
漢字に慣れ親しんだ日本人にとって、中国語の学習は一見スムーズに思えますが、実際にネイティブと会話しようとすると「聞き取れない・通じない」と感じる方が多くいます。その「つまづき」の原因は「中国語の発音の難しさ」です。
四声(声調)やピンインなど、中国語特有の音のルールを正しく理解し、練習しなければなりません。
この記事では、日本人が特につまずきやすい発音のポイントを徹底解説し、発音を克服するための効果的な学習法をご紹介します。コツを押さえて練習すれば、必ずネイティブに伝わる中国語が話せるようになります。
「中国語1年目の授業」に
参加して頂けませんか?
お願いがあります。
実は今回、弊社で開催している中国語セミナーの無料モニターを募集しようと思います。
私たちのセミナーに参加して、感想を教えて頂けませんか?(モニター参加費は無料です!)
このセミナーは初心者から中国語を話したい方、HSKを取得したい方、興味がある方に向けた「中国語1年目の授業」です。
無料とはいえ、中国語習得における最重要ポイント、正しい学び方、ちょっとした裏ワザまで一挙に理解できるように話しています。
セミナーで紹介する講座に2,300人以上が受講し、97.8%(中国語が比較的流暢に話せるレベル・HSK4級の合格率) が目標を達成されました。1年で試験の最高レベル「HSK6級」に合格された方も多くいらっしゃいます。
参加特典として「中国語1年目の教科書」をプレゼント。
スマホ、パソコンからオンラインで希望の日時に自宅から参加することができます。
このページを見ている方が対象です。詳しくはこちらのページに書いてありますので、ぜひ判断してみてください。
目次
動画で解説!中国語の「発音」
中国語の「発音」について動画でも詳しく解説しています。
1. 日本人にとって中国語の発音が難しい理由
そもそもなぜ「日本人にとって中国語の発音が難しい」のでしょうか。そこには、私たちが慣れ親しんだ日本語とは全く異なる発音形式があります。順にみていきましょう。
中国ゼミのこの記事でも、中国語が難しい理由を分析しています。是非参考にして、効率よい学習にお役立て下さい。
1-1. 発音の数が多い
中国語の発音には、日本語の50音図に似た母音(あいうえお)と子音(かさたなは・・・)の関係があります。しかしその数は膨大で、下記の表のようにまず母音は36個、子音は21個あるため、単純計算でも400以上の組み合わせがあります。 例えば、b+o=bo, d+eng=deng といったものになります。この組み合わせと発音を覚えきれていないと、話が聞きとれず、発音自体も難しいものとなります。
母音 | a、o、e、er、ai、ei、ao、ou、an、en、ang、eng、ong、i、ia、ie、iao、iou(-iu)、ian、in、iang、ing、iong、u、ua、uo、uai、uei(-ui)、uan、uen(-un)、uang、ueng、ü、üe、üan、ün |
子音 | b、p、m、f、d、t、n、l、g、k、h、j、q、x、zh、ch、sh、r、z、c、s |
1-2. 日本語にはない四声の発音が難しい
日本語でも、飴(あめ)と雨(あめ)や橋(はし)と箸(はし)で音とアクセントの違いによって、意味が異なるものがありますが、中国語では四声(声調)と呼ばれる、4つの音の変化があり、声調の変化によって意味も変わってきます。 例えば「ma」という音だけでも声調が違うだけで、次のように意味が違います。 <Maの声調による意味の違い>
- 第一声「妈(お母さん)」
- 第二声「麻(アサ)」
- 第三声「马(馬)」
- 第四声「骂(罵る)」
「a」という1つの音に対して4通りの上げ下げが生まれるため、慣れないままだと聞き取りも発音も難しくなります。四声を正しく発音することは、中国語にとって必須条件で、音の上げ下げがとても重要です。
第一声 | 音の上げ下げはなく、まっすぐに、わりと高めの音を伸ばします。 |
第二声 | 短く一気に上げることがポイントです。怒って聞き返すときの「ああ!?」や驚いた時の「え?」という発音に当たります。日本人の場合は、三声と間違われることが多いので、短く一気に上げることを意識して発音しましょう。 |
第三声 | 最初から低い音で、抑えた状態から上げることなく発音します。「あーぁ」とガッカリした時の音になります。声調記号では、高いところから低いところに下がっていますが、最初から最後まで低い音で抑えるのがポイントです。 |
第四声 | きつい印象になるくらい音を最初から一気に落とすことがポイントです。カラスの鳴き声「カーッ」のイメージです。 |
日本人にとって難しいのは、特に2声と3声です。こちらの動画でも声調別の発音方法を解説しています。 発音の仕方を頭で理解しながら、実際に声に出して練習しましょう。
四声の発音についてもっと詳しい情報は、こちらの記事をご参照ください。
1-3. 日本語にはないピンインの発音が難しい
日本の発音は50音ですが中国語の発音は先述の通り約400音ありますが、さらに「四声」と言う音の上がり下がりが加わると、なんと約1300音もの発音があります。しかもそのうちローマ字読みできるものは7割ほどで、できないものが3割もあります。 たとえば「mao」は「マオ」と読み「chao」なら「チャオ」とそのまま読めます。 しかし、「yan」のように「イアン」ではなく、「イェン」と発音するものや「ci 」を「チ」ではなく、「ツ」と発音するものがあります。また、日本語であれば、「an」「ang」いずれもアンと発音しますが、中国語では音の出し方が異なります。 日本人が苦手とするピンインの発音は、次章でご紹介します。
中国語の発音については、中国ゼミのこちらの記事も併せてお読みください。
1-3-1. 中国語の難しい発音リスト
日本人が特に苦手な中国語の発音を集めました。下記のリストにてご紹介します。
<単母音> 日本語の母音「あいうえお」にない中国語の単母音には、次の3つがあります。
★中国語の母音についてはこちらの動画でも詳しく解説しています。
e | 日本語のウ、オの中間音、エの口の形でオの音を出すイメージで発音する |
ü(yu) | アヒルのように口を少し横にすぼめて「ユ」の口で「イ」という。 |
u(wu) | 日本語の「オ」の舌の位置で「ウ」という。「ウ」より少し「オ」に近い音。 |
<鼻母音> 鼻母音には16個あり、「n」でおわる鼻母音と「ng」でおわる鼻母音を区別することが重要です。下記が日本人に難しい発音の鼻母音です。
an | 舌が口内の上につき、口の形は横に広がる。「案内」のアンの音です。 |
ang | 口を上下に開けたまま発音するため、舌はどこにもつかず。「案外」のアンの音です。 |
en | エンと発音しがちですが、アンとエンの中間の音になります。「ン」と言う時に舌は上の歯の裏に当てて「ン」と発音します。 |
eng | 単母音の「e」と「ng」を組み合わせて発音しますが「エン」とは発音せずアンとオンの中間音で音を出します。鼻音を閉じた状態で発音するイメージ。「ang」と同じ要領で、舌を持ち上げて、どこにもつかず「ン」と言います。 |
<子音> 日本人は、ji.qi.xiとzh,ch,shの区別が難しく、いずれもジチシとローマ字のまま読みがちですが、下記の反り舌音は日本語にない難しい発音です。
★中国語の子音についてはこちらの動画でも詳しく解説しています。
r(反り舌音) | タコの口をイメージして口の形を作り、奥歯を噛み合わせたまま舌を向かって剃り上げて、隙間から息を漏らすように「リ」の音を出します。 |
zh(反り舌音) | タコの口をしながら奥歯を噛み締めて舌をそり上げて、上顎と舌の隙間から「ヂ」の音を出します。 |
ch(反り舌音) | zhの口の形と舌の位置で「チ」の音を出します。 |
sh(反り舌音) | zhの口の形と舌の位置で「シ」の音を出します。 |
★zci(舌歯音)は、母音iと合わさると、ジチシでなく、ズ・ツ・スと発音します。
zi(舌歯音) | 舌先を上の歯の裏当てて短く「ズ」と発音。ジではないことに注意。 |
ci(舌歯音) | 舌先を上の歯の裏に当てて、激しく息を吐きながら「ツ」と発音する感じ。 |
si(舌歯音) | 舌先を上の歯の裏に当てて、舌先と歯の隙間から空気を抜く感じで「ス」と発音する |
ピンインについての詳しい説明は、こちらの記事でご紹介しています。
2. 中国語の発音の特徴
中国語の発音は難しいと言われていますが、学習しやすい点もあります。それは、基本的に一つの漢字につき一つの読み方しかないということです。日本語のように音読み訓読みで迷うことはありませんので、一つ一つの音をしっかりと覚えれば、単語の数はみるみるうちに増えていきます。 また、イタリア語やスペイン語「R」の発音のように巻き舌を使うことはありません。必ず、ピンインと声調を確認しながら、練習すればマスターできますので、間違った癖を作らないように注意して念入りに練習しましょう。 こちらのピンイン表は、音声を一つずつ聞きながら発音練習することができますので活用ください。
3. 発音を克服するコツとは?
では、日本人が苦手に思いがちな中国語の発音は、どのように克服するのがよいのでしょうか?克服するには、発音練習を「四声」そして「ピンイン」「シャドーイング」という順序で進めることが重要です。
シャドーイングとは、何かをこの記事でご紹介しています。
3-1. 頭で理解して、体で覚える!
中国語の学習では、正確に発音できるかどうかが非常に重要です。間違って覚えこんで、癖がついてしまったら、それを正すことはとても難しいので、既に中国語を学習されていますが、発音が苦手という方も、これから学習される方も、まずは、基本の発音を重点的練習しましょう。 まず、声調であれば、下記の3ポイントをどのようにするのかを、頭で理解して、実際に声に出して練習しましょう。
- 音の高さ
- 音の長さ
- 音の強さ
そして、発音するときの舌の位置や、唇の形、音の出し方などを論理的に理解し、繰り返し練習してカラダに覚えこませていきましょう。 こちらの動画では、音の出し方や、意識すべきポイントを解説しています。発音練習にお役立て下さい。
四声については、こちらの記事も併せてご覧ください。