中国語は、「発音」さえクリアすれば、日本人にとって本当に習得が簡単な言語です。
私(ヨーロッパ在住MC)は、中国語を勉強し始めのころ、アジア食材店で働く中国人に「我是日本人(Wǒ shì rì běn rén)。私は日本人です。」と言っても全く通じず、とても悔しい思いをしました。結局英語を使って会話しましたが、中国語をいくら勉強している気になっても、話して通じなければ意味がない。という現実に打ちのめされました。
今や世界中どこへいてもオンラインで会話をすることが容易になりました。中国語で話せる機会はいくらでも簡単に見つけられ、中国語がわかると日常生活やビジネスでも利点がたくさんあります。
この記事では、中国語の「発音」に焦点を当て、効率的に発音を学習する方法を伝授します。
実際に私が活用した音声や動画を使って、実践的な中国語の発音トレーニングのポイントやコツを解説していきます。
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目次
1. はじめに知っておくべき4つの声調「四声」
発音でもっとも重要なのが「四声(声調)」という音程の上げ下げです。中国語では「a」という音に4つの音の変化があり、それに伴い意味も変化します。
4つの声調以外に軽く短く発音する軽声(けいせい)があります。
・『四声(声調)の発音をマスターする!【音声・動画付】』
発音や文法の基礎をマスターするためのコツはこちらの記事をご参照ください。 『【発音と文法が最重要】中国語の基礎をマスターする方法|発音付』
1-1. 声調が変わると文章の意味が変わる
中国語では、四声を正しく発音することは極めて重要です!なぜなら、声調がずれてしまうと意味が変わってしまうからです。
声調 | ピンイン | 中国語 | 意味 |
第一声 | mā | 妈 | お母さん |
第二声 | má | 麻 | 麻 |
第三声 | mǎ | 马 | 馬 |
第四声 | mà | 骂 | しかる |
上記のように、「ma」という音は、第一声なら「妈(お母さん)」、第二声なら「麻(アサ)」、第三声なら「马(馬)」、第四声「骂(罵る)」という意味があり、発音が異なるとまったく違う意味になります。
こちらは、四声の重要性についてお話ししている動画です。実際の例をあげながらわかりやすくお話ししていますので、ぜひご覧ください。
1-2. 正しく四声を発音するトレーニング方法
四声を実際に学ぶ際には、まず「2音節の声調」から始めるのが1番効果的です。音声を聞きながら繰り返し練習し、身体で覚えていきましょう。
1-1-1. 2音節の声調を練習する
まずは、下記の20パターンを発声を練習していきます。
声調の組み合わせ | |
第一声+ | 第三声+ |
⑴māmā | ⑴mǎmā |
⑵māmá | ⑵mǎmá |
⑶māmǎ | ⑶mǎmǎ |
⑷māmà | ⑷mǎmà |
(軽)māma | (軽)mǎma |
第ニ声+ | 第四声+ |
⑴mámā | ⑴màmā |
⑵mámá | ⑵màmá |
⑶mámǎ | ⑶màmǎ |
⑷mámà | ⑷màmà |
(軽)máma | (軽)màma |
「第三声+第三声」は「第ニ声+第三声」に変化します。
4つの声調以外に軽く短く発音する軽声(けいせい)があります。
こちらのピンイン表では、一つ一つの音をしっかり確認できます。発音練習に活用しましょう。
1-1-2. 実際に単語を発音してみる
ピンイン表の音が出せるようなったら、以下のような実際の単語を使って練習してみましょう。
<第一声+第一声> | |
fēi jī | 飞机(飛行機) |
sī jī | 司机(運転手) |
jiā xiāng | 家乡(故郷) |
jiāo tōng | 交通(交通) |
<第一声+第二声> | |
jiā tíng | 家庭(家庭) |
huān yíng | 欢迎(歓迎する) |
ān quán | 安全(安全である) |
zhōng guó | 中国(中国) |
shēng huó | 生活(生活する) |
<第一声+第三声> | |
fēng jǐng | 风景(風景) |
fāng fǎ | 方法(方法) |
guān shǎng | 观赏(鑑賞する) |
xiū lǐ | 修理(修理する) |
pāi shǒu | 拍手(拍手する) |
<第一声+第四声> | |
bāng zhù | 帮助(手伝いする) |
xī wàng | 希望(希望する) |
yīn yuè | 音乐(音楽) |
jiā jù | 家具(家具) |
shāng diàn | 商店(商店) |
<第二声+第一声> | |
guó jiā | 国家(国家) |
chá bēi | 茶杯(湯のみ) |
shí jiān | 时间(時間) |
chéng gōng | 成功(成功する) |
yuán yīn | 原因(原因) |
<第二声+第二声> | |
yóu jú | 邮局(郵便局) |
ér tóng | 儿童(児童) |
liú xíng | 流行(流行) |
qí páo | 旗袍(チャイナドレス) |
yín háng | 银行(銀行) |
<第二声+第三声> | |
máo bǐ | 毛笔(筆) |
shí pǐn | 食品(食品) |
cí diǎn | 词典(辞典) |
niú nǎi | 牛奶(牛乳) |
tíng zhǐ | 停止(停止) |
<第二声+第四声> | |
xué xiào | 学校(学校) |
wén huà | 文化(文化) |
xián cài | 咸菜(漬物) |
máo dùn | 矛盾(矛盾) |
lián xì | 联系(連絡する) |
<第三声+第一声> | |
tǐ cāo | 体操(体操) |
yǔ yī | 雨衣(レインコート) |
guǎng bō | 广播(放送する) |
běi jīng | 北京(北京) |
hǎo chī | 好吃(おいしい) |
<第三声+第ニ声> | |
qǐ chuáng | 起床(起床する) |
tǐ gé | 体格(体格) |
měi róng | 美容(美容) |
zǔ guó | 祖国(祖国) |
jǐng chá | 警察(警察) |
<第三声+第三声> | |
yǔ sǎn | 雨伞(雨傘) |
xǐ zǎo | 洗澡(入浴する) |
liǎo jiě | 了解(了解する) |
yǒng jiǔ | 永久(永久に) |
jiǎn shǎo | 减少(減少する) |
<第三声+第四声> | |
yǎn lèi | 眼泪(涙) |
tǔ dì | 土地(土地) |
mǎn yì | 满意(満足する) |
shǎo liàng | 少量(少量) |
tǐ yù | 体育(体育) |
<第四声+第一声> | |
dà jiā | 大家(みなさん) |
gù xiāng | 故乡(故郷) |
liè chē | 列车(列車) |
lǜ shī | 律师(弁護士) |
lù yīn | 录音(録音する) |
<第四声+第ニ声> | |
qù nián | 去年(去年) |
dì tú | 地图(地図) |
gào bié | 告别(別れを告げる) |
xìng fú | 幸福(幸福) |
liàn xí | 练习(練習する) |
<第四声+第三声> | |
hàn yǔ | 汉语(中国語) |
bào zhǐ | 报纸(新聞) |
diàn nǎo | 电脑(パソコン) |
lì shǐ | 历史(歴史) |
wò shǒu | 握手(握手) |
<第四声+第四声> | |
shàng kè | 上课(授業に出る) |
zhèng zhì | 政治(政治) |
diàn shì | 电视(テレビ) |
bì yè | 毕业(卒業) |
shì jiè | 世界(世界) |
2. 日本語のあいうえお「母音」
中国語には日本語の「あいうえお」に相当する母音が21個あります。
母音は3つに大きく分けることができます。
- 単母音
- 二重母音
- 三重母音
なお、中国語の音節において母音のことは「韻母(いんぼ・中国語ではユンムー)」と呼びます。
2-1. 中国語の発音で最もよく使う「単母音」
1つの音節の中に母音を1つしか含まないものを「単母音」といいます。
各表の下にも書いていますが、☆マークは日本人が苦手な音です。特に注意して練習しましょう。
2-1-1. 日本語の発音に近い「a,i,o」
単母音 | 発音 |
a | 日本語の「ア」より口を大きく開けて、明るくはっきり「アー」 |
i(yi) | 子供が「イーダッ」という時の「イ」 |
o | 日本語の「オ」よりも唇を丸く突き出して「オー」 |
2-1-2. 日本人が発音しづらい「u,e,ü」
単母音 | 発音 |
u(wu) | ☆ 日本語の「オ」の舌の位置で「ウ」という |
e | ☆「エ」の口で小さく「オ」という |
ü(yu) | ☆「ユ」の口で「イ」という。アヒルのように口をすぼめて |
日本語にない音は、アタマで理解し、繰り返し練習することで、必ず身についてきます。
それでは6つの単母音の中でも特に日本人が苦手な3つの音を詳しくみていきましょう。
『e』
音 | 意味 |
ē (婀) | しなかやで美しい |
é (蛾) | 蛾(が) |
ě (恶) | 吐き気がする |
è (饿) | 空腹 |
『u(wu)』
音 | 意味 |
wū (屋) | 家屋 |
wú (无) | 無 |
wǔ (武) | 武力 |
wù (误) | まちがう |
『ü(yu)』
音 | 意味 |
yū (迂) | 遠回りをする |
yú (鱼) | 魚 |
yǔ (雨) | 雨 |
yù (玉) | 玉 |
こちらは、単母音の説明とトレーニング動画です。日本人講師と中国人トレーナーが、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧になってください。なお発音をマスターするためのレクチャー動画と音声はこちらでご案内しています。
2-2. 母音が2つ以上組み合わさった「複合母音」
母音が2つ以上組み合わさって、切れ目なく発声されるものを「複合母音」といいます。
複合母音には二重母音と三重母音があります。複合母音のうち2つの母音が組み合わさって切れ目なくなめらかに発声されるものを二重母音といいます。
なお、複合母音のうち、頭の子音と母音との間に入る半母音[i][u][ü]の音を「介音(かいおん・中国語ではジェイン)と呼びます。(例:zhuangのu)
中国語の二重母音には2つのタイプがあります。
① だんだん弱く発音する「ai,ei,ao,ou」のグループ(>型・しりつぼみ型)
② だんだん強く発音する「ia,ie,ua,uo, ǜe」のグループ(<型・発展型)
2-2-1. 二重母音 タイプ① >型(しりすぼみ型)
しりすぼみ型の二重母音は「だんだん弱く」発音します。日本人には簡単な発音ばかりです。
二重母音 | 発音 |
ai | 日本語の「アイ」とほぼ同じ。aの口を大きく |
ei | 日本語の「エイ」とほぼ同じ。複母音のeは「エ」の音になる |
ao | 日本語の「アオ」とほぼ同じ。「ア」をはっきりと |
ou | 日本語の「オ」。「ウ」の時も舌は「オ」の位置で下がったまま |
ピンインを見ただけで正しく発音できる状態になるまで練習を繰り返しましょう。この発音はなめらかにローマ字読みするだけでOKです。
声調を入れて発音トレーニングしましょう! |
āi ái ǎi ài ēi éi ěi èi āo áo ǎo ào ōu óu ǒu òu |
2-2-2. 二重母音 タイプ② <型(発展型)
発展型の二重母音は「だんだん強く」発音します。コツさえ掴めば、しりすぼみ型同様に簡単な発音ばかりです。
二重母音 | 発音 |
ia(ya) | 口を横にひく「i」から「ア」になめらかにつなげる 『ィアー』 |
ie(ye) | 口を横にひく「i」から「エ」になめらかにつなげる 『ィエー』 |
ua(wa) | 口をすぼめて丸く突き出した「ウ」の口で『ゥワー』 |
uo(wo) | 口をすぼめて丸く突き出した「ウ」+「オ」。『ゥオー』 |
ü e (yue) | 口をすぼめて『ュエー』にちかい |
ピンインを見ただけで正しく発音できるまで練習しましょう。
声調を入れて、発音トレーニングしましょう! |
yā yá yǎ yà yé yé yě yè wā wá wǎ wà wō wó wǒ wò yuē yué yuě yuè |
2-2-3. 4個の三重母音 ◇型(ひしもち型)
3つの母音が連続して切れ目なく、なめらかに発声されるものを「三重母音」といいます。
中国語の三重母音は全部で4個です。
三重母音 | 発音 |
iao (yao) |
真ん中の「a」を強く前後の音は軽く添えるイメージ |
iou (you) |
☆ 真ん中の「o」を強く前後の音は軽く添えるイメージ |
uai (wai) |
「ゥアイ」 真ん中の「a」を強く前後の音は軽く添えるイメージ |
uei (wei) |
☆ 「ゥエィ」真ん中の「e」を強く両脇の音は軽く添える感じ |
※☆マークは日本人が苦手な音です。特に注意して練習しましょう | |
<子音と組んだときに変化する三重母音>
iou ⇨ iu
uei ⇨ ui
表記は慣れてきます。
iuもuiも特に、3声と4声の時に、iouとueiのように、間のoとeの音がはっきり出ますので意識して練習しましょう。
ピンインを見ただけで正しく発音できるまで練習しましょう。
声調を入れて、発音トレーニングしましょう! |
yāo yáo yǎo yào yōu yóu yǒu yòu wāi wái wǎi wài wēi wéi wěi wèi |
複合母音の説明とトレーニング動画です。日本人講師と中国人トレーナーが、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧になってください。
こちらは、複母音をタイプ別に簡単な表でまとめました。ぜひ参考にしてください。
>型(前を強く) | ai ei ao ou |
<型(後ろを強く) | ia(ya) ie(ye) ua(wa) uo(wo) ǜe(yue) |
◇型(真ん中を強く) | iao(yao)iou(you)uai(wai) uei(wei) |
ピンインを見ただけで正しく発音できるまで練習しましょう。
2-3. 16個の鼻母音
次に、単母音+[ n ]、[ ng ]で終わる鼻母音(びぼいん)をご説明します。
日本人には同じ「ン」に聞こえますが、中国語では完全に別な音ですので、きちんと違いを理解することが大切です。
日本人が苦手な発音の1つですが、コツをおさえれば意外と簡単ですのでチャレンジしてみましょう。
・「n」でおわる鼻母音(an):舌をベタッと上あごにつけ、鼻に抜ける音。日本語で、「案内」や「安静」というときの舌の位置。
・「ng」でおわる鼻母音(ang):口を大きく開けっ放しで終わる音。
日本語で「あんこ」や「案外」というときの「アン」。
複合母音の説明とトレーニング動画です。日本人講師と中国人トレーナーが、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧になってください。
声調を入れて、発音トレーニングしましょう! |
<舌をベタッとつける「n」> ān án ǎn àn ēn én ěn èn yān yán yǎn yàn yīn yín yǐn yìn wān wán wǎn wàn wēn wén wěn wèn yuān yuán yuǎn yuàn yūn yún yǔn yùn |
声調を入れて、発音トレーニングしましょう! |
<口を大きく開けたまま「ng」> āng áng ǎng àng ēng éng ěng èng yang yang yang yàng yīng yíng yǐng yìng wāng wáng wǎng wàng wēng wéng wěng wèng |
3. 母音と合わせて発音する「子音」
中国語には、日本語の「かきくけこ」に相当する子音が全部で21個あります。
3-1. 子音の種類と発音表一覧
無気音 有気音 その他 唇音 b(a)p(a) m(a) f(a) 舌尖音 d(a) t(a) n(a) l(a) 舌根音 g(a) k(a) h(a) 舌面音 j(i) q(i) x(i) 引き舌音 zh(i) ch(i) sh(i) r(i) 舌歯音 z(i) c(i) s(i) |
子音の種類を詳しく見ていきましょう。
無気音・有気音
- 無気音—息をとめて発音する音
- 有気音—いきおいよく息を吐くようにして発音する音
こちらは、無気音と有気音の発音方法と練習の動画です。わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
唇音
唇音には「b,p,m,f」の4つがあります。口を閉じて力をいれ、勢い良く口を開いて発音しましょう。
こちらは、b・p・m・fの発音方法についての動画です。発音のコツを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
唇音の発音トレーニングしましょう |
bāo(包) báo(薄) bǎo(宝) bào(报) pāo(抛) páo(袍) pǎo(跑) pào(泡) mēng(蒙) méng(盟) měng(猛) mèng(梦) fān(帆) fán (凡) fǎn (反) fàn(饭) |
舌根音
のどを使って発音する『舌根音』は「g,k,h」の3つです。
舌を後ろにひっこめるようにしながら、舌とのどに力をいれて。唇を丸めないように発音することが特徴です。
g(a) | 舌先をしたの歯茎につけ、音を息をおさえて唇をひらたく保ったまま、 息をおさえて、喉から音をだすようにコー」または「クオー」という感じで。 |
k(a) | 舌先をしたの歯茎につけ、のどの奥から息をパッと吐きだす |
h(a) | 舌先をしたの歯茎につけ、息をすき間に摩擦させながら |
g・k・fの発音方法についての動画です。発音のコツを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
舌根音の発音トレーニングしましょう! |
gā gá gǎ gà gēn(根)gén gěn gèn kā(咖) ká kǎ(卡) kà kēn kén kěn(肯) kèn |
舌面音
舌面音は、「g,q,x」の3つで、舌先を下あごの裏につけたまま、唇をおもいっきり横に引いて発音することが特徴です。
j(i) | 唇を左右に引き「ジ」と「チ」の間くらいの音 |
q(i) | 唇を左右に引き、息を出しながらはっきり「チ」 |
x(i) | 日本語の「シー」でok。唇を横に引く(i)を意識して |
j・q・xの発音方法についての動画です。発音のコツを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
引き舌音
「引き舌音」には『zi・ch・sh・r』の4つがあります。舌を上向きにそらせて発音することが特徴です。
舌の位置が大切です。まず、舌先で前歯の裏から上あごを舐め上げ、くぼみ始めるところまで下げます。ここが、舌のセット位置ですので舌の正しい位置をしっかりと覚えましょう。
順序としては
- 舌のセット
- 「タコの口」をイメージ
1.2の手順を守ってしっかり練習しましょう。
zh(i) | 奥歯を合わせて、舌をそり上げ、隙間から息を漏らすように「ジ」 |
ch(i) | zhiの有気音。舌をひき「チ」。舌はいったん上につく。 |
sh(i) | 舌をひき「シー」。舌はどこにもつかない |
r(i) | Shiの口で、音を濁らせる。「shi」を伸ばして言うと、最後は「イー」という音が残ります。この時の口で「リー」という。舌はどこにもつかない |
zhi・chi・shiの発音方法についての動画です。発音のコツを詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。
3-2. 発音が難しい「zi,ci,si」
最後に、日本人にとって発音がもっとも難しいを覚える子音『舌歯音』の3つ「z,c,s」をご紹介します。「i」は「ウー」に近い音です。アルファベットと読みが違うので気をつけましょう。
z(i) | 唇を左右に引いたまま「ズ」 |
c(i) | 唇を左右に引き、息を出しながら「ツ」 |
s(i) | 唇を左右に引き「ス」。自転車の空気が抜けるイメージでsの子音をはっきり |
『z』の発音方法(zi)
舌先を上の歯の裏にあて、アゴを下にひき声を抑えるようにして、短くあいまいに「ズ」を発音する。
『c』の発音方法(ci)
舌先を上の歯の裏にあて、激しく息を吐くようにして、短くあいまいに「ツ」を発音する。
『s』の発音方法(si)
舌先を下の歯の裏側につけ、舌と上の歯のすき間から息を出すようにして、摩擦させながら「ス」に近い音を発音する。自転車の空気が抜けるイメージで、sの子音をはっきり出す。
z・c・sの発音方法についての動画です。発音のコツを詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。
舌歯音の発音トレーニングをしましょう! |
cāi(猜) cái (材) cǎi (彩) cài(菜) cān(餐) cán(餐) cǎn(惨) càn(灿) cūn(村) cún(存) cǔn(忖) cùn(寸) zā(扎) zá(杂) zǎ(咋) zà sā sá sǎ(撒) sà sōng(松) sóng sǒng sòng sē sé sě sè(色) |
4. 効果的な中国語の発音基礎トレーニングの内容とポイント
ここでは、中国語を発音する上での基礎トレーニングについて、その内容と注意すべきポイントについて解説します。
4-1. 効果的な発音基礎トレーニングの順番
~中国語の発音基礎トレーニングの順序~
①四声(声調)をマスターする
②ピンインの発音を体得する
③シャドーイングを行う
4-1-1. 四声をマスターする
まずは「1-1-1. 2音節の声調を練習する」でお伝えした20パターンある2音節の四声からマスターします。
<学習時間の目安>
1日1時間ではじめの1〜2週間は四声のトレーニングだけでOKです。
4-1-2. ピンインの発音を体得する
いきなり漢字を見て発音を覚えるのではなく、まずはピンインという中国語の発音記号を介してその漢字の発音を理解していくことになります。
中国語には母音が36個、子音が21個、この組み合わせで約400の音があります。このピンインの発音「音の出し方」を体で覚えます。
<学習時間の目安>
1日1時間、2カ月程度です。
手順 | トレーニング方法 |
1 | 1つ1つの音の出し方を動画や説明文を見て論理的に理解する |
2 | 実際の音を聞きながら、練習する際は鏡をみて口の形をチェックする |
3 | ポータブルプレイヤーなどに録音して、自分の発音をチェックし、苦手な音は繰り返し練習する |
4 | 単語の意味にはあまりとらわれず、とにかくピンインと四声に気をつけてトレーニングする |
『【音声付】中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング』
『中国語のピンインの覚え方|実用的な練習動画と覚えるコツをご紹介!』
4-1-3. シャドーイングを行う
シャドーイングは、少し長い文章を使って、テキストの音源を聞きながら、影のように後についてその音源をまねながら声に出していく練習方法です。
音声を聞きながらそれを真似て発声すると、「聞く」と「話す」が鍛えられます。
そのうちの「聞く」は、インプット(入力)学習であることから、「読む」につながります。 同様に、「話す」はアウトプット(出力)学習であることから、「書く」につながります。
直接的に「聞く」「話す」力を鍛えていると、結果的に「読む」「書く」力を伸ばすことができるシャドーイングをしていれば、4種類の学習にいちいち取り組む必要がありません。
仕事をしながらなど限られた時間の中で勉強する人には、これ以上いいやり方はありません。
文章をシャドーイングする際も、はじめは、ピンインと四声をしっかり見て、ネイティブの音を声に出してそのまま真似します。慣れてきたら何も見ないでシャドーイングしていきましょう。
苦手な音は何度も、戻って声に出しましょう。しつこく練習すれば、必ず正しい音が出せるようになります。
シャドーイングにおすすめの本は次の2冊です。
こちらの参考書は文法編ではありますが、発音についても載っています。1冊で発音も文法もマスターできるという初学者にはうってつけの参考書になります。
※中国ゼミでも実際に使っている教材です。
中国語学習を土台から丁寧に積み上げる本格的な入門書。「発音と入門編(中検準4級)」と「初級(中検4級)」からなる本書は、前編では中国語学習において重要な発音の方法について解説がとても詳しくわかりやすく秀逸。
また後編は実践応用編と題し、実践的な例文が大量に掲載、用法が理解しやすい構成です。
全ての例文、単語にピンインが振ってあり、辞書を引く時間を節約できます。また例文すべての音声ファイルがあるため、シャドーイング教材として最適です。
4-2. 中国語の発音トレーニングを行う4つのコツ
- アタマで理解してカラダで覚える
- 発音トレーニングは大きな声で
- 声調と口の動きを強調する
- 日本人と中国人両方から教わる
以下、詳しく説明していきますが、これら5つのコツに注意しながら、はじめの2ヶ月は発音トレーニングをみっちりやりましょう。
ピンインの端から端までを、四声を含めてネイティブの音とさほど違わずに言えるようになるまでが1つの目安になります。
発音トレーニングは単調で、飽きてくるかもしれません。しかし、この辛い2ヶ月を乗り切ることができれば、あなたの中国語発音は確実にレベルアップしているはずです。スポーツと一緒、基礎が大切です。 2ヶ月は徹底的に発音トレーニングをすると覚悟を決めましょう!
4-2-1. アタマで理解してカラダで覚える
大人が中国語の発音を学ぶときの1番のポイントは論理的に理解していくことです。発音の方法(舌の位置や、唇のかたちなど)をアタマで論理的に理解し、繰り返し練習してカラダに覚えこませていきましょう。
子どもは「耳」で聞くだけで中国語が話せるようになりますが、残念なことに大人にはそれが無理です。なぜなら、人間は二十歳前後で聞き分けられる音が完全に固まってしまうから。
つまり、「聞くだけでペラペラ」とか、「その言葉の環境にどっぷり浸かっていれはば、話せるようになる」なんてことは、大人の場合ありえないのです。
でも、音の出し方を論理的に理解すれば、子供より早く上達することができます。
4-2-2. 発音トレーニングは大きな声で
中国語は発音が正しくても、「小さい声」では通じません。中国人は腹式呼吸でお腹から発声しているので、日本人の2倍近くの音量で話しているという感じです。
声を張らずにしゃべる日本人が、自信なさげにモゴモゴ話すとなかなか聞き取ってもらえません。しかも、「はぁー?」と大きな声で聞き返されると、自信がなくなってしまいますよね。
ですから発音トレーニングのときから大きな声を出すことで、中国人並みの声量を身につけていきましょう。大きい声で練習すると、どこが言えないのか、間違っているのかが、自分でもよくわかるようになります。また、口の筋肉がしっかりとついてきます。
4-2-3. 声調と口の動きを強調する(日本語との違い)
実際に通じる中国語を身につけるには、声調も口の動きも練習の時は「やりすぎ?」くらいがちょうどです。
日本語は抑揚がなく、あまり口を動かさなくても発音できる言葉です。ですから、練習の時にしっかりと口をオーバーアクションで動かしながら、声調の違いがはっきりわかるくらいにしていないと、知らないうちに日本語のクセがでてしまうのです。
普段使っていない筋肉をたくさん動かして、練習のあとに口の周りが痛いくらいが良いトレーニングです。「中国語用の筋肉」を使って発音をカラダに覚えこませていきましょう。
4-2-4. 日本人と中国人両方から教わる
発音を理解するのに最も適切な方法は、日本人のトレーナーにコツを教わり、中国人講師の見本を聞くことです。中国人からは、ネイティブの発音を学べます。ただ、中国人の講師は元々備わっている自分の中国語の音の出し方やニュアンスを、論理的に日本語で説明することができません。
日本人トレーナーは、苦労しやすい発音やクセをよく理解しています。ただ、日本人トレーナーにだけ指導してもらうと日本語なまりの中国語になりかねません。ですから両方から学べることが理想的なのです。
独学でやる際には、教材についている音源でネイティブの音を確認しつつ、日本語によるしっかりとした解説を理解していくのがいいでしょう。
1日30分、見てマネて発音を2か月でマスターする発音に特化した講座『見てマネ60』。詳しくはこちらをご覧ください。
4-3. 発音トレーニングに欠かせない3つのアイテム
①テキスト
②手鏡
③ICレコーダー
発音のトレーニングに欠かせないアイテムは上記3つです。それぞれについて解説します。
4-3-1. テキスト
発音トレーニングでは、発音に特化した教材を使います。教材は次の条件をクリアしたものを選びましょう。
- 舌の位置や口の形の写真や図があり、論理的な解説がある
- 音声付のもの(DVD付ならさらによい)
おすすめの教材はこちらの2冊です。
「発音」の学習に特化した教材です。この教材のよいところは、
1. 発音の仕方について、イメージしやすい解説がある
2. 舌の位置や口の形を示す図や写真がある
3. CDがついていること です。
詳細な解説が特徴で、口の型と舌の位置が丁寧に書かれており、大人が中国語の発音を「頭」で理解するのに役立ちます。
日本人にとって難しい発音を重点的に分かりやすく解説している教材です。
音の出し方について、舌の使い方や口の形など、詳しい説明があるので、理論的に理解することができます。初心者の中国語の発音学習におすすめ一冊です。
※新品の在庫がなく、中古のみの取り扱いの場合あり
2か月間の発音トレーニングに使うテキストは1冊に絞ること。あれこれ手をだしてはいけません。「この1冊を世界一やりこむ!」くらいの気構えで繰り返しやっていきましょう。
市販のおすすめ中国語教材と、その使い方について詳しく解説していますので是非ご覧になって教材選びの参考ください。
4-3-2. 手鏡
まずは、自分の口の形をチェックします。やっているつもりでも、鏡で見ると、正しい口の動作ができていないことに気づけるはずです。さらに、ネイティブの口の形と比較しながら真似するという使い方もできます。
やったことのない唇や舌の動きばかりですので、はじめは1つ1つ確認しながらトレーニングしましょう。面倒なようですが、これが1番の早道になります。
4-3-3. ICレコーダー
録音機器では、ネイティブの音を聞くだけではなく、自分の発音を録音して聞いてみるのがおすすめです。自分の発音を客観的に聞くことができ、講師やCDの音との違いに簡単に気づけます。もし、「なんか違うかも」と気がつけたら、あとは徹底的にトレーニングです。
録音するものは、スマホの録音機能でもかまいませんが、ICレコーダーには、ワンタッチリピート機能やスピード調整機能があるので、シャドーイング練習により役立ちます。
中国ゼミがオススメしているICレコーダーはオリンパス「ボイストレック」のVシリーズです。
発音トレーニングに欠かせないアイテムの紹介と効果的な使い方について詳しく説明しています。ぜひご覧になってください。
4-4. 発音トレーニングにあわせて使えるアプリ・ソフト・辞書
次に、中国ゼミがおすすめするアプリ・ソフト・辞書を紹介します。
『超・中国語耳ゲー<ピンインゲームで耳を鍛えよう>』 中国語の基本である発音・ピンイン・声調をトレーニングし、「中国語の耳」を鍛えるためのアプリ。画面をタップすると音声が再生される音節表と、ピンインクイズで構成されています。 |
『NHKゴガク 語学講座』の「中国語:声調確認くん」 NHKの語学講座が提供する、声調の特訓に特化したアプリ。お手本の音声に合わせて、自分の声を録音すると、声の高さの軌跡が表示され、お手本と自分の声調の正確性を視覚的に確認することができるスグレモノ。独学で学習している人の持つ「自分の発音・声調をチェックしてもらう機会がない」という悩みを解決してくれます。 |
『中日・日中辞典(小学館)』 ダウンロード:iOSのみ(4,100円) 書籍版・電子辞書版でも長年に渡って愛されている小学館の日中・中日辞典のアプリ版。ベースが紙の辞書なので、辞書の精度が圧倒的に高い! また音声が聞ける・手書きで辞書を引けること、オフラインで使えるので、どこでも使えて便利なのが嬉しい。イチオシの辞書アプリです。 |
『小学館 中日・日中辞典|ビッグローブ辞書』 ダウンロード:Android (4,000円) 上記の「中日・日中辞典(小学館)」のビッグローブ版。上との違いは、こちらが後発版ゆえAndroidに対応していることと、100円安いことです。 |
『中国語学習アプリ9選・Podcast3選│中国語をマスターした私がオススメする最強スマホ活用術』
まとめ. 正しい中国語の発音を理解しよう
この記事では、中国語の発音についての基礎や、発音トレーニングの方法を動画と、音声と併せて説明してきました。中国語をマスターするためには正しい発音を理解し、発音できるようになることが最も重要です。
中国語の発音は日本語にはないものもあるので日本人にとっては難しいですが、コツを理解してしっかり身につけることによって、中国語の学習もコミュニケーションももっと楽しくなりますし、自信が持てるようになります。是非、実践学習して発音を身につけましょう。
記事をお読みいただきありがとうございました。
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・四声・ピンイン・方言・中国語の勉強法など中国語のすべてがわかる!
こんにちは、メルマガ登録をさせていただいてまだ間もないですが、少しずつサイトの方も読み進めています。
学生時代のバイト先で、中国人とたくさん交流する機会があり、それをきっかけに中国語を学ぼうと思い独学を始めました。社会人になり2年経ちますが、残念ながらバイト時代の中国人友達との交流はなくなってしまい、中国語を使う場面や添削をお願いする人がありません。中国人が周りにたくさんいる時にもっと交流していたら、とか、興味本位を超えてもっと意欲的に勉強していたら、とか…少々後悔しております。
中国語を学ぼうとする前から、韓国語の独学をしていて、韓国語は日常会話にほぼ困らない程度に上達しました。そのことが自信であり、中国語も今から始めたって頑張れば上達するはず!という思いで、いろいろな中国語に関するサイトを見ていました。そこでこちらの中国語ゼミを見つけ、読んでいくうちになんだか励まされた気分になり、意欲が湧いてきました。
一日10単語ずつ覚えるぞ!とか、毎日声に出して読む!とか決めていたのですが、仕事が忙しい、時間がない、一人の場所がないなどの理由で(言い訳…)続かず、「やっぱり難しい」と諦めかけたことが何度もあります。そんな時、中国語ゼミの丁寧でわかりやすいコラム(メッセージ)を読み、目標をもって頑張りたいと思うようになりました。
実際、世の中にはいろんな教材があって、何が正解なのかわからないし真逆のことを謳っている教材なんかも多く混乱します。
「聴くだけで」「1週間で」などの楽そうな教材を探すより、基礎を固めることが重要ということを知りました。基礎となる声調や併音、シャドーイングを準備運動のようにこなすことをしっかりやりたいと思います。
まだまだ初歩段階ですが、メッセージに励まされながら、目標をもって頑張っていきたいです。
今後のメルマガ配信も楽しみにしています。
堀部綾華様
いつも中国ゼミ、メルマガをご愛読いただきありがとうございます。
中国ゼミ、メルマガが中国語学習のお役に立ててとても嬉しく思います。
堀部様が目標をもって学習に取り組まれていること、とても素晴らしいと思います!
今後もお役に立てる情報を発信していきますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
横長の貴社のコマーシャルが本文の中に貼られていて、本文が見にくくて、学習の邪魔になります
消してもらえませんか
ご連絡ありがとうございました。
現在、修正の作業中でございます。
学習しにくい表示になっていて
大変申し訳ございません。
ご迷惑をおかけしますが、
もうしばらくお待ちいただけますでしょうか。