合格率10%前後の難関。だからこそ、手にすればハイレベルな中国語人材として認められるのが、語学系唯一の国家資格「全国通訳案内士」です。
訪日観光の需要が高まる中、国家資格を持つ希少な通訳ガイドは、現地の方からの信頼も厚く、今後ますます活躍の場が広がります。
本記事では、最新の合格率データから、試験を有利に進めるための「筆記試験免除のコツ」まで分かりやすく解説。あなたの挑戦を応援します!
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目次
1.「全国通訳案内士」試験の合格率と難易度
中国語の全国通訳案内士、国家試験合格を目指すあなたへ。まずは気になる合格率と難易度の詳細をお伝えします。
1-1. 中国語の合格率は10%前後

全国通訳案内士の国家試験は、年齢や学歴などの受験資格はありません。誰でも受験することが可能なので、比較的チャレンジしやすい国家資格ですね。言語は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10ヶ国語です。
2025年度の全ての言語を含めた全体の合格率は「14.7%」でした。中国語は受験者268人に対して最終合格者29人、合格率は10.8%です。
年度によって合格率は変動しますが、中国語の全国通訳案内士試験は、現在も簡単に合格できる試験ではありません。
(参考)『JNTO 日本政府観光局』
全国通訳案内士試験 受験者及び合格者数
1-2. 中国語で案内できる全国通訳案内士はまだ少ない
2025年度の全国通訳案内士試験では、中国語の最終合格率は10.8%でした。英語の15.7%、スペイン語の16.9%、ドイツ語の19.1%などと比べると、中国語はやや低めの合格率です。一方で、注目したいのは合格者数です。2025年度の最終合格者数は、英語が500人だったのに対し、中国語は29人でした。
中国語の合格者数は英語に比べてかなり少なく、中国語で日本の観光地や文化を案内できる全国通訳案内士は、まだ貴重な存在といえます。中国語力を仕事や観光分野で活かしたい方にとって、全国通訳案内士は大きな強みになる資格です。
1-3. 全国通訳案内士に合格後、都道府県に登録する
全国通訳案内士試験に合格しただけでは、すぐに「全国通訳案内士」として業務を行えるわけではありません。
合格後、都道府県に登録し、登録証の交付を受けることで、全国通訳案内士として活動できるようになります。また、観光庁のサイトでは「通訳案内士登録情報検索サービス」が実施されています。
自分の情報を登録すると、さまざまな分野から仕事の依頼がくることが予想されます。プロの通訳案内士として、仕事の幅が広がりそうですね。
(参考)『観光庁サイト』
通訳案内士登録情報検索サービス
1-4. 全国通訳案内士の就業率と将来性
全国通訳案内士は、資格を取得すればすぐに安定した仕事が得られる資格というより、語学力・案内力・営業力を組み合わせて仕事につなげていく資格です。
一方で、訪日観光が回復する中で、中国語で日本の魅力を伝えられる人材へのニーズは引き続きあります。旅行・観光・地域案内・インバウンド対応など、自分の経験と組み合わせて活かしやすい資格といえるでしょう。
2.「全国通訳案内士」とは?
全国通訳案内士は、外国人観光客の通訳を行うだけではありません。ここでは、全国通訳案内士の主な業務内容についてお伝えします。
2-1. 外国人の観光客のための通訳業

全国通訳案内士は、日本を訪れた外国人観光客に対して、さまざまな観光地を案内し、旅行中のサポートを行うことを主な業務としています。
海外からの外国人観光客が増加傾向にあることは、ニュースなどでよく耳にしますよね。近年は、観光地だけでなく、地方への旅行、体験型ツアー、食文化や歴史に関する案内など、訪日旅行者のニーズも多様化しています。
全国通訳案内士には、単に言葉を訳すだけでなく、日本の文化や地域の魅力をわかりやすく伝える力が求められます。
2-2. コミュニケーション力と専門知識が必要
全国通訳案内士は、外国語の通訳だけが目的ではありません。日本を訪れる外国人観光客が必要とする情報を的確に伝え、旅行中に起こった急病などのハプニングにもすぐに対処できる能力も必須。ハイレベルな外国語のコミュニケーション力が重要視されているのです。
また、奥の深い日本の歴史や文化を外国人観光客にわかりやすく伝えなくてはなりません。歴史、文化、地理はもちろん、経済、観光、娯楽など、日本に関する幅広い専門知識が必要です。
2-3. 通訳案内士制度の変化
2018年1月4日に通訳案内士法の改正が施行され、これまでの「通訳案内士」は「全国通訳案内士」という名称に変わりました。
これにより、通訳案内士は「業務独占資格」ではなく「名称独占資格」となりました。つまり、資格がなくても有償で通訳ガイド業務を行うことはできますが、「全国通訳案内士」と名乗ることができるのは、試験に合格し登録した人だけです。
(参考)『観光庁サイト』通訳ガイド制度
資格がなくても通訳ガイド業務は可能ですが、全国通訳案内士は国家試験を通じて、語学力だけでなく日本の地理・歴史・文化、通訳案内の実務に関する知識も確認されています。
そのため、資格を持っていることは、旅行会社や利用者に対して一定の信頼材料になります。
3. 合格率アップ!1次試験免除の条件
全国通訳案内士の1次試験は、一定の基準を満たすと「中国語筆記試験」の免除が受けられる制度があります。それぞれの条件、申請内容や期日を確認しましょう!

3-1. HSK・中検・TOCFLで中国語筆記試験が免除になる
全国通訳案内士試験では、一定の中国語資格を取得している場合、1次試験の「中国語」筆記試験が免除されます。
中国語筆記試験の免除対象となる主な資格は、以下の3つです。
| 資格 | 免除条件 | 申請書類 |
| 中国語検定試験 | 1級合格 | 合格証明書 ※和文のみ有効 |
| HSK | HSK6級 180点以上 ※旧HSK高等試験9級以上も対象 |
成績報告 ※「漢語水平考試」と表記された成績報告も有効 |
| TOCFL 華語文能力測験 |
Level6 精通級(C2) | 成績証明または合格証書 |
このように、HSKだけでなく、中国語検定試験やTOCFLでも条件を満たせば中国語筆記試験の免除を受けることができます。
特にHSK6級180点以上は、中国語学習者にとって比較的目標にしやすい免除条件のひとつです。一方で、中国語検定1級やTOCFL Level6は非常に高い中国語力が求められるため、自分の学習目的や得意分野に合わせて、どの資格を活用するか考えるとよいでしょう。
なお、免除を受ける場合は、受験申込時に所定の申請書類を提出する必要があります。免除条件や提出書類は変更される可能性があるため、必ず受験年度の最新の試験要項を確認してください。
3-2. 日本地理・日本歴史・一般常識の免除対象
中国語筆記試験以外にも、日本地理・日本歴史・一般常識などで免除制度があります。
たとえば、旅行業務取扱管理者の資格を持っている場合は日本地理、歴史能力検定や大学入学共通テストの成績によっては日本歴史、現代社会の成績によっては一般常識が免除対象になることがあります。
ただし、対象となる資格や試験科目、申請書類、有効期限は細かく決められています。特に大学入学共通テストの科目は、名称が似ていても免除対象外となるものがあるため、必ず最新の試験要項で確認しましょう。
| 免除される科目 | 主な免除対象 | 注意点 |
| 日本地理 | 総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者など | 旅程管理主任者(ツアーコンダクター)は対象外 |
| 日本歴史 | 歴史能力検定 日本史1級・2級、大学入学共通テスト「日本史B」60点以上など | 「歴史総合、日本史探究」は免除申請対象外 |
| 一般常識 | 大学入学共通テスト「現代社会」80点以上など | 「公共、倫理」「公共、政治・経済」は免除申請対象外 |
3-3. 前年度合格者・他言語合格者などの免除
過去に全国通訳案内士試験を受験して一部科目に合格している方や、すでに他の外国語で全国通訳案内士に合格している方は、別の免除制度を利用できる場合があります。
| 対象者 | 免除される主な科目 | ポイント |
| 前年度に一部科目へ合格した人 | 前年度の筆記試験で「合格」となった科目 | 外国語は前年度と同じ外国語に限る |
| 前年度に5科目合格した人 | 受験外国語を含む5科目 | 外国語は前年度と同じ外国語に限る |
| 他の外国語で全国通訳案内士に合格している人 | 日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務など | 合格年度や研修修了の有無によって対象科目が異なる |
| 地域限定通訳案内士試験の合格者 | 英語・中国語・韓国語 | 特例特区ガイドは対象外 |
これらの免除は、受験年度や過去の合格状況によって対象が変わります。特に、前年度合格科目の免除は有効期限が限られているため、該当する方は早めに確認しておきましょう。
3-4. 免除を活用して2次試験対策に集中しよう
免除制度は年度によって変更されることがあります。特に、対象資格や有効期限、提出書類は必ず最新のガイドラインで確認しましょう。
外国語筆記試験や一部科目の免除を活用できれば、その分、2次試験の口述試験対策に時間を使いやすくなります。
できる限り1次試験は免除を受け、さらに難関である二次試験での通訳問題やプレゼンテーション問題対策に集中して勉強しましょう。免除の内容や申請方法などをしっかり確認し、試験に臨んでくださいね。
参照リンク:全国通訳案内士試験ガイドライン
4.「全国通訳案内士」試験の概要
4-1. 全国通訳案内士試験の科目
全国通訳案内士試験は、1次筆記試験と2次口述試験で構成されています。
1次試験では、外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務などが出題されます。
2次試験では、通訳案内の現場を想定した口述試験が行われ、語学力だけでなく、案内力や対応力も問われます。
JNTOの過去問題ページでも、外国語筆記、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務の各科目が公開されています。
(参考)『全国通訳案内士試験 2025年度筆記試験問題(一部)』
4-2. 試験は1年に1度のチャンス
全国通訳案内士の国家試験は、1年に1回のチャンスです。例年、全国通訳案内士試験は、例年、夏ごろに1次筆記試験、冬ごろに2次口述試験が行われます。
正式な日程や申込期間は年度によって変わるため、受験する年の試験要項を必ず確認しましょう。また、申請に必要な書類が多い場合もあるため、早めに準備を進めましょう。
4-3. 申込は最新の試験要項から確認する
受験申込の方法は年度によって変わる可能性があります。現在は、試験サイト上でマイページを作成し、オンラインで手続きを行う形式が中心です。
申込期間を過ぎると受験できないため、受験予定の年度のJNTO公式サイトで、申込方法・必要書類・支払い方法を早めに確認しておきましょう。
(参考)『2026年度全国通訳案内士試験』
4-4. 試験の費用
全国通訳案内士の受験手数料は、1つの言語の受験につき14,850円。2つの言語を受験する場合は29,700円です。(2026年現在)免除申請を受ける場合でも、受験料に変更はありません。また、受験手数料の支払いは、コンビニエンスストア又はクレジットカードの支払いのみ対応しています。
全国通訳案内士試験は、試験日程、免除制度、申込方法、受験手数料などが年度によって変更されることがあります。実際に受験する際は、必ずJNTOや観光庁の最新情報を確認してください。
(参考)『全国通訳案内士試験概要』
よくある質問
中国語の全国通訳案内士試験の合格率はどれくらいですか?
年度によって変動しますが、中国語の全国通訳案内士試験は合格率が高い試験ではありません。2025年度の中国語の最終合格率は10.8%で、受験者268人に対して最終合格者は29人でした。英語に比べると合格者数も少なく、中国語で案内できる全国通訳案内士は貴重な存在といえます。
HSKや中国語検定を持っていると、中国語の筆記試験は免除されますか?
一定の条件を満たす中国語資格を持っている場合、1次試験の中国語筆記試験が免除されます。主な対象は、中国語検定試験1級、HSK6級180点以上、TOCFL Level6 精通級(C2)などです。免除を受けるには申請が必要なので、受験年度の最新の試験要項で条件や提出書類を確認しましょう。
全国通訳案内士に合格すれば、すぐに仕事ができますか?
試験に合格しただけでは、すぐに全国通訳案内士として活動できるわけではありません。合格後、都道府県に登録し、登録証の交付を受けることで「全国通訳案内士」として活動できるようになります。資格取得後は、旅行会社との提携、通訳ガイド業務、地域観光の案内など、自分の経験や語学力を活かした働き方を考えていくことが大切です。
まとめ.中国人に喜ばれる全国通訳案内士になろう
全国通訳案内士は、中国語力だけでなく、日本の歴史・地理・文化を伝える力も求められる国家資格です。
中国語の合格率は現在も高いとはいえませんが、合格すれば、中国語を使って日本の魅力を伝えられる人材として大きな強みになります。
将来、幅広く活躍できる中国語のスペシャリストに興味がある人は、ぜひ中国人観光客に喜ばれるガイドを目指して試験に挑戦してみてください。
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