シャドーイングで語学をマスターする方法

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シャドーイング 中国語
のべ57,101がこの記事を参考にしています!

中国語を頑張って勉強しているけど全然上達しないと感じていませんか?

それはもしかしたら、
”シャドーイングをしていない”か
”シャドーイングの量が少ない”か
”シャドーイングにやり方を間違えている”か
かもしれません。

筆者である私(ひー:HSK6級、中国語トレーナー歴7年)も、中国語を身につけるにはどうすればいいだろう?と右往左往した挙げ句、最終的にシャドーイングという練習方法にたどり着くことが出来た結果、短期間で仕事で中国語を使うのに困らないレベルまで到達させることができました。

本記事では、そんなシャドーイングについて解説していきます。

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目次

1.シャドーイングとは?

1-1.シャドーイングとは

「シャドーイング」とは、「聞こえてくる音声を、聞こえたとおりに発声していく」という語学学習法です。影のように追いかけ、真似して発声するので「Shadowing(シャドーイング)」というわけです。

外国語を習得するための練習方法として、どの言語の学習者にとっても不可欠なもので、学んでいる教材の音声を聞きながら、0.3秒ほど遅れて自分でも同じ内容を口から発する練習方法です。

ネイティブの話している言語を聞くことで”音声を知覚する力を育て、知覚した単語や表現、構文を声に出して反復練習し、外国語を話すシミュレーションも兼ねているため、リスニング力とスピーキング力の両方を同時に鍛えられる一石二鳥の練習法なのです。

1-2.シャドーイングのイメージ

■中国語の場合のイメージ

(元の音声)我是日本人 我不是日本人…
(自分の発声) 我是日本人 我不是日本人…

一見難しそうに見えますが、母国語である日本語の文章なら出来るかと思います。 母国語のように、外国語を外国語のまま理解し、同じように発声するだけだとイメージして練習してみてください。

2.シャドーイングで期待できる効果

それでは次に、シャドーイングがもたらす効果について、ひとつずつ解説していきます。

2-1.発音が改善される

ネイティブの中国語をマネしながら練習するため、ピンインや声調だけでなくリズムや抑揚の付け方などを改善することができます。例を挙げると、中国語発音の特徴のひとつでもある”三声が2つ以上連続する場合”や「一」「不」の声調の変化も、頭で考えるより先に自然な変調が出来るようにもなります。

「声調の変化」については、以下記事の”3-3. “一”と“不”の声調変化に注意する”で詳しく解説しています。

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2-2. 自然と語彙を増やせる

教材の音声を繰り返し聞きながら口から発することで、単語の読み方・発音の仕方・意味を自然と覚えていくことができます。

2-3. 語順感覚が身につく

シャドーイングを始める前には、文章の中で使われている文法を把握しておく必要があり、その段階で各単文の主語/述語/目的語/修飾節などを把握することができます。

それぞれの文の中の役割を把握したうえで、まとまった文章を繰り返し聴くことで、脳内で日本語に変換することなく、語順そのままで中国語を聞けるようになっていきます。

2-4. リスニング力が上がる

リスニングは、読み方/語彙力/文法知識/意味の知識/文脈/背景理解のすべてが備わっていることで、はじめて”聞ける”レベルに達することが出来ます。我々日本人は日本語に対しては、それを瞬時に理解しながら日本語を聞いているのです。

ですから、各単語/各単文の読み方/ネイティブの発音/意味/語順をすべて把握した状態で教材としている音声(一つの文章)を繰り返しシャドーイングする練習を日々続けていくことで、リスニング能力を向上させることができます。

2-5. スピーキング力が上がる

同じ文章を繰り返し発音し続けることで、外国語を話すための口が作られていきます。その効果によって、会話のために発する文も発音しやすくなり、一部の表現はそのまま暗記できてしまえることもあります。

極端な例としては、同じ文章を数百回もシャドーイングや音読をし続けると、覚える気がなくとも勝手に全文覚えてしまって、それらを会話に応用することが出来るようにもなります。

2-6. 中国語脳が身体にインストールされる

大人にとっての外国語学習は、母国語を介して論理的に学ぶことが不可欠で、シャドーイングは母国語と学習言語を統合するための練習といえます。学習言語と母国語というそれぞれの糸を糾える縄のように編み込んでいく作業でもあります。

各単語/各単文の読み方/ネイティブの発音/意味/文法的役割を把握しながらシャドーイングすることで、中国語を扱うための脳が形成されていきます。

3.シャドーイングの準備

3-1.用意するもの

・ネイティブによる音源
・音源のスクリプト(台本)
・音源を再生する機械

シャドーイングの第一歩はまず教材選びです。選ぶべき教材としては、自分のレベルにあったもの、平易に感じられるもの、もしくは過去に学習したことがあり、内容を把握している題材のものを選んでください。

一番いいのは音源付きの語学学習用の教材です。
音源を再生する機材は、ICレコーダーを特におすすめします。(シャドーイングにICレコーダーが最適である点は5章でお伝えします。)しかし、すぐに用意できない場合など、スマートフォンやパソコン、MP3プレーヤー、カセットデッキでもOKです。

シャドーイングに使うアイテムについては、以下記事の「4-3. シャドーイングに使うアイテム」で詳しくご紹介しています。

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3-2. まずは2~3回聞いてみる

初めて触れる題材のものであれば、予備知識なしにどれくらい理解できるのかを確認してみましょう。2~3回は聞いてみてください。

3-3. 読み方を調べる

まず本文をざっと読み、内容を理解します。

文章の中に読めない漢字/単語があれば、

・ピンインと声調記号を把握しておく
・三声が連続する場合に二声に変調する箇所を把握しておく
・「一」や「不」の変調を把握しておく
・教材音声を参考に、区切りを入れる箇所には「/ (スラッシュ)」を入れておく

など、文章すべての読み方を把握しておきましょう。

以下のように教材に記号を書き込んで「楽譜化」するのもおススメです。重要な文法表現や語句には本文にマーカーを引くなどします。

シャドウイング楽譜

3-4. 意味を調べる

意味がわからない単語や成語、慣用句などが出てきたら、その意味はすべて調べて把握しておきましょう。

3-5. 文法(語順)を把握しておく

各単文の主語/述語/目的語/時間/場所/誰と/何に対して/結果(どうなったか)なども、シャドーイングや音読を始める前に把握しておきましょう。

3-6. 精読する

各単語/各単文の読み方/意味/文法(語順)などの下調べが終わったら、文章を小声でも構わないので声に出しながら、文章の細部に至るまで正確に理解できるように精読してみましょう。1回精読すれば十分です。

3-7. 音読する/リピーティング

シャドーイングを始める前に、スムーズにシャドーイングできるようになるために、つっかえる箇所を極力減らすため、音読かリピーティングで口を慣らしつつ、各単文を語順通りに聞ける準備をしておきましょう。

リピーティングとは、”教材の音声を一文、ないし途中の区切りのカンマまでを聞いたら一時停止し、その後に同じ内容を繰り返して発音する練習方法”です。

また、リピーティングは、文を覚えるのに適している練習方法です。こなした回数が多いほど文そのものを覚えやすくなっていきます。

音読は、発音が既にある程度以上出来上がっている人向けなので、声調のコントロールが未完成であるなら、リピーティングの方がオススメです。

4.シャドーイングのやりかた

ここまで準備ができたら実際にシャドーイングをしていきます!

4-1. テキストを見ながらシャドーイング

テキストを見ながら音声のマネを意識し、シャドーイングします。最初のうちはピンインを見ながらシャドーイングでも構いません。慣れてきたら漢字のみを見ながらシャドーイング出来るようにしましょう。回数の目安は3~5回くらいです。

もし、スピードが速く感じて音声についていけない、もしくはついていくのがやっと、と感じている場合はスピードを遅くしてください。0.8倍速程度に落としてから取り組むといいでしょう。日本人の語学学習の良くない特徴のひとつは、”お手本通りにやらなければならない”という強迫観念があることです。

お手本のスピードについていけないからと、無理についていかないよう心がけてください。

4-2. テキストを見ないでシャドーイング

取り組んだ課文のシャドーイングのゴールとしては、テキストを見ずシャドーイングすることです。シャドーイングしながら、その中国語文がしっかりイメージできたり、意味も想起しながら取り組めればバッチリですね。

また、文章の内容に感情移入しながら、読み聞かせするように発声してみるのもおススメです。感情がともなう記憶は忘れにくく、文章中の単語や文法ルールなどの定着につながります。

一周目でここまで出来ていなくても大丈夫です。二周目で出来るようになっていれば十分でしょう。

4-3. ながら練習も

テキストを見ずともシャドーイングできるようになったのであれば、家事をこなしながら、運動しながら、散歩しながらでも練習するようにしましょう。それによりスキマ時間の活用もより効果の高いものになります。

しかしながら、”ながら練習”に使用する教材は、テキストを見ないでもシャドーイングできるようになった教材に限定しましょう。

5.シャドーイングの注意点

5-1 シャドーイングの前に発音トレーニング

シャドーイングは、全く学習ゼロのレベルの人には向いていません。シャドーイングの練習を始める前に必ず行わなければならないのは、発音トレーニングです。

英語の場合、カタカナ英語が染み付いていると、うまくシャドーイングできません。ネイティブのような発音を心がけ、集中的にトレーニングします。

中国語なら、正しい発音をマスターするべく、まず声調とピンイン表でトレーニングします。声調の20パターンの組み合わせを徹底的に練習し、その後ピンイン表を使って発音練習を行います。

中国語のシャドーイングに取り組む前には、こちらの記事をご覧ください。

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5-2.題材のレベル

中国や台湾のドラマや映画を中国語のまま理解できるようになりたい、という動機で学び始めている方も多いですが、シャドーイングの題材としていきなりドラマを選ぶことはオススメできません。

シャドーイングは上述の通り、学習する中国語文章の各単語/各単文の読み方/意味/文法を下調べした上で読むことが欠かせません。

これがあまりにも現状のレベルとの差異があると、単文や文章への理解が追いつかずに母国語と中国語を統合させるようなシャドーイングができないため、ドラマや映画・ニュースなどの上級者向けのものを題材としては選ばないようにしてください。

初心者向けの参考書については以下の記事もおススメです。

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5-3.集中する

シャドーイングを繰り返しこなしていると、口は当然疲れるものの、上述の通り、脳内に中国語の文や意味を想起(イメージ)しながらこなすために、集中力を要します。したがって、口以上に頭が疲れるはずです。

もし頭が疲れないのであれば、集中しきれておらず、中国語文や意味のイメージが仕切れていないのかもしれません。

5-4.キチンとした発音で

リスニングやスピーキングを向上させるシャドーイングは、ネイティブにちゃんと通じる発音でこなしましょう。

「zi」や「zu」などの似ている発音もしっかり言い分けられることが出来なければ、その違いを聞き分けるのは難しいですし、発音するときもネイティブにちゃんと通じるように発音することも難しいでしょう。

 

発音については以下の記事でも詳しく解説しています。

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5-5.毎日継続する

リスニングにしてもスピーキングにしても、学んだ単語や文法などの知識を実際の会話で使えるようにするためには、”知識だけある状態”では足りず、日々の練習を通して”身体が覚えている状態”を作り上げる必要があります。

知識だけを身につけるだけであれば、多少間が空いたりしても問題ないものの、身体が覚えるにはやはり日々コンスタントに練習し続けるのは必須です。

5-6.繰り返す

文章ひとつあたり、10回~30回ほどひとまずシャドーイングをこなしたならば、何周か繰り返しましょう。仮に、ひとつの文章を100回読むとしても、1度に100回読むよりも、一周を10回~20回で、五周から十周ほど繰り返す方が効果的です。

その方が文も覚えやすいですし、一周で100回も読み込むと疲れるだけでなく単調になりやすいでしょう。

5-7.ヘッドホンを使う

周りの音に教材音声の声をかき消されないように、また、自分の声が被さってしまわないように、ヘッドホンかイヤホンを使用しながら練習するようにしましょう。

5-8. 時折録音して自分でチェックする

自分ではちゃんと発音しているように感じていても、実際には出来ていないことが多いです。ですから、時折自分のシャドーイングを録音してきいてみて、教材の音声との違いや間違いの有無などをチェックする習慣を身に付けてください。

人間はそもそも自分の声を聞くのが苦手な生き物のため、自分自身の外国語練習の録音などしたくはないかもしれませんが、発音の出来を第三者的にチェックすることは、その後の発音の上達度合いに大きく影響します。

不慣れな頃は下手に聞こえてイヤになるかもしれませんが、段々と慣れてきて聞けるようになっていきます。

”我慢できるようになった=上達している”とも言えます。

6.シャドーイングにオススメの教材

6-1.シャドーイングに適した教材選びのポイント

シャドーイングの教材は、ある程度の長さの文章と音声ファイル(CDなど)が付属しているものが適しています。

シャドーイングには適した教材が必要です。次のことに留意して、教材を選定しましょう。

①適度な分量であること

望ましいのは5分程度の文章です。会話よりも文章がいいです。まずは1分、次に5分と、完璧にシャドーイングできる内容を増やしていきましょう。「6-2 おすすめの教材
」でご紹介する教材を参考にしてください。

②適切なレベルであること

レベルが自分に合っていないと、取り組む意欲が失われます。ごく簡単なレベルから始めてみて、レベルを上げて行きましょう。

③会話文ではない、長文やスピーチ

会話文をシャドーイングの教材で使うと、喋り手が変わる度に意識がプツップツッと切れてしまいます。

④音源のスピードが適正であること

ナチュラルなスピードが難しければ、再生スピードを落としてやってみます。あやふやなまま真似しても、あやふやな力しか身につきません。

⑤意味を理解できること

日本語訳が付いているものを選びます。意味を理解しないままシャドーイングしても意味がありません。

以上のポイントに注意して、シャドーイング教材を選びましょう。

6-2.シャドーイングにおススメの教材


本書は、中国語の会話力を効果的に鍛えるための入門書です。シャドーイング(音声に続いて発話する練習法)と音読を活用し、初級者向けに基礎的なフレーズや日常会話が厳選され、音声付きで実践的な学習が可能。中国語をスムーズに話せるようになりたい方におすすめの一冊です。

参考書についてはこちらの記事もおススメです。

【2025年版】中国語のオススメ参考書をプロが厳選!|発音、単語、文法、HSK…
中国語を勉強しようと決めて、書店で参考書を選ぼうとするも、「たくさんありすぎて、どれを選んだらいいか分からない。」そんな経験をした人は多いのではないでしょうか。今回は、中国語を効率よくマスターするため、プロがオススメする参考書を、分野別に紹介します!自分に合う1冊が見つかれば、学習期間を通して、長く使うことができます。こちらの記事を参考に、ぜひ自分にとって最適な1冊を選んでくださいね。1. 分野別オススメの参考書中国語を勉強するとき、参考書は欠かせないアイテムの一つ。たくさんある参考書の中からどれ...

7.ドラマやニュースでシャドーイング

興味のある内容であれば、シャドーイングも楽しくて積極的にこなすようになるかもしれません。

ドラマやニュースのシャドーイングにうってつけのものがあるので、ここでご紹介します。

7-1. Language Reactor

これはNetflixに、日本語と中国語の両方の字幕を表示できるようになるWebブラウザの拡張機能です。ただ、劇中に両方の字幕を表示させられるだけでなく、セリフすべてをExcelにエクスポートすることが出来ます。

そのExcelファイルを「Anki」や「Quizlet」のような暗記ツールにインポートすれば、ドラマや映画のセリフを暗記用単文教材に変換させることができる便利な拡張機能です。もともとはGoogle Chrome限定の拡張機能でしたが、今ではEdgeやFirefoxなどでも利用可能です。

7-2. CCTV「新闻联播」

中国中央テレビのニュース番組「新闻联播」にはニュース原稿のスクリプト付き動画があります。それを使えば、実際に放送されたニュースの内容をシャドーイングやディクテーションの練習材料として使用できます。

参考例:
https://tv.cctv.com/2025/01/17/VIDEoOtAmd4xbJYYHN0SxSQP250117.shtml?spm=C31267.PXDaChrrDGdt.EbD5Beq0unIQ.5
※動画の下にスクリプト(原稿)があります。

7-3. 音読さん(Ondoku)

 

文章読み上げアプリの「音読さん」もオリジナルの音声教材をつくるツールとして非常に便利です。読み上げ音声はAIではあるものの、非常に自然な感じで読み上げるため、音声のない教材だけど自分が上達したい、使えるようになりたい分野の本を使って独自の音声教材を作成することも可能です。

中国のドラマやアプリなど以下の記事でもご紹介しています。

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よくある質問

シャドーイングはどうして効果があるのですか?

シャドーイングは「耳で聞く・目で読む・口に出す」の3つをいっぺんにやる学習法なので、繰り返し練習することで、リスニング力、発音とイントネーション、スピーキング力、単語やフレーズの定着の効果が期待できます。

シャドーイングの効果が表れるのはいつ?

シャドーイングを始めるには、文章の発音と意を理解しておく必要があります。そのため、中国語初学者の場合はまず、発音から練習するのがおススメです。その上でシャドーイング練習を始めると、1ヶ月~3ヶ月程で効果を感じられると思います。

シャドーイングで口パクでもいいですか?

口パクのシャドーイングでも一定の効果はありますが、声を出した場合と比べると限定的です。リスニング力、スピーキング力、自分とネイティブとの発音の比較など更に効果を得たい場合は、小声でもよいので声を出してのシャドーイングがおススメです。

シャドーイングは1日どれくらいすればよい?

ご自身のレベルや状況にもよりますが、1日10分~30分程度がおススメです。以下シャドーイング練習の目安にしてみてください。

1.初心者(発音や声調に慣れる段階)時間:1日10~15分

ポイント:短い音声素材(1~2分程度)を選び、何度も繰り返す。声調や発音を特に意識し、聞いた音を忠実に真似る

ご自身のレベルや状況にもよりますが、1日10分~30分程度がおススメです。以下シャドーイング練習の目安にしてみてください。

2.中級者(リスニング・スピーキング力を強化する段階)時間:1日15~30分

ポイント:少し長め(3~5分)の音声素材を使用。文全体の意味を考えながらシャドーイングを行う。

3.上級者(流暢さや自然な表現を目指す段階)時間:1日30~60分(分割して行うのがおすすめ)

ポイント:ニュースやポッドキャストなど、難易度の高い音声素材を使う。意味、イントネーション、リズムなどをすべて意識してシャドーイングする。

シャドーイングの難易度は?

シャドーイングの難易度は、学習者のレベルによっても大きく変わります。特に中国語は、声調や発音の違いが意味に大きく影響してくるので初めは難しく感じるかもしれませんが、順序良く学習を進めることで大きな効果を得ることができます。自分にあったレベルの教材を使って焦らず練習をしてみてください。

発音練習には以下の記事もおススメです。

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まとめ

これまで解説してきた通り、シャドーイングは語学学習を最短で成功に導く、効果確実な練習法です。

是非この記事を参考にしながら、中国語のシャドーイングに取り組んでみてください!

記事をお読みいただきありがとうございました。

中国語ゼミ読者のみなさまは、

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・中国ゼミでは日本人が効率よく中国語をマスターするためのノウハウをすべてご紹介しています。ぜひ実践してください。

中国語勉強法 - 短期間で中国語を学習する方法【1万人の実績】
効率よく中国語を勉強したいあなたのために、中国語の勉強とは、どういうものなのかという一番基本的なことから解説し、おすすめの中国語勉強法や短期間で中国語を習得するためのノウハウをたくさん盛り込んだ、中国語学習に関する最強の記事をお届けします。この記事ではこの記事で解説している中国語勉強法は、筆者である私(フルーエント中国語学院学長 三宅裕之)が中国語の勉強を一切せずに中国へ留学し、たったの5ヶ月で中国の大学入学レベルの中国語を習得した「人生を変えた学習法」を基に、10,000人以上の中国語学習者を指導...

・中国語は発音が重要!この記事では初心者にもわかりやすく解説しています。

中国語の発音基礎|効果的なトレーニング方法|動画・音声付
中国語は、「発音」ができれば、日本人にとって習得が簡単な言語です。私(ヨーロッパ在住MC)は、中国語を勉強し始めのころ、アジア食材店で「我是日本人(Wǒ shì rì běn rén)。私は日本人です。」と言っても通じず、とても悔しい思いをしました。いくら勉強しても、話せて通じなければ意味がありません。今やオンラインで中国語を話す機会も簡単に見つけられます。中国語がわかると日常生活でも役立ちます。この記事では、中国語の「発音」に焦点を当て、実際に私が活用した効率的な学習法を紹介します。1. はじめに知っておくべき4...

・勉強のコツのヒントが得られるかもしれません。フルーエントにて中国語を学習されている受講生の声はこちら

中国語ゼミ編集部

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編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
効率的な勉強法や挫折しないためのコツをお伝えします。
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