中国語検定4級に最短で合格するための勉強法

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中国語検定4級」とは中国語の初級をマスターしたレベル。中検4級とは中国語を旅行先で使ったり、簡単な会話ができる中国語力が求められます。

この記事では、まったくの中国語初心者だった中国語ゼミライターの私(中国在住 女子 S.I)が、中国語学習を始めてから、半年で中国語検定4級合格を手にした中国語検定4級に最短期間で合格するための勉強法や注意ポイント、さらにおすすめの教材についてご紹介します。

せっかく受けるからには、1発で合格したいもの。さらに勉強も無駄を省いて効率的に進めたいですよね。

私が実践した中国語検定4級に向けた試験対策のとっておきの方法を、この記事で大公開します!ぜひ参考にしてみてください。

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1. 中国語検定4級の難易度と勉強時間

中国語検定4級は、過去4年間の試験での合格率平均がおよそ45〜65%程度です。受検する月によっても、少しバラつきがあります。

合格に必要な学習時間はおよそ120〜200時間で、これは一般的な大学の第二外国語の授業を1年間履修したのと同じくらいの学習時間と言えます。

勉強の頻度は週1回程度で、半年程度の期間が必要です。HSKと比較すると、中国語検定4級はHSK3級レベルに相当します。

中国語検定の合格率については、こちらの記事で詳しく説明しています。
  『中国語検定の合格率は?|級や時期での違いを紹介!

2. 中国語検定4級を勉強する際のポイント

中国語検定4級に合格するためには、まず出題形式を知っておきましょう

リスニング・筆記共にそれぞれ100点満点中60点が合格ラインとされており、両方ともクリアして中国語検定4級合格となります。

2-1. 中国語検定4級リスニングの出題形式とポイント

中国語検定4級の試験は、まずリスニング問題から出題され、リスニングの第一問は短文問題です。

短文の疑問文の答えを4つの選択肢の中から選びます。問題用紙に選択肢は書かれていません。読み上げられる回答の選択肢までしっかりと聞き取ることが必要になります。

問いと答えは、それぞれ1題ごとに2回読まれます。

実際の問題を一部紹介します。(第97回中国語検定4級問題)この記事では、参考のために日本語訳も付けました。実際のリスニング試験の問題は、中国語のみが記載されています。

参考:中国語検定協会HP 

“問題例”

1.她是哪国人?(彼女はどこの国の人ですか?)
①不是,她是日本人。 (いいえ、彼女は日本人です)
②我是美国人。 (私はアメリカ人です)
③不是,我是中国人。 (いいえ、彼女は中国人です)
④她是韩国人(彼女は韓国人です)

正解:④

“問題例”

2、今天冷不冷?(今日は寒いですか?)
①今天不下雨。 (今日雨は降りません)
②昨天不冷。 (昨日は寒かったです)
③今天不太冷。 (今日はあまり寒くないです)
④昨天太热了。 (昨日はとても暑すぎました)

正解:③

第二問は会話文と長文の問題です。1つの会話文に対しての質問が5問と、1つの長文に対しての質問が5問出題されます。内容と合致する答えを4つの中から選ぶ形式です。

会話文の問題は、質問も答えも「聞き取り」です。

長文問題の質問は「聞き取り」で、答えは問題用紙に記載されています。会話文と長文それぞれ2回読まれます。

“第二問問題例”

李冬: 山口,你好!
  (李冬:山口さん、こんにちは!)
山口: 李冬,你好! 你去哪儿啊?
  (山口:李冬さん、こんにちは!どこに行くんですか?)
李冬: 我去公园看樱花。
  (李冬:公園に桜を見に行きます)
山口: 你一个人去吗?
  (山口:一人で行くんですか?)
李冬: 不,和我弟弟一起去。
  (李冬:いいえ、弟と一緒に行きます)
山口: 明天有没有时间?
  (山口:明日時間ありますか?)
李冬: 明天上午和朋友一起去图书馆。
  (李冬:明日の午前中は、友達と図書館に行きます)
山口: 下午呢?
  (山口:午後は?)
李冬: 下午没有事儿。
  (李冬:午後は予定はないですよ)
山口: 明天下午和我去买东西怎么样?
  (山口:明日の午後、私と買い物に行くのはどうですか?)
李冬: 去买什么呀?
  (李冬:何を買いに行くんですか?)
山口: 我想买手机。
  (山口:携帯電話を買いに行きたいんです。)
李冬: 我也想换新手机,咱们一起去吧。
  (李冬: 私も新しい携帯電話に変えたいと思ってます。一緒に行きましょう)
山口: 好,咱们在哪儿见面?
  (山口:はい。私たち、どこで待ち合わせしますか?)
李冬: 下午两点半在地铁站见吧。
  (李冬:午後2時半に地下鉄の駅で会いましょう)
山口: 好,那明天见!
  (いいですね。では、また明日!)

(1)李冬现在去干什么?(李冬さんは今何をしに行くところですか?)

①去买东西。(買い物に行く)
②去看书。(本を読みに行く)
③去看樱花。(桜を見に行く)
④去见朋友。(友達に会いに行く)

正解:③

(2)李冬和谁一起去?(李冬さんは、誰と一緒に行きますか?)
①哥哥。(お兄さん)
②姐姐。(お姉さん)
③妹妹。(妹)
④弟弟。(弟)

正解:④

(3)李冬明天有时间吗?(李冬さんは、明日時間がありますか?)
①上午有时间,下午没有。(午前中は時間があり、午後はありません)
②上午有事儿,下午有时间。(午前中は用事があり、午後は時間があります)
③上午和下午都有时间。(午前中も午後も時間があります)
④上午和下午都没有时间。(午前中も午後も時間がありません)

正解:②

(4)他们明天几点见面?(彼らは明日何時に待ち合わせしますか?)
①十二点。(12時)
②十二点半。 (12時半)
③两点。(2時)
④两点半。(2時半)

正解:④

(5)他们明天在哪儿见面?(彼らは明日どこで待ち合わせしますか?)
①汽车站。(バス停)
②地铁站。(地下鉄の駅)
③公园。(公園)
④图书馆。(図書館)

正解:②

リスニング問題では、初級レベルの単語と文章が理解できることが求められます。問題は2回読まれるので、1度目で理解できなかった部分を2度目でいかに聞き取るかが重要です。

過去問題集のリスニング音声を何度も聞いて、中国語のスピード感に慣れておきましょう。勉強法としては、過去問などでリスニング音源を「聞いて意味も分かる」状態にしておくことがポイントです。

一方で、もし聞き取れなかった場合は、聞き取れない箇所にこだわらずに「聞き取れたものから文章全体の意味を推測する」力も重要となります。

2-2. 中国語検定4級筆記の出題形式とポイント

筆記第一問は発音問題です。声調とピンインの選択を行う問題です。

“筆記問題例”

1. (1)~(5)の中国語で声調の組み合わせが他と異なるものを,それぞれ1~4の中から 1 つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。

(1) ①明年 ②房间 ③人民 ④银行

正解:②

“問題例”

2. (6)~(10)の中国語の正しいピンイン表記を、それぞれ1~4の中から 1 つ選び、その番号を解答欄にマークしなさい。
(6) 面包  ①mènbāo ②miànbāo ③mènpāo ④miànpāo

正解:②

筆記第二問は単語の選択問題です。形容詞・副詞・接続詞・接尾詞・疑問詞などが出題されます。参考のために日本語訳も付けました。実際の筆記第二問題は、中国語のみが記載されています。

“第二問問題例”

(1)~(10)の中国語の空欄を埋めるのに最も適当なものを,それぞれ1~4の中から 1 つ選び,その番号を解答欄にマークしなさい。

(1) 我明天( )朋友一起去玩儿。(私は明日友達[と]一緒に遊びに行きます。)
①在(〜で) ②到(〜に・〜まで) ③从(〜から) ④和(〜と)

正解:④

筆記第三問は日本語を中国語に直す選択問題と並び替え問題です。答えは選択式です。

“第三問問題例”

1. (1)~(5)の日本語の意味に合う中国語を,それぞれ1~4の中から 1 つ選び,その 番号を解答欄にマークしなさい。

(1) わたしは 30 分間テレビを見た。
①我看了半个小时电视。
②我看电视了半个小时。
③我半个小时看了电视。
④我电视半个小时看了。

正解:①

2. (6)~(10)の日本語の意味になるように,それぞれ1~4を並べ替えたとき,[ ] 内に入るものはどれか,その番号を解答欄にマークしなさい。

(6) わたしは彼女に雑誌を 1 冊あげる。 我 _____ _____ [_____] _____。
①杂志  ②一本  ③她  ④给

正解:②(我给她一本杂志。)

筆記第四問は長文問題で、全て選択問題で、単語や翻訳、内容理解などの総合問題となります。

以下、参考のために日本語訳も付けました。実際の長文問題は、中国語のみが記載されています。

“第四問問題例”

我来北京留学已经 3 个月[ ① ] ,这个周末,我打算和一个法国朋友一起去旅游, 我们想去沿海城市青岛。……/略/…..晚上 9 点出发,早上 6 点多到青岛。我们觉得,坐这个车可以[ ③ ]火车上睡觉,(4)早上到青岛以后,马上就能出去玩儿。因此,就买了这个车的车票。

(私が北京に留学に来て既に3ヶ月[①になり]、今週末私は一人のフランス人の友人と一緒に旅行に行く予定で、海沿いの街である青島に行きたいと思っています。…../略/…..夜9時に出発して、朝の6時過ぎに青島に着きます。私たちはこの電車に乗れば電車[③で]寝られて、④朝、青島に着いたら、すぐに遊びに出かけられる、と思いました。だから、この電車のチケットを買いました。…../略/…..)

(1) 空欄[ ① ] を埋めるのに適当なものは,次のどれか。

①了(〜になる)
②着(〜している)
③过(過ぎる)
④的(〜の)

正解:①

(3) 空欄(3)を埋めるのに適当なものは,次のどれか。

①有(〜がある・〜を持つ)
②用(〜で、〜を使って)
③在(〜で)
④是(〜は…だ)

正解:③

(4) 下線部(4)の意味として適当なものは,次のどれか。

①朝,青島に着いたら,すぐ車両から出ることができる。
②朝,青島に着いたら,すぐに遊びに出かけられる。
③早く青島に着いたら,すぐ出かけることができる。
④早く青島に着いたら,すぐに遊びに出かけられる。

正解:②

筆記第五問は日本語から中国語の翻訳問題です。選択式の問題ではなく記述式の問題で、配点が高くなっています。なるべくここで点数が取れるように準備しましょう。

“第五問問題例”

(1)~(5)の日本語を中国語に訳し,漢字(簡体字)で解答欄に書きなさい。
(漢字は崩したり略したりせずに書き,文中・文末には句読点や疑問符をつけること。)

(1) 彼はきのう学校に行かなかった。

正解:他昨天没(有)去学校。

(2) 彼女の家は 5 人家族です。

正解:她家有五口人。

筆記問題の配点は、ピンインと四声を選択する発音問題が20点と割合的には高くなっています。中国語検定用の問題集を使って出題されやすい単語と対応するピンインをしっかりと把握しておきましょう。

選択式の問題と長文問題では、基本的な副詞、接続詞、接尾詞、量詞を必ず押さえておきましょう。

また、長文問題の翻訳と作文問題では、基本語順を理解できているかが重要です。

3.中国語検定4級に合格するための最強ツールは過去問

中国語検定合格のための最大ツールは過去問です。

過去問を正しい方法で使えば、たくさんの参考書を買う必要も、自分には不要な無駄な勉強をすることもなく、効率的に力をつけることができます。

この章では、過去問の最も効果的な使い方を具体的に伝授します!

3-1.過去問を使う3つの目的

効率的に勉強を進めるために、まずは過去問で自分の苦手箇所などを明確にします。

~過去問を使う目的とは?~

1.数年分の過去問を解き、試験のクセ・傾向を掴む
 4級の難易度と自分の得意分野・苦手分野を把握
2.解答時間を計る
 どの問題にどのくらい時間がかかるかの把握
3.受験当日のシュミレーション ・復習ツールとして活用する
 苦手部分を重点的に潰す

3-1-1. 3〜4年前からの過去問を解く

難易度や出題傾向の他にも、過去問に多く触れることで見えてくることがあります。

例えば毎年出る単語や文法、覚えていない単語や文法、回答にいつも時間がかかってしまう問題やすんなり解ける問題など、自分のクセが明らかになります。

解いた過去問を復習ツールとして徹底的に使い倒すため、解いた後の時間がかかります。そのため、少なくとも試験の2〜3週間前には過去問対策を始めましょう。

3-1-2.時間を計ってシミュレーションする

初めて過去問に取りかかる時から、本番を想定して試験と同じ時間配分で過去問を解きます。この時は必ず、ストップウォッチを活用して、正確に時間を計るようにしましょう。

最初は時間内にすべて解けないこともあります。それも自分の得意・不得意を把握する上で重要なこと。この後に対策していくので焦る必要はありません。問題の傾向や自分のクセ・レベルを踏まえて、回答の順番を工夫したり、不得意な部分に時間を使うための作戦を立てることができます。

3-1-3. 正解レベルのメモをする

まずは過去問題集ノートを準備して、実際に問題を解いてみましょう。

解答をノートに書いていき、正解が分かったけれど、後から解説を読みたいもの には「」、解答に自信が持てないものには「」、全く分からなかったものには「」の記号をつけていきます。自信をもって回答した問題には何も書きません。

次に答え合わせをし、不正解だったものには直接教材に「/」を引きます。正解だったものの、「カ」「△」「?」がついているものには点線の「/」を記入します。

こうすることで、自分がどの部分が苦手なのかはっきりと知ることができます。

3-2.過去問を使う心得

書き込まれた教材はあなた専用の最強復習ツールです。

無駄にしないための方法として、以下の2つのステップを実践しましょう。

ステップ①.過去問題集は答えの解説ができるまでやり込む

過去問題集や模擬試験の解きっぱなしは厳禁。復習しなければ、せっかく解いても何の力にもなりません。「自己採点後は復習」を習慣にしましょう。

自信を持って解答し、正解した問題は、あなたが既にマスターしているものなので復習する必要はありません。わからない部分や不安が残る部分だけを理解するまで何度も解き続けることが重要です。

自分で見つけた不安・苦手・不明中書を潰していけば、勉強効率が上がり、より身につきやすくなります。最後に、自分が出した答えが、なぜその答えになるかを説明できるようになれば完璧です。

ステップ②.わからないところを残さない

3-1-3. 正解レベルのメモをする」この通りにやってみると、自信がある箇所・不安箇所・苦手箇所・不明箇所が一目瞭然になります。

洗い出された不安箇所(「/」・点線の「/」)のみの再テストを繰り返し、間違えたら「×」、正解には「○」を付けます。すべての問題が「○」になるまで繰り返します。

これが最も効率的な中国語検定の対策方法です。数々のフルーエントの受講生も、この方法で中国語検定に一発合格しています。あなたも是非一度試してみてください!

4.中国語検定4級に合格するためのリスニング対策

中国語検定4級に合格するにはリスニング・筆記ともにバランス良く合格点に達することが重要。リスニングで思うように点数が取れない方、リスニングの点数を上げたい方ために、おすすめの対策方法をご紹介していきます。

4-1.最重要ポイント「発音」のトレーニング

リスニング・発音問題をマスターするには「発音トレーニング」が必要です。 「発音」は、中国語学習における最重要ポイント。

中国語検定には発音・ピンインの問題も出てきますし、発音トレーニングにはメリットばかり。

「中国語検定に合格するため」はもちろんのこと、中国語は「発音」が正しく出来ないと、話しても伝わりませんし、聞き取れません。

日本人は、中国語独特の日本語にはない「発音」「声調(四声)」を身に付ける必要があります。 正しい発音を身に付ける方法は、繰り返し正しい発音を意識した練習・トレーニングをするしかありません。

発音にオススメの教材は、6章で紹介します。

発音のコツ、練習についてはこちらの記事をご覧ください。
・中国語の声調のコツについては、 
四声(声調)の発音をマスターする!【音声・動画付】
・中国語の発音のコツについては、
  『中国語の発音基礎|効果的なトレーニング方法|動画・音声付
・ひたすらピンインを練習するトレーニングは、 
『【音声付】中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング
・中国ゼミおすすめの発音用教材はこちらです。 
正しい発音が身につく『見てマネ60』でリスニング力をアップ!

4-2.リスニング対策にはシャドーイングが重要

発音をクリアしてから取り掛かりたいリスニング対策、中国ゼミおすすめの勉強法はシャドーイングです。リスニング問題の効果的な対策法と、シャドーイングの具体的な方法を見ていきましょう。

4-2-1.リスニングの勉強法「シャドーイング」の必須アイテム

シャドーイングとは音声を聞いて、「聞こえてくる音を聞こえた通りに発声していく」ことです。シャドーイングのための必須アイテムは以下の3点です。

・ネイティブによる音源
・音源のスクリプト(台本)
・音源を再生する機材

音源を再生する機材は、ICレコーダーをおすすめします。ワンタッチで使えるリピート機能で、聞き取れなかった細かな部分を聞き直すのにとても便利です。

準備できない場合はスマートフォンでも大丈夫です。ワイヤレスイヤホンやBluetooth搭載の小型スピーカーと併用して使うと便利でしょう。

4-2-2.シャドーイングの効果的な方法

上記3つのアイテムが準備できたら、下の作業を繰り返して行いましょう。


①まずは音だけ聞いてリスニング

まだシャドーイングはせず、自力でどのくらい聞き取れるのかをチェックしてみましょう。
②内容・意味を理解する
本文を読み、内容を理解します。その後、単語と文法の解説を読んで単語の意味・文法を理解します。
③ピンインを見ながらシャドーイング
ピンインを見ながら音源を聞き、それと一緒に発音していきます。これを最低10回繰り返します。
④漢字を見ながらシャドーイング
ピンインを隠し、教材の漢字だけを見ながらシャドーイングてみましょう。
⑤何も見ずにシャドーイング
最初のうちはできなくても大丈夫です。この作業を何度も繰り返して、できるようになってきたら抑揚にも気をつけて発話します。

5.中国語検定4級に合格するための筆記試験対策

筆記試験の対策は過去問で徹底的に苦手を潰すことが大前提です。これだけでもかなりの効果は出ます。

筆記試験の平均点は約60〜70点ですが、さらに高得点を目指すあなたへ、細かく対策法を見てみましょう。

5-1.文法問題対策は「短文教材を丸暗記」

文法対策はズバリ、「短文教材の例文を丸暗記」です。「短文教材」とは、ひとつの文法ルールに対してひとつの例文が載っている教材のこと。

6章で紹介する「口を鍛える中国語作文」シリーズなどは特におすすめの短文教材です。 シャドーイングをしているだけでも、文法は自然と身についていきますが、「短文教材」を使うことで、目・耳・口で効果的に語順と単語を修得することができます。

 「短文教材」で例文を見てみましょう。この語順を丸暗記します。

我吃过三次越南菜。
私はベトナム料理を三回食べたことがあります。
(参考:「口を鍛える中国語作文」初級編)

 では、実際の中国語検定4級の問題を見てみましょう。

(参考:第97回中国語検定4級試験問題)

彼はカレーライスを一度作ったことがある。
①咖喱饭他一次做过。
②他做过一次咖喱饭。
③他做咖喱饭一次过。
④他一次咖喱饭做过。

答えは、語順が「動詞+过+量詞+目的語」になっている②です。短文を丸暗記していれば簡単ですね。

5-2.語順・文法を丸暗記する効率的な方法

短文教材の丸暗記の方法は次の2つポイントを抑えてしっかりと繰り返しましょう。

1.その構文に対応する総合教材の文法解説をチェックする
2.総合教材のキーポイントにマーキングする
(総合教材のシャドーイングの際には、そのポイントを意識して発音する) 

総合教材と短文教材に重複して出てくる文法ルールをインプットとアウトプットすることでどんどん体に染み付いていきます。

また、1つの文法ルールについて、教材にはいくつか例文が載っていると思います。ここでは、1つの例文のみを暗記し、残りは捨ててしまいます。覚える例文は100%完璧に覚えます。

ここで言う「完璧」とは、日本語を見ただけでそれに対応する中国語が瞬時に言えて、かつ書けるレベル。もちろん、発音も完璧を目指します。

覚える例文を決めたら、暗記の手順は次の通り。

ステップ①
音声を聞き繰り返しシャドーイングをする
 最初は教材を見ながら行う。スムーズにマネできるようになったら音だけを聞いてシャドーイング。この作業でしっかりインプットする。 (シャドーイングについては4章を参考にしてください。)
ステップ②
テスト&暗記
 中国語の部分を隠した状態で日本語を見て、例文が言えるかどうか自分でテストをする。言えなかったものはできるようになるまで「テスト→暗記」を繰り返す。
ステップ③
復習する
 暗記+テストの翌日・1週間後に同箇所の「テスト+暗記」を行う。
ステップ④
応用練習
 身につけた文法ルールに単語を入れ替えて自分でもいくつか例文を作って言ってみる。文法問題だけでなく、筆記問題の対策にも効果的。

 短文教材のセンテンスを完璧に暗記し、その構文の文法解説を確認することで、文法ルールが体になじんでいきます。間違った使い方を聞くと「これって変だな、気持ち悪いな」と違和感を覚えるようになります。

5-3.語彙力アップ対策

中国語検定4級に必要な単語数は、1,000語。決して少なくはありません。新出単語がなかな頭に入らない方は、この章で伝授する方法を試してみてください。

5-3-1.単語学習のルール

単語は、「単語」教材を使って覚えていきます。6章で単語教材を紹介しますので、教材はそちらでチェックしてください。

ルール①
1単語1意味

単語教材では、1つの単語に対して、複数の意味が掲載されています。この全てを暗記する必要はありません。1つの中国語に対して日本語の意味は1つ覚えればOK。

どうしても2つ以上の意味を覚えたい時は、中国語の横に「②」と書き、日本語の意味にも2箇所マーカーします。

ルール②
例文は念入りにやらなくてよい

例文は短文教材で前章の方法で覚えましょう。その方が、シンプルで語順ルールが的確だからです。

ただし、基礎レベルの接続詞と副詞については例文をきっちり覚えます。接続詞と副詞は日常会話や作文で多用するため、覚えておくと便利だからです。

一見似たような接続詞も多いので、例文ごと覚えると正確なイメージもつきやすいですよ。

5-3-2.記号を使った「システマチック単語暗記法」

ここからは単語暗記の必勝法です。

ステップ①
音読
教材を見ながら、音声なしで3~5回音読。覚えるつもりで意識して発音します。
ステップ②
エアライティング
中国語の漢字を、ペンをもってエア(空気中)で2~3回書く。実際に紙に書くよりもスピーディー。しっかり書きたい漢字は紙に書いて練習する。
ステップ③
暗記テスト

中国語を見て、日本語の意味が言えるか。 中国語を見て、正しく発音できるか(=ピンイン・四声が書けるか)。

日本語を見て、中国語が書けるか。 日本語を見て、中国語が正しく言えるか。 全てが完璧になるまで続ける。

ここからは中国語検定に多くの合格者を輩出しているフルーエント中国語学院で教える「中国語プロトレーナーからのアドバイス」をご紹介していきます。

●合格するための勉強法<リスニングセクション>

音源を使って何度もシャドーイングでトレーニングした後、再度その音源を聞いて「できた・できなかった」部分を棚卸し。

①聞いて意味も分かる。→OK

②発音、ピンインは聞けるが意味がわからない場合→意味を確認、覚えて再度トレーニング

③ピンインや発音、意味もよくわからない場合→わかる状態になるまで重点的にトレーニング

このように、自分自身が出来ないところをとことん潰していくことで、合格に近付きます。

●合格するための勉強法<筆記セクション>

単語が苦手は人…4級の必要単語は1000語と言われています。エアライティングとイメージでの覚え方、「表現ノート」を紹介。(やり方は本記事の5-3-2.記号を使った「システマチック単語暗記法」でチェックしてください)

筆記問題では、「日本語を中国語に訳す」問題も出題され、これに戸惑う人も多いです。しかしこの問題、実は配転が高く、絶対に逃してはいけない重要なポイントです。

次の章でご紹介するおすすめ教材「口を鍛える中国語作文」などを使って、短い文章の単語を入れ替えたりして、作文の練習をすると良いでしょう。

プロからのアドバイスを参考にして、効率的に学習を進めましょう。

6. 中国語検定4級におすすめ教材

最後に中国語検定4級合格に向けて、各セクションごとのおすすめ教材をご紹介します。それぞれが合格につながる1冊ですので、是非参考にしてください。

6-1.「発音」「リスニング」対策教材

「発音」の学習に特化した教材で、発音方法についての解説がとてもわかりやすいのが特徴です。舌の位置や口の形を示す図や写真付きなので、それを見ながら練習するのも効果的です。CD付きなので実際に発音を聞くこともできます。

6-2.「総合(筆記・作文・短文)」対策教材

中国語学習の基本である「発音」「文法」「会話の構文」を徹底的に作り上げるのに最適な1冊です。この1冊で2100の単語、100点以上の文法ポイント、1100の例文と会話が学べます。

前章でも紹介した短文教材です。例文のシャドーイングを繰り返すことで、単語と語順、発音を体得できます。例文もシンプルなものが多く、単語を入れ替えて特訓し、応用力をつけることができます。

最新の出題傾向に合わせて、中検4級の出題範囲が網羅されています。豊富な練習問題に加え、詳しい解説が書かれているのが特徴で、この解説でしっかり身につけることができれば、確実に合格へと導いてくれます。

6-3.語彙力(単語)の対策教材

1つの単語に対して、いくつかの日本語の意味と例文が掲載されています。

しかし全てを暗記する必要はなく、原則として1つの中国語に対して日本語の意味は1つ覚えれば良いです。また、例文は念入りにやらなくても構いません。例文がどういう形で使われているのかを見ておくだけで十分です。

6-4.過去問の対策教材


過去3回分の過去問題が収録されており、問題の出題傾向を知るためにぴったりの1冊です。重要単語も収録されているので、4級に出てくる単語の復習もできるのも特徴です。

効率的な勉強法を習得して最短時間で4級に合格しよう

中国語検定4級合格を手にするには、いかに効率よく勉強できるかが重要なポイントになります。そのためには苦手を知って無駄のない学習法を取り入れ、勉強したことがしっかりと実力となるよう、ご紹介したポイントや参考書を使って、是非一発合格を目指しましょう。

記事をお読みいただきありがとうございました。

中国語ゼミ読者のみなさまは、

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