日本を訪れる中国人観光客が年々増える中で、マナーに関する話題が取り上げられることがあります。この記事では、実際に見られる事例とその背景、そしてより良い関係を築くための工夫を紹介します。
せっかく日本に来てくださる中国の方々と、気持ちの良い交流を持つためのヒントとして、ぜひご活用ください。
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1 大声で話す
日本でも、中国人の旅行者の増加に伴い、中国語を耳にする機会が増えていますが、中国人の会話にうるさく感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらの動画では、中国語がうるさく聞こえてしまう理由と、うるさい時にどのように伝えたら良いかを解説しています。併せてご覧ください。
1-1 正しい対処法no-toc
1-1-1 お店の人は直接注意しない
中国では、「料金を支払っている側を重んじる」という考え方が比較的強い傾向があります。そのため、状況によっては、店員が直接注意することで相手に不快感を与えてしまう場合もあります。
そのような場合は、お店としてあらかじめ目に入りやすい場所に案内文を掲示しておくと、角が立ちにくく、現実的な対応と言えるでしょう。メニューやテーブル周りだけでなく、入口付近にも掲示しておくとより効果的です。
なお、やむを得ず口頭で伝える場合は、次のような表現を使うと比較的丁寧に伝えることができます。
| 周りのお客様のご迷惑になりますので、お静かに願います。 zhèyàng huì dǎrǎo qítā kèrén qǐng nín bǎochí ānjìng 这样会打扰其他客人,请您保持安静。 ヂァヤン フゥイ ダーラオ チーター クァレン チン ニン バオチー アンジン |
このようなご案内を掲示する際には、中国語のみの表記に偏らないよう注意が必要です。中国からのお客様にとっても、他の言語と併記されている方がより自然で、配慮が感じられます。少なくとも英語は一緒に記載しておくことをおすすめします。
Please be mindful of other customers and enjoy quietly.
这样会打扰其他客人,请您保持安静。
1-1-2 周りの人が注意する
電車などの公共の場で気になる行動があった場合は、遠回しな表現よりも、やんわりとでもはっきり伝える方が中国語では伝わりやすいことがあります。中国語では明確に伝えることが一般的で、それが失礼と受け取られることも少ないのです。
| こんにちは。申し訳ありません。お声が少々大きいようですので、小声で話していただけませんか? nǐhǎo bù hǎoyìsī nǐmen de shēngyīn yěxǔ yǒu diǎnr dà qǐng xiǎoshēng diǎnr shuō kĕyǐ ma 你好,不好意思,你们的声音也许有点儿大,请小声点儿说可以吗? ニーハオ ブーハオイー スー ニーメン デァ シォンイン イェシュ ヨウ ディァー ダー チン シァォシォン ディェンァー シュォ クァイー マー |
注意を伝える際には、以下の2つの点を心がけると、よりスムーズに受け入れてもらいやすくなります。
・まず「你好」の一言を忘れずに
いきなり指摘されると、たとえ自分に非がある場合でも、少し身構えてしまうものです。まずは「你好」と笑顔で声をかけることで、相手に敵意がないことを伝えましょう。ちょっとした心配りが、コミュニケーションの雰囲気を大きく和らげます。
・周囲に配慮して静かに伝える
中国では「面子(メンツ)」をとても大切にする文化があります。そのため、人前で指摘されると、思わず感情的になってしまうこともあります。できるだけ小さな声で、他の人に聞こえないように伝えることで、相手の気持ちに配慮した伝え方ができます。
1-2 大声で話す原因を考えるno-toc
1-2-1 中国語の語学構造の問題
中国語ははっきり話さないと相手に通じにくい言語であることは確かです。例えば四声。中国語には同音異語が多く、イントネーションを正しく発音しなければ全く別の意味になってしまいます。また、子音にも有気音と無気音の違いや破裂音、北方独特のR音など、はっきり発音しなければ通じない音がたくさんあるのです。
1-2-2 大声で話すことはいいことだという感覚
中国では、子どもの頃から「大きな声で読む」「はっきりと答える」ことが大切だと教えられます。声の大きさは、元気さや積極性のあらわれとされ、明るく好印象を与えると考えられているのです。
こうした感覚は、実は中国だけのものではありません。欧米の国々でも、はっきりとした話し方が好まれたり、大きな声がエネルギッシュな印象を与えるとされることがあります。一方で、例えばイギリスのように、控えめで落ち着いた話し方が美徳とされる文化もあり、国によって価値観はさまざまです。
2 列に割り込みをする
2-1 正しい対処法no-toc
2-1-1 きちんと注意する
中国からの観光客の中には、日本語や英語があまり得意でない方も少なくありません。そのため、もし何かを伝える必要がある場合は、中国語で話しかけてみると、よりスムーズにコミュニケーションがとれるでしょう。
| 列に並んでください。 qǐng páiduì 请排队。 チン パイドゥイ |
排队(páiduì パイドゥイ)は列に並ぶという意味を表す、非常に便利な言葉です。「私は並んでいる=我排队了」(wǒ páiduì le ウォ パイドゥイ ラ)だけでも十分意味が通じます。
2-1-2 伝わりにくいときは「大家」を使ってみる
もし、声をかけてもなかなか反応がなかったり、うまく伝わっていないと感じた場合は、「大家〜(みなさん〜)」という呼びかけを使ってみるのも一つの方法です。
| 他の人はみんな並んでいるんだけど! dàjiā dōu zài páiduì ne 大家都在排队呢。 ダージャ ドウザイ パイドゥイ ヌァ |
中国人はメンツを大切にしますから、「あなた以外の他の人はみんな」=大家(dàjiā ダージャ)というフレーズは大変効果的です。ちなみに最後に付く呢(ne ヌァ)は、日本語で言う「〜なのになぁ」を意味する、語気を和らげる言葉。きつい表現にならないので便利ですね。
2-2 列に並ばない背景にある文化的な事情no-toc
2-2-1 昔の習慣が抜けない
かつての中国の駅では、窓口に多くの人が一斉に押し寄せるような光景が見られることもありました。列に並んでいても割り込みが多く、自然と「並んでも意味がない」と感じてしまうこともあったようです。
ただ、時代とともにこうした状況も大きく変わり、現在では駅でも整然と列に並ぶのが一般的になっています。もちろん、今でもたまに割り込む人が見られることもありますが、そうしたケースは少なく、比較的年配の方に見られる傾向があるようです。
2-2-2 割り込みの背景と私たちにできること
列ができていることに気づいていないふりをして、つい割り込んでしまう方がいるのも現実としてあるようです。また、日本では、外国語を話す相手には遠慮してしまい、声をかけづらく感じる方も多いかもしれません。
ただ、多くの方は「本当はよくないこと」と感じているため、やさしく一言伝えるだけで、素直に列の後ろに回ってくれるケースも少なくありません。気になる場面に出会ったとき、勇気を持ってやんわり伝えることが、よりよいマナー意識を広げる一歩になるかもしれませんね。
3 トイレの使い方が汚い
中国のトイレ環境については、衛生面で日本と大きな違いがあることがよく話題になります。その背景には、利用者の多さや施設の整備状況といった環境的な要因に加えて、使い方に関する意識の違いも一因として挙げられるかもしれません。
3-1 正しい対処法no-toc
3-1-1 張り紙をする
トイレはプライベートな空間のため、直接声をかけることは難しいものです。そこで、マナーやお願いごとを伝える際には、張り紙を活用するのが効果的です。
トイレットペーパーは中国語で手纸(shǒuzhǐ ショウヂー)または卫生纸(wèishengzhǐ ウェイシォンヂー)ですが、広義の意味で、お尻を拭く紙全てを指します。つまり、持参のポケットティッシュも手纸であり、トイレ詰まりの原因になりかねません。したがって、トイレに備え付けのトイレットペーパーを利用してください、ということをきちんと伝える必要があります。
| 備え付けのトイレットペーパーを利用し、そのまま流してください。ゴミ箱に入れないようお願いします。 cèsuŏ zhuānyòng de wèishēngzhǐ shǐyòng wánhòu qǐng wù rēng jìn lājītŏng 厕所专用的卫生纸使用完后请直接扔在厕所里,请勿扔进垃圾桶。 ツァスォ ヂュァンヨン デァ ウェイシォンヂー シーヨン ワンホウ チン ヂージェ ロンザイ ツァスォリー,チン ウー ロン ジン ラージートン |
もちろん、張り紙をする際は英語を表記することを忘れずに。
Don’t throw the toilet paper away in the trash bin. Please place the toilet paper in the toilet and flush.
厕所专用的手纸使用完后请直接扔在厕所里,请勿扔进垃圾桶。
3-2 トイレの使い方が汚い原因no-toc
3-2-1 トイレットペーパーを流さないのは中国の生活習慣
「トイレットペーパーを流さずにゴミ箱に捨てる方がいて困っている」という声を耳にすることがありますが、これは中国の生活環境やマナー意識に基づく行動ともいえます。
中国では、下水管の太さが日本よりも細い場所が多く、トイレットペーパーを流すと詰まりやすいことから、「紙はゴミ箱に捨てる」習慣が一般的です。加えて、公衆トイレにはトイレットペーパーが備え付けられていない場合が多く、ポケットティッシュを持参して使う人がほとんどです。こうしたティッシュは水に溶けにくいため、流すと詰まりの原因になりやすいのです。
そのため、中国のトイレには紙を捨てるためのゴミ箱が設置されており、「紙は流さない」ことがマナーとして浸透しています。こうした背景を理解すると、行動の理由も見えてきます。
3-2-2 用を足した後に流さない
まれに、用を足した後に水を流さないケースが見られることもあります。中国でもすでに水洗トイレは広く普及しているため、単に習慣がないとは考えにくいでしょう。
原因を挙げるとするならば、日本の温水洗浄便座に対する過信。中国では温水洗浄便座(中国語では智能马桶 zhìnéng mǎtǒng ヂーノン マートン)が大人気で、爆買商品のひとつになっているほどですが、お尻を洗ってくれるくらいだから、自動でトイレ洗浄もしてくれるだろうと思い込んでしまう人もいるようです。使い方をしっかり伝えることが、こうしたすれ違いを防ぐ手助けになります。
4 ゴミを正しく捨てられない
4-1 正しい対処法no-toc
4-1-1 ポイ捨てには注意する
実は訪日中国人の大半は、ゴミをポイ捨てしてはいけないという認識を持っています。しかし、同時にゴミ箱がないことから、ゴミをどうしていいか苦慮した挙げ句、やむを得ず、ポイ捨てをしてしまう人も少なからずいます。本人に悪いことをしているという認識はあるのですから、きちんと注意してあげた方が親切ですね。
| ここではゴミのポイ捨ては禁止されています。 zài zhèlǐ jìnzhǐ luànrēng lājī 在这里禁止乱扔垃圾。 ザイ ヂァリー ジンヂー ルゥァンロン ラージー |
また、横浜市のように罰金を課す条例がある場合、それを伝えるとさらに効果的です(中華圏において罰金制度は非常にポピュラーで、シンガポールや香港でも美化維持のために罰金制度が導入されています)。
| もし違反すると2万円以下の罰金が科せられます。 rúguǒ yǒu wéifǎn nǐ bìxū jiǎonà liǎngwàn rìyuán yǐxià de fákuǎn 如果有违反,你必须缴纳2万日元以下的罚款。 ルーグゥォ ヨウ ウェイファン ニー ビーシュ ジャオナー リィァンワン リーユェン イーシァ デァ ファクァン |
4-1-2 ゴミの分別は行政用のチラシを利用する
ゴミの分別は外国人から見ると非常に複雑で、これを口頭で説明するのは至難の業です。ところで住宅用のゴミ捨て場の場合、大抵の自治体ではゴミ捨てのルールについてのパンフレットや張り紙を用意しています。したがって、それらを入手し、貼っておくのが唯一できる防衛策といえます。
なお、簡単な注意については覚えておくと便利ですね。
| ここに燃えるゴミを捨てないでください。 qǐng bú yào bǎ kěránwùpǐn diū zài zhèlǐ 请不要把可燃物品丢在这里。 チン ブーイャォ バー クァランウーピン ディゥ ザイ ヂァリー |
| ビンと缶とペットボトルは分けて捨ててください。 qǐng jiāng bōlípíng guàntóu hé PETsùliàopíng fēnkāilái diū qì 请将玻璃瓶、罐头和PET塑料瓶分开来丢弃。 チン ジィァン ブォリーピン グァントウ ファ PETスーリィァォピン フェンカイライ ディゥ チー |
4-2 ゴミを捨てにくい理由と背景no-toc
4-2-1 ポイ捨てに対する意識の違い
中国では、公共の場でのごみ捨てに対する意識が日本とは異なることがあります。特に以前は、車の窓からごみが投げ捨てられたり、灰皿の中身が路上にまかれたりする光景も見られました。(日本でもたまに見かけますが…)
近年では、こうした状況を改善するために、街中にごみ箱が多く設置されるようになってきており、少しずつ意識の変化が見られます。
4-2-2 ごみ分別の文化はこれから発展中
ごみの細かな分別については、まだ一般的な習慣として定着していない地域もあります。家庭ごみも、生ごみや缶・瓶、電池などをまとめて捨てるのが一般的な地域もあり、これには分別を専門に行う職業の存在が関係していると言われています。分別を進めすぎると、そうした仕事の機会を奪ってしまうのではという考え方も一部にはあるようです。
とはいえ、最近では都市部を中心に、ごみ分別の制度が導入され、分別意識も徐々に高まってきています。リサイクルごみと一般ごみを分けるごみ箱も街角で見られるようになり、「分ける」という意識が少しずつ根づき始めている段階です。
5 喫煙マナーが守れない
5-1 正しい対処法no-toc
5-1-1 路上の喫煙スペースを教える
中国では知っていることを相手に伝えないことは失礼とされます。したがって、歩きタバコをしている人を見つけたら、注意し、喫煙スペースの場所を教えてあげることは全く失礼な行為ではありません。勇気を出して、注意しましょう。
| こんにちは。ここではタバコは吸えませんよ。道路の向かいに喫煙スペースがあるので、そこで吸ってはいかがですか? nǐhǎo zài lùshàng búkěyǐ xīyān duìmiàn yǒu xīyānqū nǐ zài nàlǐ xība 你好,在路上不可以吸烟。对面有吸烟区,你在那里吸吧。 ニーハオ ザイ ルーシャン ブークァイー シーイェン ドゥイミィェン ヨウ シーイェンチュ ニー ザイ ナーリー シーバー |
5-1-2 店内が禁煙の場合は来店時に言う
都市部を除く中国では、レストランやカフェなどの屋内でも喫煙が許可されている場所が多くあります。そのため、日本のように「路上喫煙が禁止=屋内も禁煙」とは受け取られにくく、お店の中で喫煙しようとする方も少なくありません。こうした文化の違いからくるすれ違いを防ぐためにも、喫煙を遠慮してほしい場合は、入店時にあらかじめやさしく伝えておくのが安心です。注文後に禁煙をお願いすると、誤解を招くこともあるため、最初のひと声が大切です。
| いらっしゃいませ。お客様、店内は禁煙になりますが、問題ありませんか? huānyíng guānglín xiānshēng diànlǐ búkěyǐ xīyān nín yŏu qítā wèntí ma 欢迎光临,先生,店里不可以吸烟,您有其他问题吗? ファンイングゥァンリン シィェンシォン ディェンリー ブークァイー シーイェン ニン ヨウ チーター ウェンティ マー |
| 店内は禁煙です。 diànnèi jìnyān 店内禁烟 ディェンネイ ジンイェン |
また、入口に張り紙をしておくと、さらに効果的です。文言はシンプルで構いません。繰り返しますが、張り紙をする際は英語を併記します。
Please no smoking here.
店内禁烟
5-2 喫煙マナーが守れない原因no-toc
5-2-1 歩きタバコに対する意識の違い
中国では、かつて歩きタバコや吸い殻のポイ捨てが一般的に見られることもありました。そうした中で、2015年に北京市で「喫煙管理条例」が施行され、大きな話題となりましたが、このような条例は現在のところ、全国的に広がっているとは言いがたいのが現状です。
5-2-2 日本のルールを知らない
日本では喫煙エリア以外の路上ではタバコを吸ってはいけない、ということを知らない人が多いのが実情です。また知っていても、肝心の喫煙エリアの場所がわからない、という人もいることでしょう。香港やシンガポールも路上喫煙に厳しい制限を付けていることで有名ですが、どちらも灰皿がワンブロックにひとつの割合で設置されています。それに比べると、日本の喫煙スペース数が少なく、外国人旅行者にはやや不親切に感じられることもあるかもしれません。
6 無料の試供品やサービス商品を大量に持って帰る
6-1 なぜ大量に持ち帰ってしまうのか?no-toc
日本では「ご自由にお持ちください」という表現が、暗黙のうちに「必要な分だけどうぞ」という意味で使われています。しかし、こうした婉曲な表現は日本特有の文化であり、訪日外国人にはその意図がうまく伝わらないことがあります。その結果、「自由に」という言葉を文字通りに受け取り、「何個でも持って帰っていい」と理解されてしまうケースも見られます。
さらに、一部の文化圏では「目の前にある無料のものは活用しないともったいない」と考えられており、必要でなくても取っておくことが合理的とされる場面もあります。これは、日本人の“必要な分だけ”という感覚とは異なる価値観に基づいた行動です。
6-2 どう対応すればよいか?no-toc
こうした文化や価値観の違いによるすれ違いを防ぐためには、表現や提供方法にひと工夫加えることが有効です。たとえば、「ご自由にお持ちください」という表現ではなく、「おひとり様1点まで」や「必要な方に行き渡るようご協力ください」といった、より具体的で丁寧な表現に置き換えると、誤解を避けることができます。
また、誰でも自由に手に取れる場所に大量のサービス品を置くのではなく、スタッフが必要に応じて手渡す方式にするなど、コンビニでの箸やスプーンの配布方法を参考にするのも一つの方法です。
7 ところ構わず写真を撮る・物に触る
中国からの観光客の中には、旅行中にできるだけ多くの思い出を写真に残したいという気持ちから、さまざまな場所で写真を撮る方もいらっしゃいます。観光スポットや記念碑、装飾などを背景に撮影するのは世界共通の楽しみ方ですが、時には映画館や撮影禁止の博物館・美術館といった場所でも写真を撮ってしまうケースがあります。
このときに働きがちな心理としては、「自分ひとりくらい…」という認識。でも、数が多い場合、「自分ひとり」だけでは全く済むことが出来ません。
7-1 正しい対処法no-toc
「撮影禁止」であることをより確実に伝えるためには、中国語や英語でも表記された標識を用意し、目に入りやすい複数の場所に設置するのがおすすめです。
また、補足として「迷惑防止条例」などの法的根拠を簡潔に記載し、「許可なく他人を撮影することは、日本の法律に抵触する場合がある」といった注意喚起を添えることで、ルールの重要性をより丁寧に伝えることができます。
「撮影禁止」の標識を掲示していても、SNSに思い出を残したいという気持ちから、つい撮影してしまう観光客も一定数います。そうした場合には、単に注意するのではなく、丁寧な言葉でルールを伝えることが大切です。
| ここでは写真を撮らないでください。 Qǐng bùyào zài zhèlǐ pāizhào 请不要在这里拍照。 |
7-2 中国人が写真を撮るのが大好きな理由no-toc
観光地などで「どこでも写真を撮りたがる」と感じる場面があるかもしれませんが、そこには大きく2つの理由があります。
ひとつは、旅行の体験を家族や友人と共有したいという純粋な気持ち。もうひとつは、自分の充実した日常や特別な経験を、SNSを通じて広く発信したいという思いです。これは「面子(メンツ)」を大切にする文化とも関係しており、自分の生活の質や体験の豊かさを他者に伝えることが、ある種のコミュニケーションの一環として受け入れられています。
以前の旅行写真は、記念として自分の思い出に残すことが目的でしたが、SNS時代においてはその役割が大きく変化しています。WeChat(微信)などのタイムラインでは、各地の美しい景色や体験の写真が数多くシェアされ、旅の感動を「見る人と分かち合う」ことが日常の一部となっています。
【中国人女性と写真加工文化:美しさは“第一印象”から】
中国では、写真や自撮りを通じて自分を魅力的に見せたいという意識が非常に強く、多くの人がSNSやプロフィール写真に力を入れています。特に女性の間では、加工アプリを活用して“理想の自分”を表現することが日常的になっており、その熱心さは世界でもトップクラスとも言われています。
日本ではメイク、韓国では美容整形といった外見の工夫が一般的なのに対し、中国ではアプリでの加工が一種の「自己表現」の手段として広く受け入れられています。
この背景には、中国の都市部を中心とした「競争社会」の側面があります。とある中国人女性に「どうして加工をするのか」と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「中国は競争が激しいので、まず“選ばれるきっかけ”を作らないと、そもそもチャンスが回ってきません。まずは入り口を作ること。細かいことは、そのあとです。」
つまり、写真の加工は「自分をアピールするための第一ステップ」であり、努力の一環でもあります。こうした背景を知ると、見た目にこだわる姿勢や行動にも理解が深まるかもしれません。
とはいえ、写真と実際の印象に差がありすぎると、見る側とのギャップが生じてしまうこともあります。文化の違いを知ったうえで、相手とのコミュニケーションを重ねていくことが大切です。
8 中国人の食事におけるマナーの問題
食事の際の中国人のマナーもいくつか問題として取り上げられますね。よく耳にするのは以下のことではないでしょうか。
| 1. 食べ残し 2. 食べカスをテーブルの上に捨てる 3. 飲食物を持ち込む 4. 食事中も大声で喋る・大笑いする |
8-1 バイキング(食べ放題)で食べ残す
中国人は誰かにご飯をご馳走された際に、食べ物を“残す”ことで「お腹いっぱいでもう十分です。」という意思表示をします。そのために、ホスト側は食べきれないほどの食べ物を用意するのが礼儀で、日本人と異なり、キレイに食べ切る以上に、残すことを重視している食文化です。
また、中国式の食事では、人数分それぞれが別の料理を注文し、皆でシェアして食べるスタイルが一般的です。4人いれば4種類の料理を頼み、全員で取り分けながら味わいます。この感覚のままバイキングに臨むと、「自分の分だけを取る」という発想になりにくく、つい多めに料理を取ってしまうことがあります。
こうした文化の違いに加え、バイキングという形式そのものに慣れていない場合、周囲への配慮が十分に行き届かないまま行動してしまうケースも見られます。
ただし近年では、中国国内でも「食べ残しを減らそう」という取り組みが政府主導で進められています。その影響もあり、こうした習慣は少しずつ改善されつつあるのが現状です。
8-1-1 食べ残しへの対策
バイキングを実施しているレストランでは、残した場合には罰金のように、追加料金を徴収する注意書きをしているところも多く見受けられます。こうしたルールを明確に伝えるためには、入口やテーブルなどに中国語でも目立つ形で注意書きを掲示することが効果的です。さらに、入店時にスタッフが口頭で丁寧に説明することで、ルールの認識がより確実になります。
旅行中の観光客にとっても、「先にルールを知っておける」ことは安心感につながります。相手を信頼し、丁寧に説明する姿勢が、双方にとって気持ちよい時間を作る第一歩になります。
Please only serve as much as you can eat.
不剩菜,不剩饭
Penalty fee will be charged 1000yen per 500g for leftover on your plate.
按500克单位收取剩菜罚款1000日元
Please keep buffet serving portions small not to waste foods.
勤拿少取,请勿浪费
8-2 食べカスをテーブルの上に捨てる
中国では、食べ終えた魚の骨や肉の骨などを、取り皿ではなくテーブルの上に置くことが一般的に見られます。これは、「一度口に入れたものを自分の皿に戻す方が不衛生」と考える文化的感覚に基づいており、日本とは衛生観念の違いがあると言えるでしょう。
筆者自身が初めて中国を訪れた際、レストランの床に食べカスやタバコの吸い殻が散乱している光景を目にし、驚きを覚えた記憶があります。しかし、それも当時の生活スタイルや文化に根ざしたものであり、一概に「良い・悪い」とは判断できない部分です。
こうした文化の違いを知っておくことで、驚く場面に出会っても、背景を理解しやすくなります。そして、必要がある場合には、やさしく伝えるための工夫もできるようになるでしょう。
8-2-1 食べカス対策
食べカスを捨てるための器を別に用意し、注意書きでテーブルに直接捨てないように促すのが最も現実的な対処方法でしょう。
また、中国のレストランの一部では非常に効率的な方法を用いています。薄~く何重にも貼られている使い捨てのテーブルクロスがあり、片付けるときにそれを剥がして丸めてゴミ箱に捨てるだけで片付けが済んでしまいます。これも中国の習慣の知恵だといえます。
8-3 飲食物を持ち込む
飲食物の持ち込みについては、日本では一般的に控えるべき行為とされていますが、中国では比較的広く見られる習慣です。これは文化や飲食店のビジネスモデルの違いによるものであり、一概にマナー違反と断じるのではなく、その背景を理解することが大切です。
中国のレストランでは、子どもの食べ物やバースデーケーキなどを持ち込むのが一般的で、レストランもそれを前提に対応していることがあります。こうした背景から、日本の飲食店においても、持ち込みに対するルールを明確に伝えることが重要です。たとえば「飲食物の持ち込みはご遠慮ください」といった表示を多言語で案内したり、やむを得ず持ち込みが必要なケース(例:アレルギーや離乳食など)への柔軟な対応方針を提示するなど、丁寧で分かりやすいコミュニケーションが求められます。
8-3-1 持ち込み対策
日本で、注意書きを掲示する場合は、日本語と英語と中国語を併記しましょう。
中国でも「飲食物の持ち込み禁止」と掲示しているレストランは存在しますが、実際にはある程度自由に持ち込まれ、お店側も暗黙のうちにそれを受け入れているケースが見られるようです。背景には、飲食文化や経済的事情に加え、「お店側の柔軟な対応」が求められる国民性も関係しているのかもしれません。
9 対策できないマナー違反について
9-1 子どもに関するマナー違反
子どもに関するマナーの問題は、文化の違いが大きく表れる分野のひとつです。たとえば以下のような場面は、日本では周囲への配慮が求められるケースとして挙げられるでしょう。
- 館内や公共の場で大声をあげる、叫ぶ
- 泣き止まない状態を放置する
- 電車内で走り回る
- 靴のまま椅子の上に乗る
- 飲食禁止の場所で飲食させる
- 席を譲らない
- 屋外での排泄
日本では、子どもであっても「公共の場でのマナーを教える」ことが大切だとされ、これがしつけの一環と考えられています。一方で、中国では「子どもは自由にのびのび育てるべき」という価値観が強く、欲求に素直に行動することが「子どもらしさ」として肯定的に捉えられる傾向があります。
このような背景から、子どもの行動について親に直接注意したとしても、驚かれたり、時には反発されてしまう可能性もあるのです。
とはいえ、中国の保護者も周囲の視線や空気に敏感であることが多いため、やさしく丁寧に、たとえば子どもに聞こえないように親の耳元で伝えるなど、思いやりある方法で伝えることが望ましいでしょう。
9-2 痰を吐く・立ち小便をする
中国人観光客に対して、「どこでも痰を吐く」といった印象を持っている方も少なくないかもしれません。しかし、こうした行動が中国国内であっても容認されているわけではありません。
近年では、中国の若い世代を中心に、公共の場での痰吐きや立ち小便といった行為は「恥ずかしいこと」として認識されており、都市部では特にマナー意識の向上が見られます。実際、これらの行動は中国国内でも批判の対象となることが多く、「時代遅れ」あるいは「地方出身者のマナー」と見なされることさえあります。
そのため、日本でこうした行為を見かけた際も、「文化だから仕方ない」と決めつけるのではなく、「マナー違反と感じている中国人も多い」という点を知っておくことが大切です。
10 中国で話題の「日本でやってはいけないこと」
近年、日本でのマナーが中国でもたびたび話題になっています。SNSやニュースでは「日本ではやってはいけないこと」や「気をつけたい行動」が紹介され、中国人の間でも関心が高まっています。
中国では自由な行動が尊重される一方で、「面子(メンツ)」を大切にする文化もあり、海外での振る舞いが悪く報じられることには敏感です。そのため、旅行先でのマナーを意識する動きも広がっています。
ここでは、私が中国のネットやメディアで見かけた、日本でのマナーに関する注意点をいくつかご紹介します。
|
マナーは幼少期からの教育によるものが大きく、中国人観光客によるマナーの問題も、多くは「知らなかったこと」が原因です。近年では、日本でのマナーについて事前に情報収集する旅行者が増えており、「中国にいるときよりも気をつかう」と話す人も珍しくありません。
もちろん、一度定着したイメージを変えるには時間がかかりますが、かつて評判の悪かった日本人観光客のマナーが改善されていったように、中国からの旅行者も徐々に変化していくはずです。理解と時間をもって見守ることが大切です。
まとめ
日本を訪れるのであれば、日本のマナーを尊重してほしい。そう思うのは自然なことです。ただし、マナー違反を見かけた際に、感情的に注意するのは避けたいところです。思わぬ誤解やトラブルにつながる可能性もあります。
「おもてなし」の本質は、相手の文化を理解し、違いを受け入れたうえで温かく迎えることにあります。中国から訪れる人々も、迷惑をかけるために来ているわけではなく、日本の文化や魅力を楽しみ、理解しようとしているはずです。
ですから、冷静で適切な対応を心がけることで、マナーの行き違いは減らしていくことができます。互いに気持ちよく交流を重ねる中で、少しずつ理解が深まり、トラブルも自然と少なくなっていくでしょう。
記事をお読みいただきありがとうございました。
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最終更新日:2019年6月4日


























