中国をはじめとする中華圏のお正月である春節。人々は私たち日本人が新年を迎える際と同じか、それよりも強い気持ちでこの日の到来を心待ちにします。
2024年以降の春節は以下の日程です。
- 春節(旧暦の1月1日)…2024年は2月10日/2025年は1月29日/2026年は2月17日
- 中国の春節連休…2024年は2月10日~2月17日(※春節休暇日程は毎年12月に国務院から正式に発表されます)
- 春節を締めくくる元宵節(旧暦の1月15日)…2024年は2月24日/2025年は2月12日/2026年は3月3日
この時期には毎年、春節を家族で過ごす人々の帰省ラッシュが中国全土で起こります。駅が人であふれ返る様子は、この時期の中国ならでは。実家に戻る人のほか、長期休みを利用して海外旅行する人も多く、日本でも春節の前後になると、各地で中国人観光客の姿を目にする機会が増えます。
もちろん、日本に在住している中国人もこの期間をとても大切にしていて、中華街などに行くと、お店の装飾もきらびやかなものに変化します。街全体がにぎわう、まるでお祭りのような期間と言えそうです。
中国人にとって春節はとても重要なもの。そして、人と同時にビジネスも大きく動く中国の春節は、世界から注目の的となっています。
この記事では、世界中が注目する「春節」とは何かを一挙ご紹介!春節を迎える中国社会の様子を知ると、日本人の予想を遥かに上回る盛り上がりに驚くことでしょう。春節ならではの挨拶もご紹介していますので、ぜひ、コミュニケーションのきっかけにしてください。
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目次
- 1. 中国人が春節休暇を過ごす場所
- 2. 日本人と似ている?中国人の伝統的な春節の過ごし方
- 2-1. 大掃除をする
- 2-2. 玄関に「春联」を飾る
- 2-3.「福字」を上下逆さまに掛ける
- 2-4. 縁起をかつぐキンカンの鉢植えを飾る
- 2-5. 赤い下着を身に付ける
- 2-6. 大晦日にテレビで「春晩(中国版・紅白歌合戦)」を見る
- 2-7.「红包・压岁钱(お年玉)」をもらう・渡す
- 2-8. 爆竹・花火を鳴らして邪気を追い払い、神を迎える
- 2-9.「年夜飯(年越し料理)」を食べる
- 2-10. 縁起をかついだ食べ物を食べる
- 2-11. 春節の挨拶メッセージを送る
- 2-12. 親戚の挨拶回りに行く
- 2-13. 春節の贈り物をする
- 2-14. 神社ではなく寺へ初詣に行く
- 2-15. 新年イベント(廟会・灯会)に行く
- 2-16. 元宵節に白玉団子を食べて春節を締めくくる
- 3. 中国で気をつけるべき春節あるある
- 4. 中国以外の世界の国にとっての春節
- 5. 日本で春節気分を味わう各地の春節祭
- まとめ
1. 中国人が春節休暇を過ごす場所
春節(旧正月)は、中国語で「春节(chūnjié チュンジエ)」といい、正月を迎えることを「过年(guònián グゥォニィェン)」といいます。
中華圏の人々にとって春節は特別なものです。新暦の1月1日と比較しても、より盛大に春節(旧正月)の方を新しい年の始まりとして祝います。
1-1. 2020年以前の春節休暇の流行は「日本への爆買い旅行」
中国では年々、大型連休を利用して海外旅行に出かける人が増えています。以前、人気のあった海外旅行先はタイと韓国でしたが、ここ数年の秋の国慶節(中国の建国記念日)の大型連休には、その2国を抑え日本がトップになりました。この期間に40万人の中国人観光客が日本を訪れ、100億元(約1,800億円)の買い物をしたと言われています。
株式会社ホットリンクと普千(上海)が、訪日中国人が春節に買ったものランキングを発表しています。
(出典:https://www.hottolink.co.jp/customer/lite/20150302-2) |
中国人が日本で購入したもののダントツ一位は「医薬品」。人気の理由は、安全、安心、値段も安く、かさばらず、大量に購入して持ち帰ることが可能ということ。中国では薬は値段が高く、種類も少ないため、日本のドラッグストアを訪れる中国人は日本の医薬品の種類の豊富さと値段の安さに驚くようです。
『【発音付】中国語で「いらっしゃいませ」って何て言うの?』
『発音付|中国人をおもてなし!中国語接客フレーズ181』をご覧ください。
また、中国人観光客の心をつかむ中国語POPキャッチコピーを
『中国人観光客対策!爆買い促進!中国語キャッチコピー50』でご紹介しています。
1-2. 基本的には故郷に帰省するのが当たり前
近年、春節休暇に旅行をする人が多くなったとはいえ、春節は故郷で家族と過ごすのが一般的です。日本でも年末年始に海外旅行をする人もいれば、帰省して家族と過ごす人がいるのと同じですね。中国での一般的な春節の過ごし方については、「2 中国人の伝統的な春節の過ごし方」でご紹介します。
1-3. 日本以外も大混雑する有名観光地
春節休暇を自分の実家で過ごすか、パートナー(夫・妻)の実家で過ごすか決められない…。それなら両方の両親を連れて一緒に海外で過ごそう!という考えの人が年々多くなっているそうです。2019年の春節休暇を海外で過ごした中国人は、631万人にのぼりました。
ちなみに中国からの人気海外旅行先は、日本、韓国、香港地区、マカオ地区、タイ、インドネシア、シンガポールなどとなっています。中国人観光客で大賑わいなのは日本だけではありません。日本は、ライバルの国を見据えつつ、他の国にない魅力を感じてもらう工夫をする必要がありそうです。
2. 日本人と似ている?中国人の伝統的な春節の過ごし方
春節を海外で過ごす中国人が多くなったとはいえ、家で家族とともに過ごす人が大半です。一般的にはどのように過ごすのか見ていきましょう。日本人と中国人の正月の過ごし方には共通点がたくさんありますよ!
2-1. 大掃除をする
日本と同じように、一年のほこりをはらい、新しい気持ちで新年を迎えるために大掃除をします。春節の大掃除には「除陳布新(古いものを片付け、新たにする)」という意味があるそう。“陈(古い)”と“尘(ほこり)”の発音が同じであるため、よくない運気を追い払うと言われています。
2-2. 玄関に「春联」を飾る
(写真出典:https://www.qyta.com/news/20070322/151320876766.htm) |
日本で玄関に門松やしめ縄を飾る習慣があるように、中国では玄関に「春联(chūnlián チュンリィェン)」を貼ります。「春联」は、対句になっており、事業繁栄や家族の健康などを祈る言葉が書かれています。春節前には既製品がたくさん販売されますが、自ら手書きする人や、その場で手書きしてくれる屋台などもあります。
ちなみに、日本では正月飾りを飾る日や捨てる場所などが決まっていますが、中国では全く気にしません。「春联」は、次の年に新しいものに貼り替えるまで貼っておけます。
2-3.「福字」を上下逆さまに掛ける
「福」の字をわざと上下逆さまにして、部屋のドアや壁に飾ります。逆さまに飾る理由は、「福倒了(fú dàole フーダオラ)=福を逆さまにする」が、「福到了(fú dàole フーダオラ)=福が来た」と発音が同じであるという、これまたダジャレです。
2-4. 縁起をかつぐキンカンの鉢植えを飾る
(写真出典:https://www.cnepaper.com/hsck/html/2014-12/08/content_5_1.htm) |
緑の葉と小さな黄色い実をたくさんつけるキンカン(金橘 jīnjú ジンジュ)の鉢植えも、縁起もののひとつです。理由は、広東語の「橘」の発音が「吉」と同じなので、文字って「吉祥と富をもたらす」という意味に取ることができ、また常緑樹の「绿(lǜ リュ)」と給料を表す「禄(lù ルー)」の音が似ていることから、金運上昇を願って家に飾られます。日本でも縁起をかつぐものはダジャレが多いですが、中国も同じくダジャレ好きです。
2-5. 赤い下着を身に付ける
中国では「赤い下着を身に付ける」と運気がアップするという言い伝えがあります。スーパーなどには、女性用に限らず男性用の下着や温かい肌着のようなものも「赤」が売られています。赤はもともと魔除けの色・縁起のいい色として中国では好まれている色でもありますが、春節は下着や靴下まで「赤」です。
2-6. 大晦日にテレビで「春晩(中国版・紅白歌合戦)」を見る
「春晚(chūnwǎn チュンワン)」とは、「中国中央电视台春节联欢晚会」の略称で、中国の国営テレビ局CCTVが春節の前日(除夕 chúxī チュシー)から長時間に渡って生放送する年越しカウントダウン番組です。1983年に放送が開始された長寿番組で、中国版・NHK紅白歌合戦と言われています。内容は、歌だけでなく民族舞踊やマジックやコントなど盛りだくさんで、中華圏を代表するスターから中国で人気のある韓国人スターも出演し春節気分を盛り上げます。
ただ、近年CCTV以外の地方局でも年越し生放送番組を放送するようになったこともあって、視聴率は下降していると言われています。長年同じでは視聴者に飽きられるということでしょうか。
2-7.「红包・压岁钱(お年玉)」をもらう・渡す
「红包(hóngbāo ホンバオ)」とは、お祝い事で配られる赤い袋に入ったご祝儀のこと。春節では目上の人から目下の人にホンバオを渡します。特に春節に子どもに渡すお年玉のことを「压岁钱(yāsuìqián ヤースイチィェン)」といいます。
赤い袋に入ったホンバオがオーソドックスなものですが、近年変化が見られています。日本以上にSNSと電子マネーが浸透している中国では、数年前に電子版ホンバオが登場しました。
中国最大の電子マネー「支付宝(アリペイ)」が、春節で実施した電子版ホンバオには1億人以上が参加!送受信されたホンバオは総額40億元(約720億円)にも達しました。
今後日本の商店でも、来店してくれた中国人のお客さんとSNSで繋がり、ホンバオを送るというサービスをやってみると面白いかもしれません。
2-8. 爆竹・花火を鳴らして邪気を追い払い、神を迎える
春節のイメージといえば盛大に鳴らされる爆竹!という人も多いでしょう。中国では古くから、爆竹を鳴らし魔除けとする風習があります。旧暦の1月1日と5日は、前日の夜から街中の人が次々に爆竹・花火を鳴らし始め、深夜12時を迎えると爆音はピークに達し、まるで銃撃戦のような爆音が朝方まで鳴り響きます。旧暦1月1日は邪気を追い払う目的で、また5日はお金の神様を自分の家に呼び込むために、爆竹・花火を鳴らします。
しかし、近年大気汚染の悪化により、中国各都市で爆竹・花火を規制・制限する動きが強まっています。
2-9.「年夜飯(年越し料理)」を食べる
(写真出典:https://wx.sina.com.cn/food/news/2013-02-21/13435084.html) |
旧暦の大晦日の夜に親族が集まって食べる食事を「年夜飯(年夜饭 niányèfàn ニィェンイェファン)」と言います。地域によって「团年饭(tuán niánfàn トゥァンニィェンファン)」「合欢饭 (héhuānfàn ファファンファン)」と呼ぶところもあります。家でご馳走を用意したりしますが、近年ではレストランで豪勢に行う家族も多くなっています。「年夜饭」は日本でいうおせち料理のようなもので、縁起のよい名前のものを食べる習慣があります。
2-10. 縁起をかついだ食べ物を食べる
日本でもおせち料理は縁起をかついだものを食べますが、「年夜飯」のメニューも、縁起のよいものが好まれます。
(写真出典:https://news.sina.com.cn/s/2007-02-14/012411235425s.shtml) |
- 「餃子」…中国の北方では、家族で一緒に餃子を作って食べる習慣があります。いろんな意味がありますが、餃子の形が「元宝」(中国昔の貨幣)に似ていることから「富をもたらす」という意味が込められています。ちなみに中国で「饺子(jiǎozi ジャオズ)」といえば一般的に茹でた水餃子のことを指し、焼き餃子は「锅贴(guōtiē グゥォティェ)」といいます。
- 「麺」…中国の南方では餃子よりも麺を食べます。細長い形状から、長寿の願いを意味します。
- 「魚」…中国語で「鱼(yú ユー)」は「余(yú ユー)」と発音が同じです。「有鱼(魚がある)」は「有余(ゆとりがある)」という意味に。
- 「もち」…中国のおもちは「年糕(niánāo ニィェンガオ)」といいます。同じ発音の「年年高(niánniángāo ニィェンニィェンガオ)」にかけて、「仕事と生活が毎年よくなりますように」という意味が込められています。
- 「春巻き」…春巻きを食べる=春を噛むという意味で、好まれます。
- 「八宝飯」…「八宝饭(bābǎofàn バーバオファン)」といい、もち米と小豆餡で作ったおはぎのようなものです。春節だけでなくお祝いの席でよく食べられます。
2-11. 春節の挨拶メッセージを送る
お祝いメッセージのことは中国語で「贺词(hècí ファツー)」といいます。玄関に飾る「春联」に記したり、面と向かって挨拶するのはもちろん、最近はショートメールやSNSでも祝賀メッセージをやり取りします。定番の祝賀メッセージには以下のようなものがあります。
新年快乐 | xīn nián kuài lè | 明けましておめでとうございます |
恭喜发财 | gōng xǐ fā cái | 金運に恵まれますように |
年年有余 | nián nián yǒu yú | ますます裕福になりますように |
工作顺利 | gōng zuò shùn lì | 仕事が順調にいきますように |
生意兴隆 | shēng yì xīng lóng | 商売繁盛しますように |
出入平安 | chū rù píng ān | 平穏無事に過ごせますように |
合家平安 | hé jiā píng ān | 一家が幸せになりますように |
精灵活泼 | jīng líng huó pō | 元気活発に過ごせますように |
万事如意 | wàn shì rú yì | 万事思い通りにいきますように |
心想事成 | xīn xiǎng shì chéng | 希望が叶いますように |
2-12. 親戚の挨拶回りに行く
親戚や友人の家を訪問し、新年の挨拶を交わします。新年の挨拶をすることを「拜年(バイニェン)」と言います。
このとき一番喜ぶのは、お年玉をたくさんもらえる子供たち。一人っ子政策の影響で子供の数が少ないので、日本の子供よりも多くお年玉をもらっているそうです。
2-13. 春節の贈り物をする
知人や親戚に挨拶回りをする際に、贈り物をします。日本のお歳暮同様、贈答用の立派な箱に入ったものを贈ります。贈り物の内容は人それぞれで、相手のことを考えて現金の人もいれば、ワインや高級海産物、チョコレート、洋服などさまざま。相手のことを考え、喜んでもらえるものを贈りたいという思いはどこの国の人も共通ですね。
2-14. 神社ではなく寺へ初詣に行く
中国に神社はありませんので、寺院へ初詣に行きます。参拝方法は日本のそれとは随分違います。大きな火のついた線香を持って、4方向すべてに願い事をしてからお辞儀するというもの。仏像の前では、置いてある座布団の上に膝をついてお祈りをします。
2-15. 新年イベント(廟会・灯会)に行く
「廟会(庙会 miàohuì ミィァォフゥイ)」は、日本で言う縁日のようなものです。春節や元宵節前後に開催されます。当初は宗教行事と結び付けられていましたが、時代とともに、単に食べ歩きやショッピングを楽しむイベントへと変化していきました。
また日本で「ランタンフェスティバル」と呼ばれる「灯会(dēnghuì ドンフゥイ)」が毎年、台湾・中国の各地で大規模に開催されています。
(写真出典:https://article.yeeyan.org/bilingual/250235) |
灯会の由来は、後漢の時代に仏教がインドから中国に伝わり、仏教の伝統では旧正月15日に仏舎利を拝み、灯りを供えるので、中国でも元宵節に灯りを灯して法会を開くようになったため、と言われています。ちなみに、最近日本でも「幻想的だ」と話題になった台湾の空に向かって放つランタンは「天灯(tiāndēng ティェンドン)」と呼ばれます。
2-16. 元宵節に白玉団子を食べて春節を締めくくる
(写真出典:https://baike.sogou.com/v61967134.htm) |
旧暦の1月15日を元宵節(元宵节 Yuán xiāo jié ユェンシァォジェ)といい、家族そろってもち米の団子を食べて、家族円満を願い、春節を締めくくります。もち米の団子は、長江以北の北部では「元宵(yuánxiāo ユェンシァォ)、南部では「汤圆(tāngyuán タンユェン)」と呼ばれます。団子の中身は胡桃、ゴマ、小豆餡、氷砂糖、棗の餡、バラなどさまざまです。
3. 中国で気をつけるべき春節あるある
中国での「春節期間あるある」をまとめました。一般的に春節期間の中国がどんな様子かを知ると、日本での中国人観光客を迎え「おもてなし」する方には、役立つと思います。
日本で迎えるのとは逆に、この時期もし中華圏に行くようなスケジュールを立てている人の場合、相当の注意と覚悟が必要です!
3-1. 春節期間は休みになる店が多い
年中無休の店も春節だけは休みます。町の小さな商店はだいたいお休み。春節をはさんで1ヶ月ほど休業する店もよくあります。しかしここ数年は、中国の都市部の大きなショッピングモールなどは営業するようになりましたし、ホテルの中の店なら365日営業しています。
3-2. カレンダー上は1週間の休みでも、1ヶ月休む人もザラ
春節の連休は、暦の上では1週間ほどの休みですが、故郷が遠い人など1ヶ月仕事を休む人も少なくありません。個人商店だけではなく、一般の会社に勤める人も同様です。春節連休前から少しずつ慌ただしくなり、列車や長距離バスで帰省する人が増えます。
3-3. 30億人の「民族大移動」で、駅は想像を絶する大混雑
中国は田舎から都市部へ働きに出ている人が多く、春節だけは故郷に帰りたいという人たちが一斉に列車や長距離バスの駅に押し寄せます。日本語で「民族大移動」と揶揄されますが、中国語では「春运(chūnyùn チュンユン)」といいます。
2019年の「春运」は1月21日から3月1日の40日間で、この時期の旅客数は29.8億人に達しました。飛行機・列車・長距離バスのチケットは取りにくく、駅は大混雑、高速道路も激しい渋滞です。日本人がわざわざこの時期に混雑する列車や長距離バスで移動するのは、とても危険です。トラブルに巻き込まれかねません。時期を外した方が賢明です。
3-4. 春節期間は避けた方がいい中国国内の人気観光地ランキング
皆が一斉に休みになるこの期間は帰省する人だけでなく、中国国内旅行に出かける人も多く、人気旅行地は人だらけ!ということになります。大型連休の旅行は、よく「景色を見に行くのではなく、人の海を見に行く」と揶揄されます。人気の場所を抑えておきましょう。
春节出行人气最旺城市排行(春節旅行人気都市ランキング) 北京、上海、广州(広州)、深圳、成都、重庆(重慶)、西安、杭州、厦门(アモイ)、武汉(武漢) 十大境内自由行目的地(十大国内個人旅行地) |
3-5. 初詣客を見込んだお寺の拝観料は概ね普段の3倍
日本では、拝観料が無料の寺社がほとんどですが、中国ではどんな寺院も拝観料(香花券・香火券)が必要です。普段は、高いところでも30元(約540円)ほど。しかし、これが春節初日だけは初詣客を見込んで、拝観料はぐっと跳ね上がり、概ね普段の3倍になります。
3-6. 中国の春節商戦と福袋
日本の正月に売り出される「福袋」。中国人観光客が正月に日本の福袋を大量に買って行った、というニュースをここ数年目にします。実は、中国では「福袋」は一般的ではありません。しかし、近年は中国でも、日本資本あるいは日式のデパートでは販売されるのを見かけるようになりました。もともと「おまけ」や「お得」が好きな中国人の性格に合っているのかもしれませんね。
春節は、日本の正月と同じように、消費者の財布のひもが緩む時期です。日本での年末年始と同様、中国では春節がセール期間になります。春節の2週間ほど前から大型スーパーやショッピングモールでは、売り場全体が幸運の色「赤」で染まり、大売出しが始まります。
3-7. 春節前は忘年会シーズン
日本でも年末に忘年会で一年の労をねぎらうように、中国でも春節前に社員参加の忘年会が行われます。中国語では忘年会とはいわずに、「年会」「联欢会」「年终答谢会」などといいます。日本とは規模がケタ違いで、レストランやホテルを貸し切って、従業員が数千人の会社でも全員参加、費用は全額会社持ち!という豪華さ。全員参加のビンゴ大会や余興、カラオケ大会などで盛大に盛り上がります。
3-8. 春節休みに帰省した労働者が帰って来ない
大盛り上がりの忘年会で豪華な景品をもらい、年末のボーナスももらって、春節の休みを機に会社を辞めてしまうというケースも少なくありません。辞表を提出せず、春節休み明けても故郷から戻って来ない、連絡も無しに出社しなくなる…というのも残念ながらよくあることです。
3-9. 春節用の彼女・彼氏をレンタルする!?
(画像出典:https://weibo.com/niubang68?is_hot=1) |
春節に帰省するのが憂鬱だと感じている人もいます。それは実家で両親や親戚から結婚を催促されるのが嫌なシングルたち。彼ら・彼女たちのために「レンタル彼氏・レンタル彼女」を貸し出すという商売が話題です。購入者の希望に合わせて、両親に会って恋人を演じることや、定時に電話やメッセージを送るサービス、さらに形式的な結婚まで可能だとか!
しかし、現在大手インターネットショッピングモール「淘宝网(タオバオ)」ではこういったサービスの販売を禁止しており、今年は出品後すぐに削除されました。実際にサービスの利用者がいるのかどうかはわかりません。
ただ、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では「帰省のためにレンタル彼氏が必要なら私に連絡してください!」という本気か冗談かわからない書き込みで盛り上がっています。
『タオバオでの買い方|お得にショッピングするヒント集』
『タオバオ(淘宝)が面白い!中国発ネットショッピングの魅力』
『タオバオのアプリは超便利!ネットショッピングを楽しむコツ』
4. 中国以外の世界の国にとっての春節
4-1. 各国の首脳が毎年春節祝賀メッセージを発表
中国の影響力を無視できない昨今、中国との関係を強化したい各国が、毎年お祝いメッセージを送ります。日本の安倍首相も2012年の就任から2020年の退任まで、お祝いを欠かしたことはありません。
対中外交にとって春節はとても重要な項目で、「中国に我が国のものをたくさん買って欲しい!」と思っているのは日本だけではないということです。
ちなみに春節は英語で「Lunar new year」「Chinese New Year」「Spring Festival」といいます。
4-2. 台湾・韓国・マレーシアなど中国文化圏の春節
アジアの国々では、春節を祝う国が多くあります。中国以外にも、韓国・北朝鮮・ベトナム・シンガポール・マレーシア・インドネシア・ブルネイとモンゴルでは国の休日として春節を祝います。
2024年の各国の春節連休は…
- 中国本土 …… 2月10日〜2月17日の8連休
- 香港 …… 2月10日~2月13日の4連休
- マカオ…… 2月10日~2月14日の5連休
- 台湾 …… 2月8日~2月14日までの7連休
- 韓国 …… 2月9日~2月12日の4連休
- ベトナム …… 2月8日~2月14日までの7連休
- シンガポール …… 2月10日~2月12日の3連休
私は、2018年の春節にはオーストラリア・シドニーに行きましたが、オーストラリアでも春節のお祝いが盛大に行われていて、中国の勢いを感じました。シドニーと言えば?というほど有名なオペラハウスやハーバーブリッジも春節を祝うために真っ赤にライトアップされていました。他にも干支の大きなバルーンなども設置されており、「ここは中国か?」と見間違うほどでした。
5. 日本で春節気分を味わう各地の春節祭
5-1. 中華街での春節祭
横浜・神戸の大きな中華街で春節祭が行われる他、長崎・名古屋・新潟・日光など意外に日本各地で行われています。春節祭では、軽快な太鼓と鐘の音に合わせて躍る獅子舞や変面ショーなど、日本ではなかなか見られない催しで春節を盛り上げます。
ホームページをご確認ください。
・横浜中華街の春節イベント
横浜中華街ホームページ https://www.chinatown.or.jp/
・神戸南京町の春節祭
神戸南京町ホームページ https://www.nankinmachi.or.jp/
・長崎ランタンフェスティバル
長崎ランタンフェスティバルホームページ https://www.at-nagasaki.jp/festival/lantern/
・名古屋春節祭
名古屋春節祭ホームページ https://www.n-cj.com/
5-2. 沖縄の旧正月
以前は日本でも全国的に旧正月がお祝いされていました。なぜその習慣がなくなってしまったのかは定かではありません。しかし沖縄や奄美の一部地域では今も旧正月を祝うところがあります。ただ、時代とともに新正月だけを祝う家庭も多くなっているようで、旧正月だから休みになるお店などはあまりないようです。
まとめ
多くの日本人がかつてはお祝いしていた春節(旧正月)。いまも春節を大切にしている中国の文化を知ることで、中国、中国人のことをもっと理解できるきっかけになればと思います。楽しい春節期間を過ごしてください!
『中国語の勉強|最強の学習法とは?【動画付】』を、
この記事に出てきた中国語の発音を正しく理解する方法については
『中国語の発音基礎|効果的なトレーニング方法|動画・音声付』をあわせてご覧ください。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
・仕事で中国語を使えるようになりたい
・HSK、中国語検定に合格してキャリアアップしたい
・ドラマや映画を字幕なしで楽しみたい
・旅行で使える中国語を身につけたい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
そんなあなたにお願いがあります。
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・中国語ってどんな言語?読めばわかる中国語のすべて
・中国ゼミでは日本人が効率よく中国語をマスターするためのノウハウをすべてご紹介しています。ぜひ実践してください。
・中国語は発音が重要!この記事では初心者にもわかりやすく解説しています。
・勉強のコツのヒントが得られるかもしれません。フルーエントにて中国語を学習されている受講生の声はこちら