中国語の繁体字と簡体字の違いは?学ぶべきはどっち?

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日本語と深い関わりのある「中国語」の漢字には、「繁体字」と「簡体字」の2種類の字体があります。中国語を勉強したいと思っている人は、はじめにこの2つの字体についてよく知っておきましょう。「繁体字」と「簡体字」は、主に使用される地域において違いがあります。

さっそく、日頃から中国語にまみれて暮らす中国ゼミライターTK(中国在住歴5年女子、中国語検定HSK6級)が、中国語の繁体字と簡体字の違いや歴史、注意することについてお伝えします。

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1. 繁体字と簡体字の違い

繁体字は「はんたいじ」簡体字は「かんたいじ」と読みます。どちらの字体も日本で現在使用している漢字と似ています。日本人にとってラッキーなことに、中国語を学んでいなくても、見れば何となく文字の意味が分かるケースが多いです。

  日本の漢字 繁体字 簡体字

簡体字、繁体字、日本の漢字との違いについてのパターンは、①日本の漢字が繁体字と同じ場合、②日本の漢字が簡体字と同じ場合、③日本の漢字、繁体字・簡体字とも同じ場合、④繁体字・簡体字が同じで日本の漢字だけ違う場合、⑤繁体字・簡体字・日本の漢字3つとも違う場合の5パターンあります。

日本の漢字、繁体字、簡体字はもともと同じ漢字から由来して成り立っていますのでこれは当然と言えば当然。歴史的な背景から異なる字体が生まれたのです。では、繁体字と簡体字の歴史、使われている地域や使われ方について詳しく見ていきましょう。

1-1. 繁体字は簡体字の元の字体

簡体字(英語:simplified)は、従来使われていた漢字を簡略化した文字のことで、正式には「簡化字」といいます。中華人民共和国が建国された数年後の1950年代、中国国内では、人々への漢字の幅広い普及が求められるようになりました。そこで1956年、従来使われてきた画数の多い繁体字英語:traditional)を簡略化する、「漢字簡略化法案」が成立。字画を大胆に省略した、簡体字が誕生したのです。

簡体字は、繁体字より画数が少なくなるように、簡略化された偏(へん)や旁(つくり)が採用され、楷書化した草書の要素も取り入れられています。約2200字が、正式な字体として使用されるようになりました。

1-2. 繁体字と簡体字は使われている地域が異なる

繁体字を使う地域 台湾、マカオ、香港
簡体字を使う地域 中国本土、マレーシア、シンガポール

中国語はアジアの中国語圏だけでなく、世界中の華人・華僑が住む場所でも使われていて、話者は13億人以上といわれています。そして中国語の文字については、大きく分けて繁体字を使用する地域と、簡体字を使用する地域があります。

台湾、香港、マカオは、中国の漢字簡略化法案の政策が及ばなかったこともあり、繁体字の簡略化がありませんでした。そのため、今でもこの地域では、伝統的な繁体字が使われています。更に地域独自の使われ方をしている繁体字もあります。

一方、現在の中国では、学校教育や出版物、看板など生活のほとんどのシーンで簡体字が使われています。人口ボリュームが多い中国ですので、中国語全体でいえば簡体字での表記がスタンダードになっています。

一方で、人口の7割が中華系民族のシンガポールでは1976年に「簡化字総表」が、マレーシアでは1981年に「簡化漢字総表」が発表され、中国語の表記は基本的に中国と同じ簡体字が使われています。

(香港のレストランメニュー)
(台湾のポスト)

1-3. 基本的に字体の書き換えで通じるが、意味が異なる言葉もある

繁体字を使う地域(台湾や香港など)と、簡体字を使う地域(中国)の中国語は、基本的には文法や語彙は同じです。

[繁体字] 很高興認識你。
[簡体字] 很高兴认识你。
(※「お会いできて光栄です」の意味)

上記の文のように、単純に字体を変更するだけで、簡体字でも繁体字でも通じる表現になることが多いです。

日本語 繁体字 簡体字
いらっしゃいませ 歡迎光臨 欢迎光临
レストラン 餐廳 餐厅
携帯電話 手機 手机
電話番号 電話號碼 电话号码

しかし、すべての単語や表現が字体を書き替えればOK、というわけではありません。同じ中国語圏であっても、繁体字を使う地域と簡体字を使う地域で、表現や単語が違う場合があります。この場合は単純に漢字を変換するというわけにはいかないため注意が必要です。

日本語 繁体字が使われる地域(台湾)の中国語 簡体字が使われる地域(中国)の中国語
タクシー 的士/計程車 出租车
おばさん 歐巴桑 阿姨
卓球 桌球 乒乓球
ビリヤード 撞球 桌球/台球

表の通り、「桌球」は台湾では卓球を指しますが、中国ではビリヤードのことを指し、意味が違う単語になっています。これは繁体字と簡体字の差異というよりも、地域的な差異といえます。

台湾では日本語由来の単語も普及していることによる「普通話」との差異も出ています。同様な状況は英語由来の単語が普及している香港についても言えます。

ちなみに、中国人と香港・台湾の人との間の中国語のやり取りは、繁体字や簡体字を理由にして通じないということはまずありません。多くの中国人は繁体字で書かれた文章を理解しています。広く中華圏を相手に仕事をしている中国人が台湾で仕事をするために特別に繁体字を学習する、という事は筆者は聞いたことはありません。その逆も然りです。

言葉を異にする日本人にとっては、日ごろ学習している簡体字(繁体字)でない字体に対して、ハードルの高さや戸惑いを感じがちです。

中国語は地方によって、文字だけでなく発音も異なる「方言」もあります。「中国語とは?」「中国語の発音とは?文法とは?方言とは?」という疑問を中国ゼミが徹底解説!ぜひお読みください。『10分でわかる中国語のすべて~中国語とは?方言は?学習法は?~

2. 中国語を勉強するなら簡体字?繁体字?

中国語の勉強を始めるとき、伝統のある繁体字を学ぶべきか、それとも使用者が圧倒的に多くスタンダードになっている簡体字を学ぶべきか、悩むかもしれません。そんなときには、ご自身の中国語の使用目的に合わせてどちらを学ぶ方がいいのか考えてみましょう。

2-1. 中国関連の仕事をしたい・中国旅行を楽しみたいなら簡体字

現在は簡体字のユーザーが圧倒的に多く、「中国語=簡体字」が標準となっています。簡体字をマスターしておけば、大いに使えること間違いありません。特に、中国関連の仕事をする、中国を旅行する場合であれば、簡体字を学べば安心です。

2-2. 台湾・香港・マカオへの旅行や仕事で使うなら繁体字。更に地域に合わせる工夫を

台湾・香港などの繁体字使用地域へ仕事や旅行で行く方で、現地とのやり取りで必要になるのが明らかに繁体字ならば、最初から繁体字を学ぶことをおすすめします。簡体字が主流となっている今こそ、現地で外国人が繁体字を使えることで現地の人の心をつかむきっかけになるかもしれません。

また、繁体字→簡体字の変換の方が簡単ですので、繁体字学習後の簡体字の学習は簡体字→繁体字よりは難しくないでしょう。

注意点としては、繁体字使用地域とひとくくりに言っても、上述したように、単語の意味や言い回しで地域内で細かな違いがあります。そのため、あらかじめご自身と最もかかわりが深い地域で必要な繁体字の用法にフォーカスして勉強する必要があります。それが「すぐに使える中国語の習得」につながる効率的な学習法です。

3. 繁体字のおすすめ学習方法

それでは、繁体字の勉強法をご紹介します。同じ中国語でもある程度限られた地域で使われているため、繁体字を勉強をする際にはあらかじめ何が違うのか、どの地域で使われているのかを理解し、効率的に学んでいきましょう。

3-1. 台湾人の友達を作る

繁体字ユーザーが最も多い地域は台湾です。そのため、台湾人の友達を作ったり台湾の先生から中国語を学ぶことが効果的。台湾人が発する発音にも慣れることが出来るでしょう。

繁体字と簡体字では、表記だけでなく文法や発音が違うものもあります。表記は自分で学べますが、発音の独学はなかなか難しいので、ネイティブから学ぶことをおすすめします。

3-2. 繁体字学習に役立つアプリを使う

スマートフォンにインストールし、手軽に使えるアプリで繁体字を学ぶことも可能です。繁体字学習に役立つアプリをご紹介します。

Pleco Chinese Dictionary

iOS

Android

本来中国語ユーザー向けの英中辞典ですが、簡体字・繁体字両併記で繁体字学習にも使えます。豊富な収録語彙数が特徴的。広東語発音も確認することができます。
猜字
iOSのみ ゲーム感覚で繁体字を学ぶことができます。発音当てゲームなど楽しみながらできるので、隙間時間を活用して学ぶのにぴったりです。

4. 読めない繁体字の調べ方

元々漢字の知識がある日本人。中国語の漢字の意味は見るだけで大体理解できます。しかし、漢字の中国語読み・発音がわからないと、現地で地名やホテルの名前などが伝えられず困ることがあります。もちろん紙の辞書でも「簡体字・繁体字対照辞典」もありますが、最近便利なのがスマホやネット。「繁体字の読み方を知りたい」ときは、辞書やインターネットで調べてみましょう。

4-1. スマホの辞書アプリで調べる

調べごとに欠かせないのが辞書ですね。しかし、日本で販売されている中国語の辞書や電子辞書の多くは、簡体字表記になっていて、繁体字の読み方は調べられません。そこでおすすめなのが、スマートフォンで手軽に利用できる台湾発・繁体字用表記の中国語辞書アプリ「萌典」です。

中国語には、「ピンイン」という発音表記法があります。これは、漢字の読み方をアルファベットなどで示したもので、日本語でいう「ヨミガナ」のような役割です。このアプリ「萌典」には、台湾で一般的な表音符号に加え、簡体字中国語学習者におなじみのピンインも併記されているので、調べた繁体字の読み方がピンインでもわかるようになっています。しかも、オフラインで使え、書き順も分かる機能もあり、とても便利。ただ、中中辞典のため、言葉の意味は中国語で書かれています。意味がわからない場合は、再度翻訳アプリなどで翻訳してみるとよいでしょう。

繁体字用の辞書アプリ
「萌典」
ダウンロード:Android /iOS(無料)

 

4-2. インターネットで調べる

インターネットで調べる方法もあります。「どんと来い、中国語https://dokochina.com/というサイトでは簡体字に加え、繁体字の発音も検索できます。

 

画像のように、繁体字・簡体字の中国語をピンインまたはカタカナで読み方に変換できます。ピンインに不慣れだと「読み方はこうかな?」と悩むこともありますが、カタカナになることでだいたいの読み方をつかむことができます。

ただしカタカナでは中国語の発音を正確に表記することはできません。中国語の正しい発音を知るにはピンインの学習が不可欠です。

5. まとめ

中国語は、時代の変化と共に「繁体字」から「簡体字」が生まれ、現在では二つの漢字表記が併存しています。簡略化された「簡体字」は、中国をはじめ、シンガポールやマレーシアなどで使われており、「繁体字」は台湾、香港、マカオなどで使われています。旅行やビジネスなどで訪問する際は、目的の地域で使われている字体を勉強すると、有効に活用できます。

繁体字は伝統のある漢字ですが、世界的に見ると、現在では簡体字を使用する割合が多いことも事実です。繁体字を習得する特別な理由がないときには、まずは簡体字から勉強するとよいでしょう。もともと漢字の知識がある日本人にとって、簡体字も繁体字も理解するのに時間はかかりません。

中国語学習レベルが中級以上になると、脳内の簡体字ストックが増え、日本語漢字(繁体字)からの変換パターンも把握できます。特別に繁体字を学習しなくても、繁体字で書かれた文章に触れる度に繁体字ストックが増えていきます。更に、中国語上級レベルになると漢字力が中国語の力を左右するため、自ずと漢字の成り立ちを学習することになり、繁体字を理解していくことになります。

繁体字や簡体字を学ぶことは、中国語を使用している世界中の人とのつながるきっかけとなります。ぜひあなたの世界を広げてください。

こちらに中国語の発音・ピンインについて学べる動画を提供していますので、ぜひご覧ください。 いますぐこちら【無料中国語レクチャー】をぜひ体験してください。

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