シンガポールの英語は中国語混じり?特殊な多言語国家について

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シンガポール 中国語
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シンガポールは多言語を操るバイリンガル、マルチリンガルが大勢いる国です。シンガポールの公用語は英語、マレー語、中国語、タミル語の4つで、この中の複数の言語しゃべれるのが普通です。

多くのシンガポール人にとって母語でない英語は、多言語の語彙・文法・発音を色濃く受け、「シングリッシュ」と呼ばれるシンガポール独特の英語になっています。これは華人が多い影響から、中国語の影響を色濃く受けているようです。この記事ではシンガポールの民族や言語について解説します。

また、英語と中国語教育のプロで、現在はシンガポール在住のフルーエント中国語学院・三宅裕之学長が、シンガポールへの留学を考えている方へアドバイス!ぜひ参考にしてください。

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1. シンガポールの言語に関する特徴

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1-1. 多民族国家のため言語の種類が多い

シンガポールは複数の民族が暮らしている多民族国家です。民族割合としては、中華系74%、マレー系13%、インド系9%、その他4%(外務省2017年6月)となっており、そのため話されている言語も英語、中国語、マレー語、タミール語など、多岐に渡ります。

1-2. 多くの人が2カ国以上話せる

シンガポールでは学校教育を英語で行います。英語はシンガポールに暮らす多くの人々にとって母語ではありませんので、彼らは別に母語を学びます。中華系は中国語、マレー系はマレー語、インド系はタミール語などです。

多民族国家であることから、それぞれの民族のアイデンティティの尊重を目的に、一般的に授業はすべて英語で行い、それとは別に母語も学習しているため、多くの人が2カ国語を話します

 

2. シンガポールの英語「シングリッシュ」

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シンガポールの公用語は英語です。学校でしっかりとした教育を受けているので、正確なイギリス英語を学びます、書物も英語で書かれます。ただ、先述したとおり、シンガポールは多民族国家で多くの言語が用いられています。

よって、それぞれの言語の特徴が英語に反映され、シンガポール独特の特徴を持つシングリッシュと呼ばれる英語が形成されました。

話し言葉では頻繁に用いられ、シンガポールに行き英語で話しかけられた際戸惑うかもしれません。シングリッシュの特徴の中でも、中国語の影響を受けたと見られる代表的な使い方を紹介します。

2-1. 「Can」の使われ方

「できる」を意味するcanですが、「I can speak.」のように「can」の後には動詞が来るのが当然で、並んで使われることはありません。しかし、シングリッシュでは「Can can!」のように2つ並べて使われることがあります。これは、「できるできる!」などという意味です。中国語は2,3回同じ単語を連呼する言語なので、その影響を受けていることがわかります。

2-2. 会話の語尾に「Lah(ラ)」

シングリッシュでは会話の語尾に「Lah(ラ)」や「Loh(ロ)」をつけることがあります。これは中国語の語尾に「了(ラ)」を付ける文法の影響を受けています。OKが「Ok, lah」となるということです。LahやLohは細かいニュアンスを表しますが、基本的にはOKの意味として受け取りましょう。

また、「ma(マ)」や「me(メ)」をつけることもあります。中国語でも疑問文の最後に「吗?(マ)」と付けると、疑問文を表します。『それが好きですか?』などは一般にDo you like it?となりますが、シングリッシュの場合はYou like it ma?で同じ意味を表すことができます。

時制にかかわらず疑問視は「ma(マ)」になるので、過去、現在、未来の時制はその場のニュアンスで判断する事になります。

中国語の疑問文について更に詳しい説明を知りたい方はこちらをご覧ください
【中国語文法】中国語の疑問文は6パターンを覚える!

2-3. よく文法が省略される

英語で「どこへ行く?」と相手に尋ねるとき、「Where are you going?」となりますが、シングリッシュではこれが簡略化され、「Go where?」となります。「Go where?」をそのまま中国語へ変換すると「去哪儿?(qù nǎ ér?チュナァー)」となり、そのまま中国語としての正しい文法になっています。

この表現を見ても中国語の文法がシングリッシュに色濃く影響をしている事がわかります。英語の正確な文法ではない使い方がされていることがあると覚えておきましょう。

※「去(qù チュ)」は行く(Go)、「哪儿(nǎ érナァー)」はどこ(where)

中国語と英語の文法の違いについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
中国語と英語を徹底比較!文法・発音・難易度は?

2-4. 挨拶が中国流

シンガポールでは人と会った時に「Eat already?」と挨拶します。これは中国では一般的に知られている挨拶で、人と会った時には時間を問わず「你吃饭了吗?(nǐ chī fàn le ma ニーチーファンラマー=ご飯食べた?」と挨拶する古くからの中国人の習慣と同じです。

中国語の挨拶「你吃饭了吗?(ご飯食べた?)」についてこちらで詳しく解説!
発音付|中国語で「こんにちは」ニーハオ+αの15表現
「ニーハオ」は挨拶以外にも使える便利な言葉【中国語発音付】

2-5. 「おばさん」の使われ方も中国流

日本や英語圏では親戚の「伯母さん・叔母さん」を「おばさん」と呼びますが、親戚以外の女性を「おばさん」と呼ぶと気分を害される場合があります。

しかし、シンガポールでは親戚ではない「おばさん」を「Auntie」と呼びます。これは中国でも同様で「おばさん」を「阿姨(ā yí アーイー)」と呼びます。

シンガポールの「Auntie」、中国の「阿姨」も日本語に訳すと「おばさん」ですが、この呼び方には失礼な意味はなく、ただ中高年の女性を呼ぶ愛称なのです。

2-6. 四声の影響を受けた英語のアクセント

シングリッシュでは、中国語のアクセントから影響を受けています。そのため、文章の中でも強弱や音の上がり下がりが通常の英語よりも大きくなります。中国語のリズムで英単語を発音するような感じになります。

中国語の四声について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【音声・動画付】これで解決!四声(声調)の発音と入力

2-7. 主語・時制による動詞の活用がない

英語は動詞に活用があり三単現・過去形・過去分詞などいろいろと変化しますが、中国語にはそれがありません。 シングリッシュはその影響から、「I go there yesterday」の様に動詞を変化させずに、時制がわかる名詞や副詞などの単語を一緒に使うことで過去や未来などの時制を表します。

2-8. 標識は基本的に英語と中国語

シンガポールの標識は、公用語である英語と、中華人の割合が多いため中国語で書かれていることが多いです。しかし、世代によっては、中華系でも中国語を苦手としている人もおり、逆に年配の方の中には、英語がほとんど話せず苦手としている人もいます。なので、シンガポールで他に話されている言語であるタミール語、マレー語を含めた4か国語表記の場合もあります。

 

3. シンガポールで使われている中国語

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3-1. 話されているのは普通語

シンガポールでは普通語が話されます。訛りは強くありませんが、軽声(軽く添える音のこと)を使わない、などの特徴があります。

また、シンガポール特有の単語も存在します。例えば、タクシーのことを中国語では「出租车(chū zū chē チュズーチァー)」と表しますが、シンガポールでは「德士(dé shì デァシー)」と、異なって表されます。これは、昔シンガポールに渡った華僑の多くが福建省の人であり、その影響を受けているからです。

・「中国語」の「普通語」って何?というあなたは是非こちらをご覧ください。
10分でわかる中国語のすべて~中国語とは?方言は?学習法は?~
・「タクシー」という言葉は中国語でも地域によって呼び方が違います、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
【発音付】タクシーで使う中国語をマスターする!

3-2. 使用されている表記は簡体字

シンガポールでの中国語表記の文字は繁体字(旧字体で画数が多く伝統的な字体)ではなく簡体字(新字体で繁体字を簡単に覚えやすくした字体)が使われています。

中国語の繁体字と簡体字について更に詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【中国語の繁体字とは?】知っておきたい簡体字との違い

3-3. 部分的に単語を英語に置き換える

シンガポールでは中国語の会話の中に英語が混在して話す事もあります。

例えば「你 already send 过去了没有?(nǐ already send guò qù le méi yǒu/ ニーalready send グゥォチュラメイヨウ)」この文章を訳すと「既に送ってくれましたか?」となり、「既に」と「送る」だけ英語にて表現されています。

加えて、単語の表記方法も異なり、多言語を用いるシンガポールならではの方法で表記することがあります。

例えば、「水赁(shuǐ lìn シュイリン)」とは中国語で密輸を指す単語ですが、シンガポールでは「密輸」を表す英語「smuggle」を使って、「被smuggle的产品 (bèi smuggle de chǎn pǐnnb /ベイ smuggle デァ チャン ピン)」と英語と中国語が混在した形で表現されています。

 

4. シンガポールへの留学

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4-1. 中国語を学ぶ留学

中国語の留学を考えている方は、シンガポールではなく断然中国をおすすめします。シンガポールは治安は良いですが、公用語が英語であり、基本は英語がメインの国。従って、自分から進んで中国語を使う環境を探す必要があります。シンガポールは物価も高く、日本からの距離も中国の方が近いので、予算的にも中国のほうが良いのです。

中国留学に興味がある方はこちらの記事をご覧ください 絶対に失敗しない!
絶対に失敗しない!中国留学のすべて 9つのポイント

4-1-1.シンガポールで中国語の勉強をする必要がある人には

それでもシンガポールに中国語留学したいという方には、はじめは中国人の先生に習うのがおすすめです。発音、抑揚、ピンインなど、中国語の基礎的知識をしっかりと最初に身に付けましょう。

中国語をマスターしたい方はこちらの記事もご覧ください。
中国語を半年でマスターした私が教える人生を変えた勉強法【動画付】

4-2. 英語を学ぶ留学

英語についても先ほど紹介したように、シングリッシュという非常に訛りの強い英語が使われているので、お勧め出来る訳ではないです。本格的に英語留学するならば、アメリカ、イギリス、カナダなど、訛りの少ない一般的な英語圏へ向かいましょう。

4-2-1. シンガポールで英語を学ぶ必要がある人には

それでもシンガポールで英語留学したいという方は、語学学校は学びやすいところを選びましょう。一般的な英語で教える学校や日本語で教える学校などを探して活用することをすすめます。自分に合った学校を含めシンガポールのお役立ち情報サイトで調べてみましょう。

4-3. MBA取得のため大学・大学院へ留学

以上に述べた理由から語学留学はあまりおすすめできませんが、語学留学単体ではなく、シンガポール国立大のMBA(経営学修士)取得の為や、大学、大学院への留学は面白いのでおすすめです。多民族が暮らすシンガポールなので、アジアを中心とした多国籍の学生にもまれることができる優れた環境で勉強をすることができます。

また、シンガポールのMBAプログラムには、フルタイムとパートタイムの両方のコースが設置されています。就労ビザ(エンプロイメントパス(EP)とSパス)保持者も学生ビザを取得せずに学ぶことが出来るので、仕事をしながら大学院に通うことが出来るという利点もあります。

※エンプロイメントパス(EP)は月収6,000ドル以上が望ましいとされています。 ただ6,000ドル支払っていれば必ず出るわけでもなく、学歴や事業・業務内容も判断基準になっています。

※SパスはEPの条件を満たしていない人の為の就労許可です。EPより低い所得の方が主に取得します。

《MBAプログラムのある人気校》
シンガポール国立大学(NUS) http://mba.nus.edu
南洋理工大学(NTU) http://www.nanyangmba.ntu.edu.sg
シンガポール経営大学(SMU) http://business.smu.edu.sg/mba
INSEADのMBAプログラム http://mba.insead.edu

4-4. 子供の為の留学

2か国語話す人が多いと述べたように、シンガポールは教育熱心な国家です。子供の頃からバイリンガルを目指した教育を心掛けており、多文化多言語に触れることができます。移住して子供をインターナショナルスクールに通わせることは、グローバルな人材を育てることに非常に役に立つのでおすすめです。

シンガポール発
海外教育情報誌サイト
Spring https://spring-js.com/
シンガポールの幼稚園&プレスクール/インター校の紹介が日本語で読めるサイト Mangosteen Club http://www.mangosteen.com.sg/lesson/features/

 

まとめ. シンガポールは多言語、多文化を体感することができる場所

多くの民族が共に暮らすシンガポールの特徴について紹介してきました。標識に4つもの言語が書かれていたり、人々が英語や中国語を見事に混在して使っていたり、日本では味合うことのできないことが多々あります。

ある一つの言語に絞った語学留学というよりも、複数の言語・文化を体験するために、一度シンガポールに出向いてみるのはいかがでしょうか。

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