北京語と広東語の違いは?北京語の特徴や4つのおすすめ学習法

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中国語を学び始めたばかりの人、これから学ぼうかな?と思っている方たちの中には、「そもそも中国語にはどんな種類があるんだろう?」と疑問に思う人もいるかも知れません。インターネットや中国語関連の書籍などで、「北京語」、「広東語」、はてまた「普通語」といった言葉を目にするけれど、それぞれ実際はどのように違うのかイメージがあいまいな方も多いのではないでしょうか?

中国語には北京語や広東語を始め、いくつか種類があります。「北京語」の「北京」は中国の首都。その為、「北京語=標準語」中国語と思われがちです。中国語の標準語である「普通話(簡体字表記:普通话、中国語発音:プートンファ)」のベースは北京語なものの、この両者がまったく同一というわけではありません。

中国語の標準語は普通話であり、北京語は中国北方方言の1つと位置づけられます。日本語で置き替えて考えた場合、ちゃきちゃきの江戸っ子が話す東京弁とNHKのニュースキャスターが話す標準日本語の違いとして考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

今回の記事では私、フルーエント中国語学院現役トレーナー・ナホ(中国在住歴10年)が北京語とはどういった言語なのか、北京語と広東語の違い、北京語と広東語のどちらを学ぶべきか、学習方法などについてたっぷりとご説明いたします!

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1. 北京語とは

日本でも各地方の方言があるように、中国語も話される地域によって、いくつかの言葉に分類されます。その中の一つが「北京語」です。

まずはじめに「北京語」とは一体どんな言葉なのか?どのように他の種類の中国語と違うのか?についてご紹介します。

1-1. 北京語と標準語(普通話)は似ているけど違うもの

北京語と普通話(中国語の標準語)は違います。中国はさまざまな民族の人々が暮らす多民族国家であり、国土も広大です。話される中国語も地域による違いがあります。一方で、広大な中国が1つの国として統一されるためには、中国国内どこでも通用する中国語を作る必要がありました。このような背景から、1949年に共通語として普通話の採用が決められました。

普通話は、北京を中心とした中国北部地方で話される「北方語」をベースとしており、北京語と共通している部分は多です。その一方、北京語にしかない特徴もあります。

1-2. 北京語の三大特徴

普通話と比較した場合、北京語は以下の3つの大きな特徴があります。

出展:中国ゼミ作成

個別に補足説明します。

1-2-1. 巻き舌による発音(アル化音)が多い

「巻き舌による発音(アル化音)が多い」については、四合院⇒四合院儿,饭馆⇒饭馆儿、今天⇒今儿という語尾に「儿(ér)」という音がつくことを指しています。nの発音で終わる単語に儿がつきやすい印象です。

1-2-2. 全体的に話すスピードが速い

「全体的に話すスピードが速い」これは独特の言い回しと相成り、普段普通話を学習している人が北京語を聞くと、戸惑うことになるかもしれませんね。

1-2-3. 北京語特有の言葉や言い回しがある

「北京語特有の言葉や言い回しがある」「甭」=不用、「歇」=休息、「干嘛?」=干什么?などの言い回しが挙げられます。これらの言い回しが他の地方にも伝播して使われていることもあります。

筆者は日中国際結婚で、夫は北京ではないものの、中国北方の出身です。夫の故郷で話されるご当地の言葉は、北方だけあり普通話がベースですが、普通話学習者にはかなり難解。当初は義父母が話す言葉の聞き取りに苦労しました。

【北京語の特徴 巻き舌発音・アル(r)化の例】

巻き舌発音が多い北京語。ある観光地では、「出口はどこですか?」と尋ねると、「去东门儿!(東門へ行きなさい)」と言うのです!
门(門)がr化して「门儿」に、更にご当地の方言では四声も変化してピンインで書くと「mènr」に。カタカナではくぐもった「マー」のような音に聞こえ、普通話の発音に慣れた筆者にはとても印象的でした。

1-3. 北京語と標準語(普通話)の違い

中国語の代表としてよく知られているのは北京語と広東語です。

北京語は中国の標準語である普通話に近く、普通語の知識を持っていれば、北京語を一定レベル理解できます。但し香港を含む中国華南エリアで話されている中国語方言・広東語に至っては、それは通用しません。

2. 北京語と広東語の違い

北京語と広東語の差異はかなり大きいです。その違いは、われわれ日本人が感じる「方言の違い」よりも大きなもの。音だけ聞くと、方言の枠を超えて言語の違いと感じるほどです。

筆者は中国の広東省広州という、広東語使用エリアに2年ほど在住していたことがありますが、広東語についてはあいさつと数字、あいづち以外はほぼチンプンカンプンでした。中国出身の夫ですら、中国北方出身の為「広東語は分からない。」と会話はお手上げだったほどです。彼は漢字を見ての広東語発音を自然と習得できていましたが、会話までには至りませんでした。

2-1. 声調の違い

中国語の発音には声調という音の高低があり、この声調とピンインを組み合わせることで発音が成り立ちます。ピンインと声調の組み合わせの数だけ発音があります。

この声調の数が北京語と広東語では異なります。北京語は普通話同様、4つの声調であるのに対し、広東語には最大で9つもの声調があると言われています。

出典:中国ゼミ作成

2-2. 漢字の読み方の違い

北京語と広東語では、漢字の読み方が違います。同じ漢字であっても発音が異なっているため、広東語の文章は北京語の知識を基に字面で意味を追えても、耳で聞いた場合は全く違う言葉のように聞こえるのです。

現在、中国では普通話が共通語として普及しており、日常的に広東語を話す人も学校では普通話で学んでおり、北京語を理解できる人が多いです。しかし、逆に普通話しか学んでない人が広東語を理解することは非常に難しいです。実際に広州で暮らした筆者も、広東語で話されると困りました。

例を挙げます。北京語と広東語の漢字の読み方の相違として、「大丈夫です。」を意味する「没问题」ですが、発音をカタカナで表記した場合、北京語(普通語)では「メイウェンティ」と発音しますが、広東語では「モウマンタイ」と発音します。

意味:大丈夫です。

北京語 没问题。
メイウェンティ
広東語 没问题。
モウマンタイ

2-3. 文法の違い

また、漢字の違いだけでなく、文法にも違いがあります。

例えば、「お先に失礼します」を北京語で表すと「我先走了。」(Wǒ xiān zǒule. ウォシィェンゾウラ)ですが、広東語は「我走先了。」となり、時間を表す副詞の「先」の位置が違います。

意味:お先に失礼します。

北京語 走了。
広東語 我走了。

他に、「AをBに〜する(娘に本を与えるなど)」といった直接目的語と間接目的語の語順比較表現や現在進行形でも北京語と広東語では語順が異なっており、これを間違えてしまうと正しく意味が伝わりません。このほか、広東語は語末の助詞も多く、普通話の7つに対し、広東語は30もの助詞があるとされています。

【広東語ってどんな言葉?】
広東語の詳しい解説はコチラの記事をご覧ください!
広東語とは?香港、マカオ、チャイナタウン…世界で使える中国の方言

3. 北京語と広東語、どっちを学ぶべき?

北京語と広東語の違いについて比較してご説明していきました。それでは北京語と広東語、どちらを学ぶべきなのでしょうか?

3-1. 中国全土で広く使われているのは北京語をベースとした普通話

中国で最も多く使われているのは「普通話」と呼ばれる北京語をベースとする言葉です。そのため、北京語を学習しておけば普通話も通じることになるのです。(※北京語の学習に際しては、先に普通話の学習することを中国ゼミでは推奨します。理由は5章を参照ください)

近年では広東語を話す地域でもほとんどの人は普通語を話します。北京語や普通語を学習していると、広東語だけ知っているよりも、言葉を伝えられる人のボリュームが圧倒的に多くなります。

3-2. チャイナタウンや香港との関わりが深いなら広東語

日本人の旅行先としても人気の香港や、中国以外の国のチャイナタウンでは広東語が多く使われています。そのため、それらのエリアとの関りが深く、そこで話されている言語を学びたい、という希望があれば、広東語を勉強することをおすすめします。たとえマイナー言語であっても、学びたいという気持ちに従いましょう!

ちなみに、筆者が広州で出会った、広東語を学ぶ日本人からは、広東語は声調は多いものの、普通語の「不」や「一」に見られる変調がなく、広東語の方が発音がしやすい、理解しやすい、という話を聞きました。

4. 北京語を上達させる4つの勉強法

それでは、北京語を上達させるにはどのようにすれば良いのでしょうか?効率よく北京語を上達させるための4つの勉強法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

4-1. 語学学校に通う

中国語の語学学校で教わるのは普通語ですが、北京出身の中国語教師であれば、北京語特有の表現を教えることができるはずです。ただし、一般的に語学学校で普通語を教えている先生は方言をあまり教えたがらず、普通話以外は使わないようにと生徒に話すことが多い傾向にあります。

北京語にかけるあなたの思いを先生に伝えてみましょう。もちろん、無理強いにならない程度でお願いします。

4-2. 北京に留学する

北京語を学ぶ方法として最も効果的なのは、実際に北京に留学することです。北京で暮らせば自然と北京語が耳に入ってくる機会も多くなります。

北京で暮らせば、北京語を使う必要性も増し、上達のはずみにもなります。日常会話から北京語を使用していくことになり、自然な北京語を身に付けることができるはずです。もちろん、意識的に北京語ネイティブの人を探し、北京語の練習相手になってもらうことも、北京に住んでいれば比較的簡単に見つけることができますね。

【北京語を上達させたいあなたへ】

日々北京語が耳に入れば、話す中国語も自然と北京なまりになっていきます。

筆者は広州から上海へ引っ越したのですが、上海に引っ越して1年ほど経ったある日、広州人の友人と電話で話した際、「ナホの中国語は上海なまりになったね!」と言われたのが印象的でした。

普通話の学習においては、「そり舌の発音が浅くなった」と指摘を受けることが多くなりました。これも上海で耳にする普通話の影響かと思います。自分では自覚していなくても、知らず知らずのうちに影響を受けているものなのですね。

4-3. 北京語の教材を入手して独学する

北京語の教材を購入し、独学するという方法もあります。

日本語の教材としては、東京外国語大学サイト内の言語モジュールに北京の普通語として、北京語がメニューがあります。こちらは国立大学が公開しているサイトで、北京語の様々な表現を学ぶことができます。

出典:東京外国語大学サイト内の言語モジュール

日本で教材を買おうとすると、北京語=中国語(普通語)という文類になり、北京語に特化した市販教材は見受けられません。

中国国内の状況では、中国最大のネット書店・当当網や中国最大のネットショップ・タオバオなどでも、北京語の教材や辞典を購入することができます。筆者がざっと調べたところ、北京語初学者には下記の書籍が役に立ちそうと感じました。

↓書籍名「北京語の初歩」

画像ソース

↓北京語辞典

画像ソース

この方法のメリットは、語学学校に通うことや北京に留学することに比べ、手軽に始めやすいことです。かかる費用も基本的に教材費だけでコストも低いです。自分で自由な時間に学習を進められることもできます。

4-4. 北京語を話せる友人を作る

北京語を話せる友人をつくって話す、も有効です。ある程度日本語を話せる、日本に興味がある北京語スピーカーと知り合って相互学習をするとお互いにメリットがありお付き合いがしやすいです。

北京語限定ではないのですが、筆者は何人かの中国人とゆるく相互学習できる関係を作っており、中国語で分からないことがあれば気軽に質問しています。相手も日本語で分からないところがあれば私に聞いてくるので、お互いの語学力向上効果に一役買っています。

5. 北京語上達の秘訣

第5章では上達までの秘訣をご紹介します。北京語をいかにうまく習得していくためには、学習する上でのコツをつかむことが大切です。

5-1. とにかく最初は発音練習を徹底する

北京語に限らず、中国語学習で最も大切なことは、学習の最初の段階で正しい発音を学ぶことです。普通語の発音は北京語を基準としており、北京語の学習のはじめの一歩として、まず普通語の発音学習から入ることが効率的です。普通語の発音方法は日本語とは大きく異なっており、独学は大変難しいです。普通話の発音の特徴やコツをしっかり理解した上で、普通話の発音練習をしないと、間違った発音を身に付けてしまうリスクがあります。

間違った発音が身についてしまえば当然、中国人と正しく意思疎通することは難しくなってしまいます。自分が聞き取る中国語も間違えやすくなります。一度ついてしまった発音のクセは、後から修正するのが大変です。筆者は中国語トレーナーを務めていますが、受講生さんの間違った発音矯正は長い時間が必要です。

【上達の秘訣は発音トレーニング!】
現在では幸いな事に、語学学習教材やツールが豊富にあり、発音に関しては各種オーディオ教材、動画教材、スマートフォン向けアプリなどを使って手軽に普通話の発音を学ぶことができます。

私がトレーナーを務めているフルーエント中国語学院でも、「中国語ピンインマスター!実践トレーニング」という動画を公開しており、手軽に中国語の正しい発音がトレーニングできます。ぜひご活用ください。

ピンインをマスターするためのポイントをまとめた記事もご覧ください。

北京語を使って北京人の心をつかもう!

ここまで読んだ読者さんは、北京語と普通話の違いをよくご理解できたかと思います。北京語と普通話は似て非なるものです。

読者の方が北京へ行かれる際、普通語だけでなく、北京語独特の表現も少し話せておくと、地元の北京人からの反応も良くなりますよ。筆者は北京人と話したり、チャットする際、「いいよ!」の意味の中国語の「行!(xíng)」を「成!(chéng)」と北京話の言い方にします。そうすると「わかってるね~」と話も盛り上がるものです。北京に行ってみたいと考えている人は、北京語を少し覚え、現地で実践してみてはいかがでしょうか?

記事をお読みいただきありがとうございました。

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