「“シャドーイング”で語学学習するとしゃべれるようになるんじゃないか?」と思っているあなた。それは正解です。
ではまず、あなたが今「できていない」ことを分析してみましょう。
それは
- しゃべれない
- 聞き取れない
- 読めない
ではないでしょうか。
これを解決するのが「シャドーイング」です。シャドーイングは、「耳で聞く・目で読む・口に出す」の3つをいっぺんにやる学習法です。学習法というより、練習法と言った方がいいかもしれません。繰り返しやることで、「聞き取る・しゃべる・読む」力が身に付きます。
私が過去に指導した英語スクールでは、中学レベルの主婦の方から、ビジネスパーソンや留学経験者、通訳の方など3000人以上の方を指導させていただきましたが、この方法で多くの方が劇的に英語力をアップされています。
また、このシャドーイングという練習法は英語に限らず、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、あらゆる言語の習得に使えます。
今回の記事では、最も学習者の多い外国語である英語、また私たち中国語ゼミの最も得意である中国語のシャドーイングについてご紹介します。
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目次
1 シャドーイングとは影のように追いかけて発声する練習法
「シャドーイング」とは、「聞こえてくる音声を、聞こえたとおりに発声していく」という語学学習法です。影のように追いかけ、真似して発声するので「Shadowing(シャドーイング)」というわけです。
ちなみに、シャドーイングに対して、1文を聞き終わってから発声するのは「リピーティング」と言います。
1-1 シャドーイングのイメージ
「聞こえてくる音声を、聞こえたとおりに発声していく」というのは、具体的にどういうことなのかイメージ出来ますか? それは、同時通訳者のように、耳から「聞きながら」発声していくということです。元の音声から0.5秒くらい遅れて発声し始めます。
■英語の場合のイメージ (元の音声)In order to reach the point in my life where I can speak… |
■中国語の場合のイメージ (元の音声)我是日本人 我不是日本人… |
一見難しそうに見えますが、母国語である日本語の文章なら出来るでしょう? 母国語のように、外国語を外国語のまま理解し、同じように発声するだけだと思えば、出来そうですよね!
1-2 シャドーイングの最終目標
シャドーイングは、最初はスクリプト(台本)を見ながら行います。慣れてきたら、スクリプトを見ずに発声する練習をします。最終的には、ネイティブの音声を聞きながら、何も見ずに、発声できるようになることが目標です。
歌の練習と同じです。一度聞いただけで同じように上手に歌える人はそういません。何度も歌う練習をして、歌詞の意味を理解し、歌詞を覚えて何も見ずに歌えるようになると、上手く歌えるようになりますよね。それと同じです。
1-3 シャドーイングの効果
この記事で紹介する方法で、たった5分間の文章だけでも完璧にすれば、
-
- 驚くほどリスニングが出来るようになる
- きれいな発音が身につく
- リスニングもリーディングも、その言語のまま理解できる
- 外国人とも臆せず話せる
ようになります。
なぜなら、シャドーイングの最終目標「ネイティブの音声を聞いたままを、発声できる」ができるようになるということは、単語の意味、正しい発音やアクセントが身体に入り込んだということです。それは、次に同じ単語や文章に出くわした時、母国語を聞くように自然に理解でき、また自分の口から出てくるようになります。
シャドーイングは、言葉を身体で覚えるとも言えます。
語学とスポーツは似ているとよく言われます。サッカーにしろ、テニスにしろ、お手本のDVDを見ているだけでは上手くなりません。やり方を教えてもらって自分で繰り返し練習するほかありません。語学も同じように、正しいフォームで身体をどんどん動かしていくに限ります。シャドーイングは、耳・口・目など身体を使って、言葉を身体に染みこませていくことが出来るのです。
2 日本人が英語を長年勉強してもしゃべれない理由
中学と高校あわせて6年間、大学を合わせると10年以上英語に触れている人も少なくありません。それでも英語を「できない」人が多いのが現実です。
◆「できない」理由◆
- しゃべれない ← 口に出す量が足りないから
- 聞き取れない ← 聞く量が足りないから
- 読めない(読むのが遅い) ← 読む量が足りないから
しゃべれないのは、「口に出す量が足りないから」です。ネイティブと話す練習が足りないのではありません。「しゃべる」というのは「考えながら、言葉を口に出す」作業です。つまりまず、「口に出す練習」「口を慣らす練習」をする必要があります。文法や単語の知識があっても口から出てこないのは、口に出す練習が足りないからです。
また、聞き取れないのは、「聞く量が足りないから」です。母国語である日本語でも、聞きなれない専門用語たっぷりの講座は、内容が頭に入って来ませんよね? 外国語ならなおさらです。耳慣れないフレーズが続けば、頭に入ってきません。
そして、読むのが遅いのは、「読む量が足りないから」です。日本語の文章でも、日頃文章を読みなれている人とそうでない人は、読むスピードが違います。また日本語なら先頭の文字から一字ずつ理解しなくても、瞬時に数文字は文字の形で理解しています。それを外国語でも出来るようになると早く読めるようになります。
しかし、この圧倒的に足りない「量」を、やみくもにこなしても意味がありません。意味が理解できないまま聞き流すだけでは、何も身につきません。あいまいな部分や苦手な部分は、徹底的につぶし、1つずつを完璧にして、「練習量」をこなしていく必要があります。
3 シャドーイングをやる前に注意すること
3-1 シャドーイングの前に発音トレーニング
シャドーイングは、全く学習ゼロのレベルの人には向いていません。シャドーイングの練習を始める前に必ず行わなければならないのは、発音トレーニングです。
英語の場合、カタカナ英語が染み付いていると、うまくシャドーイングできません。ネイティブのような発音を心がけ、集中的にトレーニングします。
中国語なら、正しい発音をマスターするべく、まず声調とピンイン表でトレーニングします。声調の20パターンの組み合わせを徹底的に練習し、その後ピンイン表を使って発音練習を行います。
中国語のシャドーイングに取り組む前には、こちらの記事をご覧ください。
中国語の効率的な学習法については、
『初心者が中国語を学ぶ勉強法はこれ!10,000人指導のプロが伝授』
中国語の声調のコツについては、
『四声(声調)の発音をマスターする!【音声・動画付】』
中国語の発音のコツについては、
『中国語の発音基礎|効果的なトレーニング方法|動画・音声付』を、
ひたすらピンインを練習するトレーニングは、
『中国語ピンイン完全マスター!実践トレーニング【音声付】』
3-2 レベルにあった教材を使うこと
シャドーイングは、自分のレベルにあった教材を使う必要があります。知らない単語ばかりで、早いスピードの音源のものだと、スピードに追われてしまって、挫折してしまいます。
まずは、簡単なものから始めてみましょう。(おすすめの教材は6章でご紹介します。)
4 具体的なシャドーイングのやり方
4-1 用意するもの
- ネイティブによる音源
- 音源のスクリプト(台本)
- 音源を再生する機械
一文ではなく、ある程度の長さの文章(5分くらい)であればOKです。一番いいのは音源付きの語学学習用の教材です。(おすすめの教材は6章でご紹介します。)
「どんな風にやるのかとりあえずやってみたい」という方は、音源と台本があるものであれば何でも構いません。自分が興味のあるニュースでも映画でもネット上の動画でも、ネイティブの友人に読んでもらった原稿と音声でも大丈夫です。
音源を再生する機材は、ICレコーダーを特におすすめします。(シャドーイングにICレコーダーが最適である点は5章でお伝えします。)しかし、すぐに用意できない場合など、スマートフォンやパソコン、MP3プレーヤー、カセットデッキでもOKです。
4-2 シャドーイング基本の3ステップ
基本ステップは、
- 内容を理解する
- スクリプト(台本)を見ながらシャドーイング
- スクリプトを見ずにシャドーイング
です。
それでは、英語と中国語の場合の、具体的なステップを見ていきます。
4-3 英語のシャドーイング8つのステップ
<ステップ1>スクリプトを見ずに音だけ聞く
この段階ではシャドーイングはしません。まずはスクリプトを見ずに20回聞きます。スクリプトを見ると視覚が強く働くので、まずは何も見ずに聴覚に集中します。
<ステップ2>英文の構造をとらえ、意味を理解する
文章の意味を理解します。スクリプトを見て、英文の基本構造をとらえ内容を理解します。具体的な方法は、スクリプトにスラッシュや下線、波線などの印を付けて、英文の構造をつかみます。
|
<ステップ3>リズム、抑揚、アクセントをつかむ
重要なのはリズムと抑揚です。オーバーなくらいに抑揚を真似して練習します。大きな声で!音源のスピードを調整できるなら、少し速さを落としスローバージョンでやってみます。
<ステップ4>発音の&語尾を子音で止める練習をする
日本人の苦手な発音の基礎をおさえましょう。日本語にない発音「v,f」「s,z,th,sh」「r,l」をしっかり的確に出せるようになることが重要です。また、また、語尾の子音を止める練習もします。たとえば「told」なら「トールド」と母音の「オ」で終わるのではなく「トールd(ドゥ)」とあいまいな子音で終わらせます。それなりに時間のかかるステップです。
<ステップ5>リエゾン(音のつながり)をおさえる
英語は日本語と違って、音がつながってかたまりになって発音されます。それに対する練習を行います。
<ステップ6>音を意識して練習する
聞き取れなかった部分や、上手くシャドーイングできない部分、きちんと発音できない部分に黄色でマーカーを引いて繰り返し練習します。この段階で音源の速さをスローから、元のナチュラルな速さにして、シャドーイングします。
<ステップ7>意味を意識しながら練習する
改めて意味を意識しながらシャドーイングします。「意味が取れていないな」と思う部分には青いマーカーを引いて、何度も練習しましょう。マーカーを引いて、きちんと意識化することが大切です。
<ステップ8>総まとめ
最後は音と意味を融合していきます。
*最初は、1ステップに1週間かかっても、1ステップずつ完璧にマスターしていきましょう。
4-4 中国語のシャドーイング5つのステップ
<ステップ1>音だけ聞いてリスニングする
この段階ではシャドーイングはしません。自分がどのくらい聞き取れるのかチェックします。
<ステップ2>内容・意味を理解する
まず本文をざっと読み、内容を理解。その後、単語と文法の解説を読み、単語の意味・文法を理解します。そして、シャドーイングをやりやすくするために、教材に記号を書き込んでいき「楽譜化」します。また、重要な文法表現や語句には本文にマーカーを引きます。
<ステップ3>ピンインを見ながらシャドーイングする
「教材のピンインを見ながら、音源を聞き、ほぼ同時にその音を発音する。」という作業を最低10回繰り返します。その際、正しいピンインで読むことが重要です。ICレコーダーならワンタッチリピート機能を駆使しながら、きれいに出来るようになるまで徹底してやり込みます。
<ステップ4>漢字を見ながらシャドーイングする
ピンインを隠し、教材の漢字を見ながら音源を聞き、聞こえたとおりにシャドーイングします。
<ステップ5>何も見ずにシャドーイングする
何も見ずに、音源を聞きながら、聞こえたとおりに発声します。最初はぎこちなくても、回数を重ねると、口の動きがスムーズになってきます。さらに慣れてきたら、文章の内容に感情移入しながら、読み聞かせするように発声してみる。これはものすごくおすすめです。なぜなら感情がともなう記憶は忘れにくいからです。文章中の単語や文法ルールなどの定着につながります。
*最初は、1ステップに1週間かかっても、1ステップずつ完璧にマスターしていきましょう。
5 シャドーイングの効率を上げるために
5-1 「ワンタッチリピート機能」が付いたICレコーダーを使う
シャドーイングの効果を上げるために強くお勧めするのは「ワンタッチリピート機能」が付いたICレコーダーあるいはMP3プレーヤーです。
「ワンタッチリピート機能」は一度ボタンを押すと、3秒間(自分で設定できます)ほどさかのぼって再生してくれる機能です。メーカーによっては「ちょっと前再生」機能、「A-Bリピート再生」機能などと呼ばれています。
シャドーイング中に意味がつかめない、うまく出来なかった箇所は、すぐにワンタッチリピートボタンを押し、シャドーイングを繰り返します。この機能がないと、3秒だけ戻したいのに数分前まで戻ってしまった、最初まで戻ってしまったということが起こります。こういうことが続くと、学習時間にも大きく差が出ますし、何より学習に対するやる気がなくなってきます。ぜひ購入してください。
また、録音機能とスピード調節機能があればなおよしです。
(ICレコーダーはオリンパス「ボイストレック」のVシリーズ をおすすめしています。)
下の動画で、発音トレーニングに欠かせないアイテムのご紹介と効果的な使い方について詳しくご説明していますので、ぜひご覧になってください。
5-2 音源をカスタマイズする
教材に付属しているCDや音源の中には、シャドーイングに集中しにくいものがあります。たとえば、ポーズ(空白)が長めに入っていたり、日本語の解説が入っていたり。またリスニング問題の音源では解答のためのポーズが長めに設けられています。シャドーイングだけに集中するために、その余計な部分を音声編集ソフトなどでカットし、カスタマイズします。それをICレコーダーやMP3プレーヤーに入れておきます。これで準備OK。
「音声編集ソフト」でウェブ検索すると、無料のものがいろいろみつかります。ちなみに私のおすすめは「Audacity」という無料の音声編集ソフトです。音声を編集するのは少々手間ですが、数十本まとめてやってしまえば、数時間で終わります。その一手間で、後々のシャドーイングを効率的に行うことが出来るのです。
6 シャドーイング教材
6-1 シャドーイングに適した教材のポイント・選び方
シャドーイングには適した教材が必要です。次のことに留意して、教材を選定しましょう。
①適度な分量であること
望ましいのは5分程度の文章です。会話よりも文章がいいです。まずは1分、次に5分と、完璧にシャドーイングできる内容を増やしていきましょう。「6-2 おすすめの教材
」でご紹介する教材を参考にしてください。
②適切なレベルであること
レベルが自分に合っていないと、取り組む意欲が失われます。ごく簡単なレベルから始めてみて、レベルを上げて行きましょう。
③会話文ではない、長文やスピーチ
会話文をシャドーイングの教材で使うと、喋り手が変わる度に意識がプツップツッと切れてしまいます。
④音源のスピードが適正であること
ナチュラルなスピードが難しければ、再生スピードを落としてやってみます。あやふやなまま真似しても、あやふやな力しか身につきません。
⑤意味を理解できること
日本語訳が付いているものを選びます。意味を理解しないままシャドーイングしても意味がありません。
以上のポイントに注意して、シャドーイング教材を選びましょう。
6-2 おすすめの教材
シャドーイングの教材としては、ある程度の長さの文章と音声ファイル(CDなど)が付属しているものが適しています。ここでおすすめするものは全て音声ファイル付きです。
6-2-1 英語のおすすめ教材
6-2-2 中国語のおすすめ教材
まとめ
私自身がこれまで多くの英語教材、英語スクールで学んで来ました。そして数千人の方の語学指導をしてきました。最後にたどり着いた勉強法が、シャドーイングです。たった5分程度の教材を完璧にすることで、圧倒的な効果を出すことができます。ぜひあなたにも取り組んで欲しいと思います。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・中国人と流暢に会話を楽しめるようになりたい
・ビジネスで使えるレベルの会話が出来るようになりたい
・ニュースや映画を字幕なしで読めるようになりたい
・HSKなど中国語の試験に合格したい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
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