「中国語の漢字は日本語の漢字と同じでしょ?」
これは、筆者フータオ(フルーエント中国語学院トレーナーHSK6級 中国在住歴7年)が中国語を学び始める前に思っていたことです。中国に行ったことがなく、情報もほとんど持っていなかったので、漠然とそう思っていました。
でも、「ちょっと待ったー!」勉強し始めて、中国語の漢字をよく見ると、何かが違うではないですか!
日本の漢字よりも画数の少ないものがあったり、微妙に違うものがあったり、
同じ漢字なのに、意味が違ったり・・。しかも、中国本土と台湾や香港の漢字もまた違う!?なんで違うの?
このように、中国語初心者の時の私が疑問に思ったことを、同じように疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、中国語の漢字「簡体字(かんたいじ)」についてお伝えしていきます!
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目次
1.簡体字とは何?
中国語には、「簡体字」と「繁体字」の2種類の文字があります。
簡体字とは、それまで使用されていた複雑な繁体字を簡略化した字体の事で、
「简体字(jiǎntǐzì)」と呼ばれ、正式には「简化字(jiǎnhua zì) 」と言います。
一般的に、中国大陸で使われている中国語(標準語)=「普通话(pǔtōnghuà)」の漢字は簡体字です。
日本語、簡体字、繁体字の違いは以下の例をご覧ください。
日本語 | 簡体字 | 繁体字 |
中華人民共和国 | 中华人民共和国 | 中華人民共和國 |
簡体字は中華人民共和国が成立後、1959年までに4度の改定・追加が行われ、1964年に「簡化字総表」にまとめられ、具体的に制定されました。簡体字が作られた理由は、一説によると画数が多く複雑な繁体字を簡略化することで、国民全体の識字率を高めることが目的だったと言われてます。
例で挙げたように、繁体字は画数が多く少し複雑な印象を受けると思います。また、今まで異字体として混同されていた文字を1つに統一し、増えすぎた漢字を整理するという役割もあったそうです。
簡体字を英語では” Simplified Chinese” と表記し、日常的に簡体字が使用されているのは、中国本土、シンガポール、マレーシアなどです。「中国語は日本の漢字と似ているから勉強しやすい」と思う方も多いですが、実は日本語の漢字にどちらかと言えば近いのは繁体字です。繁体字が使われているのは、主に台湾、香港、マカオなどです。
この事から、中国本土の中国語を勉強したいのであれば簡体字、台湾華語などを勉強したいのであれば繁体字ということになります。
中国語を勉強しようと思っている方は、地域を考慮して選択していただければと思います。また、簡体字は制定されてから60年余りと歴史は浅いです。中国語の歴史や文化を学びたい方は繁体字を深く理解する必要があります。
『中国語の繁体字と簡体字の違いは?学ぶべきはどっち?』
2.スマホやパソコンでの簡体字変換はとても便利!
スマホやパソコンでピンイン(中国語の発音表記法)から簡体字を入力するのは、とても便利で簡単!慣れてしまえば紙に漢字を書くよりも早いです。
正確な読み方がわからなくても、各文字のピンインの頭文字を入力しさえすれば簡単に候補が出てくるので、使い方を覚えて、使いこなしていきましょう。
2-1.スマホの場合
まずは、キーボードに簡体字を入力できるようにご設定ください。簡体字は、「简体拼音」でピンインから入力することができ、ピンインが全く分からない漢字は、「简体手写」から漢字を手書き入力すると候補が出てきます。手書きの場合は少し難しいですが、正確に文字を書かなければ、どんどん違う候補が出てきてしまうので、注意が必要です。
とても便利で面白い機能をご紹介します。例えば「今天(今日)」と入力したい場合、正しいピンインは「jin tian」です。もし「全部打つのが手間」と思ったら、各単語の頭文字の「jt」だけを入力してみてください。そうすると、jとtから始まるピンインの頻出単語が候補に出てきてくれます!ピンインを一通り覚えた、中上級者の方には便利な機能です。こちらの機能はスマホ、パソコン共にあります。(iPhone、Microsoftの場合)
2-2.パソコンの場合
パソコンの使える機能と言えば、こちらをご紹介します。例えば、「拼音(ピンイン)」と入力したい場合、正しいピンインは「pin yin」です。
しかし、もし誤って「ping yin 」と入力してしまっても、このように候補にしっかりと「拼音」が出てきてくれます。最後に「n」が付くか「g」が付くかの問題は、学習者にとって悩ましい問題なので、有難い機能です。
2-3.パソコンで受験可能な試験がある
HSK(中国語政府公認の中国語テスト)には、筆記試験とネット試験があります。ネット試験は会場に行って、パソコンを使っての受験になるので、簡体字を書く必要はありません。
前述したように、作文をする際もピンインの予測変換で作文が可能です。簡体字を書くのが得意な人は筆記、簡体字はもちろんそもそも漢字に自信がない人はネット試験の方が合っているかもしれません。
また、海外の一部の国では、HSK試験を自宅からでもオンラインで受験選択できることもあります。
『HSKを受験するなら必読!<レベル>の話 1級~6級』
3.初心者が知っておくとよい単語を知りたい
初心者の方でも、ここでご紹介する単語は紙に書けるレベルにしておきましょう!
3-1.日本の漢字と同じに見えるけど実は違う漢字
よく見ると少しだけ違いますよ!同じだと思って検定で書いてしまうと当然NGになってしまうのでご注意ください。
中国語 | 日本語 |
海 | 海 |
黑 | 黒 |
单 | 単 |
与 | 与 |
变 | 変 |
经 | 経 |
3-2.日本の漢字と書き方は同じだけど、意味が全く違うもの
意味が同じだと思って使ってしまったら、大変ですよね!
中国語の意味 | 日本語の意味 | |
机 | 機械 | つくえ |
叶 | 葉 | かな(う) |
老婆 | 妻 | ろうば |
床 | ベッド | ゆか |
大家 | みんな | おおや |
3-3.「簡体字」「繁体字」の両方を勉強したことがある方やネイティブから見た簡体字と繁体字の違いとは
体験談を中国語ゼミスタッフとネイティブの方からお伺いしました!
中国語ゼミスタッフの体験談
最初は、「繁体字は日本語に近くて簡体字より読みやすい(=意味が想像しやすい)」と思っていましたが、普通語(簡体字)が分かってくると、繁体字で書かれた内容がめきめきとわかってくる感覚があり、筆記では簡体字の方が断然簡単でした。
繁体字は画数も多く、最初に一気に簡体字と繁体字を勉強したら混乱しそうです。香港の大学の広東語(繁体字)の授業では、普通語(簡体字)を中級レベルを学んでいないとクラス登録すら受け付けできない状況でした。
ネイティブや中国語上級者(簡体字)の体験談
簡体字圏の人、繁体字圏の人、両方がお互いの漢字を読むことができる人が多いです。ただし、簡体字圏の人は複雑な繁体字を読めるけど書けない場合が多いそうです。外国人でも、中国語上級者になると特別な勉強をしなくても、実際はどちらも分かるようになる人が多いです。筆者自身も、繁体字の勉強はしたことがありませんが、台湾ドラマの字幕を見ていて、大体の漢字と意味が理解できています。
中国のカラオケ(KTV)での歌詞の字幕は繁体字で表示されているのがとても多いものの、繁体字を勉強したことのない簡体字ネイティブの中国人でも、ちゃんと歌詞を読んで歌っています。
こうした体験談を見ると、どちらかだけを学びたい場合でも、結果的に二つの字体を理解できるようになるのは嬉しいですね!注意が必要なのは、中国は国土が大きいので方言も多いです。文字の違いだけではなく、表記や表現の仕方が違うこともあります。日本では、日本人同士であれば大体の方言を理解することができると思いますが、中国ではネイティブ同士でも全くわからないということが少なくないです。
4.簡体字の練習アプリ・書籍
「簡体字の特別な練習をする必要はない」とはお伝えしましたが、「そうは言っても練習をしたい!」という方へ簡体字の練習ができるアプリや書籍をご紹介します!
4-1.簡体字を学習できるアプリ
『汉字练习』
ダウンロード:iOS (無料)
こちらのアプリは、中国語を勉強している外国人のために作られた漢字学習ツールです。
漢字の書き順動画を9000字以上収録!書き順からしっかりと覚えることができ、発音機能も付いているので、発音の練習もできます。簡体字と繁体字の両方に対応しています。
4-2 書籍
簡体字と繁体字の中検4級レベル302字を実際に練習する事ができます。!単語だけではなく、地名や人名、歴史上の人物や名言・格言などで応用練習も可能。初心者の方でも読み方がイメージできるよう、ピンインにフリガナ付きです。
5.簡体字をどうやって覚えたらよい?
日本語の漢字よりもシンプルと言っても、どのように覚えていくのがいいのでしょうか?
5-1.初心者の疑問例に回答
書けるまでは覚えないでいい?」
→簡体字の練習は、日本語にはない漢字のみで良いと考えます。
日本語の漢字と違う単語も、すでに私達が持っている漢字の知識と慣れで、何度か目にすると自然と覚えていけることが多いです。
どうしても覚えられない漢字や単語は書いて覚えたり、エアライティング(空中で行う書く練習)などをして練習をしていくと良いでしょう。
実際には、簡体字を書く機会は日本にいる場合、学校の授業や検定など限られています。筆者は現在仕事で中国語を使っていますが、書く事は少なく、パソコンで打つことがほとんどです。
中国で生活していても簡体字を書く機会は、銀行や役所関係での手続き・建物に入る際の登録に必要な個人情報を手書きする場合に限られています。
→ピンインとは発音記号です。ピンインから漢文が分かるのが最終目的ではなくピンインを正しく読み書きし、それを手引きに正しく読み書きでき、意味の分かる漢字を増やしていくことが最終目的となります。
ピンインを読んで発音をするという意識をなくしましょう。ピンインはあくまで標準的な発音をする補助的役割しか過ぎません。基礎発音を徹底した上で、単語や文章のシャドーイングを繰り返して、「発音=漢字」になるように、発音できる訓練をしていきましょう。
5-2.日常生活から簡体字とピンイン・声調を定着させる練習法
「街中で漢字をみたら、その字の”簡体字の読み書き”を頭の中で連想する」という練習法です。
例えば「銀座」という文字を見たら「ぎんざ」ではなく、「yin2 zuo4」と読んでみます。同時に「エアライティング」で簡体字を書いてみるのもオススメです。移動中や街ブラ中の隙間時間にぜひお試しください。
まとめ
「簡体字とは?」いかがでしたか。
- 簡体字とは繁体字を簡単にした字体
- 簡体字の練習は日本語にない漢字のみの短時間で良い
- スマホやパソコンで簡体字を入力するのは簡単で便利!
- 初心者が知っておくと良い単語
- 簡体字の練習アプリ、書籍のご紹介
- 中国語を勉強するコツ
についてお伝えしました。
これから中国語を学習しようと思われている方のお役に立てたら幸いです。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
・仕事で中国語を使えるようになりたい
・HSK、中国語検定に合格してキャリアアップしたい
・ドラマや映画を字幕なしで楽しみたい
・旅行で使える中国語を身につけたい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
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