日本人が中国語を「難しい」と感じる理由は、第一に発音の「ピンイン」と4つの音の変化「四声(声調)」に慣れていないことです。日本語にはない発音、特に舌を丸める「そり舌音」や息を強く吐き出す音「有気音」。また、四声を正しく発音しないと全く違う意味になってしまい、中国人には伝わりません。
その他、漢字や文法は日本人にとって比較的やさしいですが、学習の前にポイントを抑えておくことが大切です。 中国語は、正しい発音をマスターしてしまえばどんどん上達し、楽しくなります! 何事も簡単に習得できる訳ではありません。まずは根気強くトレーニングを積み重ねること大切です。
人口約13億人、GDP世界2位という大きな市場を持つ中国。もしも中国語が話せたら、多くの中国人との会話を楽しめることにワクワクしませんか?大きな市場を相手にビジネスができるかもしれません。もちろん、中国や台湾旅行の際に言葉に困らなくなります。 中国語を学び始めると、その奥深さに面白さを感じることでしょう。ぜひあなたも中国語を学び、私たちと一緒に新しい世界の扉を開きましょう!
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1. 中国語をマスターするまでの課題
中国語学習を始める時、いくつか大切なポイントがあります。闇雲に中国語の単語から覚えても、スムーズに習得することはできません。まず第一に何が基本なのか、何が大切なのかを知ることからスタートしましょう!
1-1. 難しい発音は繰り返しトレーニング
中国語の初心者は、ピンインを読んで正しく発音することができません。まずは正しい発音を何度も聞き、声に出してトレーニングを繰り返すことが大切です。
発音で難しいものは、「舌面音(ぜつめんおん)」と呼ばれる舌先を歯茎に付けたまま発音する方法や、「そり舌音」と呼ばれる舌を巻いて上あごに付けて発音する方法。日本語にはない音、発音方法なので、日本人は慣れるまでトレーニングが必要なのです。
さらに、無気音や有気音、鼻音や摩擦音、側面音などの息の吐き方を使いわけて発音する方法もあります。上手く発音するポイントは、舌の動きや息の吐き方に注意すること。ぜひ、以下の動画を見てトレーニングしましょう!
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1-2. 中国語の漢字は「簡体字」
漢字が中国から日本に伝わってきたのは、4世紀から5世紀の間といわれています。日本の漢字の多くが中国と同じものです。現在、中国語で使われている漢字は、1950年代に制定された「簡体字」。もともとの漢字を簡略化したもので、日本の漢字とはやや異なる字形です。
例えば、簡体字の「簡」は中国では「简」と書きます。「太陽」は「太阳」、「雲」は「云」。このように、簡体字は日本の漢字と比べて簡略化された字形です。
中国語単語の学習で大切なことは、まず簡体字に慣れること。勉強を進めると、だんだんどこがどう簡略化されているのか、法則のようなものが分かって面白くなります。漢字が日本と違うからと難しいと思わず、まずは簡体字と日本語の漢字の違いに注目してみてください。
1-3. 文法は日本語と違う
中国語と日本語の文法は異なる点が多いです。特に助詞(て、に、を、は)の使い方。日本語では、「私は」「あなたを」といった主語+助詞「は」「を」の使い方が重要ですが、中国語では「は」、「を」の助詞がありません。
例えば、「私はテレビを見る」という文の中国語は「我看电视」。 「私は」=「我」、「テレビを」=「电视」の名詞のみで文章が成り立ちます。
さらに文法の構成も異なります。はじめは難しく感じるかもしれませんが、まず中国語の語順に慣れることが大切です。英語と比べると時制などの変化も無いので、特徴を覚えてしまえば簡単です。
例えば日本語の「私は(S 主語)学校へ(O 目的語)行きます(V 動詞)」の順番。中国語では「私は(S 主語)行きます(V 動詞)学校へ(O 目的語)」の順番になり、「我(Wǒ)ウォ 去(qù)チュ 学校(xué xiào)シュェシァオ」という文になります。
日本語の語順 | S(主語) | O(目的語) | V(動詞) |
私は | 学校へ | 行きます | |
中国語の語順 | S(主語) | V(動詞) | O(目的語) |
我 | 去 | 学校 |
他にも、「今日は暑いです」の中国語は、「今天(Jīn tiān)ジンティェン 很(hěn)ヘン 热(rè)ルェァ」です。「暑い」という意味の形容詞「热(rè)」の前には、程度を表す副詞、「很」が置かれます。「很」は「とても」という意味ですが、実際には語調を整えるための役割なので、「とても」は訳しません。 このように、日本語と中国語の文法は異なる点がいくつかあります。
中国語 | 今天 | 很 | 热 |
日本語訳 | 今日は | (とても) | 暑い |
2. 中国語の漢字
中国語の漢字についてお話します。中国と日本の漢字の違い、気を付けるべきポイントについて詳しくみていきましょう。
2-1. 日本語と中国語、漢字の違い
中国の漢字は「簡体字」です。中国全体で使われている漢字なので、まずは形を覚えましょう。日本の漢字と異なる部分、ポイントを紹介していきます。
愛は「爱」 | 日本の漢字は「心」がありますが、簡体字では愛の中は「友」と書きます |
電車は「电车」 | 「電」の下の部分と「車」を簡略化された字です |
楽は「乐」 | 「楽」を簡略化した字です |
銀行は「银行」 | 銀行の「銀」の字のかねへんが簡略化されています |
拉麺は「拉面」 | 「麺」は左側の面だけを書きます。 |
その他を紹介すると、場所は「场所」、議員は「议员」、書は「书」、顔は「颜」、髪は「发」…などなど、簡体字と日本の漢字の違いが明らかに分かるのではないでしょうか。 まだまだたくさんあるので、ぜひ中国語を勉強しながら日本語の漢字との違いを探してみてください。勉強していると「こんな風に書くのか」という面白い発見もあり、楽しみながら続けることができるでしょう。
2-2. 日本人なら大丈夫!漢字を覚えて語彙力アップ
私たちは幼い頃より漢字を学習してきました。英語やスペイン語やロシア語などを話す国の人たちと比べると、私たち日本人にとって漢字は身近な存在です。
中国の単語を覚える上で、漢字を見ただけで何となくどんな意味なのか連想できることが強みですね。 例えば「电脑(Diànnǎo)ディェンナオ」は、「電」に「脳」なので、パソコンという意味になります。他にも、「电视(Diànshì)ディェンシー」は、「電」に「視る」なのでテレビ。「黄油(Huángyóu)フゥァンヨウ」は「黄色い油」なのでバターという意味になります。
电脑(電脳) → 電気の脳…? → パソコン |
电视(電視) → 電気で視る…? → テレビ |
黄油 → 黄色い油…? → バター |
このように、漢字を見て何となく想像がつく単語がたくさんあります。 ぜひ、どんどん単語を覚えて語彙力をアップしましょう。多くの単語の意味が分かると、文全体の意味が分からなくても、何となく意味が予想できるようになります。
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2-3. 日本での意味や用法に捉われない
漢字が分かる日本人にとって中国の単語を覚えることは簡単ですが、実は中国語の単語をそのまま日本語に変換しても意味が違う場合もあります。
例えば、新聞「新闻」は、日本語の新聞をそのまま簡体字に直しても「新聞」という意味にはなりません。この場合の「新闻(Xīnwén)シンウェン」は日本語では「ニュース」の意味になります。中国語の「新聞」は、「报纸(Bàozhǐ)バオヂー」という表現になります。
また、日本語の「薬を飲む」は、中国語では「吃药(Chī yào)チーイャォ」。「吃(Chī)」は「食べる」という意味なので、「薬を食べる」といういい方をします。少し不思議な感じの表現ですね。
他にも、「一周」は日本語では「ひとまわり」という意味ですが、中国語で「一周(Yīzhōu)イーヂョウ」は「一週間」という意味になります。同じ漢字でも全く意味が異なる場合があるので、そのままの意味として捉えないように注意しましょう。
3. 中国語の文法
中国語の文法についてみていきましょう。中国の文法は他の外国語に比べて比較的簡単ですが、やはり難しい点もあります。いくつか決まりを知って、少しずつ慣れていきましょう!
3-1. 中国語は動詞の形が変化しない
中国の文法は英語と比べると簡単ではあります。 英語の場合は「過去、現在、未来」で動詞の変化があり、それぞれの活用形を覚えなくてはなりません。中国語にはこのような時制はなく、動詞の形も変化しないのです。動詞「去=行く」は、過去形も未来形も現在形と同じ形でOK。文法的なルールとしては、その時の「会話の背景」や「動作の状況」によって決まってくるのです。
3-2から、中国語で過去や未来を表現する方法を紹介します。 はじめは独特なルール、ニュアンスの違いに慣れないものですが、間違いを恐れて神経質になるのではなく、「会話を楽しもう!」という姿勢を大切にしてくださいね。
3-2.「了」を使う例文 その1“文末の「了」”
過去、未来のことを話す時、助詞「了」が使われることが多いです。
例えば、現在形の文章
他去学校。 彼は学校へ行きます。 |
過去のことの場合は、以下のような例文がよく使われます。
刚才他去学校了。 先ほど彼は学校へ行きました。 |
「先ほど、ついさっき」という意味の「刚才(gāng cái)」がついた例文。過去のことですが、動詞「去」の形は変化しませんね。 また、文末に付けられた「了」が、「過去形」を表しているとは言えません。
中国語の文法的に言うと、文末に付けられた「了」は、「状況の変化」を表す「語気助詞」です。
我要去学校了。 これから学校に行きます。 |
これから学校へ出かける、少し先の未来のことを話す例文。「去」の直前に助動詞「要」(〜する必要がある)が入っています。 こちらも文末に「了」を入れ、「新たな動作の発生、状況の変化」を表しています。未来の文章でも、「了」が使われる例文が多いです。
3-3.「了」を使う例文 その2“動詞+「了」”
英語の動詞の活用形を暗記することと比べると、中国語は比較的ラクに学べる言語です。しかし「了」の使い方は、初心者には少し複雑に感じてしまいます。 3-2.「了」を使う例文 その1“文末の「了」”で文末に「了」を入れた例を紹介しましたが、動詞の後に「了」を入れる場合もあります。
他去了学校上课。 彼は学校へ行って授業を受けました。 |
こちらも「彼は学校へ行って授業を受けました」という過去の意味の例文です。
日本語の訳で見ると、文末の「了」、動詞の後の「了」の違いが分かりにくいですよね。ここで、この二つの文にハッキリとした違いがあることを頭に入れておいてください。
動詞の後に入る「了」は「動作の完成、実現」を意味する事態助詞。「学校に行って、他のこともしている」のように、話の続きがあるようなニュアンスを含んでいます。
3-2の例文「刚才他去学校了。」、文末の「了」は、「状況の変化」を表す語気助詞です。「刚才(先ほど)」が入り、その瞬間の出来事を伝えるニュアンス。「先ほど学校に行くという状況が発生した」、言い切りの文章になります。
中国語の文法は、このように「了」の位置によって違いがあります。英語のように過去形・未来形を明確に分けるのではなく、「会話の背景」や「その時の状況」が重要なポイントなのです。誰もが難しさを感じるものですが、多くの中国語に触れることで解決できます。次第に、中国語の特徴に慣れていくので心配ありません!
『【中国語文法】中国語の疑問文は6パターンを覚える!』
『発音付【中国語文法】副詞の用法まるわかり!』
『【中国語文法】否定文「不」と「没」をマスターする!』
4. 中国語の発音
日本人にとって中国語学習のなかで最も難しいものが発音です。発音を間違えると全く別の意味になってしまうので、まずは正しい発音をしっかり覚えることが大切です。
4-1. 四声の声調を間違えると全く違う意味になる
4つの声調を間違えて発音すると、全く別の意味になってしまいます。 例えば、同じ(Ma)マーという読みについて。
声調が第一声の「妈(Mā)」は「お母さん」の意味ですが、第二声の「麻(Má)」は「アサ」、第三声の「马(Mǎ?)」は「馬」、第四声の「骂(Mà)」は「ののしる、しかる」の意味になります。
第一声 | 第二声 | 第三声 | 第四声 |
Mā | Má | Mǎ? | Mà |
妈(お母さん) | 麻(アサ) | 马(馬) | 骂(ののしる) |
他にも、(He)ファという読みでは、第一声の「喝(Hē)」は「飲む」という意味、第二声の「和(Hé)」は「~と」という意味になります。 このように同じ読みでも四声が違うだけで全く違う意味になるので、ピンインと一緒に必ず四声も覚えることがポイントです。
日本一分かりやすい!? 動画で覚える!声調を正しく発音するポイントをレクチャーしています。
動画のリンクはこちらをご覧ください。
・これで解決!四声の発音と入力のポイントを公開!
『【音声・動画付】これで解決!四声(声調)の発音と入力』
・中国語初心者のあなたへ。「中国語のピンイン」の超分かりやすい解説はこちら
『中国語のピンインとは何? ピンインの読み方・発音を解説』
4-2. 膨大な量の子音と母音
中国では日本語の「あいうえお」の50音と似たもので、母音と子音があります。中国の母音は36個、子音は21個あります。母音と子音を組み合わせて読んで発音します。その組み合わせも400以上あり、いきなり全て覚えるのは難しいので、少しずつ丁寧に覚えていきましょう。
母音
母音は単母音、二重母音、三重母音、鼻母音の4つに分けることができます。 単母音の「a、o、e、i、u、ü、er」と二重母音の「ai、ei、ao、ou、ia、ie、ua、uo、üe」、三重母音である「iao、iou、uai、uei」、鼻母音の「an、en、ian、in、uan、uen、üan、ün、ang、eng、ing、iang、uang、ueng、ong、iong」の36個に分けられます。
子音
子音は、「b、p、m、f、d、t、n、l、g、k、h、j、q、x、zh、ch、sh、r、z、c、s」です。
例えば、b(子音)とei(母音)を組み合わせて「bei」。漢字は「背(ベイ)」、意味は「背負う」になります。 p(子音)とiao(母音)で「漂(Piào)」+l(子音)とiang(母音)で「亮(liang)」。2つの漢字で「漂亮(ピィァオリィァン)」、「美しい、きれいな」という意味になります。
一見、簡単に思えるかもしれませんが、多くの母音や子音を覚えるだけでなく、それらの組み合わせができるようになるまでが難しいもの。 やはり中国語は粘り強く学習を続けることが大切です。時には中国人と会話するなど楽しみながら続けていきましょう!
すべてのピンインのパターンを記した「ピンイン表」はこちら→https://cn-seminar.com/training/
4-3. 「ピンイン」を理解して発音を正しく学ぶ
中国語を勉強する上でピンインを理解することがとても大切です。正しい発音を覚えられるだけでなく、細かい発音の違いに気を付けることができます。 ピンインを覚える際には、ただピンイン表を見て覚えるのではなく、動画やCDなどで実際の音を見たり聞いたりして確認することが大切です。四声やピンインを覚え間違えてしまうと、まったく別の意味になってしまうので気を付けましょう。
ピンインを動画でレクチャー!こちらから中国語ピンインマスター実践トレーニングをご参照ください。
中国語初心者のあなたへ。「中国語のピンイン」の超分かりやすい解説をしています。中国語のピンイン、正しい発音をマスターするコツはこちら
『中国語のピンインとは何? ピンインの読み方・発音を解説』
4-4. 難しい発音は日本人から学ぶべき!
中国語は中国人から学ぶのが一番だと思われがちですが、中国語のネイティブが「教えるプロ」とは限りません。
日本人にとって難しい発音も、中国人は無意識に発音しています。発音のどこが難しいのか、どの部分で苦労するのか、細かいポイントまでは分かりません。 難しい発音のポイントは、同じ日本人である中国語のプロ講師から学ぶのがおすすめです。なぜなら、同じ日本人として発音を苦労して覚えた経験があるからです。
難しいそり舌の発音の仕方も、上手く発音できるポイントなどを同じ立場から教えることができます。また、日本人でも、中国人と間違えるほど中国語がネイティブ並みの先生もいます。何より日本語と中国語の微妙なニュアンスの違いをよく理解しています。それを日本語で分かりやすく説明してくれるので、特に初心者は日本人の中国語講師から学ぶことをおすすめします。
こちらの動画もオススメ!日本人の中国語プロ講師、発音のスペシャリストをご紹介。
4-5. 繰り返し練習して正確な発音を
何よりも大切なことは何度も繰り返し発音して、練習を重ねることです。一度できた発音も、しばらくすると発音の仕方を忘れてしまいます。
特に苦手な発音は、何度も声に出して練習しましょう。 中国語の発音が苦手な方は、正しい発音をしっかりマスターできる動画をおすすめします。自分の発音を聞きながら、正しい発音と比べられるだけでなく、リスニングの勉強にも役立ちます。
中国語の発音は難しいですが、できないことを苦だと思うのではなく、きれいに発音できた自分をイメージし、前向きに楽しみながら練習しましょう。最短でマスターするコツは、自分のゴールをイメージして楽しむことです!
正しい発音を完全マスターする方法を紹介!実践トレーニングのポイントはこちら
また、以下の動画を見ながら楽しく発音トレーニング!中国語ピンインマスター、実戦トレーニング動画をご覧ください。
動画のリンクはこちら。
まとめ. 難しいポイントを押さえて楽しく学ぼう!
はじめに中国語の大切なポイントを押さえておくと、どんどん学習が楽しくなります。中国語を自由に使っている自分、中国ビジネスで活躍する自分をイメージすると、ワクワクしてきませんか?
記事をお読みいただきありがとうございました。
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