「中国語のマンダリンってなに?」「言葉なの? それとも違う意味があるの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
マンダリンは、たくさんある中国語の中で標準語を表す言葉の1つです。ですがそこには中国ならではの歴史が垣間見え、特有の使われ方があります。
マンダリンの意味や由来を知って、中国のさまざまな言語の違いについても学習しましょう。
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セミナーでは中国語の標準語を効率よく習得するコツや語学学習の最重要ポイントなどをお伝えします。
「中国語は難しそう…」「ネイティブの中国語が聞き取れない」などのイメージがあるかもしれませんが、このセミナーで、中国語は日本人が最も学びやすい外国語であることがわかるはずです。
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1. 「マンダリン」の意味と使われ方
まずはマンダリンという言葉の持つ意味と、その使用される範囲などを解説します。
1-1. 中国の標準語をマンダリンと呼ぶ
英語の「マンダリン(Mandarin)」とは「中国語の標準語」を指します。そのため、日本人がスクールや大学で第二外国語として学ぶ際のテキスト、あるいはNHK講座で紹介している中国語はマンダリンということです。日本で中国語というとイメージする言葉が、そのままマンダリンと呼ばれているものと考えても過言ではありません。
1-2. 中国では「中文(ヂョンウェン)」や「普通话(プートンファ)」と呼ぶ
中国語は1つの言語を表す言葉というよりも、中国においてさまざまな地方で話される方言を総括して呼ぶときの呼び名と捉えたほうが実は正確な意味合いになります。標準語にあたるマンダリンは、中国では「中文(ヂョンウェン)」や「普通话(プートンファ)」と呼びます。
また台湾と香港では「国语(グォユー)」、シンガポールや東南アジアでは 「华语(ファーユー)」と呼び、同じ言葉を指していたとしても、地域によって非常に多彩な違いがあります。
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1-3. 中国全体の人口の7割以上が使用している
標準語とされる以上、マンダリンを話す人口は非常に多く、中国全体の人口の7割以上とも言われています。もともと政権があった場所で発達した言葉であること、また中国の役所内でも使用される言語であることから、使えないと必要な手続きができない場面もあるようです。
領域として、台湾・北京・中国東北部からチベットあたりまで使用者がいます。そのため中国語を習う際、マンダリンと呼ばれる標準語を覚えておけば、幅広い地域である程度のコミュニケーションをとれることが分かります。
2. マンダリンの由来
それでは次に、何故マンダリンと呼ばれるのかについてみていきましょう。
2-1. 歴代王朝の中心地で使われていた官話
明や清の時代にかけて当時の国家公務員とも言うべき官吏たちには、役所で日常的な業務の中で使う言語とも言うべき共通の言葉がありました。
17世紀ごろ、華南にやってきたキリスト教の宣教師たちは、官僚とのやり取りのなかで言葉の違いに気が付きます。 土着の言語とは違うことに気が付いた宣教師たちは、官吏の言葉という意味で土着の言葉と区別し「Mandarin(マンダリン)の言葉」と呼び始め、これがマンダリンの由来と言われています。
このマンダリンは中国では「官話」と表現され、特に北京で発達した「北京官話」は近現代における標準中国語、つまり国語、普通話、華語の基礎となりました。官僚たちの言葉が共通言語の基礎になっているのにも、中国ならではの訳があります。
2-2. 国を治めるための手段として採用
古来の王朝より、中国ではしばしば共通言語が指定されることがありました。地域によって異なる言語を持つ中国でコミュニケーションの円滑化を助け、国をよりよく治めるための手段として活用されていたのです。確かに役所で一括の処理をするには、書き言葉のみならず話し言葉もそろっていた方が、お互いによりスムーズにやり取りができます。
実際に話を聞き取る市民も同じ言語を話せた方が、よりよく政策を進めることができます。そのために官話は次第に標準語として、積極的に教えるための学校などが作られるようになっていきました。
2-3. 中華民国成立により普及
20世紀初め、辛亥革命による中華民国成立のころに、官話の名称が国語に改められます。国語運動・白話文運動と呼ばれる運動がおこり、書き言葉と話し言葉の距離を縮めていくべく、古代から続いた中国語の形が変化していったのもこの時期です。そして北京語音を標準とすると定められるなど、現代標準中国語の規範とも言うべき事柄が決定していきました。
その後、中華人民共和国は、北京語音や北方方言と呼ばれる官話方言の持つ語彙、現代白話文の文法を標準とする「普通话(プートンファ)」を共通語としました。
3. マンダリンと上海語や広東語との違い
3-1. 普通語と上海語と広東語は発音が全然違う
どのような違いがあるのか、実際に「私は日本人です。」という言葉の表現例を見てみましょう。
まずはマンダリン(普通語)の場合です。
私は日本人です。 Wǒ shì Rìběnrén. 我是日本人。 ウォ シー リーベンレン |
フレーズとして、非常によく使うので覚えている人も多いかもしれません。一般的に多くの人が習う中国語であり、また同時に中国の広い地域で通じる言葉です。
次に、上海語の場合を見てみましょう。
私は日本人です。 Ngó zhí Zhěkbennin 我是日本人。 ゴー ズー ザッベンニン |
このように、文字としてみれば同じでも、発音に大きな違いがあります。また上海語は声調も6声あり、抑揚の幅がマンダリンより狭く、発声の場所もマンダリンより前なので、日本語に近いと言われています。実際、上海人は中国の他の地方の人より断然日本語の発音が上手です。
それでは次に、広東語の場合です。
私は日本人です。 Ngóh haih Yaht bún yàhn 我係日本人。 ンゴー ハイ ヤット プーン ヤン |
同じ意味でも、3つの方言でそれぞれ異なることが分かります。欧米では標準語を「マンダリン」と呼ぶのに対して、広東語を「カントニーズ(Cantonese)」という呼び方をします。これだけ発音が異なると、違う呼び方をするのも納得ですね。なのでこうした言語全てを内包する中国語という言葉は、中國に置ける方言を総括する言葉であるとも言えます。
3-2. 同じ系統の言語でも意思疎通ができない
これだけ発音が異なるため、中国語ネイティブであっても方言の違いで意思疎通ができない場面が多くあります。 一方で文字として漢字で書けば意思疎通ができることも多いのですが、そう考えると話し言葉と書き言葉に対して大きな隔たりがあることが分かります。
こうした点を踏まえて、マンダリンと呼ばれる普通語が分かれば、市役所などの公的な手続きはまず困りませんし、大半の中国人とのコミュニケーションにとても役立ちます。こうした特徴を踏まえて、中国語を学んでいきましょう。
4. マンダリンを効率よく学ぶコツ
ではマンダリンを効率よく勉強するには、どのように触れていけば良いのでしょうか。
4-1. マンダリンの読み書きは難しくない
まずマンダリンは普通語であり、テキストでよく触れる言語であることを再認識しましょう。文字として広く広めるために、文法にはルールがあります。そのルールさえ覚えれば比較的簡単に習得できるのが特徴です。
基本的に骨格は英語に似ているため、動詞を見つけることで文章の流れがスムーズに分かります。英語のように時制がなく、また日本でいう「て、に、を、は」つまり助詞がない、という特徴もあります。反対に日本語と同じように、主語を省略できますし、例えば、日本語で平叙文「行きます」に「か?」をつければ疑問文になると同じように、中国語も平叙文に吗(Ma)を付ければ疑問文になることもよく似ています。
また、漢字を使っているため、日本人なら読んだり書いたりする過程で他の外国人が中国語を学習するよりずっと、アドバンテージがあります。中国語のリスニングはまだまだ難しいけど読み書きなら得意という人も多いでしょう。マンダリン(普通語)は簡体字と呼ばれる字体のため、そこまで難しくないと言われています。
しかし、いくらアドバンテージがあるからといって、読み書きから中国語を学習し始めることは、使えるマンダリンを習得することから遠ざかるきっかけにもなります。その理由は、次の章で述べます中国語で最も重視される「発音」にあります。
- 『中国語の漢字はカンタン!日本人は既に1013個の中国語を知っている【動画付】』
- 『【中国語の繁体字とは?】知っておきたい簡体字との違い 』
- 文法の基本ルールや中国語の読みの学習方法はこちらの記事もご参照ください。『日本人が「中国語を読む」ことはカンタン! 漢字は難しくない!』
4-2. まずは発音練習から
発音とは、「四声(声調)」と「ピンイン」が組み合わされたものになります。発音でもっとも重要なのが、「四声(声調)」という音程の上げ下げです。
日本語とは違い、マンダリン(普通語)では同じ「a」という言葉でも、語尾の上げ下げや音の高低で、4つの発音に分かれています。この発音は、日本人にとって難しく、同時に発音ができないために聞き取りに苦労してしまうケースが多いです。中国語は四声の声調を間違えると全く違う意味になってしまうので要注意です。例えば、「Mā」は妈(お母さん)、「Má」は麻(アサ)、「Mǎ」は马(馬)、「Mà」は骂(ののしる)と意味が違ってきます。
また、「ピンイン」とはいわゆる発音記号です。日本語では母音は5個ですが、中国語では36個もあり、子音は21個存在します。この音の組み合わせが400個あり、更に声調が4つに分かれるので、単純計算でも1600もの音があります。これだけあると、日本語では発音しないような音やローマ字読みしない音が存在します。マンダリンの発音をマスターするには、こうした音に慣れ、繰り返し練習が必要になります。こちらがピンイン表です。
まず、ピンインと声調の読み方を理解し、中国語をどう発音するのか目と口で理解することによって、マンダリンの発音が習得できます。このピンイン表を使って、実際にピンインを目にしながら発音し、集中してトレーニングを積むことが大切になります。
発音練習はなかなか独学では難しいですが、フルーエントでは、発音練習に役立つ、教材及び動画を使った無料オンライン講座を開講しています。発音の集中トレーニングにとても効果的です。是非ご体験ください。
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4-3. シャドーイングで「読む・書く・話す・聞く」を鍛える
シャドーイングとは、聞こえた音声を繰り返し復唱していく学習方法です。ポイントは、音声と自分の声を重ねて影のように追いかけて声にだしていくことです。シャドーイングという勉強法は教材が重要になりますので、是非、こちら『中国語を半年でマスターした勉強法』『シャドーイングで語学をマスターする方法』の記事を参考にしてください。
4-4. モチベーションを保つ工夫を
マンダリンの勉強を継続して行っていくためには、勉強に対する意欲が必要です。そのモチベーションを保ち続けるためには、中国語検定やHSKを受けることも手段の一つです。人は期日がなければなかなか目的を達成することができません。検定というゴールを一つ決めるだけで、そこに向かって勉強をしていくことができるのです。
フルーエントの学長が中国語学習をする上で、目標設定の持ち方について動画でレクチャーしています。こちらの動画をご参考にして中国語学習にお役立てください。
また、語学学習を兼ねて中華圏へ旅行し、刺激を受けることもおすすめです。中国の飛躍的な発展を目の当たりにでき、更に中国語を学ぶ必要性を感じ、モチベーションが更にあがることでしょう!
- 中国語の検定に関する情報はこちら『中国語検定・HSK』。
- 中国旅行の際、すぐ使える中国語会話はこちらの記事をご参考にしてください。
『発音付│中国語・日常会話│今すぐ使えるシーン別339例文』
まとめ. マンダリンでスムーズなコミュニケーションを
中国の標準語の一つであるマンダリンをマスターすると、日常会話でもスムーズにコミュニケーションを取ることができます。習得するには目標を決めて勉強を続けていく必要がありますが、旅行にいって現地の方と会話をしたり、中国語の検定を受けてみる等、楽しみながら継続的に勉強を続けていましょう。
記事をお読みいただきありがとうございました。
最後に、マンダリン(中国語の標準語)をもっと知りたいあなたへ、ご案内があります。
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