シャドーイングで語学をマスターする方法

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「HSKや中検には合格したのに、リスニングは自信がない」

「ネイティブのスピードについていけない」

「発音が通じず、聞き返される」

もし当てはまるなら、原因は努力不足ではなく学習の配分かもしれません。筆者の私(ひー:HSK6級/中国語トレーナー歴7年)も伸び悩んだ時期を経て、効果を実感できたのがシャドーイングでした。この練習を軸にしたことで、仕事で中国語を使う場面でも困らないレベルまで引き上げられました。

本記事では、発音とリスニングを伸ばすためのシャドーイングの正しいやり方(5ステップ)と、続けやすいおすすめ教材を紹介します。

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シャドーイングは、
中国語を伸ばす最強トレーニングの一つです。

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1.シャドーイングとは?

シャドーイングとは

「シャドーイング」とは、「聞こえてくる音声を、聞こえたとおりに発声していく」という語学学習法です。影のように追いかけ、真似して発声するので「Shadowing(シャドーイング)」というわけです。

外国語を習得するための練習方法として、どの言語の学習者にとっても不可欠なもので、学んでいる教材の音声を聞きながら、0.3秒ほど遅れて自分でも同じ内容を口から発する練習方法です。

ネイティブの話している言語を聞くことで”音声を知覚する力を育て、知覚した単語や表現、構文を声に出して反復練習し、外国語を話すシミュレーションも兼ねているため、リスニング力とスピーキング力の両方を同時に鍛えられる一石二鳥の練習法なのです。

<シャドーイングのイメージ>

■中国語の場合のイメージ

(元の音声)我是日本人 我不是日本人…
(自分の発声) 我是日本人 我不是日本人…

一見難しそうに見えますが、母国語である日本語の文章なら出来るかと思います。 母国語のように、外国語を外国語のまま理解し、同じように発声するだけだとイメージして練習してみてください。

2.なぜ「中国語」にシャドーイングが最も効果的なのか

多くの日本人学習者は、“漢字の読み書きができる”という武器があるため、「読んで理解する(リーディング力)」のレベルは非常に高いです。しかし、「音(発音・リスニング)」のトレーニング量は逆に圧倒的に不足しているのが現実です。

この「音と文字のギャップ」を埋め、「中国語を中国語のまま理解する脳(中国語脳)」を効率よく作り上げていくトレーニング、それが「シャドーイング」なのです。

2-1.脳内に「中国語の回路」を作る(リスニング向上)

大人にとっての外国語学習は、母国語を介して論理的に学ぶことが不可欠で、シャドーイングは母国語と学習言語を統合するための練習といえます。

学習言語と母国語という2本の糸を一本の縄に編み込んでいく作業、それがシャドーイングです。
単語や短文ごとの読み方、ネイティブの発音、意味、文法的な役割を意識しながら繰り返すことで、中国語を扱うための「中国語脳」が少しずつ形づくられていきます。

その過程で語順感覚も身に付きますし、語彙も単なる単語暗記で終わらず、読み方や発音の仕方、意味を使える形で増やしていくことができます。

こうした内容全体を総合的に把握しながら聴くことで、リスニング力も自然と向上していきます。

2-2. ピンイン・声調・リズムが矯正される(発音改善)

ネイティブの中国語をマネしながら練習するため、ピンインや声調だけでなくリズムや抑揚の付け方などを改善することができます。

例を挙げると、中国語発音の特徴のひとつでもある”三声が2つ以上連続する場合”や「一」「不」の声調の変化も、頭で考えるより先に自然な変調が出来るようにもなります。

「声調の変化」については、以下記事の”3-3. “一”と“不”の声調変化に注意する”で詳しく解説しています。

2-3. 会話の瞬発力が上がる(スピーキング効果)

同じ文章を繰り返し発音し続けることで、外国語を話すための口が作られていきます。その効果によって、会話のために発する文も発音しやすくなり、一部の表現はそのまま暗記できてしまえることもあります。

極端な例としては、同じ文章を数百回もシャドーイングや音読をし続けると、覚える気がなくとも勝手に全文覚えてしまって、それらを会話に応用することが出来るようにもなります。

受講生の声

3.【完全ガイド】中国語シャドーイングの正しいやり方(5ステップ)

ステップ1:【素材選び】自分のレベルより”少し簡単”なものを選ぶ

・ネイティブによる音源
・音源のスクリプト(台本)
・音源を再生する機械

シャドーイングの第一歩はまず教材選びです。選ぶべき教材としては、自分のレベルにあったもの、平易に感じられるもの、もしくは過去に学習したことがあり、内容を把握している題材のものを選んでください。

一番いいのは音源付きの語学学習用の教材です。 音源を再生する機材は、ICレコーダーを特におすすめします。(シャドーイングにICレコーダーが最適である点は5章でお伝えします。)しかし、すぐに用意できない場合など、スマートフォンやパソコン、MP3プレーヤー、カセットデッキでもOKです。

ステップ2:【精読】読み方・意味と文構造を理解する

まずはテキストを見ずに2〜3回聴いてみて、どのくらい理解できるかチェックしてみてください。そのうえで、わからない箇所をなくしていきます。

文章の中に読めない、意味が分からない漢字/単語があれば、

・ピンインと声調記号を把握しておく

・三声が連続する場合に二声に変調する箇所を把握しておく

・「一」「不」の変調を把握しておく

・教材音声を参考に、区切りを入れる箇所には「/(スラッシュ)」を入れておく

など、文章すべての読み方を把握しておきましょう。

 

シャドウイング楽譜

また、各単文の主語/述語/目的語/時間/場所/誰と/何に対して/結果(どうなったか)なども、シャドーイングや音読を始める前に把握しておくことも重要です。

ステップ3:音読する/リピーティング

シャドーイングを始める前に、スムーズにシャドーイングできるようになるために、つっかえる箇所を極力減らすため、音読かリピーティングで口を慣らしつつ、各単文を語順通りに聞ける準備をしておきましょう。

リピーティングとは、”教材の音声を一文、ないし途中の区切りのカンマまでを聞いたら一時停止し、その後に同じ内容を繰り返して発音する練習方法”です。

また、リピーティングは、文を覚えるのに適している練習方法です。こなした回数が多いほど文そのものを覚えやすくなっていきます。

音読は、発音が既にある程度以上出来上がっている人向けなので、声調のコントロールが未完成であるなら、リピーティングの方がオススメです。

ステップ4:テキストを見ながら音声に合わせて読む

テキストを見ながら音声のマネを意識し、シャドーイングします。最初のうちはピンインを見ながらシャドーイングでも構いません。慣れてきたら漢字のみを見ながらシャドーイング出来るようにしましょう。

回数の目安は3~5回くらいです。もし、スピードが速く感じて音声についていけない、もしくはついていくのがやっと、と感じている場合はスピードを遅くしてください。

0.8倍速程度に落としてから取り組むといいでしょう。日本人の語学学習の良くない特徴のひとつは、”お手本通りにやらなければならない”という強迫観念があることです。

お手本のスピードについていけないからと、無理についていかないよう心がけてください。

ステップ5:テキストを見ずに音声に合わせて読む

取り組んだ課文のシャドーイングのゴールとしては、テキストを見ずシャドーイングすることです。シャドーイングしながら、その中国語文がしっかりイメージできたり、意味も想起しながら取り組めればバッチリですね。

また、文章の内容に感情移入しながら、読み聞かせするように発声してみるのもおススメです。感情がともなう記憶は忘れにくく、文章中の単語や文法ルールなどの定着につながります。

一周目でここまで出来ていなくても大丈夫です。二周目で出来るようになっていれば十分でしょう。できれば、その様子を録音し、自分で聞き返しながら修正していく改善習慣を身に着けていってください。

4.失敗しないためのコツと注意点

シャドーイングは非常に効果的な練習方法ですが、やり方を間違えると効果があまり期待できないため、以下のことに気を付けながら取り組んでください。

①適度な分量であること
初級者なら長くても1分程度。上級者でも5分程度の文章がいいでしょう。

②適切なレベルであること
レベルが自分に合っていないと、取り組む意欲が失われます。

③会話文ではない、長文やスピーチ
会話文をシャドーイングの教材で使うと、喋り手が変わる度に意識がプツップツッと切れてしまいます。

④音源のスピードが適正であること
ナチュラルなスピードが難しければ、再生スピードを落としてやってみます。

⑤意味を理解できること
日本語訳が付いているものを選びます。訳の無い文書はAI翻訳を使って訳してもいいと思います。

4-1. 集中力が必要なため疲れる

シャドーイングを繰り返しこなしていると、口は当然疲れるものの、上述の通り、脳内に中国語の文や意味を想起(イメージ)しながらこなすために、集中力を要します。したがって、口以上に頭が疲れるはずです。

もし頭が疲れないのであれば、集中しきれておらず、中国語文や意味のイメージが仕切れていないのかもしれません。こうしたことから、オススメの練習時間帯は体力がある朝です。

4-2. 「意味の分からない箇所」を放置しない

人間の脳は、意味のない音の羅列を記憶することができません。

「音は追えるものの、意味は全く頭に入ってこない」という状態のシャドーイングは、単なる口の体操になっているだけで、中国語力の向上にはつながっていません。

もし、シャドーイング中に意味が飛んでしまうようであれば、上述のステップ2「【精読】読み方・意味と文構造を理解する」に戻るか、教材のレベルを下げてください。

4-3. 「声調」などなどの発音をおろそかにしてスピードだけ追わない

ネイティブのスピードについていこうとして、発音が崩れてしまっては本末転倒です。特に中国語は声調が命です。スピードだけ速い不明瞭な発音を口に出すよりも、スピードを落としてでも、正確な成長で発音する方が100倍効果があります。

最近の音声再生アプリには速度変更機能があります。最初はゆっくりからはじめて、徐々にノーマルスピードに近づけていきましょう。

4-4.1日5分でも毎日続ける

シャドーイングは「筋トレ」に近いかもしれません。週末にまとめて3時間やるよりも、毎日15分し続ける方が効果がでます。毎日継続する方が、記憶も維持しやすいです。

ですが、シャドーイングは毎回「勉強の時間」として机に向かってこなす必要はありません。家事をしながら、お風呂に入りながら、歩きながらこなすことも可能です。

外出中は他の人から変に思われないようマスクをしながら小声で行うなどの工夫も必要にはなりますが。生活の一部に溶け込ませると、続けやすいですね。

5.レベル別・中国語シャドーイング オススメ教材・アプリ

シャドーイングの教材は、ある程度の長さの文章と音声ファイル(CDやダウンロード可能なデータ)が付属しているものが適しています。次のことに留意して、教材を選定しましょう。

以上のポイントに注意して、シャドーイング教材を選びましょう。

5-1.初心者向け:

シャドーイングと音読を活用し、初級者向けに基礎的なフレーズや日常会話が厳選されています。

解説が豊富で、文法や文の構造をしっかり理解しながら進められる有名な総合教材

中国語入門の決定版で、はじめの一歩をこの教材からスタートする学習者はとても多いです。

5-2.中級者向け:

入門編を終えてから活用する本として最適です。

特に中検2級やHSK5級以上を目指す方向けの中国語学習書。HSK6級目安となる5000語の9割以上を本書がカバーしています。

HSK5級の新出語彙1300語を収録した短文・長文を豊富に掲載。問題形式に沿った難易度と内容で、実践的な学習が可能です。

5-3.上級者向け:

HSK6級レベルの単語を72の興味深い文章で、効率良く自然に習得できます。

中国語検定準1級・1級のリスニング対策に特化した問題集で、最難関レベルの合格を目指せます。

中国語学習を「聴く」ことに重点を置いた月刊誌です。多様なコンテンツで、中国の文化や時事に触れながら楽しく中国語を学べます。

ドラマ・映画・ニュースなどの生素材

・YouTubeの字幕表示機能を利用して動画に合わせて練習する。

・CCTV(中国中央テレビ)のサイトで、スクリプトのあるニュースで練習する。

・これから紹介する「Language Reactor」を使い、NETFLIXで配信されている中国ドラマや中国映画でドラマを教材化する

といったこともいい方法です。

5-4.ツール紹介:

Language Reactor

URL:https://www.languagereactor.com/

これはNetflixやYouTubeに、日本語と中国語(学習している言語)の両方の字幕を表示できるようになるWebブラウザの拡張機能です。ただ、劇中に両方の字幕を表示させられるだけでなく、セリフすべてをExcelにエクスポートすることが出来ます。

そのExcelファイルを「Anki」や「Quizlet」のような暗記ツールにインポートすれば、ドラマや映画のセリフを暗記用単文教材に変換させることができる便利な拡張機能です。もともとはGoogle Chrome限定の拡張機能でしたが、今ではEdgeやFirefoxなどでも利用可能です。

<主な機能>

・再生速度を変えられる

・中国語と日本語の字幕を同時に表示する

・単語にマウスカーソルを合わせれば意味が表示される

・ワンクリックで同じセリフを繰り返し再生できる

このようなツールなので、語学学習者(特に英語)からは神ツールとも呼ばれています。

中国のドラマやアプリなど以下の記事でもご紹介しています。

※Language Reactorについて画像付きで解説しています

よくある質問

全くの初心者でもやっていいですか?

まだ早いです。まずは「リピーティング」から始めましょう。発音の基礎(ピンイン・声調)が身についていない段階でシャドーイングをすると、誤った発音のクセがついてしまうリスクがあります。初心者のうちは、音声を一度止めてからマネする「リピーティング」を行い、一音一音丁寧に発音することをおススメします

口パクでも効果はありますか?

口の形を作るトレーニングとしては有効ですが、自分の耳で自分の声を聴くセルフフィードバックが抜けてしまうため、その分学習効果は半減してしまいます。どこかでは必ずしっかり声を出す、というトレーニングは必要です。

どのくらいの期間で効果が出ますか?

毎日30分ほど続けていれば、3〜4か月で聴ける内容が増えている実感を味わえます。

個人差はありますが、慣れてくるとネイティブの話している内容で聴けるものが増えてきます。はじめてからしばらくは停滞期が続くと思われますが、そこを抜けるとブレイクスルーが待っています。私もそうでした。まずは最低でも3か月は続けてみてください。

まとめ

今回は、中国語シャドーイングの正しいやり方と、その効果について解説してきました。シャドーイングは、決してラクな学習方法ではありません。頭も口も疲れます。

しかし、「負荷がかかっている=脳が成長している」ともいえます。これまで聞き流すだけのリスニング学習で効果が出なかった方も、ぜひ今日から、この「能動的トレーニング」を取り入れてみてください。

記事をお読みいただきありがとうございました。

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中国語ゼミ編集部

中国語の初心者~上級者向けの学習サイト。中国語の勉強法、検定試験、中国語の表現、中国のビジネスや文化について定期発信。
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編集部のスタッフはの在住地も中国・日本・ヨーロッパと様々です。フルーエント中国語学院(https://fluent.asia/tsushin/)の
現役トレーナーも執筆しています。ゼロから中国語の勉強をスタートさせて、HSK6級や旧HSK7級を取得した上級者だからこそわかる、
効率的な勉強法や挫折しないためのコツをお伝えします。
今やどこでも学習できる時代!中国語や中国文化に興味ある仲間を増やすことが私たち中国語ゼミの願いです!

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