入国の際に隔離期間が必要なことや、国内外への移動が激しく制限されている状態が続いています。
それでも一部において規制緩和措置が取られ始めているので、来年には比較的行き来が自由になるのかもしれません。(2022年12月11日現在)
私(中国語ゼミ編集部 H.T)の夫は中国で働いていますが、依然としてやはり事態は刻々と変化しているようです。
今後もしばらくは出張での会議や商談よりも、オンラインでの会議が中心となる状況が続くことが予想されます。中国語ゼミは、オンラインで表情や気持ちが見えにくいからこそ、翻訳アプリや通訳さんを介するのではなく、現地スタッフと中国語で会話することをオススメします。挨拶など簡単な言葉だけでも、相手に伝わり信頼関係も深まっていく…そのように考えています!
今回、中国出張記事リニューアル版をお届けします。ぜひ自粛の機会を利用して必要な準備を進めたり、中国語を覚えて「オンライン出張」で積極的に現地スタッフと会話をしてみてくださいね。
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1. 出張者も就労ビザが必要
「中国出張のビザの手配は会社が全て行ってくれるので心配なし!」という方はこの章は読み飛ばしてください。
過去には14日以内の滞在であれば、観光・商用に関わらずノービザで入国できた時期がありました。しかし2015年1月に中国就労ビザに関する規定が変更され、商用で中国を訪れる場合は14日以内の滞在でもビザが必要になっています。
2022年7月1日から商業貿易活動のMビザと、交流・訪問・視察などのFビザについても、中国の政府機関が発給する招聘状(PU)の提出が不要となっています。最新情報は、在中国に本国大使館や外務省ホームページなどでご確認ください。
https://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
1-1. ビザを申請するには
では、初めて中国就労ビザの申請を自力で行おうとお考えの方にお伝えしておきますが、中国のビザはとても種類が多く、複雑です。
申請は、中国語の必要書類を用意し、日本国内の中華人民共和国大使館または総領事館に出向いて行います。自分で出向いて申請することもできますし、ビザ取得の代行会社に依頼して申請する方法もあります。
代行会社に依頼するとビザ申請料の他に別途手数料が必要です。大使館や総領事館が開館している時間に行くことが難しい方、またお住まいの場所が、大使館(東京)や総領事館(札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡、長崎)から遠く不便な場合も、代行会社を通した方がスムーズでしょう。
ビザの規定は今のところ何年かに一度変更されていますので、ご注意ください。更新情報は、ホームページなどでご確認ください。
中華人民共和国人力資源和社会保障部(中国語)ホームページ
http://www.mohrss.gov.cn/SYrlzyhshbzb/ldbk/jiuye/
中華人民共和国駐日本国大使館ホームページ
https://www.china-embassy.or.jp/jpn/
1-2. 就労ビザの種類
中国入国の目的によって、ビザはたくさんの種類に分かれていますが、一般的な出張者にあてはまるビザは大きく分けて3種類あります。
- Z(工作)ビザ=中国に住み、就労するために必要なビザ
- M(貿易)ビザ=商業、貿易活動に必要なビザ
- F(訪問)ビザ=交流、訪問、視察などの活動に必要なビザ
これらが、有効期間、滞在可能日数、入国可能回数などによってさらに数種類に分かれています。
1-3. 自分はどのビザを取得する必要があるのか?を知ろう
「Zビザ」「Mビザ」「Fビザ」はどのような就労を対象とするビザなのか確認しましょう。
1-3-1. 滞在日数は90日を超えるか超えないかがひとつのポイント
まず、長期出張などで90日を超えて滞在する予定であれば、必ず「長期Zビザ」を取得しなければなりません。一方、90日を超えない場合は、2015年に新しく規定されたビザ「短期Zビザ」或いは「Mビザ」「Fビザ」を取得する必要があります。2015年現在、次のように規定されています。
1-3-2. 「短期Zビザ」「Mビザ」「Fビザ」にあてはまる就労とは
◆「短期Zビザ」は…
- 中国国内の提携先における技術、科学技術、管理、指導などの業務
- 中国国内のスポーツ機関での訓練(スポーツ選手、指導員を含む)
- 映画撮影(コマーシャル、記録映画を含む)
- ファッションショー(モーターショーのコンパニオン、広告撮影を含む)
- 海外での営利的公演への従事
◆「Mビザ」は…
- 購入した機械設備の設置、補修、調整、解体、指導、トレーニング
- 中国国内で落札されたプロジェクトの指導、監督、検査
- 中国国内の支社、子会社、駐在員事務所で行う短期完了業務
- スポーツ大会への参加(スポーツ選手、指導員、医療チーム、アシスタントなど関係者を含む)
◆「Fビザ」は…
- 無報酬の業務、または海外機関から報酬を受ける有償または無償ボランティアなど
- 文化主管部門が認める非営利目的の公演
以前は、商業目的の訪問も「Fビザ」でカバーされていた時期もありましたが、現在は非商業目的の訪問に限られています。
1-4. ビザを取得するときの注意点
取得したいビザによって、必要な書類が異なります。また特に審査基準が厳しいビザもあり、事前に慎重な準備が必要です。
簡単にご紹介しましたが、具体的な必要書類や申請方法は、「中国签证申请服务中心」を参照ください
:https://www.china-embassy.or.jp/chn/lsfws/lsb/qz/t1071219.htm
1-5. ビザを取得していなかった場合の罰則
就労の許可無く中国内で就労した場合には、不法就労となり、5000元(約97,000円 ※1元=19.5円換算)以上2万元(約39万円)以下の罰金、事案が重大である時は、5日以上15日以下の拘留の対象となります。
また違法行為(出境入境管理法違反)は、国外退去になることがあり、その場合には上限10年間、中国再入国を禁止されることもあるようです。
(参考:在中国日本国大使館ホームページ)
https://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/joho130903_j.htm
2. 中国出張時の持ち物リスト
中国は都市によって環境がかなり違います。北京、上海、広州などの大都市中心部であれば日本と同じようなコンビニやデパート、電化製品店などがありますので、現地で調達することも可能です。
しかし、一歩中心部を外れると全く何にもないということもよくあります。あわてて現地で調達する事態にならないように、持ち物の準備は万全に!
2-1. 必需品
パスポート |
これが無いと、出国すらできません。
航空券 |
eチケットの控えなど。
現金 |
中国では日本発行のクレジットカードに対応していない店がたくさんあります。日本円から人民元への両替は、空港かホテルでできます。
クレジットカード |
中国のホテルでは一般的にチェックイン時、デポジット(保証金)を請求されます。宿泊代金相当かそれ以上と、高額です。もちろん現金でも支払い可能ですが、人民元を持ち合わせていない場合、クレジットカードで対応できる場合があります。
多くはVISAカード、MASTERカードで決済可能です。
2-2. デジタル機器
日本と中国では、電圧は異なりますが、コンセントの形は同じです。携帯電話やノートパソコン、デジカメなどの電子機器の充電器やアダプターは、幅広い電圧に対応しているものがほとんどなので、中国でコンセントにプラグを挿せばそのまま使えます。
一度アダプターの表示を確認してみてください。日本の電圧にのみ対応している電気製品は、変圧器を通して使用する必要があります。
携帯電話/充電ケーブル |
最近の日本の携帯電話は、国際ローミングが利用可能です。ただし海外で日本国内のように4G繋ぎっぱなしでローミングしていると通信費が莫大になりますのでご注意を!
ノートパソコン/電源アダプター/マウス |
ノートパソコンを持参される方は、電源アダプターやマウスもお忘れなく。
デジカメ/充電器/予備SDカード |
デジカメに入れているSDカードの容量がいっぱいで撮影できなかった…なんてことのないように!
2-3. 日用品
着替え |
日数分を用意。また、中国は広い国なので、南北・内陸・海沿いなどの地域によって気候がかなり違います。
寝巻き |
寝巻きを置いていないホテルがほとんどです。
ハンドタオル・ハンカチ |
取引先でシワシワのハンカチや汗を拭いた後のハンドタオルを出していては、ビジネスマンとして恥ずかしいですね。余裕を持った枚数を持参しましょう。
洗面セット(歯ブラシ・ひげそり) |
ホテルによっては無いところもあります。
ポケットティッシュ・ウェットティッシュ |
トイレにトイレットペーパーが備え付けられていない場合もあります。また、おしぼりが出てこないレストランも一般的です。
折りたたみ傘 |
もし持参しなかった場合、中国ではコンビニより大手のドラッグストアで傘が買えます。
常備薬 |
中国の衛生面に耐性の無い日本人は、どうしてもお腹を壊しやすいようです。
2-4. あると便利かも
モバイルバッテリー |
携帯電話の充電をし忘れた!というときに焦らずにすみます。
海外用モバイルWiFi |
日本の空港などでレンタルできます。しかし、中国は大都市なら街中のファーストフード店、ショッピングモール、ホテルなどで無料のWiFiが利用可能です。
無線LANルーター |
ホテルに有線LANしか無い場合もあります。ルーターをホテルの有線LANに繋ぐと、簡単に無線LAN接続ができる便利なグッズです。
ビニール袋/輪ゴム |
輪ゴムはもらった名刺をまとめたり、食べかけのお菓子の封を閉じたり。ビニール袋は汚れものを入れたり、ゴミ袋にもなります。
マスク/バンドエイド |
外出時の感染予防対策、咳エチケットに。
インスタントコーヒーなど |
インスタントコーヒー、インスタント味噌汁、カップラーメンなど、現地の食事に飽きたときに役立ちます。
小さなハサミ(眉毛切り・鼻毛切り) |
ハサミとして、意外と使えます。
2-5. もしものために
海外旅行保険の証券 |
短期で海外へ出張・旅行に行く際、海外旅行保険に入らない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、保険料は意外に安く、例えば3日間中国出張の場合、1,000円代〜あるようです。
現地でのケガや病気の保障だけでなく、航空機遅延費用を負担してくれるものや、携行品損害保障(持って来た物の盗難や偶然の事故による破損を保障する)ものもあり、万が一の事故・被害にあったときの保険だと思えば、そう高いものでもないでしょう。
海外旅行保険の比較サイトなどで比較、検討してみてください。
(参考:大手旅行代理店H.I.S.の海外旅行保険比較サイト : https://www.his-j.com/hoken/)
また、既にお手持ちのクレジットカードに海外旅行保険が付帯している場合もあります。万が一の場合すぐに保険会社に連絡できるように、保険証券あるいは連絡先の控えをお忘れなく。
クレジットカードの番号と緊急連絡先の控え |
クレジットカードの盗難にあった場合、すぐにクレジットカード会社に連絡できるように。
パスポートのコピー |
控えを渡す際など、役に立ちます。
3. 中国出張の注意点を知って心の準備をする
在中国日本国大使館ホームページで、随時注意喚起されています。メールマガジンやSNSでの発信もありますので、チェックしてみてください。
https://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
3-1. 食事・お酒の席の常識
日本では常識のことも、中国では非常識である場合があります。
3-1-1. 中国の「カンパイ」のルール
日本では会の最初に乾杯をするくらいですが、中国では途中で何度も乾杯します。また中国の乾杯は「干杯(gānbēi)ガンベイ」と書いて、「杯を空けて飲み干す」という意味があり、乾杯の度に飲み干さなければなりません。乾杯用グラスは小さいですが、乾杯は白酒(báijiǔ バイジョウ)という度数の強いお酒であることが多いので、勢いに任せて飲みすぎないように注意しましょう。
3-1-2. 全部食べきると失礼?
円卓に並んだ大皿料理の場合、主賓から取り始めて時計回りに順番に各自取り分けて行きます。
日本では食べ残すのは失礼にあたりますが、中国では少し残すのがマナーとされていました。「お腹がいっぱいになるまで、厚いもてなしを受けました」という意味になります。
接待や会食など「もてなしの席」では、どう考えても食べきれない量の料理が出てくることがよくあり、全て食べきれなくても失礼には当たりません。
しかし近年、食べ残しが多いことは中国でも問題視されています。レストランや食堂では「食べ残さないように!」と壁やテーブルに書いてある店も多く、平素の食事では食べ残さないよう奨励されています。
3-1-3. ビールは常温
中国には、冷たい飲みものは身体を冷やすためよくない、という考え方があります。
現在も、レストランで出てくるビールがぬるい常温の場合があります。冷蔵庫で冷やしたビールを置いてあるレストランもありますので、注文の際に尋ねてみてください。
「冷たいビールをください」は「要冰的啤酒(Yào bīng de píjiǔ イャォ ビン ダ ピージゥ)」です。
3-2. 中国の贈り物のタブー
中国には贈り物としてタブーとされているものがいくつかあります。せっかくの贈り物で、気を悪くされたら大変!注意しましょう。
- 置時計や掛け時計は、時計を表す「钟(zhōng)」が「终(zhōng)=おしまい」と似ているため、×。「私たちの関係をこれで終わりにしましょう」という意味になります。
- 傘は「伞(sǎn)」が、「解散」や「離散」の「散(sǎn)」を連想させるため、×。
- ハンカチは「汗を拭く」「涙をぬぐう」行為が連想され、苦労や別れや悲しみの象徴とされるため、×。
会社の創立記念のものや、どんなに立派で高価なものだとしても、中国では贈るべきではありません。
3-3. 中国人は褒めるのが上手
中国人は褒めるのが上手です。中国人にとって「褒める」ことはコミュニケーションをする上での潤滑油でもあるのです。「この点が素晴らしい、見習わなければならない」と言って褒めます。褒められたら、ぜひ褒め返してみてください。
『発音付│中国語・日常会話│今すぐ使えるシーン別339フレーズ』の「1-9 称賛する表現」でたくさんご紹介しています。ぜひご覧ください。
3-4. 中国であまり使えないVISAカードやMASTERカード
中国では大都市であっても、中国以外の国で発行されたクレジットカードは使えないお店がたくさんあります。世界の定番VISAやMASTERカードも使えない場合があります。自分が支払う会食が予定されていれば、ある程度の現金(2,500元=5万円くらい)は用意しておくほうがよいでしょう。
3-5. 飛行機の移動は余裕を持って
飛行機が遅延するケースを考えて行動しましょう。ギリギリの乗り継ぎ時間で中国国内線の乗り継ぎの予定を組む、到着後すぐ動かなくてはならない仕事の予定などを入れるのはとてもキケンです。
3-6. 臨時宿泊登記をする
中国の法令では、外国人が中国国内で臨時に宿泊する場合には、都市部では24時間以内に公安当局に届け出て臨時宿泊登記を行う必要があります。
ホテル等に宿泊する場合は、チェックインの際にパスポートを提示して臨時宿泊登記表に記入すれば、ホテルから公安当局へ提出されますが、知人宅や会社社宅等に宿泊する場合には自分で届出を行う必要があります。届出がない場合には罰金等を科されることもありますので、十分ご注意ください。
3-7. 中国で閲覧できないサイト
SNSや動画サイト、ブログなど一部のWebページは中国当局から規制がかけられていて、閲覧できません。
3-7-1. 中国で閲覧できないサイト
規制されている代表的なwebサービスは…
- LINE
- Youtube
- ニコニコ動画
- Google(検索機能を含むgoogle関連のサービスは全て閲覧不可)
- Gmail
- Yahoo検索
- Dropbox
- Instagramなど
上記以外にも規制されていて見られない中国国外のサイトは山ほどあります。これが今後、規制解除されるかもしれませんし、さらに規制サイトは増えるかもしれません。
GmailやLINEを日頃から仕事で利用している方など、中国出張中に日本とのやりとりで使用する可能性のある方は注意が必要です。
3-7-2. 中国で見られないサイトを見る方法
WiFiやLANなどでインターネットに接続し、「VPN」を介して海外のサイトを閲覧する方法があります。VPNは有料、無料ともに多くのサービスがあります。
しかし近年では、中国のネット規制が一段と厳しくなっています。無料のVPNサービスが使えなくなったり、有料でも規制が入るケースが増えました。さらに中国国内のエリアによって、繋がりやすい・繋がりにくい場所もあります。閲覧できない可能性が高いことを覚悟しておきましょう。
3-8. 中国で旅行者が巻き込まれやすい犯罪(スリ・詐欺・ニセ札)・事故
残念ながら私の周りでもスリにあった人が山ほどいます。しかし注意すれば事故や事件に巻き込まれずにすみます。実際のケースを紹介しますので、被害にあわないよう、準備を万全に!
3-8-1. スリの実例
具体的に、スリの実例を紹介します。
- 観光地でバスに乗車する際、たくさんの人に押されて乗車。運賃を払うことに気を取られている間に、ズボンの前ポケットに入れたスマートフォンを盗まれた。
- 鉄道の駅にて、デジカメで撮影した後、上着の前ポケットに入れた直後に盗まれた。
- 混んでいないデパートで、スマホを使用後、背負っているリュックの後ろポケットに入れた直後に盗まれた。
- カフェのテーブルにスマホを置き、友人と話していたところ、目を離したすきに盗まれた。
- スーパーで商品を見ている間に、口の開いたトートバッグから財布を抜き取られた。
- 列車内で網棚に荷物を載せている間に、ズボンのポケットから財布を抜き取られた。
3-8-2. スリが見ているポイント
スリにあいやすい場所は、人がたくさんいる場所(鉄道の駅、バスターミナルなど)です。
スリが狙っているポイントは、ズボンの前・後ろポケット、上着のポケット、リュックの外側の小さいポケットなど。
スられる瞬間は、使ったモノ(スマホ、財布、デジカメ)をポケットに入れた、直後に盗まれることが多いようです。
3-8-3. スリ被害にあわないために
携帯電話や財布などの貴重品を、ズボンや上着のポケット、背負っているリュックのポケットに入れないこと。また、ファスナーの無いかばんは持たない、混雑している場所ではリュックは前に抱えることです。
3-8-4. 詐欺の実例
詐欺被害の実例を紹介します。
- <中国茶詐欺>観光スポットで中国人に声を掛けられ、カメラのシャッターを押して欲しいなどと頼まれた後、話しかけられて仲良くなり、お茶会や茶館に誘われ高額な茶葉を買わされた。
- <フィッシング詐欺>SkypeアクセスしているとSkype社員を装った犯人から「賞品が当たった」というメッセージが届き、偽サイトに誘導。姓名、パスポート番号、銀行口座番号など入力、賞品受け取りのための手続き費用が必要だと言われ振り込みしてしまった。
- <白タク被害>白タク(一般乗用車を使った無許可営業のタクシー)に乗って、法外な料金を脅し取られた。
3-8-5. 詐欺被害にあわないために
詐欺の撃退法は「無視」です。
不慣れな場所等に出かける際には、現地スタッフや旅行会社等を通じて事前に車の手配をしておきましょう。またタクシーが見つからない場合は、公共交通機関を利用することです。
3-8-6. ニセ札すり替え被害のケース
タクシーの料金支払い時、運転手が100元札を受け取った後、手元で偽札にすり替えた上で、「これは偽札なので他の札を。」などと言って正規の札と引き替えに偽札を渡す。
3-8-7. ニセ札被害にあわないために
現金ではなくWeChat PayやAlipay(支付宝)のスマホ決済が安心ですが、外国人は現地の銀行で口座開設が必要など、気軽に使用できません。
特に夜間のタクシー等で100元札を出さないよう、小額紙幣(50元・10元・5元・1元)を持ち歩くことを心がけた方がいいでしょう。100元札はデパート・コンビニなど信用できる店で使いましょう。
もし、ニセ札だと思われるお札をつかまされたら、中国の銀行でニセ札の真贋を判断してもらうことは可能です。ただ、ニセ札だと判断された場合は、真券と交換してもらえるわけではなく、没収されます。
3-8-8. 盗難被害
飲食店の椅子にバッグなどを置きっぱなしにする、ホテルの部屋に貴重品を置きっぱなしにするのはやめましょう。ホテルの従業員を信用しないわけではありませんが、デジカメや電気ひげそりなどをテーブルや洗面室に出しっぱなしにして外出するのもやめた方がいいです。無くなってからホテルにクレームをつけても、おそらく発見されませんし、戻ってきません。
また、中国では16歳以上の外国人は、パスポートを常時携帯することが法令で義務付けられています。必ずパスポートは携帯して外出しましょう。
3-8-9. 交通事故
中国の車は左ハンドル、右側通行。日本と少し勝手が違いますし、交通ルールも違います。直進の信号は赤でも右折可という交差点も多く、歩行者より自動車優先の空気です。現地の人は、横断歩道や信号が無い道路でも車の往来をスイスイとすり抜けて渡って行きますが、慣れない場合は車の往来を見ながら、焦らずゆっくり歩いて渡りましょう!
3-8-10. もし犯罪被害・事故にあったら
- 海外旅行保険に加入している場合は、すぐに保険会社に連絡する。
- すぐに現地の警察に行って盗難届・被害届・を出し、受理してもらう。
- 在中国日本国大使館に連絡する。
- クレジットカードを盗まれた場合は、クレジットカード会社にも連絡する。
在中国日本国大使館ホームページ: https://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
在中国各公館の連絡先: https://www.cn.emb-japan.go.jp/aboutus_j.htm#kankatsu
3-9. KTV、日式スナックの注意
3-9-1. 信用できるかわからない店には行かない
中国出張と言えばKTV!何の略かわからない方は、わざわざ行く必要はありません。しかし、興味があるという方に忠告しておきます。現地の駐在者など、信用のおける人に連れて行ってもらってください。金銭トラブル、食中毒など危険がいっぱいです。間違っても、出張者だけで初めて行く店に挑戦する、などということはやめましょう。
また、出張者や駐在者が騙された話もよくあります。スナックの中国人女性と仲良くなり、「故郷に仕送りしなければならないのでお金が欲しい」と言われ、多額のお金を渡してしまった。などというものです。
3-9-2. 売春は中国でも違法です!
相変わらず出張者や赴任者が中国で、女性が接待する店に行って飲食した上に「お持ち帰り」したという話はなくなりません。実際、KTVが売春斡旋所のようになっている場合があり、簡単に売春に手をつけることが出来てしまいます。
中国では売買春(性的サービスを伴うマッサージ等を含む。)は違法であり、「治安管理処罰法」の適用を受けます。同法によると、10日以上15日以下の拘留に加え、5,000元(約97,000円 ※1元=19.5円換算)以下の罰金に処せられる可能性があるほか、場合によっては国外退去となり、その後一定の期間入国禁止となる場合もあります。自分だけでなく、家族や会社に迷惑をかけることは明らかです。
4. いざ!現地で使える中国語フレーズを準備する
外国の方に日本語で「コンニチハ」と挨拶されただけでも、嬉しい気持ちになりませんか?中国でも同じです。「ニーハオ」と挨拶するだけで、中国人も嬉しいものです。中国語のフレーズを1つでも2つでも3つでも覚えておけば、中国出張がよりスムーズになることでしょう。
なお、中国語に敬語はありません。どのフレーズも、目上の人にも同僚にも友達にも使えます。
【現地で使える中国語フレーズ】こちらも参考に!
・中国語の挨拶表現は『中国語の挨拶73種と仕草やマナー|発音付』
・自己紹介や挨拶のシーンなどで使える日常会話例文は『発音付│中国語・日常会話│今すぐ使えるシーン別339フレーズ』
4-2. 仕事で使えそうな中国語単語
日本の土地の名前などは、中国では中国語読みします。例えば「東京(东京)」は、「トーキョー」と読まずに「ドンジン」という具合です。本社のある場所、自分の出身地の中国語の読み方くらいは覚えておいて損はありません。
土地の名前
日本語 | 中国語 | ピンイン | カタカナ |
---|---|---|---|
東京 | 东京 | dōng jīng | ドン ジン |
大阪 | 大阪 | dà bǎn | ダー バン |
名古屋 | 名古屋 | míng gǔ wū | ミン グー ウー |
福岡 | 福冈 | fú gāng | フー ガン |
北海道 | 北海道 | běi hǎi dào | ベイ ハイ ダオ |
沖縄 | 冲绳 | chōng shéng | チョン シォン |
場所の名前
部署名
日本語 | 中国語 | ピンイン | カタカナ |
---|---|---|---|
営業部 | 销售部 | xiāoshòu bù | シァォショウ ブー |
生産部 | 生产部 | shēngchǎn bù | シォンチャン ブー |
技術部 | 技术部 | jìshù bù | ジーシュ ブー |
設備部 | 设备部 | shèbèi bù | シェ゛ァベイ ブー |
製造部 | 制造部 | zhìzào bù | ヂーザオ ブー |
検査部 | 检查部 | jiǎnchá bù | ジィェンチャ ブー |
役職など
日本語 | 中国語 | ピンイン | カタカナ |
---|---|---|---|
社長 | 社长 | shèzhǎng | シェ゛ァチャン |
上司(リーダー) | 领导 | lǐngdǎo | リンダオ |
部下 | 手下 | shǒuxià | ショウシァ |
同僚 | 同事 | tóngshì | トンシー |
友達 | 朋友 | péngyǒu | ポンヨウ |
会議 | 会议 | huìyì | フゥイイー |
日程
日本語 | 中国語 | ピンイン | カタカナ |
---|---|---|---|
昨日 | 昨天 | zuótiān | ズゥォティェン |
今日 | 今天 | jīntiān | ジンティェン |
明日 | 明天 | míngtiān | ミンティェン |
明後日 | 后天 | hòutiān | ホウティェン |
毎日 | 每天 | měitiān | メイティェン |
一週間 | 一个星期 | yí ge xīngqī | イーガシンチー |
一か月 | 一个月 | yí ge yuè | イーガユェ |
4-3. 取引先との挨拶にて使える簡単なフレーズ
現地では通訳スタッフが居ることが多いと思います。でも最初の挨拶くらいは中国でしてみたい!と思ったら、このフレーズを使ってみてください。
【仕事で使えそうな中国語】こちらも参考に!
・中国語での自己紹介については、『すぐ使える!中国語での自己紹介とコミュニケーション』
・自己紹介や挨拶のシーンなどで使える日常会話例文は『発音付│中国語・日常会話│今すぐ使えるシーン別339フレーズ』
4-4. 現地スタッフとの仕事に使える簡単なフレーズ
現地スタッフとのコミュニケーションに、いちいち通訳スタッフを通していては、時間がかかる…と思ったら、簡単なフレーズで会話してみてください。仕事もはかどるはず!
4-5. タクシーを利用するときに使えるフレーズ
中国のタクシー料金は、日本に比べると激安!乗車する機会も多いと思います。運転手に確実に目的地を伝える方法は、目的地を中国語で紙に書いて運転手に見せることです。現地スタッフやホテルのスタッフに書いてもらっても良いでしょう。
また、有名ホテルグループであっても、英語名は中国ではあまり知られていません。ホテル名は中国語名で書いておくこと、さらに住所も一緒に書いておくと間違いありません。
『発音付│中国語・日常会話│今すぐ使えるシーン別339フレーズ』でご紹介しています。
まとめ. 最新情報をチェックして準備を!
中国出張に向けて、しっかり準備するに越したことはありません。
今のうちに簡単な中国語会話を覚えておくと、いざという時に役に立ちます。今できる準備や勉強を進めておくことで、満足のいく中国出張になるはず!日々の小さな努力の積み重ねこそ、大きな仕事の成功につながります。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
・仕事で中国語を使えるようになりたい
・HSK、中国語検定に合格してキャリアアップしたい
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講師は、中国語ゼミ監修者の三宅裕之。2001年に語学コーチングスクールを設立し、今まで15,000人以上を指導した語学×コミュニケーション力開発のプロフェッショナルが、わかりやすく解説しますので一生モノの知識を得られるはずです。
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