フルーエントマンツーマンコースの中で、ご受講生の中国語学習に伴走するトレーナー。普段学習のサポート役として活躍する彼らですが、トレーナー自身はこれまで、どのように中国語の勉強を積み重ねてきたのでしょうか。
トレーナーとひとことに言っても、中国語との出会いや、勉強の期間、方法などは人それぞれです。
4回目となる「おしえてトレーナー!ぶっちゃけ听力、どうやって鍛えたの?」の連載記事でも、トレーナーにお話を聞きながら「どのようにして中国語を学び、その力をどう向上させてきたのか」という過程を、特に「听力=リスニング」という観点にスポットをあて、徹底深堀りします。
トレーナーそれぞれが実践してきた具体的な学習方法を検証することで、中国語が聴きとれるようになるまでの具体的な段階、どのような過程をへるのか、そして、外国語を学ぶ上で大切なマインドセットなどもあわせてお伝えしたいと思っています。
ぜひ、ご自身の学習の参考にしてくださいね。それでは、4人目のトレーナーをご紹介いたします。 (取材:中国語ゼミ編集部 永田 )
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Vol.4 Yトレーナー
学習は初期が肝心!“何となく”勉強を始めた後悔
永田:中国語学習を始められたのは、ご主人の駐在がきっかけですよね。それまでに語学との関わりは何かあったのですか?
Yトレーナー:学校教育の中で英語を学んできたくらいで、別に塾や留学に行った、ということもありませんでした。私は中国へ行ってから勉強をスタートしましたが、行く前は準備に追われて「中国語を勉強する」ということを考えもしませんでした(笑)
永田:なるほど!
Yトレーナー:それに、行く前は「英語は通じるだろう。」という考えがあったんです。でも、これがまったく通じなくって。
私が住んだのは蘇州でしたが、初めて空港に着いてタクシーに乗ったとき、夫が英語でコミュニケーションを取ろうとするのですが、全然通じていない様子を見て。「あ、通じないんだなぁ。」と実感しました。ここで、中国語を勉強する必要があるなと思ったのです。
永田:私も広州で似た経験があります。もちろん使える人はいるんでしょうけれど、どの人もそうか、というと、決してそんなことはないですよね。
Yトレーナー:仕事も辞めていましたし、知り合いも初めはいませんでしたから、勉強に時間をさくことができました。語学学校に通いましたが、さほど意識が高かったわけではありませんので(笑)すでに通っていた夫と同じところへ、通い始めました。
永田:どんな学校だったんですか?
Yトレーナー:それが、今振り返るとあまりしっかりとしたところではなかったんですよね。何せ、先生の遅刻が多い…。そして、発音の説明も適当でした。「aは日本語の“あ”と同じでいいよ。」とか。
テキストも、誤植が多いんですよ。ページ抜けしている箇所があったり。日本でページが飛んだ本なんてあまり目にしませんから、そんなものなのかなぁって思っていました。
永田:(笑)
学習開始後数か月…訪れた発音の壁
Yトレーナー:「語学の勉強と言えば、単語を覚えることだ!」と考えて暗記に取り組みましたが、何を覚えたらいいのかもあいまいでした。
当時の反省のひとつが、発音学習に関して、ピンインを“書く”ということに力をそそいでしまった点なのです。読んだり、もっと口から出す練習をすべきでした。
永田:ピンインはあくまで中国語を読むためのツールですもんね。当時の学習時間を拝見すると、1日のうち、かなりの時間を割いて学習されていることがわかります。この頃、具体的にどのような過ごし方をされていたんでしょうか。
Yトレーナー:午前中、9~10時に語学学校に行きました。帰宅後、宿題に取り組むのですが、用事のない日はほぼ勉強していましたね。
永田:素晴らしい…!
Yトレーナー:実は、さきほどお話した学校の他に、別の学校にも通ったのです。こちらはHSKの対策に力を入れていて、ここで私も、受験をおすすめされました。学習をはじめて9カ月頃、HSK4級を取得しました。
永田:試験を積極的に受けるという方法は、フルーエントと同じですね。目標があると、頑張れます。
Yトレーナー:4級を取ったので、次は5級を目指すのですが、リスニングがぐんと難しくなって、聴き取れないことが足枷に感じました。
ここにきてようやく、自分自身の発音のあいまいさを痛感したんです。「発音をやり直したい!」と感じるようになりました。
永田:よく、発音できない音は聴き取りもできないと言われますよね。あれはなぜなのでしょうか。
Yトレーナー:結局、発音ができるということは、それぞれの音の違いを理解、認識しているということ。音のしくみがわかっているからこそ、発音できるし、聴きとれることにもつながるんだと思います。その後、発音に特化した教室を探し、ここでようやく発音の総復習をすることができました。
永田:具体的にどんなトレーニングをなさったのでしょう。
Yトレーナー:口の形を意識して練習しました。特に学習初期の発音学習のポイントは、声調と、ピンインそれぞれの口の形です。私の場合はこれらの重要性に気づくまで遠回りしてしまいました。でもこの経験があるからこそ、今はご受講生に、発音練習の大切さを身をもって伝えることができます。
永田:学習におけるターニングポイントですね。
発音を変えたことで起こる相乗効果
Yトレーナー:発音をやり直したことには、大きな意義がありました。HSK4級合格後に改めて全ての発音を復習したことで、聞き取りもできるようになってきた、と感じました。発音の向上と=聴き取り力の向上、だったんです!それまでも、先生が発音する音と自分の音は何となく違うとわかっていましたが、その理由が口の形にあると理解しました。
5級のHSK対策も、はじめはまったくわからなかったのですが、次第に理解できるようになって。それに、自分の発音も、聞き直されにくくなってきたんですよ。
永田:といいますと?
Yトレーナー:例えば固有名詞!場所や店の名前も、いちどで通じるようになりました。
永田:すごい変化ですねぇ…!
Yトレーナー:発音を見直したことで、読むことも楽しくなりました。その頃はたくさん口に出して読む練習もしましたね。学習初期の頃は、音読をしないといけない、とすら思いませんでしたので(笑) 学校で使うテキストに載っている単語ひとつにつき、ひとつの文章を作って口に出す、という練習も始めました。
習慣化の大きなポイント!Yトレーナーおすすめ勉強方法
永田:作文の方法を具体的に教えてください。
Yトレーナー:二つ目に通った学校では、漢字だけが並んでいる資料を読めるかどうか、チェックする宿題が出ていました。私は読んで意味を確認し、学校から帰宅後、それらを用いて、日常生活で自分が使いそうな文章を作るんです。これを、HSKの1~5級の単語において、行いました。
永田:それらは暗記されたんですか?
Yトレーナー:いえ、暗記まではしません。文章を作ると、1課につき何十個という文章ができます。覚えようとはせず、作るところまでを自分に課しました。でも、覚えようとはしなくても、意外と頭には残っていたりしますよ。
永田:確かに…そこに暗記という課題が入ると、とたんに負荷が大きくなって辛くなりますよね。
Yトレーナー:単語をひとつひとつ覚えるのはたいへんです。作文をする際、その単語を実際に使う場面をイメージしながら作文しました。また、和訳をしようとせず、中国語で考えることも意識したんです。
すでにお手持ちの単語集があれば、それを使うことも可能ですよね。覚えにくい単語だけピックアップして作文するのもありです。ストイックになりすぎず、たんたんと作業としてやることをおすすめします。
永田:素敵なスタンスです。
Yトレーナー:私自身、例えばできなくても、覚えられなくても、そのたびにへこんだりしませんでした。だってそんなの「当たり前でしょう。」って思っていましたから。言いたいことが言えなくても、その場で調べればいいのです。
今の時代、常にスマホを持っていますから、忘れることは怖くないですよ。それに、覚えられないのは、必要がない、もしくは使う頻度がそもそも、少ないものであることが多いです。
永田:すばらしい向き合い方です。すっごく元気をいただきました…!
あとがき
日ごろから、「ご受講生の学習に丁寧に寄り添いながらも、確実に皆様を目標に導く、それがYトレーナーだなぁ」と思っていた永田。その理由が垣間見えたインタビューでした。
「できなくって当たり前」
Yトレーナーがインタビュー中さらりとおっしゃったこの言葉。自分と中国語学習とを、客観的に見つめているYトレーナーだからこその名言だと感じました。こう考えると、勉強のハードルが下がりませんか。そして、すぐに「できない自分」に落ち込むこともなさそうです。
「これだけやってもできないんだ…」「そもそもできるようになるんだろうか」そんな不安は必要ありません。できなくっても当たり前。だからその都度調べ、学び直す。その繰り返しこそ、語学学習の王道なのだと感じました。
Yトレーナーが実践されていた、自分が日常生活において使う文章を自分で作文するという勉強。とはいえ、「ゼロから作文するのは少したいへん…」という方もおられるでしょう。
そんな方は、すでにあるテキストの例文をそのまま覚える、もしくは、そこにある例文の中の一部の単語を変化させて、自分流の文章を作る、という“借文”の考え方をおすすめします。
作文の基礎は借文とはよく言われること。一冊を徹底的に繰り返すことも、たいへん有効な勉強法です。ポイントは瞬時に、口をついて出るまで復唱すること!
ぜひみなさん、じっくり取り組んでみてくださいね。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
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