鍼灸師のすべて~学校選び・学び・就職・修業・独立~

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鍼灸師
のべ17,403がこの記事を参考にしています!

昨今の健康ブームや、海外セレブ御用達ということで逆輸入された美容鍼灸のおかげで少しずつ認知度が上がっている鍼灸治療。

今回、興味はあるけれど知る機会の少ない鍼灸師の世界を紐解きたいと思います。

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1 鍼灸師の年収、理想と現実

1-1 鍼灸師の平均年収は20~30代前半の平均年収並

就職先により違ってきますが、鍼灸専門学校を卒業後8~9割の人が鍼灸整骨院に就職。1割の人は鍼灸院など、ほんの少数ですが他の資格もあり卒業後すぐに開業という人も。

  給料・勤務時間・特徴
鍼灸整骨院
  • 地域により差はありますが、だいたい初任給は月額約15~25万円。年収は約210~350万円。昇給や歩合制があればもっと上がります。
  • 勤務時間は約8時間、昼休憩が医院などのように長いところも多いです。治療院によっては、朝の勉強会や就労後の勉強会などもあります。
鍼灸院
  • 昔ながらの弟子入りは交通費+α。時給だと1,000円~、日給だと10,000円~が相場と言われています。
  • 勤務時間は治療院によってマチマチですが、約7~12時間くらい。
  • 鍼灸院の場合は、院長先生の補助をしながら学ばせてもらうという意味合いが強い傾向にあります。
開業
  • 1人単価をいくらに設定するかでも違いますが、自費治療の場合は1回5,000円前後で設定される先生が多いようです。年収は約250万円~未知数。
  • どのような形で開業するかによって収入に大きく差があります。例えば女性専門や往診専門で開業する人もいます。

開業しても患者さんの来院が安定するまでに時間がかかる場合もあるので、それも見越しての開業資金の準備も必要です。開業の場合、それぞれの地域需要に合わせるのはもちろんですが自分独自のマーケティングにより他治療院との差別化が重要になります。

その上で、腕が良く患者さんから人気のある先生なら年収800万円を超えることも可能ですし、有名鍼灸師となりメディアに出ればそれ以上の収入を得ることも可能です。

スポーツ
トレーナー
  • 所属する団体やチームによって、また競技期間のみの契約などによって差はありますが、年収は約300万円~。プロ選手の専属トレーナーになれば大幅にアップも可能かもしれません。

*競技により鍼灸師の資格のみで可能な場合と、アスレチックトレーナーの資格が必要な場合があります。

ここ10年くらいは美容鍼灸の分野で活躍する鍼灸師が増えており、今までの鍼灸治療に美容を取り入れ料金設定を工夫することにより治療単価はかなり上がっており、結果収入アップにもつながっています。

・美容鍼灸のパイオニア 北村 毅先生 https://www.yojospa.com/index-5.html
・美容鍼灸サロン https://harieq.com/cns/course/course.html
その他
・マタニティ専門の鍼灸サロン「天使のたまご」 https://www.tenshinotamago.com

現在、日本国民で鍼灸治療を受けている割合は全人口の約2~10%(年によって差が有)と言われています。ということは、まだまだ患者さんの開拓の余地があります!

鍼灸師の努力次第で、今まで鍼灸治療を受けたことがない多くの人が鍼灸の良さを知り、患者さんになってくれると鍼灸師の年収も今より上がるはずです。

最近の健康ブーム、さらには昨年末より国が「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防ぐために「ストレスチェック制度」(50人以上の事業所で義務化)をスタートさせたのもあり、病院での治療とは違う自己の自然治癒力や病に対しての抵抗力アップを目指し、心と身体の不調に同時にアプローチできる東洋医学にますます脚光が浴びる状況になってきています。

1-2 鍼灸師の給与は固定給?歩合制?それとも…。

鍼灸整骨院 固定給or歩合制など。各種保険、賞与などが付くところも多くなってきています。
鍼灸院 鍼灸院によって様々。交通費は出ても保険等は付かない場合が多いです。私が体験した給与では、鍼灸関連の専門書という現物支給もありました。もちろんすでに絶版になっているものや鍼灸師なら読んでおくべきもので手に入りにくいものばかりでしたが…。
スポーツ
トレーナー
所属する団体やチーム、契約内容によって固定給であったり日当であったり。

1-3 そもそも鍼灸整骨院と鍼灸院の違いは何? 

鍼灸整骨院
  • 整骨院を開業するには『柔道整復師』という別の国家資格が必要になるのですが『鍼灸師』の資格もダブルで持っているもしくは片方の資格のみで、もう片方の有資格者を雇い開業している治療院。
  • 主は整骨院の保険診療というところが多く、窓口料金が300~1,000円。それに自費診療の鍼灸をプラスする形態。この場合の鍼灸治療は局所治療(患部のみ)で10分~30分くらい。
鍼灸院
  • 鍼灸師の資格のみで開業。自費治療のみ、もしくは自費治療と保険診療併用(一人の患者さんに対しては自費治療か保険診療のどちらかのみ)。
  • 自費治療の場合、患部の施術と全身調整をすることが多いです(患部が全身に影響している場合と、全身のバランスが悪いことで患部に影響する場合があるので)。施術時間は30~90分と患者さんの症状や鍼灸師それぞれの方針によって差があります。

1-4 鍼灸整骨院なら就職率は約100%

地域差はありますが都市部だと鍼灸整骨院の数は非常に多く、専門学校には沢山の求人票が届いているので、よほど成績が悪い場合か、コミュニケーション能力が低くなければほぼ100%就職できます

一方、鍼灸院の求人は非常に少なく、就職ではなく弟子入りの形がまだまだ多いようです。

学生は鍼灸院の就職にこだわる人が多いですが、良し悪しはあるにせよ鍼灸整骨院ではすぐにでも治療に携わり患者さんと接することができどんどん経験を積むことができます。それに対し鍼灸院では、院長先生の補助が多く患者さんの治療に直接関わることが少ないです。

1-5 就職するなら鍼灸整骨院?それとも鍼灸院?

将来的にどの道を目指すのかによって選択は変わってきますが、双方の利点と欠点を紹介します。

鍼灸整骨院

利点 ・求人がたくさんあり自分の希望に合った就職先が見つけやすい
・各種保険なども完備されているところも多く、生活が安定する
・院によってはすぐに即戦力として治療をさせてもらえる
欠点 ・院によるが就業時間前後の勉強会があり拘束時間が長い
・鍼灸治療の時間が10~30分と短く、東洋医学的治療ができず局所治療だけのことが多い

鍼灸院

利点 ・学校では学べないような先生独自の治療理念や治療技術を間近で学ぶことができる
・30~90分の治療時間で、東洋医学的診察(舌診と脈診など)と治療がじっくりできる
・肩こり・腰痛以外の内科的疾患など様々な症状の患者さんとじっくり向き合える
欠点 ・弟子入りの形式が多く、給料は低く各種保険も付いていないことが多い
・患者さんへの鍼灸施術がすぐにはできず、先生の補助のことが多い

1-6 給与に比例しない鍼灸師のやりがい

日々患者さんと接し仕事をしていて、鍼灸治療後の患者さんの『楽になりました!』という言葉と共に笑顔が見れた時は本当にうれしいものです。

患者さんによっては本当につらい状態で来院されますが、それが和らぎ顔色も良くなり自然と出る笑顔に健康になるお手伝いができたんだと鍼灸師としてやりがいを感じます。

少しでも患者さんのつらい症状が楽になればと、「もっと最善の方法はないか?」「もっと最善の治療穴はないか?」などとさらに突き詰めたくなるのです。

もちろん仕事をする上で給与は多いにこしたことはないですが、患者さんの役に立てることが嬉しくて治療技術を極めたいとか治療に関する知識を深めたいと日々研鑽している鍼灸師が多いように感じます。

2 鍼灸師になるには

2-1 鍼灸師の資格は国家資格、仕事は職人的技の世界、鍼灸治療の有効性は無限大

<資格>

鍼灸師1_1鍼灸師の資格は厚生労働大臣が認める国家資格です。そして医療(治療)系の国家資格で開業権がある4つの資格の内の1つです。(他の資格は医師、歯科医師、柔道整復師)

国家試験を受けるには、文部科学省が認める大学または厚生労働省が認める専門学校で3年以上修業し卒業見込みをもらう必要があります。

鍼灸師ですが、実は「はり師」と「きゅう師」に資格が分かれています。

なので人によっては片方の資格だけ合格ということも起こります。国家試験の9割が共通問題なので一般的には同時に両方合格することが多いです。

<仕事>

鍼灸師の仕事とは、患者様からの訴えに対しその症状に適したツボ(経穴(けいけつ))を選び、鍼もしくはお灸でツボを刺激して症状を和らげるというもの。
実際の患者さんへの施術方法は先生によって様々です。

◉中医学(東洋医学)独自の診察法=四診(ししん)(望診(ぼうしん)、問診(もんしん)、聞診(ぶんしん)、切診(せっしん))で患者さんの体質や症状を把握してからツボ(経穴(けいけつ))を選び、鍼灸治療によりアンバランスになっている身体の上下、左右、陰陽のバランスを整えるというもの。

例えば、頭痛。病院ではどの場所の痛みでも基本同じ鎮痛剤を処方されますが、鍼灸治療では頭痛の起きている場所により選ぶツボと経絡が異なるので、頭痛の場所がどこかがとても重要です。

◉関節や筋肉に痛みや症状がある場合、あまり体質やツボや経絡を考えないで症状のある筋肉に直接鍼灸治療する方法。いわゆる「痛いとこ鍼」と言われるもの。

用いる鍼やお灸も様々な種類があり、同じ患者様でも日により症状も微妙に変化していたりもするのでその変化を察知し、その時々の状態に合うツボや刺激量や道具を選ぶことが鍼灸師にとってとても大切な仕事です。

病院での診断法は検査機器等による数値結果ですが、鍼灸師の場合、自分の五感を用い患者さんの状態を把握するので自分の五感を磨き維持することも大切な仕事の1つです。

利き手で鍼を刺し、反対側の手のひらで患者さんの身体を触診し状態を把握。手のセンサー感度を上げるために鍼灸師によっては指の皮膚が硬くならないように「手タレ」並みにケアをする先生もいます。

<鍼灸治療の有効性は無限大>

NIH(米国 国立衛生研究所)の見解では、以下の疾患に有効性が認められるとしています。

  • 神経系疾患:神経痛、神経麻痺、痙攣、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症、ノイローゼ、ヒステリー
  • 運動器系疾患:関節炎、リュウマチ、頚肩腕症候群、頚椎捻挫後遺症、五十肩、腱鞘炎、腰痛、外傷の後遺症(骨折、打撲、むち打ち、捻挫)
  • 循環器系疾患:心臓神経症、動脈硬化症、高血圧、低血圧、動悸、息切れ
  • 消化器系疾患:胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)、胆嚢炎、肝機能障害、肝炎、十二指腸潰瘍、痔疾
  • 代謝内分泌系疾患:バセドウ氏病、糖尿病、痛風、貧血
  • 生殖、泌尿器系疾患:膀胱炎、尿道炎、性機能障害、尿閉、腎炎、前立腺肥大、陰萎
  • 婦人科系疾患:更年期障害、乳腺炎、白帯下、生理痛、月経不順、冷え性、血の道、不妊
  • 耳鼻咽喉科系疾患:中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエール氏病、鼻出血、鼻炎、蓄膿症、咽喉頭炎、扁桃炎
  • 眼科系疾患:眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、かすみ目、ものもらい
  • 小児科疾患:小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)、小児喘息、アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善

*上記疾患のうち、神経痛、リュウマチ、頚肩腕症候群、頚椎捻挫後遺症、五十肩、腰痛は日本で鍼灸の健康保険の適用が認められています。

2-2 鍼灸師で成功する学校選び

現在、日本では鍼灸師になるための学校は大学が9校、専門学校は87校あります。

学校によって特色がかなり違うので、パンフレットを見るのはもちろんですが実際オープンキャンパスに参加し、先生や在学生と話し学校の雰囲気を自分の肌で感じると選びやすくなると思います。

例えば、鍼灸師の資格以外にスポーツトレーナーの資格やアロマコーディネートの資格や登録販売師の資格が取れる学校もあります。また中国の大学と提携していて専門学校卒業後に中国に留学し、中医鍼灸医師の学位をとることのできる学校などもあります。

社会人であれば、仕事後に通学しやすいかどうか。行事が多い学校もあるので、それが出席単位になるかどうか確認すると良いです。学園祭、進級試験や模試などは週末に行われることが多いです。

専門学校では、午前部・昼間部・夜間部があるので自分の通学しやすい時間帯を選ぶことが可能ですが、学校によって無い部もあるので確認が必要です。最近では夜間部が少なくなっています。

学費ですが、学校により差がありますし、同じ学校であっても昼間部と夜間部で違う場合もあります。学費以外に施設費・教科書代・鍼灸道具代・実習費が加算される場合が多いです。

<鍼灸師の資格が取れる大学・専門学校>

※学校名をクリックすると学校のホームページに移動します。

大学
関東地方 東京有明医療大学 〒135-0063
東京都江東区有明2丁目9番1号
TEL:03-6703-7000
帝京平成大学(池袋キャンパス) 〒170-8445
東京都豊島区東池袋2-51-4
TEL:03-5843-3111
中部地方 常葉大学 〒431-2102
静岡県浜松市北区都田町1230番地
TEL:053-428-3511
関西地方 鈴鹿医療科学大学 〒510-0293
三重県鈴鹿市岸岡町1001-1
TEL:059-383-8991
明治国際医療大学 〒629-0392
京都府南丹市日吉町保野田
TEL:0771-72-1183
関西医療大学 〒590-0482
大阪府泉南郡熊取町若葉 2-11-1
TEL:072-453-8251
森ノ宮医療大学 〒559-8611
大阪府大阪市住之江区南港北1-26-16
TEL:06-6616-6911
宝塚医療大学 〒666-0162
兵庫県宝塚市花屋敷緑ガ丘1
TEL:072-736-8600
中国地方 倉敷芸術科学大学 〒712-8505
岡山県倉敷市連島町西之浦2640番地
TEL:086-440-1111
九州地方 九州看護福祉大学 〒865-0062
熊本県玉名市富尾888番地
TEL:0968-75-1800
九州保健福祉大学 〒882-8508 
宮崎県延岡市吉野町1714-1
TEL:0982-23-5555
専門学校(87校のうち各地区抜粋)  
北海道 北海道鍼灸専門学校 〒063-0002
北海道札幌市西区山の手2条6丁目
TEL:011-642-5051
北海道メディカル・スポーツ専門学校 〒061-1373
北海道恵庭市恵み野北2-12-4
TEL:0123-36-5500
東北地区 赤門鍼灸柔整専門学校 〒980-0845
宮城県仙台市青葉区荒巻青葉33-1 
TEL:022-222-8349
 関東地区 関東鍼灸専門学校 〒261-0014
千葉県千葉市美浜区若葉2-9-2
TEL:043-273-5030
東洋鍼灸専門学校 〒169-0073
東京都新宿区百人町1-4-4
TEL:03-3209-5436
東京医療専門学校 〒160-0008
東京都新宿区三栄町3番地
TEL:03-3341-4043
呉竹鍼灸柔整専門学校 〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜2-7-24
TEL:045-471-3731
中部・北陸地区 金沢医療技術専門学校 〒920-0849
石川県金沢市堀川新町7番1号
TEL:076-263-1515
浜松医療福祉専門学校 〒430-0939
静岡県浜松市中区連尺町309-11
TEL:053-413-2008
中和医療専門学校 〒492-8251
愛知県稲沢市東緑町1-1-81
TEL:0587-23-5235
名古屋医専 〒450-0002
愛知県名古屋市中村区名駅4-27-1
TEL:052-582-3000
関西地区 京都仏眼鍼灸理療専門学校 〒605-0994
京都府京都市東山区一橋宮ノ内町7
TEL:075-551-6377
明治東洋医学院専門学校 〒564-0034
大阪府吹田市西御旅町7-53
TEL:06-6381-3811
森ノ宮医療学園専門学校 〒537-0022
大阪府大阪市東成区中本4-1-8
TEL:06-6976-6889
東洋医療専門学校  〒532-0004
大阪府大阪市淀川区西宮原1-5-35
TEL:06-6398-2255
中国地区 朝日医療専門学校岡山校  〒700-0028
岡山県岡山市北区絵図町1番40号
TEL:086-214-5214
四国地区 四国医療専門学校  〒769-0205
香川県綾歌郡宇多津町浜五番丁62-1
TEL:0877-41-2323
九州・沖縄地区 福岡医療専門学校 〒814-0005
福岡県福岡市早良区祖原3-1
TEL:092-833-6120 0120-04-2910
鹿児島鍼灸専門学校 〒890-0051
鹿児島県鹿児島市高麗町37-5
TEL:099-259-0615
沖縄統合医療学院 〒901-2132
沖縄県浦添市伊祖4-1-19
TEL:0120-873-104

「医道の日本社:大学・専門学校」より URL : https://www.idononippon.com/information/school/

2-3 専門学校と大学の差は卒業後が「専門士」か「学士」

鍼灸師7将来は治療家ではなく、鍼灸大学で教授になりたい!鍼灸に関する研究がしたい!もしくはやっぱり学歴でしょ!という人は大学を選ぶと良いと思います。治療家としての鍼灸師になりたいのであれば専門学校を勧めます。

専門学校で3年学んでも、大学で4年学んでも受験する国家試験は同じです。

ちなみに、鍼灸専門学校の教員になるには鍼灸師になった後、さらに教員養成課程で2年学び必要単位を取得し教育実習を終了するとなれます。教員養成課程を修了すると国家試験に関わる14科目全てを教えることができます。(得意不得意は別、自分の教えたい科目を担当できるとも限らない)

2-4 学校での学びは東洋医学だけでなく西洋医学も

一年次

意外かもしれませんが鍼灸専門学校での学びの半分は西洋医学領域です。

  • 西洋医学領域では、解剖学や生理学や衛生学など。しっかり人間の体と機能について学びます。骨や筋肉の名前も沢山あり大変!
  • 東洋医学領域では、東洋医学概論や経絡経穴(けいらくけいけつ)学(全身にあるツボは361個!)やはりきゅう理論、はりきゅう実技。東洋医学概論の教科書は中国で2千年以上前に成立した『黄帝内経(こうていだいけい)』という医学書の内容が元です。
  • その他には外国語(医療英語、中国語)などもあります。
二年次 

まだまだ西洋医学領域の勉強も続きます。

  • 西洋医学領域では、病理学、臨床医学総論、臨床医学各論など。どのように病気になるのか、各疾患の特徴などを学びます。
  • 東洋医学領域では、東洋医学概論、東洋医学臨床論、経絡経穴学、臨床はりきゅう実技など。
  • 二年次に中国の中医薬大学で解剖実習&鍼灸研修を行っている学校も少なくありません
三年次 国家試験と卒業後に向けて実践的な内容に。

  • 西洋医学領域では、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション学など。
  • 東洋医学領域では、臨床応用はりきゅう実技、臨床実習など。
  • 国家試験対策授業やOSCE(オスキー:客観的臨床能力試験)対策授業なども。
  • 学校によっては、正規授業以外に希望者にゼミを開催し授業では組み込めない内容や、鍼灸以外の学び(テーピングや美容関連や薬膳など)を無料で提供しているところもあります。

2-5 鍼灸国家試験の合格率は70%以上

国家試験は年1回のみ。毎年2月最終日曜日に開催されます。

マークシート方式で14科目160問。140問が共通問題で、最後の20問の内10問が「はり理論」、10問が「きゅう理論」。午前7科目、午後7科目。

科目数が多く、覚えることばかりで大変ですがボーダーラインは6割なので、専門学校での授業をしっかり受け期末試験をクリアしていればそんなに壁は高くないです。

もし残念ながら「はり師」や「きゅう師」のどちらか一方だけの合格の場合、次年度はまた全科目の再チャレンジとなります。浪人生の合格率は20~30%と一気に下がるので現役一発合格が必須となります。

3 鍼灸師としてのスタート

3-1 鍼灸師として一人前になるまでに6~10年!?

これはかなり個人差があります。専門学校の案内本には6~10年と書かれているものもありますが、すでに学生時代でかなりの差が生まれているのが現実です。

鍼灸業界には流派やグループにより様々な勉強会が存在するのですが、学生参加OKのものも多く学生の時から積極的に参加し、実技の練習を積んでいる人は知識も豊富で技術も高い傾向にあります。

経験がものをいう世界でもありますが、ただ年月を重ねている鍼灸師と日々患者さんとどのように接するかの目標を立てている鍼灸師とでは数年後は全く違うものになります。

これまで学生と接してきて感じたことは、センスの良し悪しはありますが最終的にはやはり努力がものを言います。いくら不器用であっても努力し続けてきた人は着実に力を付けていました。

3-2 開業するには法規に沿って進めよう

開業に関して色々と法律で規定されています。

施術所開設には、6.6㎡以上の専用の施術室、3.3㎡以上の待合室が必要。その他にも換気装置や消毒設備が必要になります。細かいことに関しては実は各都道府県の保健所の担当者によって若干差があることも…。

極端にいうと、鍼灸治療には鍼とお灸用の艾(もぐさ)があればできるので、場所と鍼灸道具があれば開業はできます。自宅兼で開業している先生も多く、家事と育児の合間の時間をうまく利用することも可能です。

鍼灸師には広告制限というのがあり、名前や住所や治療院名や施術曜日や予約制かどうなのかくらいしか広告を出せないように法律で定められています。違反すれば、もちろん罰則(30万円以下の罰金)があります。

この数十年でインターネットが普及しホームページを持っている治療院も増えていますが、現状に法律がついてきておらず、HPに関してはまだ法律が整備されていません。

4 日本の鍼灸師と本場中国の鍼灸師の違いとは?

日本の場合、専門学校での3年の学び国家試験を受験し合格すれば晴れて鍼灸師、大学で4年学ぶと学位は取得できますが鍼灸師は鍼灸師です。

中国の場合、中医薬大学で5年学び研修を終え中医師資格試験に合格すると中医鍼灸医師です。日本の短大や専門学校のような「大専」と呼ばれる高校卒業後3年制だと学位はなく鍼灸師です。

中国の中医薬大学での学ぶ基本内容は、「中医学基礎理論」「診断学」「中薬学」「方剤学」「中医内科学」「中医婦人科」「中医皮膚科」「中医小児科」「経絡学」「鍼灸学」など。その後それぞれの専門分野の学びに分かれます。

中医系の医師の専門分野は4つで、中薬で治療する中医師、鍼灸治療をする中医鍼灸医師、按摩など手技で治療する中医推拿(すいな)医師、気功で治療する中医気功医師があります。

2千年以上前の秦代から前漢時代に成立したと言われる中医学(日本では東洋医学ということが一般的)。自然哲学をベースに中国人の鋭い観察力と洞察力で完成した中医学の世界は広く、学べば学ぶほど奥が深いです。

中国の各地の気候風土の特徴により、東方では砭石(へんせき)(石の鍼、後の外科ナイフ)が発達、西方では薬草が発達、南方では鍼が発達、北方では灸が発達、中央では導引(どういん)(健康体操)・按摩が発達しました。

このように、中国の気功風土と中国人独自の感性などにより成立していった中医学を理解し、中医学的思考を身につけるには、やはり中国語を学んだ方が良いと思います。(使う言語により思考も変化することが研究でも分かっている)

東洋医学(中医学) 西洋医学
哲学的 科学的
総合的 分析的
全機的 局部的 
内科的 外科的 
対証的 対症的 
経験的 理論的 
衛生医学 予防医学 
個人医学 社会医学 
体質予防 細菌医学 
人体経験  動物実験 
液体病理学  細胞病理学
自覚症重視 他覚症重視 
天然生薬  化学薬品 

西洋医学がミクロ的なのに対し中医学はマクロ的で、悪い箇所だけを診ないで必ず全体とのバランスを診ています。 

5 活躍してきた鍼灸師、活躍している鍼灸師

御薗意斎(みそのいさい)(1557~1594) 打鍼(だしん)の祖。鉄針を金銀の針に換え小槌で針を皮膚に打ち込む方法をおこなった。
杉山和一(すぎやまわいち)(1610~1694) 盲人の鍼術教育を組織化。日本独自の管針術(かんしんじゅつ)を考案し、今日の日本の鍼術の基礎となった『杉山三部書』を残した。
菅沼周桂(すがぬましゅうけい)(1706~1764) 『鍼灸則』を著し、少数の穴(ツボ)を有効に用いることを重視。刺絡(しらく)(瀉血(しゃけつ))を奨励。 
柳谷素霊(やなぎやそれい)(1906~1959)  「医道の日本誌」創刊、「東洋鍼灸専門学校」創設。岡部素道(おかべそどう)、井上恵理(いのうえけいり)、本間祥白(ほんましょうはく)と古典鍼灸研究会を創設、「経絡治療(けいらくちりょう)」を体系化。 
井上恵理(いのうえけいり)(1903~1967)  古典鍼灸医術の研究と指導に生涯をかけた。井上流散鍼術を確立。19歳の時に結核を患い、鍼灸治療で回復したのをきっかけに東洋医学の道に入った。 
岡部素道(おかべそどう)(1907~1984)  経絡治療の創始者。日本鍼灸界の代表としてGHQと交渉し鍼灸禁止令を撤廃させ、近代鍼灸をつくり上げた。「日本経絡学会」を結成。 
澤田健(さわだけん)(1877~1938)  太極療法(たいきょくりょうほう)(澤田流)を提唱。柔道整復師・武道家でもある。 
赤羽幸兵衛(あかばねこうべえ)(1895~1983)  皮内鍼(ひないしん)の開発、灸頭鍼や皮内鍼法などを提唱。 
深谷伊三郎(ふかやいさぶろう)(1900~1974)   灸法を研究し、深谷灸法を確立。代表著書は『名家灸選釈義』
南谷旺伯(みなたにおうはく)(1941~)  旺針療所院長。井上恵理の内弟子。「井上流散鍼」に魅せらせ50年以上研鑽し「散ずる鍼」を追い続けている。臨床50年以上の技はまさに神業。 
藤本蓮風(ふじもとれんぷう)(1943~)  藤本漢祥院院長、北辰会代表。徹底的に問診をおこない1~2本しか刺鍼しないスタイル。著書は『針灸舌診アトラス』、『鍼の力』など。 
小林詔司(こばやししょうじ)(1942~)  積聚会会長。積聚治療では、病気とは体の芯が冷えて体が疲れ、その結果として具体的な症状が現れたものとしている。著書は『積聚治療』など。
谷岡賢徳(たにおかまさのり)(1940~)  大師流小児はりの三世。著書は『大師流小児鍼』。 
兵頭明(ひょうどうあきら)(1954~)  学校法人後藤学園中医学研究所所長。『針灸学』4部作[基礎篇][臨床篇][経穴篇][手技篇]共著・監修。認知症に対する鍼灸治療の取り組みに尽力。 
大浦慈観(おおうらじかん)(1955~)  はり・きゅう治療処路傍庵院長、「いやしの道」顧問。「杉山真伝流」の研究と実践。著書は『杉山真伝流臨床指南』『秘伝・杉山眞伝流』など。 
長野仁(ながのひとし)(1968~)  鍼灸鴻仁(はりきゅうこうじん)院長、北里大学東洋医学総合研究所客員研究員。2007年「鍼灸師の古医書研究」が京都大学人文科学研究協会賞を受賞。小児鍼・腹診研究の第一人者。著書は『日本腹診の源流―『意仲玄奥』の世界―』など。 
米山章子(よねやまあきこ)  ビックママ治療室院長、20年前より不妊専門治療院をスタート。2011年不妊カウンセリング学会 奨励賞受賞。著書は『不妊!大作戦』。 

 *活躍されてきた鍼灸師と活躍している鍼灸師はまだまだ沢山いらっしゃいますがほんの一部を紹介。
*日本全国で活躍されている先生が紹介されている『鍼灸の挑戦 』松田博公(岩波新書)

<番外編>鍼灸師が主役の数少ない小説
鷹野鍼灸院の事件簿 』川治和香(小学館文庫)

6 私の経験(鍼灸師になるきっかけから現在まで)

今回、記事を担当しました鍼灸師の佐々木友子(はりきゅうメリディアンケアサロンRuyi院長 ホームページ / Facebook)です。

プロフィール

鍼灸師3png19歳の時に2度のアキレス腱断裂を経験(1か月で2度!)し、退院後のつらい時に鍼灸治療を受けたのをきっかけに鍼灸師を目指す。

大学卒業後、専門書を原文で読めるようになりたいという想いから中国浙江省杭州へ語学留学、その後台湾台中で就業。

帰国後、北京中医薬大学日本校に入学。当時、最高レベルの教授陣から本場の中医学を中国語と日本語で学び国際中医師の資格を取得。

日本で就業できるように鍼灸専門学校へ、鍼灸師の資格を取得。その後鍼灸教員資格も 取得。

専門学校で、教員補助→非常勤講師→専任教員→非常勤講師として鍼灸師育成に携わる。

きっかけ

4png私の鍼灸治療デビューは5歳前後。当時よく中耳炎にかかり、鍼灸治療を受けていた父方の祖母に鍼灸がいいだろうとすすめてもらったのが最初。

痛いとか怖いという記憶は全くなく、先生が肌にあてた管をトントンと叩いた後、鍼がビヨーンと皮膚に刺さっていたのが不思議で揺らしたりしていました。何度かの通院で、中耳炎は完治。

その後、高校3年の部活引退後から肩こりになり、幼稚園の頃にお世話になった先生に地元の先生を紹介してもらい通院再開。

19歳の時にアルバイト中の事故によりアキレス腱が断裂。手術後3週間のころ実家に帰宅中にバランスを崩し、手術したアキレス腱の一部がまた断裂(涙)。3ヶ月間の入院で左足の筋肉は完全に落ち骨と皮だけに…。その後のリハビリは本当に大変でした。

退院後、松葉杖を用いての日常生活に戻るもアキレス腱の痛みが常にあり、週2回ほど鍼灸院に通院。鍼灸治療を受けると嘘のように痛みがなくなり、鍼灸治療の素晴らしさを、身をもって体感!

この時の経験により、苦しんでいる患者さんを治療する側になりたいと鍼灸師になることを決意しました。

学習記1

大学卒業後、大学の専攻が中国語だったのもあり、中医学の原書を読めるようになりたくて中国浙江省杭州市に語学留学。

中国では中医学の養生法などが生活に根付いており、中国語の生活の中でそれらを体感できたのは鍼灸師になってからも役立っています。

語学を学ぶのには現地で生活するのが早いと言われますが、やはり住むだけでは上達はせず1年勉強してもあまり話せないという留学生もいました。
適切かつ確実な学習方法で学ぶのが、語学習得の近道だと思います。

その後台湾での就業中、知り合いの中医学生の勉強会に参加させてもらったり、カルチャーセンターの中医学養生クラスに参加したりして中医学に触れ始めました。

台湾でも中医学の養生法は生活の一部であり、それを肌で感じながら生活できたのは良い経験でした。

台湾で中医薬大学への進学を希望するも、講義が中国語だけでなく台湾語も入ってくることから進学を断念し、北京中医薬大学日本校への進学に変更。

北京中医薬大学日本校では、北京本校からの一流の教授陣の講義を中国語で受けることができました。通訳付きの講義でしたが、教授がどんどん講義し細かいところまでは通訳されないこともあったので、中国語がある程度理解できたことは大きく、講義を中国語と日本語で聴くことができとても勉強になりました。

学習記2

鍼灸専門学校では、夜間部に所属。時間のない中、隙間勉強はうまくなりました(笑)。
専門学校での学びは半分が西洋医学分野。解剖学から始まり覚えることばかり。実技の授業ではひたすら鍼の片手挿管(かたてそうかん)とお灸(米粒大のもの)の練習で最初は腕がパンパンに。

東洋医学概論の授業は内容が物足りないものでしたが、先生の臨床経験などの話が豊富で中医学とはまた違った面白さはありました。

1年目から専門学校外での勉強会に参加するようになりました。とある中国人の先生の勉強会は漢方関連の講義もあり、鍼灸はとても実践的で楽しかったです。

3年目で国家試験勉強をするようになり、今まで解剖学や生理学が別々のもので理解していたのが点と点が繋がり線となり知識が広がっていくのを体感しとても楽しかったです。しかし暗記する量は多かったので、脳の記憶を圧縮しながら勉強していました。

修行記1

専門学校卒業後は、週の前半は治療院で週の後半は針灸整骨院で働いていました。

患者さんにかける時間が全然違っていたので最初は戸惑いましたが、今思えば両方を経験できたのは非常に良かったと思います。

鍼灸整骨院で鍼灸師は私一人だったので教えてもらうことはなく、専門学校や勉強会で学んだことを元に治療。今思うとレベルの低い治療ですが、その当時は精一杯やっていたと思います。

もう一方の治療院は院長が鍼灸師でしたが、鍼治療はせず整体とお灸で治療をしていました。院長の師匠が東洋医学を面白い角度から見ている方で、ここで望診や触診の基礎を徹底的に教わりました。

この頃、街中を歩いている時はいつも「この人の歩き方が変なのはどこが原因かな?」など常に人間ウォッチングをしていました。

この治療院で教わった、専門学校では習わないお灸が現在の私の治療の中心になっています。

講師になってからも休みの時は臨床の勉強に数年通い続けました。

修行記2

教員養成課程の夏休期間に治療院での80時間以上の研修というのがあり、以前から学びたかった先生の鍼灸院で研修をさせていただきました。

研修中は、お灸と先生が刺鍼したものを抜鍼するだけで、患者さんに鍼を打つことはさせてもらえませんでした。しかし、先生の患者さんとの会話や患者さんへの分かりやすい説明、また先生の治療を間近で見させてもらえたのは大変勉強になりました。

もちろん先生が、こういう理由でこの治療という説明をしてくれることはほとんどなく、自分で仮説を立てていくのがまた勉強でした。(技術は見て盗む!)

先生の治療院はベッドが3台あり、朝から晩までほとんど休憩なしでフル回転。休憩は決まった時間ではなく先生の指示で食事をとるのですが、忙しい時は10分ほどでかけ込んでいました。

この治療院よりハードな治療院はないと断言できるくらいでしたが、学びが多かったので講師になった後も週1で手伝いといいながら勉強させてもらいました。

修行記3

修行記2でお世話になった先生主催の勉強会の手伝いをずっとしていて、ある時その勉強会の特別講師として来られた先生の治療を体感しその素晴らしさに衝撃を受けました。

臨床歴50年以上の圧倒的な患者さんを診る目と技術力。失礼ながら、仙人のような先生はふっと消えてしまいそうな雰囲気もあり、今のうちに先生の技術を学ばせてもらわないと後悔すると思い、専任教員の勤務日数を減してまで週1で先生の勉強会に参加。ほんの1年でしたが、今まで疑問に思っていたことなどの答えが先生の話の中に沢山あり本当に勉強になりました。

技術の方はというと、とても繊細なものでなかなか習得したとまでは言えないレベルなので、また機会があれば是非学び直し訓練していきたいです!

開院記1

教員養成課程を卒業後、複数の専門学校で非常勤講師をしながら半年後に鍼灸院を開院。

今思えば、当時は開院したい想いが強く、あまり深く考えず勢いで開院してしまったなと。女性専門でやっていましたが、治療院をかまえた築40年ほどの雑居ビルは地下鉄の駅から徒歩1分と便利でしたが、お世辞にもキレイとはいえず隣の中国秘境専門の旅行社もかなりの怪しさ(笑)で、友人には「友達だから来るけど、普通なら来ない!」とまで言われてしまい、開院には周りの環境や物件もこだわらないといけないと痛感。

しかし、初めての自分の患者さんということで、今まで以上に患者さんの症状と向き合い必死で治療しました。

治療しても次に来院される時は元の状態という患者さんと接し、鍼灸治療だけでは解決しないことに直面し、NLP(神経言語プログラミング)を学び、患者さんの意識や行動の改善に活用してきました。

開院から2年、専門学校の専任教員にならないかと依頼が。かなり悩みましたが付属治療院で治療ができるというので引き受け、自分の治療院は閉院。

開院記2

専任教員として4年、付属治療院で治療をしているとはいえ主な仕事は教務。鍼灸師6勉強会に参加しているうちに臨床家としてやっていきたい気持ちが復活。専任教員を辞めることを決めた後に、勉強会で知り合った先生が治療院を辞めるので引き継いでくれる人を探しているとの話をもらい、これもご縁かと引き受け現在にいたります。

毎日、生後数ヶ月の乳幼児から80歳までの患者さんの様々な症状に向き合う日々。

中医学を学んだ時に、一生勉強!だと覚悟したけれど、同じ患者様でも来るたびに違う状態なので、自分の五感を総動員し、患者さんの自然治癒力が発動するように治療。日々、患者さんから学ばせてもらっています。

私は、日本で鍼灸師になる前に中国での留学と台湾の就業を経験し中国語を学んだおかげで中医学独特の世界観や中国語独自のニュアンスをより深く理解できたと思います。最近では中医学関連の翻訳本も多くなっていますがやはり原書の方が分かりやすい場合もあります。

専門学校で学べる東洋医学概論は中医学のほんの一部分でしかなく、本格的に中医学を学びたいのであれば専門学校以外で中医学と中国語を学ぶことをオススメします。
*北京中医薬大学日本校 https://www.jbucm.com/
*上海中医薬大学日本校 https://www.shutcm.ed.jp/

中医学の恩師である郭維琴(かくいきん)老師(循環器系中医師の二代目)がよくおしゃっていた、中医学は治療現場での「実践医学」、西洋医学は研究室での「実験医学」という言葉がとても印象に残っています。

7 まとめ

今回記事を書くにあたり、あらためて鍼灸師という資格と仕事について客観的にみることができました。

鍼灸業界には様々な流派や勉強会があり、鍼灸師によって考え方や治療法も千差万別。

私は20代前半で中医学の世界に飛び込み、その後鍼灸師となり今に至りますが学べば学ぶほどにこの世界は深まり、どんどんその面白さと難しさの虜になっています。

良いものだからこそ2千年以上にわたり脈々と受け継がれている鍼灸の世界。一人でも多くの方にその良さと素晴らしさを知ってもらい、享受してもらえたらと願っています。

記事をお読みいただきありがとうございました。

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