。

1.聞き読み段階(1週目)

  • 音声を聞きながらテキストを目で追う
  • 中国語の音の流れに慣れることを意識

2.遅れ読み段階(2週目)

  • 音声の少し後から、同じように声を出す
  • 正確な発音と声調の習得に集中

3.同時読み段階(3週目)

  • 音声と同時に声を出す
  • 自然な中国語のリズムを体得

4.暗唱段階(4週目)

  • テキストを見ずに音声だけを聞いて真似る
  • 実践的な会話力の基礎を確立

特に以下の点に注意して練習することで、効果が高まります。

  • 1フレーズ2-3秒の短い文から始める
  • 毎日最低15分は継続する
  • 同じ教材を最低4週間は使用する
  • 録音して自分の発音をチェックする

シャドーイングの練習を継続することで、話す力と聞く力を同時に伸ばすことができます。

 

4. まとめ

中国語の習得には確かに相応の時間が必要ですが、効率的な学習方法と適切な計画があれば、着実に目標に近づくことができます。

日常会話レベルから通訳レベルまで、それぞれの段階で必要な学習時間は異なりますが、積極的に実践の機会を作り、自分に合った学習スタイルを見つけ、着実に歩を進めていくことで、必ずスキルアップを実現できるでしょう。

記事をお読みいただきありがとうございました。

中国語ゼミ読者のみなさまは、

・中国人と流暢に会話を楽しめるようになりたい
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・ニュースや映画を字幕なしで読めるようになりたい
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中国語ゼミ編集部

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編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
効率的な勉強法や挫折しないためのコツをお伝えします。
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