フルーエントマンツーマンコースの中で、ご受講生の中国語学習に伴走するトレーナー。
普段は学習のサポート役として活躍する彼らですが、トレーナー自身はこれまで、どのように中国語の勉強を積み重ねてきたのでしょうか。
トレーナーとひとことに言っても、中国語との出会いや、勉強の期間、方法などは十人十色です。
14回目を迎えました「おしえてトレーナー!ぶっちゃけ听力、どうやって鍛えたの?」の連載記事でも、トレーナーにお話を聞きながら「どのようにして中国語を学び、その力をどう向上させてきたのか」という過程を、特に「听力=リスニング」という観点にスポットをあて、徹底深堀りします。
トレーナーそれぞれが実践してきた具体的な学習方法を検証することで、中国語が聞きとれるようになるまでの具体的な段階、どのような過程をへるのか、そして、外国語を学ぶ上で大切なマインドセットなどもあわせてお伝えしたいと思っています。
ぜひ、ご自身の学習の参考にしてくださいね。それでは、14人目のトレーナーをご紹介します。
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講師は、中国語ゼミ監修者の三宅裕之。2001年に語学コーチングスクールを設立し、今まで15,000人以上を指導した語学×コミュニケーション力開発のプロフェッショナルです。
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(取材:中国語ゼミ編集部 永田 )
Vol.13 由歌トレーナー
目次
予想外にスタートした中国語学習
永田:由歌トレーナー、本日はよろしくお願いいたします。実は母校が同じの私たち。外国語系の大学だったのですが、数ある言語の中で、由歌トレーナーが中国語の道を選択されたのはなぜだったのでしょうか。
由歌トレーナー:今日はよろしくお願いします。実は、高校までは英語が好きだったのですが、当時の担任の先生が一家で世界史や中国史が好きな方で、私が「英語科を受験したい。」と相談したら、「何言ってる!これから外国語を学ぶなら中国語だろう!」と、半ば強制的に(笑)熱くおすすめされたことが大きなきっかけでした。先生のお子さんたちも中国へ留学されていて、天安門事件もリアルに体験されていたり…といったエピソードがあります。
永田:「こうしろっ!」って言い切れる先生ってすごいですね!
由歌トレーナー:熱血で強烈な方でした。(笑)
永田:実際に入学されたあとはいかがでしたか。
由歌トレーナー:「漢文が好き」とか、「一度訪れたときに好きになった」とか、中国語を選択する明白な理由のある人が多い中、私は「英語以外にもう一言語学びなさい」という熱血先生のすすめで入っただけでしたので、周りの人の真面目さや真剣さに驚きました。
永田:由歌トレーナーのような人は珍しかったのですね。
由歌トレーナー:ずらっと漢字ばかりが並ぶテキストに驚きましたし、カルチャーショックも感じていました。
永田:その頃、由歌トレーナーは中国に対してどんな印象を持たれていたんでしょうか。
由歌トレーナー:経済発展もこれからで、素朴な国というイメージを持っていました。
永田:ではあまり負のイメージというのは無かったんですね。
由歌トレーナー:そうですね。親はそういう思いもあったようですが、私自身はそういう悪い印象は持っていませんでした。
大学時代の学び
永田:実際に大学の授業がスタートした後は、どんな風に学習が進んでいったのでしょうか。
由歌トレーナー:専攻が中国語で入学していますし、この単位を落としてしまうと留年させられる!という危機感があったので、課題には真剣に取り組みました。とはいえ、授業自体は楽しく受けることができていました。
永田:つまづきなどはありませんでしたか。中国語は発音がひとつの山かと思うのですが、そのあたりなど。
由歌トレーナー:初めは「漢字だけをみてどうやって発音できるようになるんだろう。」と戸惑っていたのですが、毎週毎週、繰り返し何時間も練習させられるので、仕方なく慣れていった、という感じです。
周りが熱心に勉強する子たちばかりだったので、授業が終わってもお互いに練習し合ったりして。慣れたらほんと、できるようになるんですね!と言いながら、私は実はそこまで真面目な生徒ではなく、勉強以上に遊んでいました(笑)。
周りは山など自然の多いキャンパスだったので、そういう環境のなかでのんびり過ごしました。
永田:良好な環境だったのですね。4年間が過ぎる頃は、かなり語学力もついたということですね。
由歌トレーナー:ある程度はそうですね!大学の教授の方針がいろいろとあって、検定などの試験は、あまり受けなかったんですけれどね。
卒業後は実践の中で中国語を鍛えた!
永田:卒業後は中国に関係するお仕事を選ばれたのでしょうか。
由歌トレーナー:商社に勤めました。そこで出会った先輩方の語学力がとても高くて!焦りました。これはまずい、ということで、入社してしばらくして通訳学校に入学したんです。
永田:通訳学校のメソッドが、ご自身の学習の大きな部分を占めていたとおっしゃっていましたが、スクールの様子はいかがでしたか。
由歌トレーナー:とっても厳しいんですが、とても良い先生にあたって。听写(ディクテーション)の宿題とか出されるんですよね。前週の内容を問われてうまく答えられなかったりすると、ものすごく大きなため息をつかれたりしました。
永田:無言の圧ですね。
由歌トレーナー:先生独自の単語帳があって、毎週その中からいくつかテストが出されたりしました。単語の種類が「果物」の日とかなら良いんですけど、「成語」の日もあって。成語は難しかったですねぇ。
永田:果物20個覚えるのと、成語20個では負荷がまったく違いますものね。でも、緊張感のある中で勉強するってすごく語学力が鍛えられますね!
由歌トレーナー:そうですね。あの頃は会社でも中国語を使わないといけませんでしたし、振り返ってみると、この時期がいちばん語学力が鍛えられた時期でした。
永田:学びと実践が両輪で動いている時期だったのでしょうね。
由歌トレーナー:大学時代も勉強はもちろんしていましたが、社会人の時よりは時間がたっぷりある中で勉強できていました。働き始めると仕事と同時並行で、時に残業もある中で、でも通訳学校の復習もして…気づけば「もう夜中2時!」と驚くことも多々ありました。電車通勤だったんですが、その中で寝てしまうこともよくあって。ドアの方にそりだしてしまうくらい眠ってしまっていたので、皆さんの邪魔になっちゃってたんでしょうね。しょっちゅう人に、起こされていました。
永田:そんなに!時間の制約があるから、その中でできることをやろう!というお気持ちだったのかもしれませんね。
由歌トレーナー:しっかり復習していかないと、先生に見捨てられちゃう!くらいに思っていました。
永田:良い意味での「圧」をかけてくださる方だったのかなと思います。
由歌トレーナー:毎日、たとえ数分でもいいから中国語に触れなさいと言って下さる方でした。
全身を耳にして、100回聴きなさい
永田:その頃、先生方に言われたことなどで、印象に残っていることはありますか。
由歌トレーナー:印象に残っているのは、私がいちど「听写ができないんです」と相談に行った際に「100回聴いたの?」って言われたことです。
永田:うわぁ!
由歌トレーナー:いえ、まだ20回程度…と答えたら、「あぁ!?」って(笑)全身を耳にして、100回聴けと言われました。それでもわからなければもう一度もってこいって。
永田:それだけ厳しい先生で、課題提出に関してもなかなかのプレッシャーがあったと思うのですが、それでも辞めなかった、続けられたのはなぜだったと思われますか。
由歌トレーナー:先生が「学生たちを、何とか聴きとれるようにならせてあげたい!」という熱量で教えてくださっているのがこちらにも伝わってきたので、それを学ばないのは惜しいなって気持ちがありましたね。
永田:先生のパッションを感じられたのですね!!由歌トレーナーは大学入学後、これまでの間に中国語から離れるという時期はなかったのでしょうか。
由歌トレーナー:そうですねぇ…いちど、出産前後に通訳学校を休会した時期があったんです。再開したあとは一旦休会前と同じクラスに入れてもらえるんですが、ついていけなくなってたんですよね。そこでまた先生に思い切りため息をつかれてしまいました(笑)ですので、その時はもうひとつ別の通訳学校の基礎クラスに入会して、そこで鍛え直してから、これまで通っていた学校に戻りました。
永田:すごいなぁ…ちなみに、由歌トレーナーは長期間の留学のご経験はあるのですか?
由歌トレーナー:語学留学は大学の短期セミナーで一か月程度、ですね。
永田:すごい!日本国内中心の学習で、ここまで語学力を底上げされたとは…!現地に留学せず、日本にいながら外国語を習得する方法を知りたい方は多いと思います。これまでの学習の中で、由歌トレーナご自身が工夫された点は何かありますか。
由歌トレーナー:通訳学校の熱血先生に「留学したいんです。」と相談したことがありました。先生曰く「今は教材も種類が豊富だし、いくらでも勉強できる環境は整っているから、留学せずに、逆に留学していないことを売りにしろ。」とのことで。確かに通訳学校のメソッドは有効なものがたくさんありました。例えば中国語だけを聞いてどこまで理解できるか、とか日本語だけを聞いて瞬時にどの程度中国語訳できるかをチェックする方法など。それらに徹底的に取り組みました。
永田:もし今、受講生さまから「留学に行きたいけれど難しい。日本にいながら習得できるのだろうか。」といったご相談を受けたら、どう答えられますか?
由歌トレーナー:全然問題ない!って答えますね!
永田:実は私も、外国語を長く勉強しているとはいえ、留学の経験ってこれまでなかったんですよね。でも、由歌トレーナーからそう言っていただけると、心強いです。まだまだできることはあるよなって思えます。留学と同じ環境は、日本でも十分に作れるんですよね。
由歌トレーナー:はい、工夫次第です。学習時間さえ確保できるなら、大丈夫ってお伝えします。
留学環境の作り方
永田:ずっと中国語に触れ続ける環境はどのように作ってこられましたか?
由歌トレーナー:自分にとって手軽な音源というのを探します。例えば日本のニュースを中国語で聞けるNHKのラジオなど。それを常に聞き流せる状態を準備していました。今はすぐれたアプリ(alcoやbooco、カレタンなど)もそろっていますし、そういうモノをフル活用します。
永田:今はアプリも至れりつくせりな様相ですけれど、そういったものが無い時はどのように音源は確保されていましたか?
由歌トレーナー:大学時代は学校でCCTVなどの音源をもらえましたし。通訳学校でもそうですね。目の前にあるものを活用していました。
永田:由歌トレーナーのお話を聞いていると、今日にいたるまで波なく、自然な流れで中国語学習を続けてこられているという感じを受けます。
由歌トレーナー:そうですね…結婚や転勤、出産などのタイミングでしばらく離れると、やはり戻るときにすごく苦労するんですよね。辞めてしまうとどんどんゼロになって、何もなくなってしまうんじゃないかっていう恐れもあって。だからこそ、そうならないように「今のうちに戻しておこう。」そんな風に思って続けてきた気がします。
転勤や育児、人生の転機を経て再び中国語の道へ
永田:お仕事のことも少しお伺いします。商社を退職されて今に至るまで、どのようにお仕事を続けてこられたのでしょうか。由歌トレーナーご自身の、仕事と育児とのバランスの取り方がとても気になります。
由歌トレーナー:商社にいた頃はとっても残業が多くて、終電で帰れるかどうかという毎日が続いていたんです。このままだと身体も壊すし退職しようと思っていたところ、タイミングよく夫が東京へ転勤になり、それを期に辞めたい、という希望を自分の勤めていた会社に伝えました。
永田:転機ですね。
由歌トレーナー:すると、東京の方で人手が足りないから、という理由で、それまで勤めていた大阪から東京への転勤の打診が、やってきました。そうしていったん東京に行くのですが、今度はまた夫が大阪に帰任となってしまって。
さぁ私はどうしようと考えていたところ、会社から「一年だけ別居婚で頑張ってくれたら大阪に戻すよ。」と言ってもらえたんですよね。ですので、一年は別々に暮らしながら働きました。ところが一年経つとやはりあと数年東京勤務をしてもらえないかと言われてしまって。さすがにそれは無理!となって、そこで退職しました。
永田:なるほど!
由歌トレーナー:しばらくして妊娠し、出産後は子育て中心でしたが子どもが3歳になる頃に講師のお話をいただいて、そこから社会復帰しました。
永田:人に教えるというお仕事は初めてのご経験だったと思いますが、いかがでしたでしょうか。
由歌トレーナー:講師のお話をいただいた会社で講師研修を受けさせていただきました。また通訳学校で「中国語講師養成講座」というのが不定期に開催されておりまして、そちらはいつも受講していました。講師として最初の頃は、接客のお仕事をされている方向けに中国語を教えていました。実際にモノを売らないといけないから、皆さん熱心でしたよ。レッスン初日から「你要什么?」などは理解され、使っていらっしゃいましたし。
どうやったらうまく教えられるか、どうやったらつまづきなく勉強を続けることができるのか?ということをずっと考えています。なので、中国語だけではなくて今は「話し方」とか「伝え方」といったことも勉強しています。
永田:教えるとなると、通訳や翻訳とはまた違った面白さ、醍醐味がありますよね。
由歌トレーナー:社会人の方は仕事直結ですので、いつも本当に熱心です。ところが相手が学生さんとなると、少々難しいんですよね。モチベーションがバラバラだったりするので。
永田:モチベーションを上げるというのは本当に難しいですが、どのような工夫をされていますか。
由歌トレーナー:そうですね、一番はじめにつまづいてしまうと、もうその後が続かないので、なるべく一人一人のいいところを探して、伝えるようにしています。課題があっても、その課題を伝えたあと、必ずいいところを添えるようにしていますね。楽しいと思ってもらえる工夫をしようと努めています。
永田:いいところ、課題点、そしてまたいいところ…という風にクッションにして伝えると良いとは私も聞いたことがあります。
続けられないときの乗り越え方
永田:ご縁があって、由歌トレーナーご自身も学びを辞めずに続けてこられた中国語ですが、どうしてもやる気が起こらないとか、続けることが難しいときはどうすればその時期を乗り越えられると思われますか。
由歌トレーナー:やはり、完全に離れてしまうのではなくて、「今日だけは何もしない!」など、日を決めるといいのかなと思います。何もしない日のあとは、逆に山ほどやる日も作ったり。鼓舞してくれる人に愚痴ってみるのもいいですね。通訳学校の先生とかに相談したらきっと「何言ってるねん!」って怒られると思いますが。
永田:お尻を叩いてくれる人に相談する、というのはいい方法ですね!
由歌トレーナー:やる気が起こらないときって誰にでもあると思います。だから、そんなときは歌とか好きなドラマなどを見てよしとするのも大事ですね。アプリで勉強するのも同じ勉強ですから、そういうもので気軽に乗り切るっていう方法をお伝えします。
永田:中国語学習は長く続くものですから、そうやってメリハリを持てたらいいですね!!
「多听多说」-たくさん聴き、たくさん話すべし。これは語学力を底上げするには必須の学習への取り組み方ですね。とはいえ、たくさんってどれだけ…?多听多说とあるように、まずは「聴く」方から取り組むといいでしょう。何度も聴いてきいて…これ以上聴いてももう聴きとれるようになる部分はない!と思うところまで聴いて、それからようやくテキストを見る。そして、今度は「詰まりなく」読めるようになるまで何度も読んでよんで…を繰り返す。すると、きっと数か月後には中国語力は見違えるほど向上しているはずです。
使うのはたったひとつの素材でOK!「この文章に関してはどこを取っても完璧に聴き、読める」と思えるものをひとつふたつと積み上げていくことが、確固とした語学力の土台になっていってくれますよ。
記事をお読みいただきありがとうございました。
中国語ゼミ読者のみなさまは、
・ネイティブとの会話を楽しみたい
・仕事で中国語を使えるようになりたい
・HSK、中国語検定に合格してキャリアアップしたい
・ドラマや映画を字幕なしで楽しみたい
・旅行で使える中国語を身につけたい
などなど、夢や目標をお持ちだと思います。
そんなあなたにお願いがあります。
実は今回、「中国語スタート講座」の動画が完成し、このページをご覧いただいた方を対象にモニター受講生を募集します。
日本人が中国語を学ぶ驚きのメリット、話す力・聴く力が同時に上達する学習法がわかる講座に、参加してみませんか?(受講費は無料です!)
講師は、中国語ゼミ監修者の三宅裕之。2001年に語学コーチングスクールを設立し、今まで15,000人以上を指導した語学×コミュニケーション力開発のプロフェッショナルが、わかりやすく解説しますので一生モノの知識を得られるはずです。
スマホ、パソコンから気軽にオンライン受講できます。詳しくはこちらのページに書いてありますので、ぜひ判断してみてください。