全国通訳案内士は中国語を活かせる国家資格。試験情報や勉強法は?

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外国語学能力を最大限に活かせるお仕事「(全国)通訳案内士」。近年の訪日外国人観光客の増加、また2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催などで今後も訪日外国人の数の増加が見込まれることから、今注目が高まっている資格です。ご存知でしたか?実は「(全国)通訳案内士」は語学系で唯一の国家資格なのです。

2018年の法改正によって「通訳案内士」は、現在「全国通訳案内士」という名称に変更されています。しかし、長年使われてきた「通訳案内士」の方がまだ一般には知名度が高いため、この記事中でも特に断りがない限り、「通訳案内士」という名称を「全国通訳案内士」と同じ意味で使います。

通訳案内士は英語、フランス語、スペイン語など計10カ国語が認定されています。中国語ゼミのおすすめは、もちろん希少価値の高い「中国語の通訳案内士」。通訳案内士の資格を持つ多くの方が「英語専門」な一方で、近年急増する中国からの観光客に対応できる「中国語の通訳案内士」の数が足りていません。

この記事では、通訳案内士とはどのような仕事なのか、通訳案内士の資格試験の情報などを詳しくご紹介いたします。

記事執筆は私、フルーエント中国語学院現役トレーナー・ナホです。実際に私の中国語学習仲間の中でも中国語の通訳案内士の資格を持っている方は何人かおり、また、受験勉強をがんばる姿も見てきました。その経験をふまえて今回の記事を書きました。

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1. 全国通訳案内士とは

通訳案内士とは、主に海外からの訪日旅行者が日本で観光する際に、それぞれの国の言葉で日本の文化や伝統を伝えるお仕事高度な外国語能力だけでなく、日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する豊富な知識を持っていることが必要条件となります。

また、観光旅行の案内だけでなく、ビジネスの視察や研修、国際会議、世界規模のイベントなどでの活躍も期待されます。

前述したように、2018年に行われた通訳案内士法の法制度改正により、通訳案内士の名称は「全国通訳案内士」という名称に変更されました。「全国通訳案内士」がある一方、「地域限定通訳案内士」という資格もあります。これは、通訳案内士と業務内容は似ているものの、ある都道府県に限って通訳案内業務を行うことができる資格です。地域限定通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた人が取得できます。

1-1. 国家試験を経て得られる国家資格


全国通訳案内士は、毎年1回実施される「全国通訳案内士試験」の国家試験に合格することで、資格を得ることができます。

試験は国土交通省管轄である観光庁が主催、実際の試験は日本政府観光局の代理機関として「独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)」が行っています。

全国通訳案内士の試験内容は、大きく一次試験と二次試験に分かれており、一次試験では外国語、日本地理・歴史、産業・経済・文化に関する一般常識、通訳実務の筆記試験、一次試験合格後の二次試験では外国語の面接試験があります。二次試験に合格すると、都道府県庁に全国通訳案内士としての登録を行い、「通訳案内士登録証」が発行されて業務を開始できます。

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全国通訳案内士の国家試験は年齢、性別、学歴、国籍などに関係なく受験が可能なため、日本人だけでなく外国人も受験できます。日本の地理や歴史など、語学の能力が高いだけで合格できる試験内容ではないため、日本語の運用が問題ない外国人にとっても難関の資格です。

1-2. 認定される外国語は10カ国語

全国通訳案内士は、英語をはじめ、以下に挙げた10種類の外国語を対象としています。

  • 英語
  • フランス語
  • スペイン語
  • ドイツ語
  • 中国語
  • イタリア語
  • ポルトガル語
  • ロシア語
  • 韓国語
  • タイ語

試験地は、一次試験(筆記試験)は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄の都市部と、新潟と熊本が準会場となっています。言語限定ですが、ソウル(韓国語)や台北(繁体字中国語)といった海外でも実施されます。

二次試験(面接試験)の試験地は日本国内のみ。英語、中国語、韓国語は東京、大阪、福岡でも行われますが、それ以外の外国語は、全て東京で行われます。

1-3. 訪日外国人観光客に日本を案内する仕事

全国通訳案内士の資格を持っていると、訪日外国人観光客向けに、日本各地で観光ガイド業務ができます。仕事の場としては、観光案内所や博物館などの施設に常駐する場合もあれば、ツアーガイドのように同行しながら案内業務を行うことができます。

近年、訪日外国人観光客数は増加している上、更に2020年には東京オリンピックが開催されます。さらに訪日外国人観光客の増加が見込まれるため、今通訳案内士の注目と需要が高まっています。

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2. 全国通訳案内士の資格を取得するメリット

全国通訳案内士の資格を取得するメリットをご紹介します。語学力を活かした仕事がしたい方にぴったりの仕事ですので、ぜひ参考にしてください。

2-1. フリーランスでガイドの仕事ができる

全国通訳案内士の国家試験に合格すると、報酬をもらって外国人観光客への通訳をはじめ、日本全国各地で外国語で観光案内を行うことができます。

旅行会社などに所属してガイドの仕事をする方もいますが、フリーランスでガイドの仕事を行う人もたくさんいます。自分のペースで、強みやこだわりを活かしながら働くことができるのがフリーランスのガイドの魅力です。

中国ゼミのこちらの記事では、通訳案内士の年収や年収をあげるための方法を伝授!
通訳案内士の気になる年収は?稼ぐための方法を紹介!

2-2. 就職に有利になる

旅行会社や旅行代理店、イベント関連業などを行っている会社であれば、全国通訳案内士の資格を持っていると選考に有利になるでしょう。他にも空港や鉄道機関の案内所や観光地など、訪日観光客が多く集まる場所での仕事探しでも資格を十分に活かすことができます。

2-3. 信頼面、収入面で安定したガイドになれる

2018年の法改正により、現在、全国通訳案内士の資格を保有していなくても、外国人観光客に対して有償ガイドの仕事を行えるようにはなりました。しかし、実際のところ、全国通訳案内士の資格を保有している人のガイドの方が信頼面で有利な状況であるといえるでしょう。

資格を持たないガイドは肩書として「全国通訳案内士」、またはそれに類する「通訳ガイド」、「国家ガイド」、「日本・地域ガイド」等の名称使用はできない決まりとなっています。もちろん収入面に関しても、資格を保有している人の方が高いです。

3. 全国通訳案内士の試験概要

受験資格 年齢、性別、学歴、国籍等関係なく誰でも受験可能
試験日程 年1回(1次試験8月、2次試験12月の各1回)
申し込み方法 郵送または電子申請

全国通訳案内士の試験概要です。受験資格は特にありません。試験は一次試験・二次試験それぞれ年に1度のみの実施です。申し込み方法は試験実施団体への郵送かHPからの申し込みの二種類があります。以下、詳しくご説明します。

3-1. 受験資格

全国通訳案内士の受験資格には制限がなく、学歴、年齢、国籍に関わらず誰でも受験することができます。高度な外国語能力があることは、試験に有利に働くものの、同時に日本語の高い言語能力や、日本の地理や文化、法律や時事など日本に関わる幅広い知識が必要です。どの受験生も試験対策を十分にすることが求められます。

3-2. 試験日程

全国通訳案内士の国家試験は、他のほとんどの国家試験と同様に、一次試験・二次試験それぞれ年に1回のみの実施です。例年、一次試験(筆記試験)が8月、二次試験(面接試験)が12月に行われます。

試験会場は複数ありますが、試験結果の公平を期す観点より、すべての会場で同日同時刻に試験が実施されます。

3-3. 申し込み方法

全国通訳案内士の受験費用は、1ヶ国語につき11,700円です。二か国語受験の場合は23,400円となります。

申込は郵送かインターネットでできます。日本政府観光局(JNTO)サイトの『全国通訳案内士試験申し込みページ』にアクセスし、画面の指示に従って必要事項を入力します。

※上記の試験申し込みページは申し込み期間以外は機能を停止しています。

郵送申し込みの場合は、毎年5月中頃に配布される願書を下記の配布場所に受け取りに行くか、郵送での受け取りも可能です。必要事項を記入した願書は郵送で試験申し込みとなります。願書持ち込みは受理されません。

  • 日本出版販売株式会社 内の全国通訳案内士事務局
  • 日本政府観光局 全国通訳案内士係
  • JNTOツーリストインフォメーションセンター
  • 各都道府県全国通訳案内士試験 担当部署
  • 一般社団法人 日本観光通訳協会

4. 全国通訳案内士の試験内容

試験の種類 試験内容

一次試験

午前の部:外国語
午後の部:日本地理、日本歴史、産業・経済・政治及び文化に関する一般常識、通訳案内の実務

二次試験

選択した外国語での通訳案内実務能力を測る面接試験

全国通訳案内士の試験は、一次試験(筆記試験)とそれに次ぐ二次試験(面接試験)の2パートに分かれます。一次試験も二次試験でも高い外国語能力が問われ、同時に日本の地理や歴史、政治や経済についての幅広い知識も求められます。外国語が堪能なだけでは合格できない試験です。

4-1. 一次試験は記述とマークシート方式による筆記試験

全国通訳案内士の一次試験は筆記試験。「外国語」に加え、「日本地理」、「日本歴史」、「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識」、「通訳案内の実務」各分野が出題されます。一次試験の問題で使われる言語は全て日本語です。

外国語の出題方式は、英語はマークシート方式のみ、韓国語と中国語は記述式及びマークシート方式の併用、その他の言語は記述式のみで行われます。試験時間は120分、100点満点中70点以上の取得が合格基準点となっています。

「日本地理」、「日本歴史」、「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識」、「通訳案内の実務」試験の出題方式はマークシート方式です。

試験科目 試験時間 合格基準
日本地理・歴史 40分間 70点以上(100点満点)
一般常識(産業、経済、政治及び文化) 20分間 30点以上(50点満点)
通訳案内の実務 20分間 30点以上(50点満点)

4-2. 二次試験は10分程度の面接試験

筆記試験に合格すれば、次は試験官と直接顔を合わせる対面式の面接試験です。試験内容は、選択した外国語を使っての口頭でのコミュニケーション能力を測るもので、通訳としての語学力はもちろん、日本の歴史や文化に関する知識も問われます。同時に全国通訳案内士として適正であるかどうかの人物考査も行われます。

全国通訳案内士の二次試験は、毎年12月初めに行われ、面接試験の所要時間は10分程度です。

4-3. 語学の資格により一次試験の一部が免除になる

全国通訳案内士の一次試験では、語学の資格を取得したり、試験のスコアが基準点以上であれば、一部の科目が免除される制度があります。

まずは語学系から。以下の語学系の資格や試験のスコアが基準点以上の場合、一次試験の外国語科目の受験が免除されます。

4-3-1. 英語

  • 英検免除:実用英語技能検定1級
  • TOEIC免除:
  • ①リスニング&リーディングスコア900以上
  • スピーキングスコア160以上
  • ③ライティングスコア170以上
    上記①~③のいずれか。上記の得点を取得した同一年度とその翌年度のスコアのみ有効外国語試験免除制度の中で、「TOEIC免除」だけは有効期限があります。

4-3-2. フランス語

  • 仏検定免除:実用フランス語技能検定試験1級

4-3-3. ドイツ語

  • ドイツ語技能検定試験1級

4-3-4. 中国語

  • 中検免除:中国語検定試験1級
  • HSK免除:HSK6級180点以上、旧 HSK高等試験9級以上

4-3-5. 韓国語

  • ハン検免除:ハングル能力検定試験1級
  • TOPIK免除:TOPIK(韓国語能力試験)6級

4-3-6. イタリア語

  • 伊検免除:実用イタリア語検定試験1級

4-3-7. スペイン語

  • 西検免除:スペイン語技能検定試験1級
  • DELE免除:DELE C1、DELE C2、DELE Superior
    2018年度より、免除制度にスペイン語の受験が加えられました。

4-3-8. 当該外国語

  • 地域限定通訳案内士試験合格者

4-4. 語学以外の資格での免除

語学関連の資格以外では、以下の資格や試験に合格していると、一次試験の一部または全部が免除になります。

4-4-1. 日本地理

  • 総合または国内旅行業務取扱管理者
  • 地理能力検定日本地理2級以上
  • 一般・国内旅行業務取扱主任者

4-4-2. 日本歴史

  • 歴史能力検定日本史2級以上
  • 大学入試センター試験「日本史B」60点以上
    大学入試センター試験において、日本史Bの得点を取得した年度と、5年以内に行われる試験が対象です。

4-4-3. 一般常識

  • 大学入試センター試験「現代社会」80点以上
    大学入試センター試験において、現代社会の得点を取得した年度と、5年以内に行われる試験が対象です。

4-4-4. 通訳案内の実務

  • 観光庁の研修が修了していること
    平成29年度(2017年)以前にいずれかの言語で通訳案内士として合格し、全国通訳案内士として既に登録済の人が対象で、新たに他の語学にて受験する場合に限ります。

また、前年度に全国通訳案内士の一次試験を合格している場合は、一次の筆記試験が免除されます。また、一次試験の一部科目が合格基準点を越えている場合も、その科目の筆記試験は次年度受験の際に免除されます。

5. 中国語の通訳案内士について

それでは、10か国語のうち、中国語に特化した全国通訳案内士についてご紹介していきます。「通訳案内士」と聞くと、英語と思われる方も多いと思いますが、今最も需要が高まっているのは中国語の通訳案内士なのです。なぜ中国語の通訳案内士なのか、中国語の通訳案内士になるにはどのような知識が必要なのか、どうしたらなれるのかを以下にまとめました。

5-1. 中国人観光客は年々増えている

中国からの観光客は年々増え続けています。訪日外国人のデータを国別で見ると、中国からの観光客が訪日外国人の4分の1を占め、現在日本を訪れる外国人観光客の中で中国人の数が最も多いです。

また、中国人が行きたい観光地としても、常に日本が上位にランクインし、中国人にとって日本は人気の高い国となっています。

近年、訪日中国人観光客に対するビザ発給要件の緩和が行われており、日本に観光や買い物、歴史や文化を体験しに来る中国人が増加の一途をたどっています。最近では、観光だけでなく日本の最先端の医療を求めて来日する中国人も出てきているという話です。

しかし、増加し続ける訪日中国人観光客に対応しきれない、コミュニケーションが円滑に進められないシーンが多くなっていることも事実。今まさに、中国語の全国通訳案内士の充足が急務となっています。

5-2. 中国語の全国通訳案内士が不足している

全国通訳案内士試験を主催する、JNTOが発表した、中国語を選択した全国通訳案内士受験者数データによると、全体的に中国語受験者数は減少傾向にあります。英語受験者数のボリュームと比べ、「中国語の通訳案内士」受験者数は少ないです。国別訪日外国人観光客の中で中国人が一番多いのにも関わらず、中国語専門の全国通訳案内士の数が足りていない現状がわかります。

中国語の全国通訳案内士の受験者数の推移は以下の通りです。

中国語の全国通訳案内士の受験者数の推移
2015年度 1,200人
2016年度 1,476人
2017年度 1,228人
2018年度 776人

 

英語の全国通訳案内士の受験者数の推移
2015年度 8,491人
2016年度 8,427人
2017年度 7,978人
2018年度 5,754人

(出典:JNTO 日本政府観光局「統計・データページ」より)

全国通訳案内士、ガイド、インバウンド全体の需要と供給のバランスが悪いのが現実中国語の全国通訳案内士を目指すには、今が絶好の機会といえますね!

中国語の通訳案内士に興味があるあなたにオススメ!こちらの記事もご覧ください。

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5-4. HSK6級180点以上を取得していると中国語試験が免除になる

4-3で書いたように、指定された試験に合格していたり、一定以上の点数を取得している場合は、全国通訳案内士の試験の一部科目が免除される制度があります。

この免除制度を利用することによって、苦手な科目に集中して対策ができ、一次試験突破という難関攻略に有利に働きます。

中国語の全国訳案内士を目指す方の多くは、中国語の語学の資格試験を受験する人が多いです。中国政府認定の中国資格試験である「HSK(漢語水平考試)」の最高級である 6級で、合格点の180点以上を獲得すると、全国通訳案内士一次試験・外国語試験免除の条件となります。

既にHSK6級を正答率8割以上で合格した筆者ですが、HSK 6級180点以上というのは、通訳案内士の中国語試験よりも難易度は低いと感じています。一方で、もう一つの中国語試験免除になる中検1級は一生をかけて取る資格と称されるほどの超難関資格。中国語の資格で全国通訳案内士の試験免除を目指すのであれば、HSK 6級180点以上取得が近道といえます。また、HSK 6級のヒアリング問題は1度しか読まれず、音声の速度もかなりのもの。通訳案内士の実務や面接試験対策にもつながります。

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6. 全国通訳案内士試験の難易度

ここまでの文章をお読みの方の中では、全国通訳案内士の試験はかなり難易度が高いと感じる方もおられるのではないでしょうか。実際の合格率では、2018年度の全国通訳案内士合格率は15.6%でした。

6-1. 難易度は高い

合格率は低いものの、全国通訳案内士の試験受験者数は増加傾向にあります。

2008年の全体の受験者数は8,972人で、最終合格者数は1,559人。
(参考:日本政府観光局JNTO 『平成20年度 全国通訳案内士試験 受験者及び合格者数』)

2017年の受験者数は、全体で10,564人。最終合格者は1,649人でした。
(参考:日本政府観光局JNTO 『平成29年度 全国通訳案内士試験 受験者及び合格者数』)

6-2. 近年の合格率

全国通訳案内士の国家試験の合格率は、2017年度で15.6%、2016年度で21.3%、2015年度で19.3%となっており、難易度がかなり高いことがわかります。

過去4年間の中国語全国通訳案内士の合格率の推移は、以下の表の通りです。中国語の合格率は、全体の合格率よりも低めで推移しており、通常1ケタ台です。

中国語の全国通訳案内士の合格率の推移(カッコ内は全体合格率)
2015年度 7.2%(全体19.3%)
2016年度 9.5%(全体21.3%)
2017年度 10.6%(全体15.6%)
2018年度 7.9%(全体9.8%)

年々受験者数が増加しているものの、中国語の全国通訳案内士試験は更に合格率が低く、難関であることがわかります。だからこそ、この難関資格所得を目指す意味があるといえます。中国語上級学習者の世界では、中検1級もしくは中国語の通訳案内士の合格が中国語学習のゴールとして設定している方も多く、日々努力を重ねています。

通訳案内士の合格率と筆記試験の免除に関する情報はこちらの記事を参考にしてください。
【中国語の全国通訳案内士】合格率は? 筆記試験の免除とは?

7. 中国語の全国通訳案内士合格に向けた勉強法のポイント

難易度の高い中国語の全国通訳案内士試験に合格するには、どのように勉強すればよいのでしょうか。

全国通訳案内士の一次試験合格率のデータを見ると、2017年には約80%、2014年から2017年にかけては約70%が不合格となっており、一次・筆記試験がネックになっていることがわかります。

外国語に関する試験だけでなく、日本史や地理に関する筆記試験もあり、また各項目でも合格基準点が定められているため、それらの知識もかたよりなく豊富でないといけません。

試験の一部免除制度も利用しましょう。前述した、試験免除制度の対象となる資格や試験をチェックし、免除できる科目は積極的に免除適用を受け、他の科目の試験対策に集中して取り組みましょう。

7-1. 外国語以外の科目は過去問とセンター試験向け参考書も活用

筆記試験の外国語パート以外の試験科目では、過去問だけを使っての対策だけでなく、センター試験向けの参考書も使えます。試験の出題年度によって内容が変わる部分も多いため、歴史や地理、一般常識などは常に時事を追い、最近のセンター試験対策向けの参考書を準備して対策しましょう。観光白書からも出題されるため、過去数年分のポイントや傾向の把握もお忘れなく。

7-2. 中国語はHSK6級180点以上を取得して免除を受ける

外国語試験である中国語ですが、HSK6級180点以上取得で試験免除になる制度があります。通訳案内士の問題レベルとHSK6級180点以上取得の難易度を比べると、HSK6級180点以上の方が簡単です。しかも有効期限はなく、一度HSK6級を取得すればずっと通訳案内士の中国語試験免除が可能です。

そのため、中国ゼミではまずHSK6級を取得してから全国通訳案内士試験の受験に臨む方法をおすすめします!

7-3.【おすすめ教材】地理・歴史・一般常識・実務

『ユーキャンの全国通訳案内士<地理・歴史・一般常識・実務> 速習テキスト&予想模試 』(ユーキャンの資格試験シリーズ) 
  全国通訳案内士の試験科目「地理・歴史・一般常識・実務」を1冊でカバーできる教材。新しい科目の「通訳案内の実務」にも対応しています。地図や写真が豊富で、丁寧な解説が好評のテキスト。合格のために必要なポイントが詰まっています。本試験形式での予想模試1回分も収録。試験前の仕上げにおすすめです。
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7-4. 二次試験対策も同時に行う

全国通訳案内士は、一次試験の筆記試験に合格後、二次試験である面接試験に進めます。

しかし一次試験の合格発表は例年11月初め。二次試験は例年12月初めに実施されます。それまでの期間が、わずか1カ月ほどしかありません。二次試験の問題の難易度も高く、一次試験の合格を確認して初めて対策を始めるのでは時間が絶対的に足りません。一次試験で合格の手ごたえを感じたらその後は、二次試験対策をしつつ合格発表を待つ、というスタイルになります。

信頼される高収入ガイドを目指すなら全国通訳案内士資格

全国通訳案内士は、訪日外国人観光客の増加や東京オリンピック開催に伴い、今後も需要の高い国家試験の一つだといえます。

訪日観光客のうち、中国人観光客が最も多い昨今、中国語専門の全国通訳案内士のニーズは高まるばかり。これから、ますます中国語のプロフェッショナル、全国通訳案内士の増加が期待されるでしょう。

そんなニーズの高い中国語の全国通訳案内士という職業取得を目指す第一歩は、きちんと相手に伝わる中国語の「正しい発音」を身につけることが大切です。最初にきれいな中国語の発音を身につけていれば、その後の中国語の学習もグッと楽になりますよ!

中国語のプロフェッショナルを目指すあなたへ。こちらのコンテンツを利用するなどして、中国語の発音マスターへの一歩を踏み出しましょう。

記事をお読みいただきありがとうございました。

中国語ゼミ読者のみなさまは、

・中国人と流暢に会話を楽しめるようになりたい
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・ニュースや映画を字幕なしで読めるようになりたい
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そんなあなたに朗報です。

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