中国語は、大きく分けると7つの種類があります。発音の種類は約400、4つの音の変化を組み合わせると約1300、たくさんの種類がある中国語ですが、ここでは、どんな種類の中国語を学べばよいのか、ということから中国語検定の情報を紹介していきます。
『10分でわかる中国語のすべて~中国語とは?方言は?学習法は?~』
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1. 中国語の方言は7種類
1-1. 地域によって異なる7種類の方言
ひとくちに方言と言っても、日本でいう○○弁みたいなものではなく、「英語とドイツ語ほど違う!」とよく言われる方言もあります。
1-1-1. 北方語
「官話方言」とも言います。古くから中国の政治・文化の中心地がこの地域にあること、政官界でよく使われたことから官話方言と言われています。北京語がこれに含まれます。中国国内使用人口は最大で、約9億人が使用しています。膨大な人数ですよね。中国の人口が世界一であることもあって、世界一の使用人口ともいわれています。
1-1-2. 湘語
長沙語がこれに含まれます。四川料理で有名な四川省や、広東省広西チワン自治区北部で話されています。湘語は約9千万人が使用しており、中国国内第二位の使用人口です。しかし、北方語との使用人口の差はかなりあります。中国建国の父と言われる毛沢東の母語でもあります。
1-1-3. 呉語
上海語がこれに含まれます。上海は現在アジアの金融の中心や多国籍企業の中国進出の拠点にもなっているので、その土地の言葉を勉強することは、中国ビジネスに使用するという点において十分価値があると言えます。
1-1-4. 閩語(びんご)
福建省、広東省東部および西南部、海南省、浙江省南部で話されています。台湾語はここから派生したものです。使用人口はおよそ七千万人です。
1-1-5. 贛語(かんご)
江西語・南昌語ともいいます。江西省中部・北部、湖南省東南部、安徽省・湖北省の一部で話されている方言です。7大方言のうち最少の使用人口です。客家語に近い方言です。
1-1-6. 粤語(えつご)
広東語がこれに当てはまります。香港やマレーシア、マカオにも使用人口が多いです。タイ語との関連性も深いと言われています。在外華僑の多くが広東語を使用しており、海外の中国人コミュニティで重要な位置を担っているようです。但し、標準語としての「普通話(プートンフア)」との差が大きいのも特徴です。
1-1-7. 客家語(はっかご)
漢民族の客家人が使う言葉です。閩語や南方方言に近いということが言語学の領域では通説になっています。客家人は中国、台湾国外で暮らす華僑人口の約3分の1を占めると言われています。最近では衰退傾向にあるとの指摘もあります。 全てが上記の7大方言に分類できるわけではありません。中国は多民族国家ということもあって、中国国内には漢民族のほかに約55の民族がいるので、独自の言語をもつ民族もいます。たとえば新疆ウイグル自治区に住むウイグル族やチベット高原に住むチベット人がこれらの少数民族にあたり、独自の言語を持っています。
1-2. スクールや大学で学ぶ「普通語」が標準語
中国国内をはじめ、世界的にも外国人に対して共通で教えられている中国語は、中国の北京で話されている中国語を基礎とした共通語である「普通话(プートンフア)」です。これは中国全土で通じる言葉で、この「普通語」の普及は中国共産党の最大の功績だと言う人もいるくらいです。「普通話」には中国政府公認のローマ字式発音記号の「ピンイン」というものがあります。
『10分でわかる中国語のすべて~中国語とは?方言は?学習法は?~』
2. 中国語の文字の種類は2つ
2-1. 従来の漢字を簡略化した簡体字
現在中国で通用している漢字は「簡体字」とよばれる字体のもので、筆画が極めて簡略化されています。日本で通用している漢字とは字体が異なるものが多いです。中国語の公式文書などは簡体字で書かれています。
中華人民共和国が建国された数年後の1950年代、中国国内では、漢字の普及が求められるようになりました。そして1956年、従来使われてきた画数の多い繁体字を簡略化する、「漢字簡略化法案」が成立。字画を大胆に省略した、簡体字が誕生しました。
2-2. 簡略化される以前の漢字である繁体字
台湾、香港、マカオは、漢字簡略化法案の政策が及ばなかったこともあり、今でもこの地域では、伝統的な繁体字が使われています。一方、現在の中国大陸では、学校教育や出版物、看板など生活では主に簡体字が使われ、簡体字での表記がスタンダードになっています。 また、人口の7割が中華系民族のシンガポールでは1976年に「簡化字総表」が、マレーシアでは1981年に「簡化漢字総表」が発表され、中国大陸と同じ簡体字が使われています。
ちなみに繁体字は日本の漢字に近いとも言われていますが、日本の漢字は「略体字(りゃくたいじ)」と言います。
『中国語の繁体字とは?】知っておきたい簡体字との違い』
・シンガポールも中国語が日常的に使われる国です。独特の英語や中国語が混在するシンガポールって面白い!
『シンガポールの英語は中国語混じり?特殊な多言語国家について』
3. 中国語の発音の種類は1300!?
3-1. 中国語は約400種類×4の音がある
発音の種類は約400あり、4種類の音程の上げ下げを組み合わせると約1300種類の音があります。そんなに音があるの?と辟易してしまうかもしれませんね。1300種類あっても実際は使われていない音や学習が不要である音があります。音の有無を理解すると、音の練習をする際に覚える数が減って気が楽になるかもしれませんね。
3-2. 中国語の発音記号ピンインと四声
先ほど「普通語」の部分で少し紹介しましたが、中国語には発音記号であるピンインがあります。ピンインはアルファベット表記です。また、中国語には声調と呼ばれる音の高低を表す記号があります。声調は、第一声、第二声、第三声、第四声の4種類ありその総称を四声といいます。
第一声は高く平らに発音します。第二声は急上昇する発音、第三声は低く抑えて発音します。第四声は急降下して発音します。文章で理解するよりも実際にご自身でやってみたほうが分かりやすいので、こちらのサイトから試してみましょう。もっとピンインと四声について知りたい方はこちらフルーエントYouTube動画「中国語ピンインマスター!実践トレーニング」をクリック!
中国語の検定やHSKを受けて現時点での力を知り、自分の中国語力に自信をつけましょう。
4. 代表的な3種類の中国語検定
中国語の語学力を証明する代表的な資格試験の種類3つについて、違いをご紹介します。
4-1. 日本限定の中国語の資格「中国語検定」
「中検」と略されることもしばしば。中国語の資格のなかでは日本国内においては最もメジャーなものと言っても差し支えないでしょう。開催されるのは年に3回で準4級~1級あります。準1級と1級には二次試験が課せられます。二次試験では、コミュニケーション能力や、中文日訳・日文中訳といった訳す力に加え、1~2分のスピーチを課すことにみられるような、表現する力を総合的に判定されます。
試験形式はリスニングと筆記の両方をとっています。準4級と4級は旅行で使うかんたんな会話程度のレベル、3級と2級は中国語を日常的に話せるレベル、準1級と1級はビジネスで使えるほど話せるレベルと捉えて下さい。カリキュラムの差異はもちろんありますが、大学では卒業までに2級取得を目標に掲げる中国語学科もあるようです。履歴書に書くと有用な資格だと評価されるのは3級以上だと言われています。3級を合格するに足りうる学習時間は120時間~200時間です。
日本企業での活躍をめざす日本人向けの検定試験ということもあって試験問題は日本語で書かれています。過去問題もこちらのURLで見ることができます。
4-2. 世界基準の資格「HSK」
「HSK(漢語水平考試)」は、中華人民共和国政府教育部が主催している、中国政府認定の試験で、全世界の人を対象にしています。旧試験と新試験があり、旧試験は北京語言大学、新試験は孔子学院が運営していますが、現在は旧試験を受験することは出来ません。政府公認ということもあり他の中国語試験と比べて、世界的な知名度や有用性は抜群に高いです。
中国にある大学本科への留学や中国にある企業への出張、転勤といったことを目指す人は受験が必須でしょう。試験問題は全て中国語で書かれています。
年12回開催されており、試験内容はリスニング・リーディング・作文です。試験では、中国語の運用能力を問われます。回答方式は選択式と筆記式です。
全部で1級~6級で、1級が一番易しく、6級が一番難しいです。4級以下は、6割以上の正答で合格となります。5・6級は成績報告に合否は表記されず、獲得スコアのみ表記されます。
また、「HSKK」という口頭試験も別途あります。これは2次試験ということではなく、全く別の試験として別途申し込みが必要です。こちらは初級・中級・上級という3種類のグレードがあります。こちらのURLにより詳しく掲載されているので、興味のある方は参考にしてください。
4-3. コミュニケーション能力を重視した「TECC」
正式名称は中国語コミュニケーション能力検定。最近は注目する日本企業も増え、採用例もあります。年2回の開催で試験形式は4択のマークシートです。満点は1000点で、スコア制をとっています。スコア制なので、自分の中国語能力の成長度を客観的に見ることができるのもTECCの特長だと言えます。試験ではリスニングとリーディングの力を問われます。
その形式がTOEICに似ていることから、中国語版TOEICとも言われています。コミュニケーション力を測定する試験と銘打っているため、知識や専門的内容よりも日常会話や生活の中で使う中国語を中心に出題しています。
さらなる特徴としては、正答率=点数ではないというところで、全体の正答率が90%を超えていたとしても、点数としては700点ほどに留まるなど、中国語検定やHSKと比較すると採点基準がやや複雑なものになっています。どんな問題が出題されるのかはリスニング音源付きでこちらのサイトから確認することが出来ます。
フルーエントYouTube動画『中国語力アップに中国語検定・HSKを活用する方法』
5. 中国語を効率的にマスターする勉強方法
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5-1. 発音は声調を重点的に
中国語は、発音記号であるピンインが同じでも声調が異なれば、その単語の意味も変わってくるというものなので、声調を間違えてしまうと自分が伝えたい言葉とは全く違う言葉が相手に伝わってしまうことも!
有効な方法として挙げられるのはCDのような音声教材を活用し、何回も反復して中国語を聞いてまねることです。これは私の体験上、中国語だけでなく英語やフランス語といった様々な言語に通用することだと思っています。
5-2. 単語を音や絵で覚える
言葉は音ですので、聞いたり、声に出して覚えることがベストだと言えます。音で覚えることを推奨するのは、「中国語を見るとわかるけれども、聞くとわからない」といった日本人がはまりやすい落とし穴にはまることを避けるためです。また、漢字は熟語になっていることが多いです。熟語の意味を丸暗記するのではなく、漢字一つ一つの意味を覚えることが重要です。
たとえば、「机票(Jīpiào ジーピィァオ)」という中国語。この単語は航空券という意味ですが、この単語を丸暗記するのではなく、漢字一つ一つの意味に敏感になって、辞書で調べてみましょう。「机(Jī ジー)」には①機械②飛行機・旅客機という意味が、「票(Piào ピィァオ)」には①切符・チケット②紙幣という意味が辞書に載っています。紙に「机」と書いて近くに飛行機の絵や機械の絵を描いておけば、意味の知らない単語が出てきた時でも、漢字に付随するイメージを覚えていれば、「机器(Jīqì ジーチー)」は機械に関係する意味のようだな、「机翼(Jī yì ジーイー)」は飛行機の翼だろうな、とおおよその検討がつくようになるというものです。
5-3. 文法は基礎をしっかり覚える
文法が分からなくても、話せると言い張る人も中にはいますが、間違いなく中国語を習得するには基礎文法の習得が必須です。基礎をしっかり覚えましょう。取り入れやすい文法から中心に勉強すると良いと思います。基礎といっても簡単な文法とは限りませんが、中国語を運用するにあたって最低限のルールとなっているので、おろそかにすることなくしっかりおぼえておきたいところです。
5-4. 常用文を暗記する短文暗記
日常生活の中で使う短文、つまり常用文を大量に暗記することが有効な勉強法です。耳から聞いて覚え、声に出して覚えることで効率良く勉強できます。私自身も、現地でとっさに口をついて出てきたフレーズが、大量に暗記した常用文の一つだったことがよくあります。耳に入ってきた言葉をそのままオウム返しに言う、シャドーイングという勉強法は中国語にかかわらず語学の習得にはかなり有効な方法です。
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まとめ
いかがだったでしょうか?中国語の読み書きの特徴や中国語のさまざまな資格、中国語の勉強法がお分かりいただけたでしょうか。ぜひ中国語検定やHSKなどの資格を受けて、自分の中国語力を磨いて自信をつけてみてくださいね。
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