中国人観光客の増加と共に、訪日中国人のマナーの悪さ・マナー違反の問題が大きく取り上げられています。
ここでは、中国人のマナー違反の具体的事例を挙げると共に、その解決法と、マナー違反を引き起こす原因について考えてみたいと思います。
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目次
1 大声で話す
日本でも、中国人の旅行者の増加に伴い、中国語を耳にする機会が増えていますが、中国人の会話にうるさく感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらの動画では、中国語がうるさく聞こえてしまう理由と、うるさい時にどのように伝えたら良いかを解説しています。併せてご覧ください。
1-1 正しい対処法
1-1-1 お店の人は直接注意しない
中国人の一般概念として「お金を払っている立場が一番偉い」という考えがあります。そのため、店員が直接注意するのは避けた方が無難。お店としては、目に触れる場所に張り紙を貼っておくのが唯一できる対処法です。できればメニューやテーブルだけでなく、入り口にも張っておくといいでしょう。もし口頭で伝える場合はこのようなフレーズになります。
周りのお客様のご迷惑になりますので、お静かに願います。 zhèyàng huì dǎrǎo qítā kèrén qǐng nín bǎochí ānjìng 这样会打扰其他客人,请您保持安静。 ヂァヤン フゥイ ダーラオ チーター クァレン チン ニン バオチー アンジン |
この際、いくら中国人が対象とはいえ、中国語だけで表記するのは彼らのプライドを傷つけることになります。少なくとも英語は列記しておきましょう。
Please be mindful of other customers and enjoy quietly.
这样会打扰其他客人,请您保持安静。
なお、中国人の方々の接客について詳しく知りたい方は、
『【発音付】おもてなしの心を伝える中国語接客フレーズ181』 『中国人と楽しく付き合うキーポイント! 特徴、性格、マナー、結婚、恋愛、仕事、食生活、歴史…』をご覧ください。
1-1-2 周りの人が注意する
電車などの公共の場では、直接注意するしかありません。日本人はニュアンスで伝えようとしますが、中国語ではストレートに言った方が通じますし、失礼にもあたりません。
この際、注意すべき点は2点です。
・「你好」を忘れない
突然、文句を言われると、こちらが悪いとしても、やはり嫌な気分になりますよね。必ず、「你好」とできれば笑顔で言って、敵意がないことをまずは伝えましょう。
・周りに聞こえないように話す
中国人にとって、メンツが何よりも重要ですから、人前で文句を言われると、ついついカッとなってしまうことが少なくありません。ですから、注意する際にはなるべく小さな声で。できれば、他の人に聞こえないように伝えてあげるとベストです。
『【中国語発音付】中国人がうるさい理由とうるさい時の伝え方』
1-2 大声で話す原因を考える
1-2-1 中国語の語学構造の問題
中国語ははっきり話さないと相手に通じにくい言語であることは確かです。例えば四声。中国語には同音異語が多く、イントネーションを正しく発音しなければ全く別の意味になってしまいます。また、子音にも有気音と無気音の違いや破裂音、北方独特のR音など、はっきり発音しなければ通じない音がたくさんあるのです。
1-2-2 大声で話すことはいいことだという感覚
中国では子どもの頃から、「大声で読み、大声で答える」ことが推奨されます。また、大きな声は元気で朗らかな印象を相手に与えると言います。実は、こうした習慣は中国独自のものではありません。欧米諸国においても大声は元気な印象を与えるとされる国は意外と多く、イギリスのように無口の方が好まれる国を揶揄する傾向さえあります。
2 列に割り込みをする
2-1 正しい対処法
2-1-1 きちんと注意する
中国人観光客の多くが日本語はおろか、英語もわからないという人が大変多いのが現状です。そこで注意をするのであれば、中国語を使ってあげる必要があります。
列に並んでください。 qǐng páiduì 请排队。 チン パイドゥイ |
排队(páiduì パイドゥイ)は列に並ぶという意味を表す、非常に便利な言葉です。「私は並んでいる=我排队了」(wǒ páiduì le ウォ パイドゥイ ラ)だけでも十分意味が通じます。
2-1-2 言うことを聞いてくれない場合は「大家」を使う
万が一、聞こえないふりをされた場合は、このフレーズを試してみましょう。
他の人はみんな並んでいるんだけど! dàjiā dōu zài páiduì ne 大家都在排队呢。 ダージャ ドウザイ パイドゥイ ヌァ |
中国人はメンツを大切にしますから、「あなた以外の他の人はみんな」=大家(dàjiā ダージャ)というフレーズは大変効果的です。ちなみに最後に付く呢(ne ヌァ)は、日本語で言う「〜なのになぁ」を意味する、語気を和らげる言葉。きつい表現にならないので便利ですね。
2-2 列に並ばない原因
2-2-1 昔の習慣が抜けない
かつて中国の駅の光景と言えば、窓口に殺到する人の群れでした。並んでいても、どんどん割り込みをされますから、並ぶのがバカらしくなる心境はわからないわけではありません。しかし、時代は変わり、今では駅でも並ぶのが当然です。無論、今でも割り込む人はいますが、大変少ないですし、そういった方は、大抵、年配の場合が多い気がします。
2-2-2 注意されないから割り込む
列ができていることに気がつかない振りをして割り込んでしまおうと考える人が、残念ながら少なからずいるのは事実です。また、日本人の性格として、外国語を話している相手に対しては文句を躊躇することが多いのも、また事実です。とはいえ、彼らも自分が悪いことをしている認識があるのですから、文句を言えば、どいてくれる場合が多いのです。黙っていることは、マナー違反を助長させる一因になっていることを肝に銘じましょう。
3 トイレの使い方が汚い
中国のトイレが不衛生で汚いというのはかなり有名な話ですが、その原因として、人の多さや設備そのものの問題の他に、使い方のマナーが悪いという最も重要な問題があります。男性のトイレが汚いのはもちろん、女性トイレの使い方にもかなり問題があるようです。
3-1 正しい対処法
3-1-1 張り紙をする
トイレはプライベートな空間ですから、口頭で注意するわけにはいきません。そこで、張り紙でしか伝えるしか方法がありませんが、その際、注意したいのは書き方。
トイレットペーパーは中国語で手纸(shǒuzhǐ ショウヂー)または卫生纸(wèishengzhǐ ウェイシォンヂー)ですが、広義の意味で、お尻を拭く紙全てを指します。つまり、持参のポケットティッシュも手纸であり、トイレ詰まりの原因になりかねません。したがって、トイレに備え付けのトイレットペーパーを利用してください、ということをきちんと伝える必要があります。
もちろん、張り紙をする際は英語を表記することを忘れずに。
Don’t throw the toilet paper away in the trash bin. Please place the toilet paper in the toilet and flush.
厕所专用的手纸使用完后请直接扔在厕所里,请勿扔进垃圾桶。
3-2 トイレの使い方が汚い原因
3-2-1 トイレットペーパーを流さないのは中国流マナー
トイレットペーパーを流さず、ゴミ箱に捨てるので困っている、という話をよく聞きますが、それがマナーにこだわった結果だとしたらどうでしょう?実は中国の下水管は日本のそれと比べて細く、トイレットペーパーを流しすぎるとすぐに詰まってしまうのです。
また、中国ではトイレットペーパーが備え付けられている公衆トイレがあまりなく、市販のポケットティッシュを使う人が大半です。こうしたポケットティッシュは、トイレットペーパーと比べて水に溶けにくく、これもまたトイレ詰まりの原因となります。したがって、中国では、トイレの横には必ずトイレットペーパー用のゴミ箱が設置されており、使ったトイレットペーパーはそこに捨てるのが一般的なのです。
3-2-2 用を足した後に流さない
水洗トイレが普及していない地域に住んでいる場合、用を済ませた後に流す習慣は確かにありませんが、日本に訪れる人は富裕層が多く、このケースはちょっと考えづらいといえます。
原因を挙げるとするならば、日本の温水洗浄便座に対する過信。中国では温水洗浄便座(中国語では智能马桶 zhìnéng mǎtǒng ヂーノン マートン)が大人気で、爆買商品のひとつになっているほどですが、使った経験がある人は少ないのが実情です。したがって、お尻を洗ってくれるくらいだから、自動でトイレ洗浄もしてくれるだろうと思っている人が多いのだと思います。
現代中国のトイレ事情について徹底解説!
『ネタの宝庫?ニーハオトイレ? 中国の現代トイレ事情』
『【発音付】中国語で「トイレはどこですか?」は何て言うの?』
4 ゴミを正しく捨てられない
4-1 正しい対処法
4-1-1 ポイ捨てには注意する
実は訪日中国人の大半は、ゴミをポイ捨てしてはいけないという認識を持っています。しかし、同時にゴミ箱がないことから、ゴミをどうしていいか苦慮した挙げ句、やむを得ず、ポイ捨てをしてしまう人も少なからずいます。本人に悪いことをしているという認識はあるのですから、きちんと注意してあげた方が親切ですね。
ここではゴミのポイ捨ては禁止されています。 zài zhèlǐ jìnzhǐ luànrēng lājī 在这里禁止乱扔垃圾。 ザイ ヂァリー ジンヂー ルゥァンロン ラージー |
また、横浜市のように罰金を課す条例がある場合、それを伝えるとさらに効果的です(中華圏において罰金制度は非常にポピュラーで、シンガポールや香港でも美化維持のために罰金制度が導入されています)。
もし違反すると2万円以下の罰金が科せられます。 rúguǒ yǒu wéifǎn nǐ bìxū jiǎonà liǎngwàn rìyuán yǐxià de fákuǎn 如果有违反,你必须缴纳2万日元以下的罚款。 ルーグゥォ ヨウ ウェイファン ニー ビーシュ ジャオナー リィァンワン リーユェン イーシァ デァ ファクァン |
4-1-2 ゴミの分別は行政用のチラシを利用する
ゴミの分別は外国人から見ると非常に複雑で、これを口頭で説明するのは至難の業です。ところで住宅用のゴミ捨て場の場合、大抵の自治体ではゴミ捨てのルールについてのパンフレットや張り紙を用意しています。したがって、それらを入手し、貼っておくのが唯一できる防衛策といえます。
なお、簡単な注意については覚えておくと便利ですね。
ここに燃えるゴミを捨てないでください。 qǐng bú yào bǎ kěránwùpǐn diū zài zhèlǐ 请不要把可燃物品丢在这里。 チン ブーイャォ バー クァランウーピン ディゥ ザイ ヂァリー |
ビンと缶とペットボトルは分けて捨ててください。 qǐng jiāng bōlípíng guàntóu hé PETsùliàopíng fēnkāilái diū qì 请将玻璃瓶、罐头和PET塑料瓶分开来丢弃。 チン ジィァン ブォリーピン グァントウ ファ PETスーリィァォピン フェンカイライ ディゥ チー |
4-2 ゴミを捨てられない原因
4-2-1 中国ではポイ捨ては当たり前
中国ではポイ捨ての意識改善はまだまだ、というのが現状です。特に車のマナーが酷く、走行中の車の窓からゴミが投げ捨てられるほか、灰皿をひっくり返す光景もよく見かけるほどです。
近年ではポイ捨てを少しでも減らそうと、路上にゴミ箱が多数設置されるようになってきましたが、ゴミの清掃員が落ち葉をゴミ箱に大量に詰め込むなど、清掃員自体のマナーも悪く、一般人にはなかなか浸透しないのが現状です。
4-2-2 ゴミの分別意識はほぼゼロ
ゴミ箱にゴミを捨てるのですら、なかなかできないのですから、ゴミの分別に対してはほとんど気にかけられていないのが現状です。家庭ゴミは生ゴミや缶・ビン、電池などを一緒に入れるのは当たり前。実はゴミを仕分ける職業の人がいて、分別を心がけると、そうした人の職業を奪ってしまうという現実もあります(困ったことに、大半の中国人がそれを理由に分別しないことを正当化しています)。
ちなみに街角に設置されたゴミ箱は、リサイクルできるものとできないものに分けられていますが、一般認識として、そもそも何がリサイクルできて、何ができないものなのかわかっていないということがあります。中国における分別意識はまだまだ、これからというのが実際のところです。
5 喫煙マナーが守れない
5-1 正しい対処法
5-1-1 路上の喫煙スペースを教える
中国では知っていることを相手に伝えないことは失礼とされます。したがって、歩きタバコをしている人を見つけたら、注意し、喫煙スペースの場所を教えてあげることは全く失礼な行為ではありません。勇気を出して、注意しましょう。
5-1-2 店内が禁煙の場合は来店時に言う
北京を除き、中国ではレストランや喫茶内での喫煙がほぼ許されていますから、路上でタバコを吸えないとなると、お店で吸おうと考える中国人が多いのが実情です。そこで、入店時にあらかじめ断ることが大切。注文後に、禁煙を伝えるとトラブルの元になりますから注意しましょう。
いらっしゃいませ。お客様、店内は禁煙になりますが、問題ありませんか? huānyíng guānglín xiānshēng diànlǐ búkěyǐ xīyān nín yŏu qítā wèntí ma 欢迎光临,先生,店里不可以吸烟,您有其他问题吗? ファンイングゥァンリン シィェンシォン ディェンリー ブークァイー シーイェン ニン ヨウ チーター ウェンティ マー |
店内は禁煙です。 diànnèi jìnyān 店内禁烟 ディェンネイ ジンイェン |
また、入口に張り紙をしておくと、さらに効果的です。文言はシンプルで構いません。繰り返しますが、張り紙をする際は英語を併記します。
Please no smoking here.
店内禁烟
5-2 喫煙マナーが守れない原因
5-2-1 歩きタバコは中国では当たり前
ゴミのポイ捨て同様、中国では歩きタバコとタバコのポイ捨てが通常運転です。
そんな中、2015年6月から北京で「北京市喫煙管理条例」が施行され、話題を呼びましたが、実際、そうした禁煙条例があるのは北京だけ。中国の喫煙人口は3億とも言われており、レストランや喫茶店の中ではタバコの煙が絶えません。なお、喫煙が他人の迷惑になるという意識はほとんど持ち合わせておらず、したがって電車やバス、さらにはエレベーターの中すら、タバコを吸う人が多いのが実情です。
5-2-2 日本のルールを知らない
日本では喫煙エリア以外の路上ではタバコを吸ってはいけない、ということを知らない人が多いのが実情です。また知っていても、肝心の喫煙エリアの場所がわからない、という人もいることでしょう。香港やシンガポールも路上喫煙に厳しい制限を付けていることで有名ですが、どちらも灰皿がワンブロックにひとつの割合で設置されています。それに比べると、日本の喫煙スペースは少なすぎるという印象があるのだと思います。
6 無料の試供品やサービス商品を大量に持って帰る
6-1 正しい対処法
6-1-1 自由にとれるところに置かない
日本の「ご自由にお持ちください」方式は、相手に節度があることが前提のサービスですから、額面通り受け取ってしまう外国人には不適切です。したがって、自由に手が届く場所に置かないということ。少し面倒ですが、コンビニのように弁当を買った人に箸をつける、アイスを買った人にスプーンをつけるなどの方式に変えた方が確実です。
6-2 無料の試供品やサービス商品を大量に持って帰る原因
6-2-1 書き方の問題
無料配布品が置いてあるところには、よく「ご自由にお持ちください」と書かれていますが、これは日本独自の婉曲表現で、外国人には通用しません。彼らは文字通り、「いくつ持って帰っても構わない」と受け取ります。彼らの行為を正当化する理由になってしまうため、表現を改める必要があります。
6-2-2 もったいないから
中国でトラックが横転すると、どこからともなく人が集まり、荷台の商品を持ち去ってしまうというトラブルが続出しています。なぜ、そんなことが起こるかといえば、事故が起こった車両の荷物は所有権がなくなったと、なぜか思い込んでいるからです(その原因は定かでありません)。中国人は、目の前に無料のものがあった場合、それを持って帰らなければもったいないと考えます。したがって、目の前に無料の割り箸があったら、不必要でもそれを持って帰らないともったいないのです。
7 ところ構わず写真を撮る・物に触る
中国人はどこででも写真を撮ります。観光スポットや記念碑、装飾を背景に撮るだけなら日本人でも普通に写真を撮りますが、中国人の場合、映画館や撮影が禁止されている博物館・美術館などでも写真を撮っていることがよくあります。
このときに働きがちな心理としては、「自分ひとりくらい…」という認識。でも、中国人は何せ数が多いため、「自分ひとり」だけでは全く済むことが出来ません。
7-1 正しい対処法
中国語・英語による「撮影禁止」の標識を用意し、複数箇所に設置したり、補足説明として「迷惑防止条例」による定めも入れて、先方の同意を得ない撮影行為は日本の法規に触れることになることをアピールするとよいでしょう。
「撮影禁止」の標識を掲げていたとしても、SNSなどに良い景色の写真などを載せたいという気持ちから、標識を気にせず撮影しようという観光客も一定以上います。その場合はしっかりと言葉にして伝える必要があります。ですから、ここではマナーの悪い中国人観光客に伝えるべき簡単な中国語をご紹介します。
ここでは写真を撮らないでください。 Qǐng bùyào zài zhèlǐ pāizhào 请不要在这里拍照。 |
7-2 中国人が写真を撮るのが大好きな理由
ところ構わず写真を撮りたくなる理由は大きく分けると2つあります。
一つ目は、自分の旅行の経験を友だちと共有したいという気持ち。もう一つは、自分のイケてる経験を見せびらかしたい面子重視のいわゆる“リア充アピール”です。
以前の旅行写真というのは、あくまで記念のためであり、自分自身が振り返って見る想い出づくりといった側面が強いものでした。しかしSNS時代の今では、写真は友だち達に見せびらかすためのもの、承認欲求を満たすためのものに変わりました。そのため、自分たちが如何に素晴らしい生活を送っているかをアピールするために、今やWeChatなどのSNSのタイムライン上は、各地の旅行写真に溢れかえっています。
【中国人女性の写真は盛りすぎに注意!?】
中国人はとにかく自分が大好きなので、ポーズを決め込んだ自撮りも物凄く多いです。その姿勢は日本人とは比較にならないくらい熱心ですし、アプリを使った加工は恐らく世界で最も熱心といっていいほどの熱の入り様です。日本が化粧、韓国が美容整形なら、中国は加工アプリで美人度を上げています。
ただし、今はあまりにも加工アプリが発達していて、SNSのプロフィール写真や、出会い系SNSに上げている写真と実物があまりにも異なるため、実際に会ってみたときにガッカリさせられる男性諸氏もかなり多いのだとか。
そんな状況に対して、友だちの中国人女性に「何故、加工アプリで写真を盛るのか?会ったときにガッカリされるリスクは考えないのか?」と質問をしたことがあります。
そして帰ってきた答えが、「中国は競争が激しすぎるので、どうやって入り口を作るかが重要なんです。どんな手段を使ってでも入り口を作っておかないと、競争に参加することすら出来ないのです。後のことはまず参加出来てから考えればいいのです。」というものでした。
あまりに競争が激しすぎて、誠実さをポリシーにしているとバカを見ることしか出来ないということなのでしょう。こうした厳しさも、中国人のマナーの悪さに繋がっているような気がします。
8 中国人の食事におけるマナーの問題
食事の際の中国人のマナーもいくつか問題として取り上げられますね。よく耳にするのは以下のことではないでしょうか。
1. 食べ残し 2. 食べカスをテーブルの上に捨てる 3. 飲食物を持ち込む 4. 食事中も大声で喋る・大笑いする |
8-1 バイキング(食べ放題)で食べ残す
中国人は誰かにご飯をご馳走された際に、食べ物を“残す”ことで「お腹いっぱいでもう十分です。」という意思表示をします。そのために、ホスト側は食べきれないほどの食べ物を用意するのが礼儀で、日本人と異なり、キレイに食べ切る以上に、残すことを重視している食文化です。
そして、通常、バイキングでは自分が食べる分だけを自分で取ってくるのが一般的でしょう。にもかかわらず、中国式の食事というのは、4人いたら4種類のおかずを注文して、みんな直箸で全てのおかずを楽しむスタイルです。そのため、自分が食べる分だけを計算して取ってくるわけではなく、ついついみんなの分も含めてたくさん取ってきてしまいます。
また、他人や周囲に対する関心の無さも手伝い、総合的に“最悪”と言われてしまうことを平気でやってしまいがちです。
しかし、中国人の海外旅行者が増加していく現在、そのバイキングなどにおけるマナーが各地であまりにも問題になっているため、政府主導で「食事を残さない」ようスローガンを掲げて取り組んでいることもあり、こうした習慣は少しずつ改善されています。
8-1-1 食べ残しへの対策
バイキングを実施しているレストランでは、残した場合には罰金のように、追加料金を徴収する注意書きをしているところも多く見受けられます。その中国語を大きく、目立つようにする。もしくは事前に口頭でも説明しておくようにすると良いでしょう。中国人は“罰金”には非常に弱い傾向があります。
Please only serve as much as you can eat.
不剩菜,不剩饭
Penalty fee will be charged 1000yen per 500g for leftover on your plate.
按500克单位收取剩菜罚款1000日元
Please keep buffet serving portions small not to waste foods.
勤拿少取,请勿浪费
8-2 食べカスをテーブルの上に捨てる
中国人は自分が食べた魚の骨や肉の骨を、自分の皿の端に置くようなことはせず、テーブルの上に捨てるのが一般的です。というのも、一度口に含んだものを取り皿に置くことはもっと汚いと考えられえいるからです。今でこそテーブルの上に捨てていましたが、かつては全て床に捨てていましたから、それでも少しは良くなっていると言えます。
筆者が中国を初めて訪れた当時はレストランの床に食べカスだけでなく、タバコの吸い殻なども含めて何でも捨てていたので、「何か最低・・・この国にマナー教育といったものは無いのか?」と思ったのを今でも覚えています。
8-2-1 食べカス対策
食べカスを捨てるための器を別に用意し、注意書きでテーブルに直接捨てないように促すのが最も現実的な対処方法でしょう。
また、中国のレストランの一部では非常に効率的な方法を用いています。薄~く何重にも貼られている使い捨てのテーブルクロスがあり、片付けるときにそれを剥がして丸めてゴミ箱に捨てるだけで片付けが済んでしまいます。これも中国人のこうした習慣への対策として作られた製品でしょう。
8-3 飲食物を持ち込む
飲食物の持ち込みは、残念ながら中国では当たり前に行われていることです。日本の飲食店の利益はドリンクによって支えられているといっても過言でないため、外から飲食物を持ち込まれるのは非常に困りますよね。
中国で、中国人の行動を見ていると、レストランでは料理だけを注文し、ワインやシャンパンなどの比較的少量で済むアルコールや、子ども向けのソフトドリンクは持ち込みがホントに多いです。理由としては、お店で頼むと高くつくからに他なりません。
中国で、持ち込みが多い食べ物といえば、バースデーケーキです。他には、大人たちが食べたい料理を子どもたちが食べたくない場合に、マクドナルドやケンタッキーなどをテイクアウトして子どもたちに食べさせるケースも散見されます。
8-3-1 持ち込み対策
日本で、注意書きを掲示する場合は、日本語と英語と中国語を併記しましょう。
中国では「持ち込み禁止」と掲示しているレストランも時折みかけるのですが、どこでも割りと自由に持ち込まれ、お店側もそれを黙認しているような印象があります。
日本では現実的には、外からの持ち込みに対しては追加料金を徴収するのが最も現実的かもしれません。ただし、これはお店自体の中国語対応能力も必要なため、ややハードルが高い対策とも言えるでしょう。
日本人でも年齢層低めの人たちの飲酒量もかなり減っていることですし、中国人に限らず他の国の人たちでも、飲酒量が減っているというのは世界的に起きている現象です。ドリンクは注文せずに水だけで済ませる外国人は実際にかなり多いと思います。日本の飲食店はそうした状況に合わせて、お酒を飲む人を対象にした利益設定から、水しか飲まないお客さんが多数いる前提で価格や利益率の設定を行っていく必要があるのかもしれません。
9 対策できないマナー違反について
9-1 子どもに関するマナー違反
子どもの絡んだマナー問題については注意が必要です。例えば、以下の問題について考えてみましょう。
- 大声をあげる、叫ぶ
- 泣き止まない
- 走り回っているのを止めない
- 靴のまま椅子の上に乗る
- 飲食禁止の場所で飲食させる
- 電車などで席を譲らない
- 外で大小便をする
大声をあげることと大小便をするとでは本質的に大きな違いがあるように思いますが、実際は同じです。これらについて注意した場合、相手はほとんど言うことを聞かないばかりか、烈火の如く怒り出す可能性もあります。
日本では子どもとて社会構成員の一因ですから、マナーを守らせることはすなわち「躾」です。しかし、中国の考え方は180度異なります。子どもが自らの欲望に素直なことが、中国では「子どもらしさ」なのです。
こうした事情から、中国人は子どものマナーを咎める大人を理解することができません。とはいえ、中国人とて周りの反応には敏感なハズですから、子どもに聞こえないように、親の耳元でそっと注意くらいはしてもいいはずです。
9-2 痰を吐く・立ち小便をする
中国人と言えば、ところかまわず痰を吐く。そんな悪いイメージがあります。
実際、そういう人が少なくないのは事実ですが、肝心なことは、そうした行為が中国においても是とされていないということです。現在、若い人の間では、痰を吐く行為や立ち小便などの行為は恥ずべき物と認識されており、中国においてでさえ後ろ指を指されているのです(主に田舎者の行為と認識されています)。
つまり、そうした空気も読めない人なのですから、注意しても効果はありません。むしろ、注意することでトラブルの原因にもなります。現状、決して大多数とはいえないと思いますから、仕方ないと諦めるか、またあまりに被害がひどい場合は立て看板を出すなどの対応をしましょう。
10 中国人観光客のマナーについて海外の反応
報道によると、2017年における中国人の訪日観光客は735万人と過去最高記録を更新していますが、全体では1億2900万人に達しているため、日本だけに限らず、行く先々でマナーに関わることが問題となっています。
日本以外の国でも、空港で列に並ばない中国人観光客に怒りを表したタイ人の投稿に関するニュースが報道(Chinese tourists push back against rant about poor manners:https://www.bbc.com/news/blogs-trending-31928761)(5 Reasons Why Chinese Tourists Are So Rude:https://www.jeraldinephneah.com/5-reasons-why-chinese-tourists-are-so-rude/)されたことがありました。
その一方で、過去5年間において、だいぶ中国人観光客のマナーが改善されてきているというインタビュー結果に関する報道もあります。(Chinese tourists’ manners improving: Study:https://www.thejakartapost.com/travel/2017/02/24/chinese-tourists-manners-improving-study.html)
11 中国で話題の「日本でやってはいけないこと」
この数年、中国人の海外訪問先として人気の日本。マナーに対して総合的に緩い中国とは対照的に、マナーには非常に厳しい日本では、その数々の行動が問題として扱われていることが多いですよね。そのことは、中国でもネットやニュースで取り上げられ、中国人もよく知っています。
中国人は非常に自由な気質を持っていると同時に、非常に面子にこだわりプライドも高く悪評に敏感です。そのため、自分たちの旅行時におけるマナーの問題を、中国人同士の間でも取り上げる機会が増えています。
そこで、ここでは中国のネットで紹介されている、日本で気をつけたいとされるマナーをいくつかご紹介します。
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マナーというのは基本的に幼い頃からの躾や教育が必要で、中国人のマナーの問題の多くは「知らない」ことによるもの。ですから、こうした情報の多くが共有されはじめた近頃では、日本のマナーを気にする中国人観光客もかなり増えて、「中国にいるときよりも結構緊張している」という話を耳にするようになりました。
日本人の嫌中感情もあり、一度根付いたネガティブなイメージを覆すのはかなり時間がかかるものと思われますが、評判が悪かったバブル期の日本人観光客のマナーが時間をかけて改善されていったのと同様に、今後少しずつ改善され目立たなくなっていくことでしょう。
まとめ
日本に来るわけですから、日本のマナーを守って欲しいと考えるのは当たり前のことです。しかし、闇雲に注意をして、トラブルの火種を作ることは決して好ましいこととは言えません。「おもてなし」の精神とは、相手の文化を理解し、尊重した上で、招き入れることのハズです。日本を訪れる中国人とて、迷惑をかけるために訪日するのではなく、楽しみ、理解するためのハズです。
ですから適切な対応をすることでトラブルは避けられますし、有効な関係を維持できればマナートラブルもだんだん減っていくはずなのです。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
・仕事で中国語を使えるようになりたい
・HSK、中国語検定に合格してキャリアアップしたい
・ドラマや映画を字幕なしで楽しみたい
・旅行で使える中国語を身につけたい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
そんなあなたにお願いがあります。
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『中国語の勉強|最強の学習法とは?【動画付】』
・また「中国語」にまつわる疑問を中国語ゼミが徹底解説しています。
『10分でわかる中国語のすべて~中国語とは?方言は?学習法は?~』
最終更新日:2019年6月4日