「HSK3.0になると何が変わる?」
「今までのHSK対策では通用しなくなる?」
「日本ではいつから始まるの?」
HSK3.0の情報を調べてみても、「結局、日本ではいつから変わるの?」と分かりにくく感じている方もいるのではないでしょうか。
日本では、2026年内のHSK1〜6級はこれまで通り現行のHSK(HSK2.0)で実施されることが正式に発表されています。2027年以降のHSK3.0の導入時期や試験形式については、現在調整中です。(2026年10月時点)
この記事では、HSK3.0の主な変更点や日本・中国での実施状況、今からできる対策を解説します。さらに、日本でHSK3.0のトライアル試験を実際に受験したフルーエントスタッフの体験談も紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
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目次
1. HSK3.0とは?従来のHSKから何が変わる?
まずは、HSK3.0がどんな試験なのか、従来のHSKから何が変わるのかをご紹介します。
1-1. HSK3.0とは
HSK3.0は、2021年に中国教育部・国家語言文字工作委員会が発表した「国際中文教育中文水平等級標準」をもとに、HSKをアップデートした新しい試験体系です。
新しい基準では、語彙だけでなく音節・漢字・語彙・文法を指標とし、聞く・話す・読む・書く・訳すといった力を含めて、中国語を実際に運用する力をより幅広く評価する考え方が採用されています。
単純に「級が6級から9級に増えるだけ」という変更ではなく、従来の1〜6級についても試験内容や求められる力が見直されています。
HSK3.0は段階的に導入が進められています。日本と中国での現在の実施状況については、2章で詳しく解説します。
従来のHSKとの主な違いをまとめると、以下の通りです。
| 項目 | 従来のHSK | HSK3.0 |
|---|---|---|
| レベル | 1~6級 | 初等・中等・高等の3段階、全9レベル |
| 語彙 | 1級150語~6級5,000語以上 | 1級300語~高等11,000語 |
| 評価する力 | 筆記では主に聞く・読む・書く | 聞く・話す・読む・書く+高等では訳す力 |
| 口語 | HSKK初級・中級・高級 | 3級口語〜6級口語に細分化 |
HSK3.0では、単語や文法の知識量だけでなく、聞く・話す・読む・書く・訳すといった「中国語を実際に使う」力を総合的に測る設計になっています。
※出展:HSK日本実施委員会
※出典:中文考试服务网
※出典:中华人民共和国教育部
1-2. 1〜6級から「3段階・9レベル」へ
従来のHSKは1〜6級の6段階でしたが、HSK3.0では「三等九級」と呼ばれる3段階・9レベルの体系になります。
・初等:1〜3級
・中等:4〜6級
・高等:7〜9級
となり、特に従来の6級より上にあたる7〜9級が新たに設けられました。
また、7級・8級・9級はそれぞれ別々の試験を受けるのではなく、「HSK7〜9級」という同じ試験を受験し、その結果によって7級・8級・9級が判定される仕組みです。
※出典:中文考试服务网
1-3. 必要な語彙・漢字・文法はどう変わる?
HSK3.0では、試験で求められる語彙も見直されています。
現在公開されている新版HSK試験大綱の語彙リストによると、各級で求められる語彙数の目安は次の通りです。
| 級 | 従来のHSK | HSK3.0 |
|---|---|---|
| 1級 | 150語 | 300語 |
| 2級 | 300語 | 500語 |
| 3級 | 600語 | 1,000語 |
| 4級 | 1,200語 | 2,000語 |
| 5級 | 2,500語 | 3,600語 |
| 6級 | 5,000語以上 | 5,400語 |
| 7~9級 | – | 11,000語 |
漢字については、「読んで理解できる漢字(认读)」と「書けるようにする漢字(书写)」が分けて設定されているのが特徴です。
また、文法についても、品詞や文型などの項目がレベルごとに整理されており、各級でどのような文法を身につけておく必要があるのかを試験大綱で確認できます。
公式サイトでは、語彙・漢字・文法をそれぞれ級別に検索できるようになっているので、興味のある方は検索してみてください。
※出典:中文考试服务网
1-4. リスニング・スピーキングはどう変わる?
大きな変更点の一つが、口語試験の扱いです。
従来のHSKでは、筆記試験と口語試験「HSKK」は別の試験として受験できましたが、2026年9月に行われたHSK3.0のトライアル試験では、3〜6級は対応する口語試験もセットで申し込む形式となり、1級・2級には口語試験はありませんでした。
ただし、日本で正式導入された際の申込方法や実施方法は、まだ発表されていません。リスニングについても、問題形式や問題数、試験時間、音声の速度などが見直されています。
1-5. ライティングはどう変わる?
従来のHSKでは、1級・2級にはライティング問題がなく、3級から出題されていました。
一方、HSK3.0では2級からライティング問題が設けられています。
従来よりも早い段階から、漢字を実際に書く力が評価されるようになる点が大きな変更です。
レベルが上がるにつれて、語彙や文法を使って文を組み立てたり、まとまった内容を中国語で表現したりする力が求められます。
1-6. 7〜9級では翻訳力も評価される
HSK3.0で新設された7〜9級では、「聞く・読む・書く・話す」に加えて、「訳す」力も評価の対象になります。
翻訳パートには、外国語の文章を中国語に訳して書く「翻訳(筆記)」と、文章を短時間で読んだ後、中国語で口頭翻訳する「翻訳(口頭)」があります。
なお、日本で実施されるHSK7〜9級では、翻訳は日本語から中国語への翻訳のみとなっています。そのため7〜9級では、日常的な中国語だけでなく、仕事や専門分野、学術的な内容を理解し、中国語で適切に表現する力も求められます。
※出典:HSK日本実施委員会(HSK7-9級試験(2026年))
2.HSK3.0は日本ではいつから?中国との実施状況の違い

HSK3.0の導入状況は、日本と中国で異なります。現在の状況を比較すると、以下の通りです。
| 項目 | 日本 | 中国 |
|---|---|---|
| 1~6級の導入時期 |
2026年内はHSK2.0を継続。 2027年以降は調整中 |
2026年12月に正式実施予定 |
| 7~9級 | すでに実施 | すでに実施 |
| HSK3.0の開催会場 | 1〜6級は正式導入後の会場未発表 | 中国各地の対象会場 |
| 試験形式 | 1〜6級のHSK3.0正式導入後の形式は未発表 | 紙試験・PC試験 (会場による) |
| 申込方法 | 正式導入後の詳細は未発表 | 中国の公式サイトから |
| 口語試験 |
HSK3.0では3〜6級の口語試験を設定。 日本での正式な実施方法は調整中 |
3〜6級に級別の口語試験を設定 |
※2026年10月時点の情報です。
HSKを主催する中国の試験本部は、2026年12月からHSK3.0を正式に実施すると発表しています。一方、日本では2026年内に実施されるHSK1〜6級は、すべて従来のHSK2.0で実施され、2027年以降の導入時期や試験形式は現在調整中です。
なお、日本でも2026年9月20日にHSK3.0のトライアル試験が行われましたが、正式導入ではありません。2026年中に日本で1〜6級を受験する方はHSK2.0に合わせて対策し、2027年以降の受験を予定している方は今後の正式発表を確認しましょう。
3.【体験談】日本でHSK3.0のトライアル試験を受けてみた
2026年に日本で実施されたHSK3.0のトライアル試験を、フルーエント中国語学院のスタッフが実際に受験しました。今回は、従来のHSKとの違いや、受験して感じた難易度、今後の対策について聞きました。
受験スタッフプロフィール
- 中国語学習歴:20年以上
- 中国滞在歴:計7年(この間、蘇州大学の留学生クラスで中国語を学習)
- 資格取得歴:HSK6級・HSKK初級・中級取得
- 今回受験した級:HSK3級
- 受験目的:現在実施されているHSKとの試験内容やレベルの違いを確認するため、今回のトライアル試験を受験しました。
※今回の試験はあくまでトライアルです。今後正式に導入される試験内容や試験形式が、今回と同じになるとは限りません。
以下は、今回のトライアル試験を実際に受験した感想としてご紹介します。
3-1. 従来のHSKとの違い
Q. 実際に受験して、従来のHSK3級と一番違うと感じた点はどこでしたか?
一番違うと感じたのは、作文問題の形式です。今回のトライアルでは、絵と単語などのヒントをもとに自分で中国語の文を作る問題がありました。
また、口語試験についてはHSKK初級と同じような内容でしたが、HSK3級をこれから取得するレベルの学習者にとっては、中国語のスピードが速く感じる可能性があると思います。一方、読解問題については、従来のHSK3級と大きく変わらない印象でした。
3-2. 全体的な難易度
Q. 従来のHSK3級と比べて、難しくなったと感じましたか?
今回のトライアルに限っていえば、HSK3級全体の難易度はそれほど大きく変わっていないと感じました。読解問題のレベルも従来と大きく変わらず、語彙数が増えたことによる影響も、今回の3級ではそれほど感じませんでした。
リスニングについても、現在のHSK3級とほぼ同じ印象です。ただし、級が上がって5級・6級になると、語彙数が増えることによる影響は大きくなるかもしれません。
3-3. 特に対策が必要だと感じたポイント
Q. 受験してみて、「ここは事前に練習しておいた方がいい」と感じた部分はありますか?
特に対策しておいた方がよいと感じたのは、口語試験です。聞いた中国語をそのまま繰り返す復唱の問題では、何を言ったのか分からないものもありました。
HSK3級レベルの学習者であれば、普段から通常スピードの中国語を聞き、聞いた内容をすぐに口に出す練習をしておくとよいと思います。シャドーイングや音読などで、中国語の速さに慣れておくことも大切です。
作文については、それほど難易度は高くない印象でした。試験対策の中で中国語の文を作る練習を取り入れ、漢字の書き間違いにも注意しておけば対応できると思います。
3-4. これから受験する人へのアドバイス
Q. これからHSK3.0を受験する方には、どのような勉強をおすすめしますか?
今回のHSK3級については、現在のHSK3級対策も十分活かせると感じました。
まずはこれまで通り、単語学習やHSK3級の過去問題にしっかり取り組むこと。そのうえで、通常スピードの中国語を聞く練習や、シャドーイングなどの「聞いてすぐに口に出す練習」を加えておくとよいと思います。
今回の3級では、増えた語彙数について必要以上に心配するよりも、現在の試験対策を続けながら、リスニングやスピーキングの練習も取り入れておくことが大切だと感じました。
4.HSK3.0に向けて今からやっておきたい勉強法
日本では2027年以降のHSK3.0の導入時期は決まっていませんが、語彙や文法を身につけること、聞く・話す・書く力を伸ばすことなど、今から準備できることはたくさんあります。
ここでは、HSK3.0を見据えて取り組んでおきたい5つの勉強法を紹介します。
4-1. まず目標級と現在の実力を確認する
まずは、「何級を目指すのか」と「現在どのくらいの中国語力があるのか」を確認しましょう。従来のHSKでも同じことですが、目標級や苦手分野によって必要な勉強は変わります。
たとえば、語彙や文法は十分でもリスニングが苦手な人と、文章は読めても中国語を話すことに慣れていない人では、重点的に取り組む内容が異なります。
やみくもに教材を増やすのではなく、目標と現在地を確認してから、必要な勉強を絞り込むことが大切です。
4-2. 新しい試験に沿って語彙・漢字・文法を学ぶ
HSK3.0を目指すなら、従来のHSKの単語帳だけではなく、新しい試験で求められている内容を確認しながら学習を進めるのがおすすめです。
中国のHSK公式サイトでは、HSK3.0の試験内容が公開されており、級ごとに必要な語彙・漢字・文法などを確認できます。まずは自分が目指す級の範囲から、少しずつ身につけていきましょう。
特に語彙は、意味を覚えるだけでなく、例文の中で使い方や語順まで確認すると、リーディングだけでなくライティングやスピーキングにも活かしやすくなります。
中国のHSK公式サイト:中文考试服务网
4-3. リスニングだけでなく「話す練習」も取り入れる
HSK3.0では、スピーキング能力を測る試験が3級口語〜6級口語に細分化されます。2026年9月のトライアルでは、3〜6級は筆記試験と対応する口語試験をセットで受験する形式でしたが、日本で正式導入された際の申込方法や実施方法はまだ発表されていません。
今後の形式に備えるためにも、これまで筆記試験の対策を中心にしていた人は、実際に中国語を口に出す練習も取り入れておきましょう。
4-4. ライティング・アウトプットの練習を増やす
HSK3.0では2級からライティング問題が設けられています。そのため、中国語を自分で書く練習も早めに始めておきたいところです。
単語や文法を覚えていても、実際に文章を作ろうとすると、
「語順が分からない」
「適切な表現が出てこない」
ということは少なくありません。まずは、覚えた単語や文法を使って短い文章を作るところから始めてみましょう。
日記を書いたり、その日に覚えた表現で例文を作ったりするだけでも、知識を「使える中国語」に変える練習になります。
4-5. 公式サンプル問題・体験試験を活用する
ある程度学習が進んだら、実際の問題形式にも慣れておきましょう。
中国のHSK公式サイトでは、サンプル問題やHSK3.0を体験できるコンテンツも公開されています。
問題を解くことで、
・どのような問題が出るのか
・どこに時間がかかるのか
・ 自分はどの分野が苦手なのか
を確認できます。
特にHSK3.0は試験形式が変更されているため、知識を増やすだけでなく、本番に近い形式で問題を解く練習も取り入れておくと安心です。
HSK3.0対応の教材も順次登場していますが、現在は新しい試験形式に合わせて教材の調整が進められている時期でもあります。そのため、まずは公式サイトで公開されている試験大綱やサンプル問題を確認しておくと安心です。
5. HSK3.0についてよくある質問
HSK3.0について、これから受験する方が気になりやすい疑問をまとめました。
HSK3.0は日本ではいつから始まりますか?
2026年内に日本で実施されるHSK1〜6級は、これまで通りHSK2.0で実施されます。
2027年以降については、HSK3.0の導入時期や試験形式、実施方法を中国試験本部と最終調整中で、現時点では正式な開始時期は発表されていません。
これまで取得したHSKは無効になりますか?
HSK3.0への移行によって、これまで取得したHSKが一律に無効になるという案内は、現時点では確認されていません。
HSK日本実施委員会では、中国の大学入学時の中国語能力証明として利用する場合は受験日から2年間、それ以外の中国語能力証明としては一律の有効期限を設けていないと案内しています。
ただし、大学や企業など提出先によって「○年以内に取得したもの」などの条件が設けられている場合があるので、実際に資格を使用する際は、提出先の最新条件を確認してください。
HSK3.0になると難しくなりますか?
単純に「すべての級が難しくなる」とは言い切れませんが、求められる力の範囲は広がっています。
語彙数は、特に初級では従来より大きく増えています。また、2級からライティング問題が加わるなど、試験内容も見直されています。
そのため、単語や文法、過去問だけに偏らず、「聞く・話す・読む・書く」力をバランスよく伸ばしておくとよいでしょう。
HSK3.0ではスピーキング試験も必要ですか?
現時点で日本では、HSK3.0の正式導入後に「口語試験が必須かどうか」は、発表されていません。
HSK3.0では、3級口語・4級口語・5級口語・6級口語と、級ごとに口語試験が設けられています。これまでに行われたトライアル試験では、3〜6級は筆記と口語をセットで申し込む形式でした。正式導入後もスピーキングが求められる可能性は高いため、3級以上を目指す方は、早めに話す練習を取り入れておくと安心です。
今から受けるなら、従来のHSKとHSK3.0のどちらを勉強すればいいですか?
2026年中に日本で1〜6級を受験する方は、現在のHSK2.0に合わせて対策しましょう。
日本では2026年内は従来の試験内容・試験時間のまま実施されることが発表されています。
2027年以降に受験する場合は今後の正式発表を確認しつつ、HSK3.0も見据えて、スピーキングやライティングなど「話す・書く」練習も少しずつ取り入れておくとよいでしょう。
6. HSK3.0では「何を勉強するか」だけでなく学習計画も重要
HSK3.0では、語彙や文法だけでなく、リスニング・スピーキング・ライティングなど幅広い力が求められます。
そのため、やみくもに勉強量を増やすのではなく、目標級や現在の実力に合わせて「何を・どの順番で学ぶか」を決めることが大切です。
フルーエント中国語学院では、一人ひとりの目標や苦手分野に合わせて学習計画を立て、日本人トレーナーとネイティブ講師が学習をサポートしています。
HSK3.0への移行を見据えながら、試験対策だけでなく、実際に使える中国語力もバランスよく伸ばしていきましょう。
記事をお読みいただきありがとうございました。
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